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公開番号2025043114
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-28
出願番号2023150442
出願日2023-09-15
発明の名称ラマン分光信号増強ナノ粒子、ラマン分光信号増強ナノ粒子分散液及びラマン分光信号増強ナノ粒子の製造方法
出願人国立大学法人 東京大学
代理人個人,個人
主分類G01N 21/65 20060101AFI20250321BHJP(測定;試験)
要約【課題】ラマン散乱光の増強効果の再現性が高いラマン分光信号増強ナノ粒子、ラマン分光信号増強ナノ粒子分散液及びラマン分光信号増強ナノ粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】フェリシアン化物イオン([Fe(CN)6]3-)の塩酸溶液と、2価の銅イオン(Cu2+イオン、銅(II)イオン)の塩酸溶液と、を混合した混合液を80℃で24時間加熱して銅置換プルシアンブルー類似体の塩酸分散液を得る工程と、銅置換プルシアンブルー類似体の塩酸分散液を乾燥させて銅置換プルシアンブルー類似体の粉末を得る工程と、により製造された、銅置換プルシアンブルー類似体で構成され、粒径が10~100nmであるナノ粒子であって、ナノ粒子表面にラマン分光法の測定対象物質が吸着した状態で、光源から照射された光の測定対象物質からのラマン散乱光を増強する、ラマン分光信号増強ナノ粒子。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
銅置換プルシアンブルー類似体で構成され、粒径が10~100nmであるナノ粒子であって、
前記ナノ粒子表面にラマン分光法の測定対象物質が吸着した状態で、光源から照射された光の前記測定対象物質からのラマン散乱光を増強する、ラマン分光信号増強ナノ粒子。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記ナノ粒子を構成する銅置換プルシアンブルー類似体が、前記ナノ粒子表面に吸着した測定対象物質に電荷移動を生じさせる原子団を含む、請求項1に記載のラマン分光信号増強ナノ粒子。
【請求項3】
前記原子団が炭素と炭素、炭素と窒素及び炭素と酸素の結合を含む原子団である、請求項2に記載のラマン分光信号増強ナノ粒子。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のラマン分光信号増強ナノ粒子が、分散媒に分散されている、ラマン分光信号増強ナノ粒子分散液。
【請求項5】
フェリシアン化物イオン([Fe(CN)


3-
)の塩酸溶液と、2価の銅イオン(Cu
2+
イオン、銅(II)イオン)の塩酸溶液と、を混合した混合液を80℃で24時間加熱して銅置換プルシアンブルー類似体の塩酸分散液を得る工程と、
前記銅置換プルシアンブルー類似体の塩酸分散液を乾燥させて銅置換プルシアンブルー類似体の粉末を得る工程と、
を含む、ラマン分光信号増強ナノ粒子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ラマン分光信号増強ナノ粒子、ラマン分光信号増強ナノ粒子分散液、ラマン散乱光測定用滴下基板及びラマン分光信号増強ナノ粒子の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
ラマン分光法は、物質の化学的、構造的情報の取得や応力、温度、電気特性、配向・結晶性などの様々な物性等の測定に使用されている。
【0003】
一方、ラマン分光法は、ラマン散乱強度がレイリー散乱の百万分の一程度と非常に微弱であることから、感度が低いという問題があった。このため、ラマン散乱光を増強し、ラマン分光法の感度を向上させる表面増強ラマン分光法(SERS)が知られている。例えば、下記特許文献1、特許文献2には、金属ナノ構造を使用したラマン散乱光を増強するSERSが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6196159号公報
特許第6429318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、金属を用いたSERSの場合、ラマン散乱光の増強効果の再現性が低いという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、ラマン散乱光の増強効果の再現性が高いラマン分光信号増強ナノ粒子、ラマン分光信号増強ナノ粒子分散液及びラマン分光信号増強ナノ粒子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の実施態様を含む。
[1]銅置換プルシアンブルー類似体で構成され、粒径が10~100nmであるナノ粒子であって、前記ナノ粒子表面にラマン分光法の測定対象物質が吸着した状態で、光源から照射された光の前記測定対象物質からのラマン散乱光を増強する、ラマン分光信号増強ナノ粒子。
[2]前記ナノ粒子を構成する銅置換プルシアンブルー類似体が、前記ナノ粒子表面に吸着した測定対象物質に電荷移動を生じさせる原子団を含む、[1]に記載のラマン分光信号増強ナノ粒子。
[3]前記原子団が炭素と炭素、炭素と窒素及び炭素と酸素の結合を含む原子団である、[2]に記載のラマン分光信号増強ナノ粒子。
[4][1]から[3]のいずれか一に記載のラマン分光信号増強ナノ粒子が、分散媒に分散されている、ラマン分光信号増強ナノ粒子分散液。
[5]フェリシアン化物イオン([Fe(CN)


3-
)の塩酸溶液と、2価の銅イオン(Cu
2+
イオン、銅(II)イオン)の塩酸溶液と、を混合した混合液を80℃で24時間加熱して銅置換プルシアンブルー類似体の塩酸分散液を得る工程と、前記銅置換プルシアンブルー類似体の塩酸分散液を乾燥させて銅置換プルシアンブルー類似体の粉末を得る工程と、を含む、ラマン分光信号増強ナノ粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ラマン散乱光の増強効果の再現性が高いラマン分光信号増強ナノ粒子、ラマン分光信号増強ナノ粒子分散液及びラマン分光信号増強ナノ粒子の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態にかかるラマン分光信号増強ナノ粒子の動作例を示す図である。
実施例にかかるラマン分光信号増強ナノ粒子としての銅置換プルシアンブルー類似体の粉末をEDSにて線分析した結果を示す図である。
実施例にかかるラマン分光信号増強ナノ粒子の結合エネルギーの測定結果を示す図である。
実施例にかかるラマン分光信号増強ナノ粒子のラマン散乱光の増強度の測定結果を示す図である。
測定対象物質であるR6Gの濃度を変えて測定したラマン散乱光の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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