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公開番号
2025039086
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-21
出願番号
2023145929
出願日
2023-09-08
発明の名称
結晶構造解析用器具、及びその製造方法、並びに、標的分子の分子構造決定方法
出願人
国立大学法人 東京大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
23/20025 20180101AFI20250313BHJP(測定;試験)
要約
【課題】結晶スポンジ法による分子構造決定方法における一連の作業を、実験器具や手指を結晶構造解析試料に接触させることなく行うことを可能にし、かつ、一連の作業の完全自動化に寄与する結晶構造解析用器具とその製造方法、及び、標的分子の分子構造決定方法、を提供する。
【解決手段】単結晶保持具1a、2a、単結晶固定用液体1b、2b、及び1又は2以上の結晶構造解析試料1c、2cを有する結晶構造解析用器具1、2であって、単結晶保持具は、直接又は他の部品を介して結晶構造解析装置のゴニオメーターに固定され得る形状を有し、単結晶固定用液体は、流動性を喪失した状態で単結晶保持具の表面上に存在しており、結晶構造解析試料は、単結晶固定用液体に覆われた状態で単結晶保持具の表面に直接的又は間接的に固定されており、結晶構造解析試料は、規則的に配置された複数の標的分子収容空間を有する単結晶に標的分子を規則的に収容して成る。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
単結晶保持具、単結晶固定用液体、及び1又は2以上の結晶構造解析試料を有する結晶構造解析用器具であって、
前記単結晶保持具は、直接又は他の部品を介して、結晶構造解析装置のゴニオメーターに固定され得る形状を有するものであり、
前記単結晶固定用液体は、流動性を喪失した状態で前記単結晶保持具の表面上に存在しており、
前記結晶構造解析試料は、前記単結晶固定用液体に覆われた状態で、単結晶保持具の表面に直接的又は間接的に固定されており、
前記結晶構造解析試料は、規則的に配置された複数の標的分子収容空間を有する単結晶が、その標的分子収容空間に標的分子を規則的に収容して成るものである結晶構造解析用器具。
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
前記単結晶保持具の全体又は一部の形状が、多穴プレート状、皿状、板状又は薄膜状である、請求項1に記載の結晶構造解析用器具。
【請求項3】
前記単結晶保持具の全体又は一部が、ガラス製、樹脂製又はカーボン製である、請求項1に記載の結晶構造解析用器具。
【請求項4】
前記単結晶保持具表面上の単結晶固定用液体が、体積が0.01~500μLの液滴である、請求項1に記載の結晶構造解析用器具。
【請求項5】
前記単結晶保持具表面上の単結晶固定用液体の液滴の数が、1~500個である、請求項4に記載の結晶構造解析用器具。
【請求項6】
前記単結晶固定用液体の液滴1つに含まれる前記結晶構造解析試料の数が、1~1000個である、請求項4に記載の結晶構造解析用器具。
【請求項7】
前記結晶構造解析試料は、その結晶構造解析試料を収容し得る最小の直方体を仮想したときに、最も長い辺の長さが500μm以下のものである、請求項1に記載の結晶構造解析用器具。
【請求項8】
前記単結晶が、前記単結晶保持具の表面で成長したものである、請求項1に記載の結晶構造解析用器具。
【請求項9】
前記単結晶が、多核金属錯体の結晶である、請求項1に記載の結晶構造解析用器具。
【請求項10】
前記単結晶保持具が、樹脂製多穴プレートであり、
前記結晶構造解析試料は、その結晶構造解析試料を収容し得る最小の直方体を仮想したときに、最も長い辺の長さが100μm以下のものである、請求項1に記載の結晶構造解析用器具。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶構造解析用器具、及びその製造方法、並びに、標的分子の分子構造決定方法に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、信頼性の高い分子構造決定方法の1つとして、単結晶X線回折法等の単結晶構造解析法が知られている。しかしながら、単結晶構造解析法においては、良質の単結晶を測定試料として用いる必要があるため、未知の化合物や結晶化し難い化合物等の結晶構造解析を行う場合、測定試料の作製に多くの時間と労力を要することがあった。
【0003】
この問題を解決する方法として、多孔性高分子化合物の単結晶を利用する方法が知られている。
例えば、特許文献1には、高分子錯体の単結晶の細孔内に解析対象化合物の分子を規則正しく配列させ、得られたゲスト分子包接体を測定試料として用いて結晶構造解析を行う方法(いわゆる、「結晶スポンジ法による分子構造決定方法」)等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2014/038220号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1は、結晶スポンジ法により解析対象化合物の分子(以下、「解析対象化合物の分子」を「標的分子」と記載することがある。)の分子構造を決定する際の手順の一例を簡潔に表した図である。
この例では、まず、図1(a)、(b)に示すように、高分子錯体の原料溶液を調製し、これを静置して高分子錯体の単結晶を析出させる。
次いで、図1(c)、(d)に示すように、得られた単結晶の一部をピペット等で溶液ごと吸い取り、単結晶を標的分子が溶解した溶液が入った容器に移し、単結晶を標的分子が溶解した溶液に浸漬させる。
次いで、図1(e)に示すように、標的分子が溶解した溶液を濃縮しつつ、標的分子を単結晶内に取り込ませる。
次いで、図1(f)、(g)に示すように、標的分子を取り込んだ単結晶を、接着剤等を用いてガラス棒の先端に固定したり、キャピラリーに詰めて固定したり、サンプルループに固定したりした後、単結晶を結晶構造解析装置に設置して測定を行う。
【0006】
このように、従来の方法においては、ピペット等で単結晶を移動させる作業や結晶構造解析を行う前に単結晶を固定する作業等、実験器具や手指が単結晶に直接接触する作業が必要であり、その際に単結晶を劣化させるおそれがあった。
また、構造解析をより効率よく行うためには、結晶スポンジ法による分子構造決定方法における一連の作業を完全自動化することが望まれるが、単結晶は非常に脆い場合があり、上記のような実験器具等が単結晶に直接接触する作業の機械化は困難であった。
【0007】
本発明はこれらの問題を解決するものであり、結晶スポンジ法による分子構造決定方法における一連の作業を、実験器具や手指を結晶構造解析試料(及び、その前駆体である単結晶)に接触させることなく行うことを可能にし、かつ、前記一連の作業の完全自動化に寄与する結晶構造解析用器具とその製造方法、及び、標的分子の分子構造決定方法、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、結晶スポンジ法による分子構造決定方法における一連の作業について鋭意検討した。
その結果、結晶構造解析装置のゴニオメーターに固定され得る形状を有する単結晶保持具と、結晶構造解析試料(及び、その前駆体である単結晶)の固定剤又は固定助剤として機能する単結晶固定用液体とを用いることにより、目的の特性を有する結晶構造解析用器具が効率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
かくして本発明によれば、下記〔1〕~〔10〕の結晶構造解析用器具、〔11〕~〔13〕の結晶構造解析用器具の製造方法、及び〔14〕、〔15〕の標的分子の分子構造決定方法が提供される。
【0010】
〔1〕単結晶保持具、単結晶固定用液体、及び1又は2以上の結晶構造解析試料を有する結晶構造解析用器具であって、前記単結晶保持具は、直接又は他の部品を介して、結晶構造解析装置のゴニオメーターに固定され得る形状を有するものであり、前記単結晶固定用液体は、流動性を喪失した状態で前記単結晶保持具の表面上に存在しており、前記結晶構造解析試料は、前記単結晶固定用液体に覆われた状態で、単結晶保持具の表面に直接的又は間接的に固定されており、前記結晶構造解析試料は、規則的に配置された複数の標的分子収容空間を有する単結晶が、その標的分子収容空間に標的分子を規則的に収容して成るものである結晶構造解析用器具。
〔2〕前記単結晶保持具の全体又は一部の形状が、多穴プレート状、皿状、板状又は薄膜状である、〔1〕に記載の結晶構造解析用器具。
〔3〕前記単結晶保持具の全体又は一部が、ガラス製、樹脂製又はカーボン製である、〔1〕又は〔2〕に記載の結晶構造解析用器具。
〔4〕前記単結晶保持具表面上の単結晶固定用液体が、体積が0.01~500μLの液滴である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の結晶構造解析用器具。
〔5〕前記単結晶保持具表面上の単結晶固定用液体の液滴の数が、1~500個である、〔4〕に記載の結晶構造解析用器具。
〔6〕前記単結晶固定用液体の液滴1つに含まれる前記結晶構造解析試料の数が、1~1000個である、〔4〕又は〔5〕に記載の結晶構造解析用器具。
〔7〕前記結晶構造解析試料は、その結晶構造解析試料を収容し得る最小の直方体を仮想したときに、最も長い辺の長さが500μm以下のものである、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の結晶構造解析用器具。
〔8〕前記単結晶が、前記単結晶保持具の表面で成長したものである、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の結晶構造解析用器具。
〔9〕前記単結晶が、多核金属錯体の結晶である、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の結晶構造解析用器具。
〔10〕前記単結晶保持具が、樹脂製多穴プレートであり、前記結晶構造解析試料は、その結晶構造解析試料を収容し得る最小の直方体を仮想したときに、最も長い辺の長さが100μm以下のものである、〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の結晶構造解析用器具。
〔11〕前記〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の結晶構造解析用器具の製造方法であって、単結晶保持具に単結晶調製用溶液を接触させ、前記単結晶保持具の表面に単結晶を析出させるステップ(ステップa)、ステップaで析出した単結晶に単結晶固定用液体を接触させるステップ(ステップb)、及び単結晶保持具上の単結晶に標的分子を接触させ、前記単結晶の標的分子収容空間に標的分子を規則的に収容させるステップ(ステップc)、を有する、結晶構造解析用器具の製造方法。
〔12〕単結晶固定用液体と標的分子とを含有する液体を使用して、ステップbとステップcとを同時に行うことを特徴とする、〔11〕に記載の結晶構造解析用器具の製造方法。
〔13〕実験器具又は手指が、単結晶と結晶構造解析試料のいずれにも接触することなくステップa、ステップb、及びステップcを行なうことを特徴とする、〔11〕又は〔12〕に記載の結晶構造解析用器具の製造方法。
〔14〕前記〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の結晶構造解析用器具を用いて、結晶構造解析法により標的分子の分子構造を決定する方法であって、実験器具又は手指が、結晶構造解析用器具を構成する結晶構造解析試料に接触することなく、前記結晶構造解析試料を結晶構造解析装置に設置することを特徴とする、標的分子の分子構造決定方法。
〔15〕結晶構造解析法により、標的分子の分子構造を決定する方法であって、下記のステップ1及びステップ2を有する、標的分子の分子構造決定方法。
〔ステップ1〕
前記〔10〕に記載の結晶構造解析用器具を構成する結晶構造解析試料に、放射光X線を照射し、回折強度データを収集するステップ
〔ステップ2〕
前記ステップ1を、複数の結晶構造解析試料に対して行い、集められた回折強度データを基に、標的分子の分子構造を決定するステップ
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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