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公開番号
2025023453
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-17
出願番号
2023127573
出願日
2023-08-04
発明の名称
Setothosea asignaに対して生理活性な組成物、これを含む防除用徐放性製剤及び防除方法
出願人
信越化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
A01N
35/02 20060101AFI20250207BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】
Setothosea
asigna
の誘引を長期間継続できる経済的な組成物等を提供する。
【解決手段】100質量部の(9E)-9-ドデセナール、1~40質量部の(9Z)-9-ドデセナール及び1~70質量部の(9E)-9,11-ドデカジエナールを少なくとも含む組成物を提供し、前記組成物と、前記組成物を担持又は収納し、少なくとも前記(9E)-9-ドデセナール、前記(9Z)-9-ドデセナール及び前記(9E)-9,11-ドデカジエナールを徐放するための担持体又は容器とを少なくとも含む
Setothosea
asigna
防除用徐放性製剤を提供し、前記徐放性製剤を圃場に設置して、少なくとも前記(9E)-9-ドデセナール、前記(9Z)-9-ドデセナール及び前記(9E)-9,11-ドデカジエナールを圃場に放出するステップを少なくとも含む
Setothosea
asigna
の防除方法を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
100質量部の(9E)-9-ドデセナール、
1~40質量部の(9Z)-9-ドデセナール、及び
1~70質量部の(9E)-9,11-ドデカジエナール
を少なくとも含む組成物。
続きを表示(約 390 文字)
【請求項2】
100質量部の(9E)-9-ドデセナール、1~40質量部の(9Z)-9-ドデセナール、及び1~70質量部の(9E)-9,11-ドデカジエナールを少なくとも含む組成物と、
前記組成物を担持又は収納し、少なくとも前記(9E)-9-ドデセナール、前記(9Z)-9-ドデセナール及び前記(9E)-9,11-ドデカジエナールを放出するための担持体又は容器と
を少なくとも含む
Setothosea
asigna
防除用徐放性製剤。
【請求項3】
請求項2に記載の徐放性製剤を圃場に設置して、少なくとも前記(9E)-9-ドデセナール、前記(9Z)-9-ドデセナール及び前記(9E)-9,11-ドデカジエナールを圃場に放出するステップを少なくとも含む
Setothosea
asigna
の防除方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、
Setothosea
asigna
に対して生理活性な組成物及びこれを含む防除用徐放性製剤に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
Nettle caterpillar(イラガ)(学名:
Setothosea
asigna
、以下、本学名で示す。)は、インドネシア、マレーシア等の東南アジアにおけるアブラヤシ(Oil Palm)の重要害虫である。本害虫が起こすヤシの葉の食害は、アブラヤシの収穫量を大きく下げてしまうことから、プランテーションにおいて大きな問題となっている。また、環境負荷低減やプランテーション内作業者の健康管理の観点から、使用できる殺虫剤に限りがあり、効果的な防除が難しくなっている。そこで近年、生物学的防除方法が注目されつつあり、その一つとして性フェロモン物質の利用による防除が期待されている。
【0003】
性フェロモン物質を利用した防除方法としては、フェロモン誘引剤で成虫を誘引し、一定の場所に集めて捕獲(捕殺)することで圃場内の害虫密度を低下させる大量誘殺法もしくは誘引殺虫法(Mass trapping or Attract and kill)、フェロモン誘引剤と忌避物質を使用して、害虫を一定方向へ移動させて捕獲(捕殺)することで圃場内の害虫密度を低下させるプッシュ-プル法(Push-pull)、フェロモン誘引剤で成虫を誘引し病原体に感染させた上で圃場へ放出し、圃場内で対象とする害虫に病原体を感染させることで害虫密度を低下させる誘引感染法(Attract and infect)、フェロモン剤を設置して圃場内で交尾相手を見つけられなくすることで次世代の害虫密度を低下させる交信かく乱法(Mating disruption)が挙げられる(非特許文献1)。
上記いずれの防除方法においても対象とする害虫を強力に長期間誘引できる誘引組成物が重要である。
【0004】
Setothosea
asigna
のフェロモン腺抽出及びGC-EAD(GC-electroantennographic detection:触角電位検出器付きガスクロマトグラフィー)による分析の結果、
Setothosea
asigna
のフェロモン候補化合物は、10-ウンデセナール、ドデカナール、(9E)-9-ドデセナール、(9Z)-9-ドデセナール、(9E)-9-ドデセノール、(9E)-9,11-ドデカジエナール及び(9E)-9,11-ドデカジエノールの7種類の化合物であることが報告された(非特許文献2)。さらに、圃場誘引試験により、(9E)-9-ドデセナールと(9E)-9,11-ドデカジエナールの質量比100:100混合組成物(即ち、各成分が等量含まれた混合組成物)を用いた場合は
Setothosea
asigna
を誘引することができ、一方で(9E)-9-ドデセナールと(9E)-9,11-ドデカジエナールの質量比100:10混合組成物を用いた場合は
Setothosea
asigna
を誘引できないことが明らかとなり、かつ、同文献中の試験においては(9E)-9-ドデセナールと(9E)-9,11-ドデカジエナール以外のフェロモン候補化合物は誘引に必須ではなく、誘引を増強する効果も認められなかったことから、(9E)-9-ドデセナール及び(9E)-9,11-ドデカジエナールのみが
Setothosea
asigna
の性フェロモンと特定された(非特許文献2)。
【0005】
このように、
Setothosea
asigna
の性フェロモンは、(9E)-9-ドデセナールと、末端共役アルカジエナール化合物の一つである(9E)-9,11-ドデカジエナールとの混合物であることが報告されており、(9Z)-9-ドデセナールは、不活性成分であることが示唆されている(非特許文献2)。
ここで、(9Z)-9-ドデセナールは、(9E)-9-ドデセナールの幾何異性体であり、
Setothosea
asigna
の類縁種
Setora
nitens
の性フェロモンである(非特許文献3)。
【0006】
ところで、フェロモン物質と構造が似ている化合物が当該フェロモン物質と同じ働きをするかは、虫毎に異なり、かえって阻害因子となる場合も報告されている。例えば、南米トマトの害虫であるTomato fruit borer(トマトフルーツボーラー:
Neoleucinodes
elegantalis
)の場合は、(11E)-11-ヘキサデセノールが性フェロモン主成分、(3Z,6Z,9Z)-3,6,9-トリコサトリエンが性フェロモン副成分であり、性フェロモン主成分(11E)-11-ヘキサデセノールの幾何異性体である(11Z)-11-ヘキサデセノールの添加は誘引数を大きく減少させることが報告されている(非特許文献4)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
B.S.Hansson(Ed.),Insect Olfaction,Chapter12“Applied Aspects of Insect Olfaction”,1999,352-377.
Yorianta Sasaerila et al.,J.Chem.Ecol.,1997,23(9):2187-2196.
Yorianta Sasaerila et al.,J.Chem.Ecol.,2000,26(8):1983-1990.
Aivle Cabrera,J.Chem.Ecol.,2001,27(10),2097.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献2の図3のExperiment1、2、7及び8によれば、圃場試験に用いた多数の誘引組成物のうち、生理活性成分として(9E)-9-ドデセナール及び(9E)-9,11-ドデカジエナールの質量比100:100混合組成物(即ち、各成分が等量含まれた混合組成物)が最も活性が高く、雄に対する誘引活性を確認できたものの、誘引数自体は3~15日間の試験で最大5頭と極めて少なく、誘引活性並びに誘引性評価試験そのものが十分とは言えなかった。さらに、著者も述べている通り、紫外線や空気中酸素の影響により性フェロモン成分が分解されて長期間の誘引を維持できないことが大きな課題であった。これは安定性がより低く高分子化が進行しやすい(9E)-9,11-ドデカジエナールを多量に用いているため、製剤表面で(9E)-9,11-ドデカジエナールが高分子化して、剤から放出されるフェロモン組成比が乱れることや、剤に高分子の膜が形成されることにより、揮発性のフェロモン化合物そのものが放出されにくくなることが原因と考えられる。
【0009】
Setothosea
asigna
は東南アジア地域において年間通して発生可能であるため、短期間しか効果が持続しない誘引組成物では頻繁に更新しなければならず、多大な労力が必要になる。さらに、短期間しか効果が持続しない誘引組成物では、使用中にライフが切れて誘引されていなかったということも起こり得るため、虫の発生消長を正確に把握することが難しくなり、時には防除のタイミングを逸するため甚大な農業被害を被ることもあり得る。また、(9E)-9-ドデセナールよりも製造に手間がかかるため高価である末端アルカジエナール化合物(9E)-9,11-ドデカジエナールを(9E)-9-ドデセナールと同等量用いる必要があるため経済的観点からも実用化に大きな問題があった。このため、誘引組成物の実用化に向けては、
Setothosea
asigna
による農業被害の甚大さも鑑み、長期間使用可能で経済的な誘引組成物及び製剤が強く望まれていた。
【0010】
長期放出を維持するためには、上記の様に不安定な化合物である(9E)-9,11-ドデカジエナールの添加量を減らすことが望ましい。すなわち、より安定な(9E)-9-ドデセナールの添加量を増やすことにより、不安定な(9E)-9,11-ドデカジエナールが(9E)-9-ドデセナールで希釈され安定化されることによって高分子化や高分子膜の生成を防ぎ長期放出を維持できると考えられる。しかしながら、非特許文献2にも記載されている通り、(9E)-9-ドデセナールに対する(9E)-9,11-ドデカジエナールの割合が低下すると誘引力そのものが低下し、目的の誘引能力を維持できないことが問題であった。
(【0011】以降は省略されています)
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