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公開番号2025042939
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-28
出願番号2023150150
出願日2023-09-15
発明の名称核酸アプタマー及び当該核酸アプタマーを含む骨再生誘導材
出願人国立大学法人 東京大学,ジェリクル株式会社,国立医薬品食品衛生研究所長
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12N 15/115 20100101AFI20250321BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】BMPに対して優れた結合能を有するNA-APを提供すること、及びそれを利用した骨再生の治療において異所性骨化のリスクを低減することを課題とする。
【解決手段】骨形成タンパク質(BMP)に対して特異的に結合することを特徴とする核酸アプタマー(NA-AP)であって、複数の特定の配列で示される塩基配列、及び、それらの塩基配列とそれぞれ80%以上の相同性を有する塩基配列からなる群から選択される、いずれか一つの塩基配列を有し、前記NA-APは、DNA又はRNAであり、前記NA-APがDNAの場合には、前記核酸配列におけるUがTに置換された配列である、NA-APを提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
骨形成タンパク質(BMP)に対して特異的に結合することを特徴とする核酸アプタマー(NA-AP)であって、配列番号1~3、3-1、3-2、3-3、3-4で示される塩基配列、及び、それらの塩基配列とそれぞれ80%以上の相同性を有する塩基配列からなる群から選択されるいずれか一つの塩基配列を有し、前記NA-APは、DNA又はRNAであり、前記NA-APがDNAの場合には、前記核酸配列におけるUがTに置換された配列である、NA-AP。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
配列番号1~3、3-1、3-2、3-3、3-4で示される塩基配列とそれぞれ90%以上の相同性を有する塩基配列からなる群から選択されるいずれか一つの塩基配列を有する、請求項1に記載のNA-AP。
【請求項3】
配列番号1~3、3-1、3-2、3-3、3-4で示される塩基配列とそれぞれ95%以上の相同性を有する塩基配列からなる群から選択されるいずれか一つの塩基配列を有する、請求項1に記載のNA-AP。
【請求項4】
前記NA-APが、以下の式(I)で示される配列:
5’-X-AAAAAGUAAUGUAGGAGUUCACUUU-Y-3’ (I)
(ここで、XとYは、いずれも、C、G、U、又はAから選択される1個以上のヌクレオチドである。)
を有する、
請求項1に記載のNA-AP。
【請求項5】
前記BMPが骨形成タンパク質2(BMP-2)である、請求項1に記載のNA-AP。
【請求項6】
前記BMP-2が、ヒトBMP-2である請求項5に記載のNA-AP。
【請求項7】
5’末端又は3’末端に、スルフヒドリル基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イミダゾール基、アルキニル基、アルデヒド基、アジド基、マレイミド基、N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)基、ペンタフルオロフェニルエステル基、ピリジルスルフィド基、α-ハロエステル基、α-ハロアミド基、ヒドラジド基、イソシアネート基、アリールアジド基、ジアジリン基、及びスルホスクシンイミジル基からなる群から選択される1つ以上の官能基を有する、請求項1に記載のNA-AP。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載のNA-APを含む、骨再生誘導材。
【請求項9】
前記NA-APが固定化された不溶性担体を含む、請求項8に記載の骨再生誘導材。
【請求項10】
前記不溶性担体がハイドロゲルである、請求項9に記載の骨再生誘導材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、BMPに対する結合能を有するNA-AP、及び当該NA-APを含む骨再生誘導材に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
BMPは、TGF-βスーパーファミリーに属する分泌型シグナル伝達分子である。BMPはもともと軟骨組織や骨形成の制御因子として発見され、少なくとも20種類が存在し、胚形成や組織・器官の形態形成において働くことが明らかになっている。
【0003】
現状、二つのBMP(BMP-2とBMP-7/OP-1)がアメリカ食品医薬品局(FDA)から承認されており、整形外科領域では特に前者の臨床応用が進んでいる。しかしながら、BMPは強い骨誘導能を有しており、水溶液として投与されると局所に滞留させることができないため、望まない場所に骨ができてしまう「異所性骨化」の問題が報告されている。
【0004】
かかる異所性骨化のリスクを低減させるためには、BMPを局所に留めておくための担体が必要となる。また、BMPの局所濃度を最大化するためには、BMPを選択的に捕捉できることが望ましい。そうしたタンパク質の選択的捕捉のための手段としては、近年、NA-APが注目されている(例えば、特許文献1)。タンパク質に対して特異的に結合する新規のアプタマー探索には、Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment(SELEX)法が有効な手段としてよく用いられる。しかしながら、これまでのところ、BMPに対して特異的に結合するNA-APの塩基配列に関する報告はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6914284号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、BMPに対して優れた結合能を有するNA-APを提供すること、及びそれを利用した骨再生治療におけるBMPの局所濃度向上による治療効果の向上と異所性骨化のリスク低減を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討の結果、BMPに対して特異的な結合能を有するNA-AP及び、当該NA-APをハイドロゲル中に担持させた骨再生誘導材を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は、一態様において、
<1>BMPに対して特異的に結合することを特徴とするNA-APであって、配列番号1~3、3-1、3-2、3-3、3-4で示される塩基配列、及び、それらの塩基配列とそれぞれ80%以上の相同性を有する塩基配列からなる群から選択されるいずれか一つの塩基配列を有し、前記NA-APは、DNA又はRNAであり、前記NA-APがDNAの場合には、前記核酸配列におけるUがTに置換された配列である、NA-AP;
<2>配列番号1~3、3-1、3-2、3-3、3-4で示される塩基配列とそれぞれ90%以上の相同性を有する塩基配列からなる群から選択されるいずれか一つの塩基配列を有する、上記<1>に記載のNA-AP;
<3>配列番号1~3、3-1、3-2、3-3、3-4で示される塩基配列とそれぞれ95%以上の相同性を有する塩基配列からなる群から選択されるいずれか一つの塩基配列を有する、上記<1>に記載のNA-AP;
<4>前記NA-APが、以下の式(I)で示される配列:
5’-X-AAAAAGUAAUGUAGGAGUUCACUUU-Y-3’ (I)
(ここで、XとYは、いずれも、C、G、U、又はAから選択される1個以上のヌクレオチドである。)を有する、上記<1>に記載のNA-AP;
<5>前記BMPがBMP-2である、上記<1>記載のNA-AP;
<6>前記BMP-2が、ヒトBMP-2である上記<5>に記載のNA-AP;及び
<7>5’末端又は3’末端に、スルフヒドリル基、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、イミダゾール基、アルキニル基、アルデヒド基、アジド基、マレイミド基、N-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)基、ペンタフルオロフェニルエステル基、ピリジルスルフィド基、α-ハロエステル基、α-ハロアミド基、ヒドラジド基、イソシアネート基、アリールアジド基、ジアジリン基、及びスルホスクシンイミジル基からなる群から選択される1つ以上の官能基を有する、上記<1>に記載のNA-AP
を提供するものである。
【0009】
別の態様において、本発明は、上記NA-APを含む骨再生誘導材及び組成物に関し、具体的には、
<8>上記<1>~<7>のいずれかに記載のNA-APを含む、骨再生誘導材;
<9>前記NA-APが固定化された不溶性担体を含む、上記<8>に記載の骨再生誘導材;
<10>前記不溶性担体がハイドロゲルである、上記<9>に記載の骨再生誘導材;
<11>前記ハイドロゲルが、ネットワーク成分としてポリエチレングリコール(PEG)を含む、上記<10>に記載の骨再生誘導材;
<12>上記<1>~<7>のいずれかに記載のNA-APと、ハイドロゲルとを含む組成物;及び
<13>前記ハイドロゲルが、ネットワーク成分としてポリエチレングリコール(PEG)を含む、上記<12>に記載の組成物。
を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかるNA-APは、BMPに対して優れた結合能を有し、骨再生の治療において異所性骨化のリスクを低減することができる。また、当該NA-APを特定のハイドロゲル中に担持させることで、患部のBMP滞留性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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