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公開番号
2025062445
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-14
出願番号
2023171532
出願日
2023-10-02
発明の名称
静脈置換用緩徐生分解性シルクフィブロイン人工血管
出願人
国立大学法人 東京大学
,
国立大学法人東京農工大学
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
A61L
27/50 20060101AFI20250407BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】静脈用人工血管を提供する。
【解決手段】管状の人工血管本体と、前記人工血管本体の外側を覆い補強する被覆層とを備え、前記人工血管本体はフィブロイン繊維構造体を含む、静脈用人工血管。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
管状の人工血管本体と、前記人工血管本体の外側を覆い補強する被覆層とを備え、前記人工血管本体はフィブロイン繊維構造体を含む、静脈用人工血管。
続きを表示(約 600 文字)
【請求項2】
前記人工血管本体は、フィブロイン繊維構造体内の空隙に生体適合性材料から構成される充填物を含む、請求項1に記載の静脈用人工血管。
【請求項3】
フィブロイン繊維構造体内の空隙に含まれる生体適合性材料から構成される充填物が多孔質体である、請求項2に記載の静脈用人工血管。
【請求項4】
前記人工血管の弾性率が、0.02~0.03N/mm
2
である、請求項1に記載の静脈用人工血管。
【請求項5】
前記被覆層が生体適合性材料を含むである、請求項1に記載の静脈用人工血管。
【請求項6】
前記被覆層が生体適合性材料の多孔質体である、請求項1に記載の静脈用人工血管。
【請求項7】
前記生体適合性材料がフィブロインである、請求項5又は6に記載の静脈用人工血管。
【請求項8】
静脈瘤もしくは狭窄静脈血管の置換術、腫瘍切除術に伴う静脈血管の置換術、閉塞した下肢静脈の血管バイパス術において、自己血管に置き換わるように使用する、請求項1に記載の静脈用人工血管。
【請求項9】
大型動物の静脈用である、請求項1に記載の静脈用人工血管。
【請求項10】
大型動物がヒトである、請求項9に記載の静脈用人工血管。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、静脈用人工血管に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)
【0002】
本発明で使用するフィブロインは絹由来のものであり、「SF(Silk Fibroin)」と略すことがある。
【背景技術】
【0003】
人工血管は、例えば、手術の際に一時的に血液の流路を確保する用途や病変血管の代替血管としての用途に用いられる。動脈用人工血管の素材として、ポリエステル、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)等の合成繊維が用いられている。
【0004】
ところが、ポリエステルやPTFEを用いた人工血管は、内径が6mm未満のいわゆる小口径人工血管の場合、開存率が著しく低くなるという欠点があり、実用化に至っていない。ここで、開存率とは、生体内に移植した場合の人工血管が開存している割合を意味する。すなわち、開存率が低いとは、人工血管が詰まり易いことを意味する。
【0005】
動脈は血流が速いために合成繊維製の人工血管であっても血栓は生じにくいが、静脈用の人工血管の場合、合成繊維を用いると移植後に閉塞する割合が高く、このため患者自身の静脈血管の移植が行われている。
【0006】
非特許文献1~8は、ラット又はイヌの動脈に対し、シルクフィブロイン(以下「SF」と略すことがある)製の糸の編成物にゼラチン、SFなどからなる薄いコーティング層を形成した人工血管を移植し、血管閉塞が生じなかったことを開示し、非特許文献9は、SF糸の編成物に薄いコーティング層を形成した人工血管をラットの静脈に移植し、血管閉塞が生じなかったことを開示している。さらに、特許文献1は、SF繊維束をダブルラッセル編みにて管状に編成した基部に、スポンジ状の被覆部を形成して製造した人工血管を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6146718号明細書
【非特許文献】
【0008】
JTCVS Open Volume 6, June 2021, Pages 148-156
Molecules 2021, 26, 4649
Organogenesis. 2020;16(1):1-13. doi: 10.1080/15476278.2019.1686295.
ACS Biomater. Sci. Eng. 2019, 5, 5561-5577
J Biomater Appl. 2018 Apr;32(9):1239-1252.
Organogenesis. 2015;11(3):137-51
J Artif Organs. 2017 Sep;20(3):221-229.
J. Mater. Chem. B, 2016, 4, 938-946
Scientific Reports volume 10, Article number: 21041 (2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、静脈用人工血管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来、動脈用の人工血管は多数存在していたが、静脈用の人工血管は開存率が時間経過とともに低下する問題があり、患者自身の静脈血管の移植が主として行われてきた。動物実験では、ラットのような小型動物、イヌのような大型動物の動脈に対しては、SF糸の繊維構造体に対し、繊維構造体の空隙にSFスポンジを形成するか、前記繊維構造体の外側にSFスポンジからなる薄い被覆層を形成した人工血管の有用性が知られていた(非特許文献1~8)。さらに、SF糸の繊維構造体に薄い被覆層を形成した人工血管は、ラットのような小型動物の静脈に移植したときには高い開存率を有していたが、本願比較例に示されるようにイヌのような大型動物の静脈に移植したときには、驚くべきことに開存率が大きく低下した。血圧の高い動脈であっても繊維構造体の空隙にSFスポンジを形成し、被覆層を設けなくても血液の漏出等の不具合が問題にならないので、静脈の場合にはより一層強度を向上させるための外側の被覆層は不要と予測されたが、SF糸の繊維構造体の外側に厚い被覆層を設けることで、開存率が向上することを見出し、本発明を完成した。
(【0011】以降は省略されています)
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