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公開番号2025025932
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023131198
出願日2023-08-10
発明の名称室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物及び物品
出願人国立大学法人 東京大学,信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類C08L 83/04 20060101AFI20250214BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】自己修復性を有するシリコーンゴム硬化物を与えることができる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供する。
【解決手段】(A)式(1)で示されるオルガノポリシロキサン:100質量部、
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2025025932000016.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">22</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">168</com:WidthMeasure> </com:Image> (式中、R1は独立に炭素数1~10の一価炭化水素基であり、R2は独立に水素原子又は炭素数1~6の非置換若しくは置換の一価炭化水素基であり、aは1~10の整数であり、bは1~200の整数である。x、yはそれぞれ1~50の整数であり、nは1~10の整数である。また、x、yが付された括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに配列されていてよい。)
(B)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1~40質量部、及び
(C)硬化触媒:0.01~10質量部
を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
(A)下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン:100質量部、
TIFF
2025025932000015.tif
22
168
(式中、R
1
は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、各R
1
は互いに同一であっても異種の基であってもよく、R
2
は水素原子又は炭素数1~6の非置換若しくは置換の一価炭化水素基であり、各R
2
は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは1~10の整数であり、bは1~200の整数である。x、yはそれぞれ1~50の整数であり、nは独立に1~10の整数である。また、x、yが付された括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに配列されていてよい。)
(B)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1~40質量部、及び
(C)硬化触媒:0.01~10質量部
を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
更に、(D)成分として、下記一般式(2)で示されるシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物を(A)成分100質量部に対して0.01~5質量部含むものである請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。

3

4
c
SiX
3-c
(2)
(式中、R
3
は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上のヘテロ原子を含む官能性基(但し、グアニジル基を除く)を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基である。R
4
は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは加水分解性基である。cは0、1又は2である。)
【請求項3】
更に、(E)成分として少なくとも1種の無機質充填剤を含むものである請求項1に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化してなる硬化物。
【請求項5】
請求項4に記載の硬化物を有する物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、室温(23℃±15℃)において大気中の湿気(水分)により加水分解・縮合反応にて架橋(硬化)する縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、特には、自己修復性を有するシリコーンゴム硬化物(エラストマー状オルガノポリシロキサン硬化物)を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、その硬化物(シリコーンゴム硬化物)及び該硬化物を有する各種物品等に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
室温で硬化してシリコーンゴムとなる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は従来から知られており、産業界で広く使用されてきた。室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が室温で硬化する機構には、ヒドロシリル化付加反応によって硬化する機構、紫外線によってラジカル硬化する機構、ケイ素原子に結合する加水分解性基と水酸基との縮合反応によって硬化する機構などが知られている。中でも、縮合反応により硬化する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、室温にて容易に硬化することができ、また、ヒドロシリル化付加反応などで発生する不純物による硬化阻害を起しにくいという利点を有する。そのため、車載ガスケットやシール材、建築用シーラント、電気・電子部品などの分野で幅広く使用されている。
【0003】
縮合反応により硬化する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物のシリコーンゴム硬化物は、シリコーン(シロキサン構造)由来の高い耐熱性、耐薬品性、耐候性を有している。一方で、シリコーンゴム自体が損傷したり、破断した際には、損傷した硬化物を取り除き、新しい組成物を塗布する必要があった。そのため、修理にかかる手間を削減したり、シール剤の長寿命化のため、自己修復性を有するシリコーンゴム硬化物が望まれている。
【0004】
自己修復性を有するポリマーとしては、ウレタンポリマー、ウレアポリマー、(非特許文献1、2)、アミド系ポリマー(特許文献1)などが知られている。これらはウレタン構造、ウレア構造、アミド構造などに由来する水素結合によって自己修復性(硬化物が損傷又は破断した際に、該損傷又は破断した部分同士を貼り合わせるなどの操作により接触面を形成することによって、時間の経過と共に自ら、所定の復元率で形状及び/又は物性が回復する性質)を付与する技術であるが、従来の硬化性シリコーンポリマー(オルガノポリシロキサン)には、自己修復性を発現し得るほど強い水素結合を発現するユニットを主鎖中に繰り返し構造として有するものはなかった。
【0005】
また、自己修復性を有するポリマーとして、チオウレア構造とシロキサン構造とを有する繰り返し単位と、チオウレア構造を有するシロキサン構造非含有の繰り返し単位とからなる固体状のランダム共重合体自身が自己修復性(所定温度下での圧着による引張応力の回復性)を発現することが報告されている(特許文献2)。しかしながら、特許文献2では、該ランダム共重合体をベースポリマーとして3次元的に架橋したゴム硬化物(エラストマー状の弾性体)が各種ゴム物性について自己修復性を発現できるかについては開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2021-091779号公報
国際公開第2023/085303号
【0007】
M. Hendrich, L. Lewerdomski, P. Vana. J. Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry. 53, 2809-2819 (2015).
E. D’Elia, S. Barg, N. Ni, V. G. Rocha, E. Saiz. Advanced Materials. 27, 4788-4794 (2015).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、主鎖中にチオウレア結合(チオウレア構造)を繰り返し有するオルガノポリシロキサンをベースポリマー(主剤)とし、該チオウレア結合(チオウレア構造)由来の強い水素結合により、自己修復性を有するシリコーンゴム硬化物を与えることができる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、及びこの組成物を硬化させることにより得られる自己修復性を有する硬化物(シリコーンゴム硬化物)並びに該硬化物を有する各種物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で示される、チオウレア結合(チオウレア構造)をポリマー主鎖中に繰り返し有する直鎖状ジオルガノポリシロキサンをベースポリマー(主剤)として含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、室温において高い自己修復性を示すシリコーンゴム硬化物を与えることを見出し、本発明をなすに至った。
TIFF
2025025932000001.tif
22
168
(式中、R
1
は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、各R
1
は互いに同一であっても異種の基であってもよく、R
2
は水素原子又は炭素数1~6の非置換若しくは置換の一価炭化水素基であり、各R
2
は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは1~10の整数であり、bは1~200の整数である。x、yはそれぞれ1~50の整数であり、nは独立に1~10の整数である。また、x、yが付された括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに配列されていてよい。)
【0010】
即ち、本発明は、下記の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、該組成物の硬化物及びその硬化物を有する各種物品(自動車用部品、自動車用オイルシール、電気・電子用部品、建築用構造物、土木工事用構造物、接着剤、シーリング材、ポッティング剤、コーティング剤など)を提供するものである。
[1]
(A)下記一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサン:100質量部、
TIFF
2025025932000002.tif
22
168
(式中、R
1
は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、各R
1
は互いに同一であっても異種の基であってもよく、R
2
は水素原子又は炭素数1~6の非置換若しくは置換の一価炭化水素基であり、各R
2
は互いに同一であっても異種の基であってもよい。aは1~10の整数であり、bは1~200の整数である。x、yはそれぞれ1~50の整数であり、nは独立に1~10の整数である。また、x、yが付された括弧内に示される各繰り返し単位はランダムに配列されていてよい。)
(B)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1~40質量部、及び
(C)硬化触媒:0.01~10質量部
を含有する室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[2]
更に、(D)成分として、下記一般式(2)で示されるシランカップリング剤及び/又はその部分加水分解縮合物を(A)成分100質量部に対して0.01~5質量部含むものである[1]に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。

3

4
c
SiX
3-c
(2)
(式中、R
3
は窒素原子、硫黄原子及び酸素原子から選ばれる1種以上のヘテロ原子を含む官能性基(但し、グアニジル基を除く)を少なくとも1個有する炭素数1~20の一価炭化水素基である。R
4
は炭素数1~10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、Xは加水分解性基である。cは0、1又は2である。)
[3]
更に、(E)成分として少なくとも1種の無機質充填剤を含むものである[1]又は[2]に記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[4]
[1]~[3]のいずれかに記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化してなる硬化物。
[5]
[4]に記載の硬化物を有する物品。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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