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公開番号2025035938
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2023149629
出願日2023-08-29
発明の名称皮膚外用剤
出願人香栄興業株式会社
代理人
主分類A61K 8/9789 20170101AFI20250306BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】老化細胞の生存にグルタミン代謝が関与されていることが知られており、老化細胞の除去または抑制による皮膚のシミ、シワ、タルミ等を改善または予防に、安全性、安定性、有効性の面で優れたグルタミナーゼ抑制作用を有する植物抽出物を配合した皮膚外用剤の提供。
【解決手段】オウレンの抽出物にグルタミナーゼ抑制作用を有することを見出した。本発明は上記の抽出物を有効成分とするグルタミナーゼ抑制剤として使用することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
オウレンの植物の抽出物を含有することを特徴とするグルタミナーゼ抑制剤。
続きを表示（約 55 文字）【請求項２】
請求項第１項に記載のグルタミナーゼ抑制剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。

発明の詳細な説明【発明の詳細な説明】
【】
【技術分野】
【０００１】
本発明品は、グルタミナーゼ抑制剤を含有した皮膚外用剤に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
細胞レベルの老化、すなわち細胞老化とは不可逆的な細胞分裂停止に陥った状態をいう。この状態の細胞を老化細胞と呼び、ＩＬ－１α、ＩＬ－６、ＩＬ－８といった炎症性サイトカイン、及びその他細胞外マトリックス分解酵素などを分泌し、老化関連分泌表現型（ＳｅｎｅｓｃｅｎｃｅＡｓｓｏｃｉａｔｅｄＳｅｃｒｅｔｏｒｙＰｈｅｎｏｍｅｎｏｎ：ＳＡＳＰ）を示す。老化細胞は、本来人間に備わっている免疫機能やアポトーシスにより除去される場合もあるが、加齢とともにその能力が低下し、除去されることなく皮膚および臓器に蓄積してしまう。その結果、周囲にある正常な細胞も慢性的な炎症にさらされ、加齢に伴うシミ、シワ、タルミといった皮膚老化の悩みから、動脈硬化やアルツハイマー型認知症といった加齢性疾患の原因となり得るため、老化や老化細胞の調節に関する研究が盛んとなっている。
【０００３】
特許文献１においては、生体内の老化細胞を除去する老化細胞除去剤として、グルタミンからグルタミン酸とアンモニアを生成する酵素グルタミナーゼ（ＧＬＳ１）の阻害剤が報告されている。また、非特許文献１では、老化細胞において、ＧＬＳ１のアイソフォームであるＫＧＡ発現が増加していること、ヒトの皮膚において、年齢とＫＧＡ発現に正の相関があること、老化細胞の生存にグルタミン酸代謝が関与しており、老化細胞の生存に必要不可欠であることも報告されている。これは、老化細胞が細胞内小器官の異常により細胞内ｐＨが低下すると、ＧＬＳ１の誘導によりアンモニアが生成され、細胞内ｐＨを中和することで生存を維持する機構が存在するためであると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
国際公開第２０２０／０９５９７１号公報
【０００５】
Ｙ．Ｊｏｈｍｕｒａら，Ｓｃｉｅｎｃｅ．，３７１（６５２６），２６５－２７０（２０２１）
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上記の先行技術があることから、グルタミナーゼ活性・発現を抑制する技術が求められている。本発明は、蓄積した老化細胞を除去するために、グルタミナーゼ活性や発現を抑制する、植物由来で生体に安全性の高い物質を含有する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、キンポウゲ科オウレン属オウレンＣｏｐｔｉｓｊａｐｏｎｉｃａ（Ｔｈｕｎｂ．）Ｍａｋｉｎｏ（Ｒａｎｕｎｃｕｌａｃｅａｅ）の抽出物が、グルタミナーゼ活性を抑制することに優れた有用な剤であることを確認した。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の皮膚外用剤は、オウレン抽出物がグルタミナーゼ活性を抑制することに優れているため、老化細胞を除去し、加齢に伴い蓄積する老化細胞によるシミ、シワ、タルミの改善・予防を図り、健康で若々しい肌を維持することが期待できる。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
植物の部位
本発明における植物の部位は、特に限定はなく、全草、地上部、葉、花、茎、根茎、種子、根、果実など適宜使用することができるが、望ましくは、キンポウゲ科オウレン属オウレンに関しては根茎が挙げられる。
【００１０】
抽出溶媒
本発明にあっては、抽出溶媒として、水、直鎖または分岐鎖を有する炭素数１～５の低級アルコール、直鎖または分岐鎖を有する炭素数１～５の低級エステル、直鎖または分岐鎖を有する炭素数１～５の低級アセトン、及びこれらの二種以上の混合物が使用される。直鎖または分岐鎖を有する炭素数１～５の低級アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、１，３－ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が好ましくは挙げられ、より好ましくは、メタノール、エタノールが挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数１～５の低級エステルの具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が好ましくは挙げられ、より好ましくは酢酸エチルが挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数１～５の低級アセトンとしては、メチルエチルケトン、アセトン等が好ましくは挙げられ、より好ましくはアセトンが挙げられる。本発明にあっては、溶媒で抽出した溶媒抽出物をそのまま使用する場合、安全性の観点も考慮し、これら溶媒の中でも食品としても使用されるものを選択し使用することが好ましく、より好ましくは水、エタノール及びこれらの混合物である。
（【００１１】以降は省略されています）

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