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公開番号
2024176255
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-19
出願番号
2023094683
出願日
2023-06-08
発明の名称
放射性物質アスタチン-211除去材
出願人
国立大学法人 東京大学
,
株式会社ワカイダ・エンジニアリング
,
東洋紡エムシー株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G21F
1/10 20060101AFI20241212BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】アスタチン-211を用いた薬剤を生成又は使用する際に室内に飛散したアスタチン-211を効率良く捕集して室内を清浄化するための除去材を提供する。
【解決手段】活性炭を主成分とする多孔質材料に1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン及びアルカリ金属ヨウ化物からなる群から選択される少なくとも1種の化学物質を担持させて構成されていることを特徴とする放射性物質アスタチン-211除去材。化学物質の担持量は活性炭1gあたり0.3×10
-3
~3.0×10
-3
molであることが好ましい。多孔質材料は、繊維直径10~25μmの繊維状活性炭であり、繊維状活性炭のBET法による比表面積が1000~2000m
2
/gであることが好ましい。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
活性炭を主成分とする多孔質材料に1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン及びアルカリ金属ヨウ化物からなる群から選択される少なくとも1種の化学物質を担持させて構成されていることを特徴とする放射性物質アスタチン-211除去材。
続きを表示(約 420 文字)
【請求項2】
多孔質材料における化学物質の担持量が活性炭1gあたり0.3×10
-3
~3.0×10
-3
molであることを特徴とする請求項1に記載の放射性物質アスタチン-211除去材。
【請求項3】
多孔質材料が繊維直径10~25μmの繊維状活性炭であり、繊維状活性炭のBET法による比表面積が1000~2000m
2
/gであることを特徴とする請求項2に記載の放射性物質アスタチン-211除去材。
【請求項4】
放射性物質アスタチン-211除去材の嵩密度が0.05~0.30g/cm
3
であることを特徴とする請求項3に記載の放射性物質アスタチン-211除去材。
【請求項5】
放射性物質アスタチン-211除去材が、厚み1.0~15mmのシート状物であることを特徴とする請求項4に記載の放射性物質アスタチン-211除去材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、捕集効率に優れた放射性物質アスタチン-211除去材に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、がん治療薬としてα線放出核種が注目されている。これらの放射線は、飛程が短いため、正常細胞への影響を小さくしながら、標的となるがん細胞のみを選択的に攻撃することができる。α線放出核種の中でも、半減期が短いアスタチン-211は、最も有望な放射性物質である。
【0003】
アスタチン-211を用いた薬剤は、ビスマス-209(
209
Bi)にサイクロトロンで発生したヘリウム-4(
4
He)を照射して作成される。具体的には、(
209
Bi(
4
He,2n)
211
At)の核反応によって得られる。この核反応では、アスタチン-211が生成される他に、種々の不純核種が生成される。従って、アスタチン-211を使用するためには、照射物からアスタチン-211のみを分離し、得られたアスタチン-211をエタノールで溶解してVバイアルに入れた後、エタノールを除いて固化し、使用する場所に運搬する。こうした分離作業やエタノールの取り扱い、また得られた試薬の取り扱いの際、アスタチン-211が空気中に飛散し、室内を汚染するおそれがある。また、この室内の空気を吸入した場合、深刻な内部被ばくの危険性がある。
【0004】
かかる問題に対処するため、アスタチン-211を生成する設備に系外への拡散防止のための排気フィルターを設けることが行なわれている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1では、アスタチン-211の捕集効率に優れたフィルターの構成や材料について何ら具体的な提案がなされていない。一方、特許文献2においては、同様のアスタチンの拡散防止のための排気フィルターとして無水硫酸ナトリウムや活性炭が使用されている。しかしながら、かかる構成のフィルターは、アスタチン-211の捕集効率が十分ではなく、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-92483号公報
再公表2019/176585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の従来技術の問題を解消するために創案されたものであり、その目的は、アスタチン-211を用いた薬剤を生成又は使用する際に室内に飛散したアスタチン-211を効率良く捕集して室内を清浄化するための除去材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、かかる目的を達成するためにアスタチン-211の捕集効率に優れた構成や材料について鋭意検討した結果、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン及びアルカリ金属ヨウ化物がアスタチン-211に対して高い吸着能力を示し、これらの化学物質のいずれかを、活性炭を主成分とする多孔質材料に好適な態様で担持させた除去材によって、アスタチン-211を高い捕集効率で除去できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0008】
即ち、本発明は、以下の(1)~(5)の構成を有するものである。
(1)活性炭を主成分とする多孔質材料に1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン及びアルカリ金属ヨウ化物からなる群から選択される少なくとも1種の化学物質を担持させて構成されていることを特徴とする放射性物質アスタチン-211除去材。
(2)多孔質材料における化学物質の担持量が活性炭1gあたり0.3×10
-3
~3.0×10
-3
molであることを特徴とする(1)に記載の放射性物質アスタチン-211除去材。
(3)多孔質材料が繊維直径10~25μmの繊維状活性炭であり、繊維状活性炭のBET法による比表面積が1000~2000m
2
/gであることを特徴とする(2)に記載の放射性物質アスタチン-211除去材。
(4)放射性物質アスタチン-211除去材の嵩密度が0.05~0.30g/cm
3
であることを特徴とする(3)に記載の放射性物質アスタチン-211除去材。
(5)放射性物質アスタチン-211除去材が、厚み1.0~15mmのシート状物であることを特徴とする(4)に記載の放射性物質アスタチン-211除去材。
【発明の効果】
【0009】
本発明の放射性物質アスタチン-211除去材は、アスタチン-211を生成または使用する室内や設備に設置することによってアスタチン-211を効果的に吸収して系内の濃度を低減し、安全な室内環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のアスタチン-211除去材を用いたプリーツフィルターの一例の概略図を示す。
本発明のアスタチン-211除去材を用いた場合の室内および排気ボックスの一例の概略図を示す。
実施例で使用したアスタチン-211捕集効率の評価装置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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