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公開番号2024151446
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023064766
出願日2023-04-12
発明の名称オニウム塩、レジスト組成物、及びパターン形成方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C07D 207/16 20060101AFI20241018BHJP(有機化学)
要約【課題】遠紫外線リソグラフィー及びEUVリソグラフィーにおいて、LWRや解像性に優れ、また、レジストパターンの倒れを抑制することができる化学増幅レジスト組成物、これに用いるオニウム塩、及び該レジスト組成物を用いるパターン形成方法を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表されるオニウム塩。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024151446000214.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">29</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">129</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(1)で表されるオニウム塩。
TIFF
2024151446000205.tif
25
109
(式中、n1は、0~6の整数である。n2は、0~3の整数である。n3は、1~4の整数である。
Wは、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数2~20の窒素原子含有脂肪族複素環である。

A
及びL
B
は、それぞれ独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、スルホン酸エステル結合、カーボネート結合又はカーバメート結合である。

L
は、単結合、又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~40のヒドロカルビレン基である。

1
は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基である。n1≧2のとき、複数のR
1
が、互いに結合してこれらが結合するW上の炭素原子と共に環を形成してもよい。

1
~Q
4
は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、炭素数1~6のヒドロカルビル基又は炭素数1~6のフッ素化ヒドロカルビル基である。ただし、Q
1
~Q
4
のうち少なくとも1つは、フッ素原子又は炭素数1~6のフッ素化ヒドロカルビル基である。また、Q
3
及びQ
4
が、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。

AL
は、酸不安定基である。

+
は、オニウムカチオンである。)
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】

AL
が、下記式(AL-1)又は(AL-2)で表される基である請求項1記載のオニウム塩。
TIFF
2024151446000206.tif
29
112
(式中、L
C
は、-O-又は-S-である。

2
、R
3
及びR
4
は、それぞれ独立に、炭素数1~10のヒドロカルビル基である。また、R
2
、R
3
及びR
4
のいずれか2つが、互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。

5
及びR
6
は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~10のヒドロカルビル基である。R
7
は、炭素数1~20のヒドロカルビル基であり、該ヒドロカルビル基の-CH
2
-が、-O-又は-S-に置換されていてもよい。また、R
6
及びR
7
が、互いに結合してこれらが結合する炭素原子及びL
C
と共に炭素数3~20の複素環基を形成してもよく、該複素環基の-CH
2
-が、-O-又は-S-に置換されていてもよい。
m1及びm2は、それぞれ独立に、0又は1である。
*は、隣接する-O-との結合手を表す。)
【請求項3】

+
が、下記式(cation-1)で表されるスルホニウムカチオン、下記式(cation-2)で表されるヨードニウムカチオン又は下記式(cation-3)で表されるアンモニウムカチオンである請求項1記載のオニウム塩。
TIFF
2024151446000207.tif
33
123
(式中、R
11
~R
19
は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~30のヒドロカルビル基である。また、R
11
及びR
12
が、互いに結合してこれらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。)
【請求項4】
下記式(1A)で表されるものである請求項1記載のオニウム塩。
TIFF
2024151446000208.tif
29
131
(式中、n1~n3、W、L
A
、X
L
、R
1
、Q
1
~Q
4
、R
AL
及びZ
+
は、前記と同じ。)
【請求項5】
下記式(1B)で表されるものである請求項4記載のオニウム塩。
TIFF
2024151446000209.tif
29
131
(式中、n1、W、L
A
、X
L
、R
1
、Q
1
~Q
3
、R
AL
及びZ
+
は、前記と同じ。)
【請求項6】
請求項1~5のいずれかのオニウム塩からなるクエンチャー。
【請求項7】
請求項6記載のクエンチャーを含むレジスト組成物。
【請求項8】
更に、有機溶剤を含む請求項7記載のレジスト組成物。
【請求項9】
下記式(a1)で表される繰り返し単位を含むベースポリマーを含む請求項7記載のレジスト組成物。
TIFF
2024151446000210.tif
30
52
(式中、R
A
は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。

1
は、単結合、フェニレン基、ナフチレン基又は*-C(=O)-O-X
11
-であり、該フェニレン基又はナフチレン基は、フッ素原子を含んでもよい炭素数1~10のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。X
11
は、炭素数1~10の飽和ヒドロカルビレン基、フェニレン基又はナフチレン基であり、飽和ヒドロカルビレン基は、ヒドロキシ基、エーテル結合、エステル結合又はラクトン環を含んでいてもよい。*は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。
AL
1
は、酸不安定基である。)
【請求項10】
前記ベースポリマーが、更に、下記式(a2)で表される繰り返し単位を含む請求項9記載のレジスト組成物。
TIFF
2024151446000211.tif
30
50
(式中、R
A
は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。

2
は、単結合又は*-C(=O)-O-である。*は、主鎖の炭素原子との結合手を表す。

21
は、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビル基、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~20のヒドロカルビルオキシ基、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数2~20のヒドロカルビルカルボニル基、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数2~20のヒドロカルビルカルボニルオキシ基又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数2~20のヒドロカルビルオキシカルボニル基である。
AL
2
は、酸不安定基である。
aは、0~4の整数である。)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オニウム塩、レジスト組成物、及びパターン形成方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が急速に進んでいる。5Gの高速通信と人工知能(artificial intelligence、AI)の普及が進み、これを処理するための高性能デバイスが必要とされているためである。最先端の微細化技術としては、波長13.5nmの極端紫外線(EUV)リソグラフィーによる5nmノードのデバイスの量産が行われている。更には、次世代の3nmノード、次次世代の2nmノードデバイスにおいてもEUVリソグラフィーを用いた検討が進められている。
【0003】
微細化の進行とともに酸の拡散による像のぼけが問題になっている。寸法サイズ45nm以降の微細パターンでの解像性を確保するためには、従来提案されている溶解コントラストの向上だけでなく、酸拡散の制御が重要であることが提案されている(非特許文献1)。しかしながら、化学増幅レジスト組成物は、酸の拡散によって感度とコントラストを上げているため、ポストエクスポージャーベーク(PEB)温度を下げたり、時間を短くしたりして酸拡散を極限まで抑えようとすると、感度とコントラストが著しく低下する。
【0004】
感度、解像度及びエッジラフネス(LER、LWR)のトライアングルトレードオフの関係が示されている。解像度を向上させるためには酸拡散を抑えることが必要であるが、酸拡散距離が短くなると感度が低下する。
【0005】
バルキーな酸が発生する酸発生剤を添加して酸拡散を抑えることは有効である。そこで、重合性不飽和結合を有するオニウム塩に由来する繰り返し単位をポリマーに含ませることが提案されている。このとき、ポリマーは、酸発生剤としても機能する(ポリマーバウンド型酸発生剤)。特許文献1には、特定のスルホン酸を発生する重合性不飽和結合を有するスルホニウム塩やヨードニウム塩が提案されている。特許文献2には、スルホン酸が主鎖に直結したスルホニウム塩が提案されている。
【0006】
感度、解像度及びエッジラフネスのトライアングルトレードオフの関係が示されている。解像度を向上させるためには酸拡散を抑えることが必要であるが、酸拡散距離が短くなると感度が低下する。
【0007】
また、クエンチャー(酸拡散制御剤)も種々の検討がなされてきた。クエンチャーとしては種々のアミン類が主に用いられているが、パターンの荒れの指標となるラインウィズスラフネス(LWR)や、パターン形状等において、改善すべき課題は多い。また、クエンチャーとして弱酸オニウム塩を用いた検討も報告されている。例えば、特許文献1には、沸点150℃以上のカルボン酸を発生する化合物を用いることでラフネスの小さいパターンを形成できると記載されている。特許文献2には、スルホン酸アンモニウム塩又はカルボン酸アンモニウム塩の添加により、感度、解像性、露光マージンが改善したことが記載されている。特許文献3には、フッ素原子含有カルボン酸を発生する光酸発生剤を含む組み合わせのKrF又は電子線(EB)リソグラフィー用レジスト組成物が、解像力に優れ、露光マージン、焦点深度等のプロセス許容性が改善されたと記載されている。特許文献4には、カルボン酸オニウム塩を含むArFエキシマレーザー露光用ポジ型感光性組成物が記載されている。特許文献5には、弱酸オニウム塩となるフルオロアルカンスルホンアミドのオニウム塩が記載されているが、これを用いた場合でも、ArFリソグラフィーやArF液浸リソグラフィーを用いる超微細加工が求められる世代においては、そのパターンの荒れ性を示すLWRや解像性は不足しており、クエンチャーとしての機能に優れる弱酸オニウム塩の更なる開発が望まれていた。また、特許文献6には、カルボン酸オニウム塩として、α,α-ジフルオロカルボン酸のオニウム塩が記載されている。これを用いた場合でも強酸とのプロトン交換後のカルボン酸の酸性度が十分低くないため、場合によっては酸発生剤としても働きうる。そのためクエンチャー能が低く、LWRや解像性が満足いくものではない。また、近年において開発が著しいEUVリソグラフィーにおいて、ArFリソグラフィーでは積極的に適用されていなかった芳香族カルボン酸オニウム塩を使用している例も報告されている。
【0008】
さらに、同一分子内に含窒素構造を含むカルボン酸オニウム塩も報告されている。特許文献7~9には含窒素複素環化合物であるインドールやインドリン、ピペリジンカルボン酸構造を有するカルボン酸オニウム塩が記載されており、特許文献10にはアミノ安息香酸構造を有するカルボン酸オニウム塩が記載されており、特許文献11にはアミド結合を有するカルボン酸オニウム塩が記載されている。これらもクエンチャーとして作用するものの、芳香族アミンやアミド結合は塩基性が高くはないため酸拡散制御能は十分ではなく、ピペリジンカルボン酸は水溶性が極めて高く、工業的に製造するには課題が多い。
【0009】
これらの一連の弱酸のオニウム塩は、露光によって他の光酸発生剤から生じた強酸(スルホン酸)が弱酸オニウム塩と交換し、弱酸及び強酸オニウム塩を形成することで酸性度の高い強酸(α,α-ジフルオロスルホン酸)から弱酸(アルカンスルホン酸、カルボン酸等)に置き換わることによって酸不安定基の酸脱離反応を抑制し、酸拡散距離を小さくする(制御する)ものであり、見かけ上クエンチャーとして機能する。しかしながら、より微細化が進んだ近年、特にEUVリソグラフィーにおいては、これらの弱酸オニウム塩を使用したレジスト組成物でも解像性、ラフネス、焦点深度等を満足できるものは得られていない。アルカンスルホン酸塩を用いた場合では、酸性度が十分低くないためにクエンチャー能が低く、カルボン酸塩においては、前記性能が不十分なだけではなく、親水性が高いことに由来してアルカリ現像液に対する親和性が高く、露光部へ現像液を呼び込むことで膨潤を引き起こす。特に微細なラインパターン形成においては、これらの膨潤によりレジストパターンの倒れが課題となっている。更なる微細化の要求に応えるためにも、感度が良好であり、酸拡散制御能に優れ、かつアルカリ現像液に由来する膨潤によるレジストパターンの倒れを抑制するクエンチャーの開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平11-125907号公報
特開平11-327143号公報
特開2001-281849号公報
特許第4226803号公報
特開2012-108447号公報
特開2015-54833号公報
特許第6217561号公報
特許第6874738号公報
特許第6512049号公報
特許第6323302号公報
国際公開第2019/087626号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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