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公開番号2025002513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023102739
出願日2023-06-22
発明の名称生産性判定装置
出願人国立大学法人 東京大学,日本たばこ産業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G06Q 10/04 20230101AFI20241226BHJP(計算;計数)
要約【課題】 被験者の将来の生産性をより容易に推定可能な生産性判定装置を提供する。
【解決手段】 生体情報取得部14が、第2タスク(被験者Aが実際に実行しているタスク)を実行している被験者Aの心拍数を取得する。続いて、パラメータ推定部15が、取得した心拍数に基づき、認知モデル7が有する複数の認知パラメータのうちの特定の認知パラメータの値を推定する。続いて、モデル構築部16が、推定した特定の認知パラメータの値を用い、その値が設定された認知モデル7を構築する。続いて、行動予測部17が、構築した認知モデル7に基づき、被験者Aに連続N-back課題(第1タスク)を実行させた場合に被験者Aが取る行動(回答パターン)と正答率・誤答率を予測する。続いて、生産性予測部18が、予測した行動と仮想的にシミュレートされる正答率・誤答率に基づき、被験者Aが第2タスクの実行を継続した場合の将来の生産性を予測する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の認知パラメータを有し、且つ、予め定められた第1タスクを実行する人間の行動を規定する認知モデルを構築するモデル構築部と、
第2タスクを実行している前記被験者の生体情報を取得する生体情報取得部と、
前記生体情報取得部で取得した生体情報に基づき、前記認知モデルが有する複数の認知パラメータのうちの特定の認知パラメータの値を推定するパラメータ推定部と、
前記パラメータ推定部で推定した前記特定の認知パラメータの値を用いて前記モデル構築部によって構築された該値が設定された前記認知モデルに基づき、前記被験者に前記第1タスクを実行させた場合に前記被験者が取る行動を予測する行動予測部と、
前記行動予測部で予測した前記被験者が取る行動に基づき、前記被験者が前記第2タスクの実行を継続した場合の将来の生産性を予測する生産性予測部と、を備える
生産性判定装置。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記パラメータ推定部は、前記生体情報と前記特定の認知パラメータの値との関係を学習した機械学習モデルを用いて、前記生体情報取得部で取得した前記生体情報に基づき、前記特定の認知パラメータの値を推定する
請求項1に記載の生産性判定装置。
【請求項3】
前記生体情報は、心拍に関する情報、呼吸に関する情報、及び瞳孔径の少なくとも何れかである
請求項1に記載の生産性判定装置。
【請求項4】
前記特定の認知パラメータは、視覚刺激に影響されやすさWvisual、聴覚刺激に影響されやすさWaural及び脳内イメージに注意を向ける能力Wimaginalである
請求項1に記載の生産性判定装置。
【請求項5】
前記Wvisual、前記Waural及び前記Wimaginalが下記の式(1)に示す関係を有する
Wvisual/Waural≧k*Wimaginal ………(1)
請求項4に記載の生産性判定装置。
【請求項6】
前記生産性予測部で予測した前記将来の生産性に基づき、前記被験者が取るべき行動を特定して提示する推奨行動提示部を更に備える
請求項1に記載の生産性判定装置。
【請求項7】
前記生産性判定装置は、前記将来の生産性が予め定めた閾値以下であるかを判定し、前記閾値以下であると判定した場合に、前記被験者が取るべき行動は休憩であると特定する
請求項6に記載の生産性判定装置。
【請求項8】
前記パラメータ推定部で推定した前記特定の認知パラメータの値と予め定めた閾値とを比較して、前記被験者が取るべき行動を特定して提示する推奨行動提示部を更に備える
請求項1に記載の生産性判定装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生産性判定装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、例えば、業務管理者によって評価された従業員の生産性を、従業員の過去2週間の体調等、従業員の生産性の低下を示す情報に基づいて修正し、従業員の現在の生産性を推定する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の技術では、従業員の生産性の低下を示す情報は、従業員が一定期間ごとに入力するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2014/103248号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術は、従業員の生産性の低下を示す情報を従業員が一定期間ごとに手入力するため、生産性の推定に手間がかかるという問題があった。また、従業員の現在の生産性を推定できるものの、将来の生産性を予測することはできなかった。
本発明は、被験者の将来の生産性をより容易に推定可能な生産性判定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の生産性判定装置の一態様は、(a)複数の認知パラメータを有し、且つ、予め定められた第1タスクを実行する人間の行動を規定する認知モデルを構築するモデル構築部と、(b)第2タスクを実行している被験者の生体情報を取得する生体情報取得部と、(c)生体情報取得部で取得した生体情報に基づき、認知モデルが有する複数の認知パラメータのうちの特定の認知パラメータの値を推定するパラメータ推定部と、(d)パラメータ推定部で推定した特定の認知パラメータの値を用いてモデル構築部によって構築された値が設定された認知モデルに基づき、被験者に第1タスクを実行させた場合に被験者が取る行動を予測する行動予測部と、(e)行動予測部で予測した被験者が取る行動に基づき、被験者が第2タスクの実行を継続した場合の将来の生産性を予測する生産性予測部と、を備えることを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本実施形態に係る生産性判定装置の全体構成を示す図である。
連続N-back課題を示す図である。
Stroop課題を示す図である。
FluidIQ課題を示す図である。
生産性予測処理のフローチャートを示す図である。
Decay Rateと相関Rとの関係を示すグラフである。
Wauralと相関Rとの関係を示すグラフである。
Wvisualと相関Rとの関係を示すグラフである。
Wimaginal、Wvisual、Wauralパラメータ空間内の各パラメータ設定での相関R及び絶対誤差errorから算出された認知モデルの人間らしさを示すグラフである。
Wimaginal、Wvisual、Wauralパラメータ空間内の各パラメータ設定での相関R及び絶対誤差errorから算出された認知モデルの人間らしさを示すグラフである。
アプリのユーザインターフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の実施形態に係る生産性判定装置の一例を、図1~図7を参照しながら説明する。本開示の実施形態は以下の順序で説明する。なお、本開示は以下の例に限定されるものではない。また、本明細書に記載された効果は例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
1.生産性判定装置の全体構成
2.モデル導出処理
3.特定の認知パラメータ
4.変形例
【0008】
[1.生産性判定装置の全体構成]
本発明の実施形態に係る生産性判定装置1について説明する。
図1は、本実施形態に係る生産性判定装置1の全体構成を示す図である。図1の生産性判定装置1は、被験者Aの将来の生産性(特に頭脳労働生産性)を予測する装置である。
図1に示すように、生産性判定装置1は、測定装置2と、表示装置3と、装置本体4とを備えている。
測定装置2は、被験者Aの体に取り付けられ、被験者Aの生体情報を常時測定する装置である。生体情報としては、例えば、心拍に関する情報、呼吸に関する情報、及び瞳孔径の少なくとも何れかを採用できる。本実施形態では、生体情報として、心拍数を用いた場合について説明する。測定装置2としては、例えば、心拍数センサ付きのスマートウォッチを採用できる。生体情報の測定値(心拍数)は、装置本体4に順次出力される。
表示装置3は、装置本体4による各種の演算結果等を表示する装置である。表示装置3としては、例えば、液晶モニタ、CRT(Cathode Ray Tube)モニタを採用できる。
【0009】
装置本体4は、記憶装置5及びプロセッサ6等のハードウェア資源を備えている。
記憶装置5は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成される二次記憶装置である。記憶装置5は、プロセッサ6で実行可能なプログラムを記憶している。プログラムは、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等からなるリムーバブルメディアに記録して提供される。そして、プログラムは、リムーバブルメディアをドライブに装着することにより、記憶装置5にインストールすることができる。また、記憶装置5は、プログラムの実行に必要な各種データを記憶している。
【0010】
各種データとしては、例えば、認知モデル7が有する複数の認知パラメータのうちの特定の認知パラメータの値と、心拍数(生体情報)との関係を学習した機械学習モデル8が挙げられる。ここで、認知モデル7の形でヒトの認知機構をモデル化する際に設定する必要のあるパラメータを「認知パラメータ」と呼ぶ。認知パラメータの具体例としては、視認対象に対するattentionの強さ、working memoryの減衰度合い等が挙げられる。また、認知モデル7としては、例えば、予め定められたタスク(課題。以下、「第1タスク」とも呼ぶ)を実行する人間の行動(回答パターン)を規定するモデルが挙げられる。第1タスクとしては、例えば、連続N-back課題、Stroop課題、FluidIQ課題が挙げられる。FluidIQ課題は、レーヴン漸進的マトリックス課題とも呼ばれる。なお、「第1タスク」と区別するために、被験者Aが実際に実行しているタスクを、以下「第2タスク」と呼ぶ。
(【0011】以降は省略されています)

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