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公開番号
2024148066
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-17
出願番号
2023060971
出願日
2023-04-04
発明の名称
軸受
出願人
学校法人 関西大学
代理人
弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
主分類
F16C
33/76 20060101AFI20241009BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】グリースの漏出を防止する。
【解決手段】軸受(1)は、内輪(21)と、内輪と中心軸を共有する外輪(31)と、内輪に固定された第1密封部(22)と、外輪に固定され、第1密封部よりも内側に位置する第2密封部(32)と、第1密封部および第2密封部の間の空間に封入されたグリース(51)と、第1密封部における端部に形成された第1漏出防止層(23)と、外輪における、少なくとも第1漏出防止層に対向した領域に形成された第2漏出防止層(33)と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
第1輪と、
前記第1輪と中心軸を共有する第2輪と、
前記第1輪に固定された第1密封部と、
前記第2輪に固定され、前記第1密封部に対向する領域を有し、前記第1密封部よりも内側に位置する第2密封部と、
前記第1密封部および前記第2密封部の間に封入されたグリースと、
前記第1密封部の端部に形成された第1漏出防止層と、
前記第2輪における、少なくとも前記第1漏出防止層に対向した領域に形成された第2漏出防止層と、を備える軸受。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
前記第2輪の、前記第1漏出防止層に対向した領域を含む面のうち、前記第1漏出防止層に対向した領域より内側の領域には、前記第2漏出防止層が形成されていない領域を含む、請求項1に記載の軸受。
【請求項3】
前記第2密封部の端部に形成された第3漏出防止層と、
前記第1輪における、少なくとも前記第3漏出防止層に対向した領域に形成された第4漏出防止層と、をさらに備える請求項1または2に記載の軸受。
【請求項4】
前記第1輪の、前記第3漏出防止層に対向した領域を含む面のうち、前記第3漏出防止層に対向した領域より外側の領域には、前記第4漏出防止層が形成されていない領域を含む、請求項3に記載の軸受。
【請求項5】
前記第2漏出防止層は接着剤が硬化した層である、請求項1に記載の軸受。
【請求項6】
前記第1密封部および前記第2密封部は導体であり、
前記グリースは導電性を有している、請求項1に記載の軸受。
【請求項7】
前記第1漏出防止層および前記第2漏出防止層は絶縁体である、請求項1に記載の軸受。
【請求項8】
前記グリースが炭化水素系基油を含み、前記第1漏出防止層および前記第2漏出防止層はフッ素系コーティング材を含み、またはシリコーン系コーティング材を含む、あるいは、
前記グリースがフッ素系基油またはシリコーン系基油を含み、前記第1漏出防止層および前記第2漏出防止層は炭化水素系コーティング材を含む、請求項1に記載の軸受。
【請求項9】
前記第1漏出防止層と前記第2漏出防止層とは、互いに離れている、請求項1に記載の軸受。
【請求項10】
前記第1密封部における、前記第1密封部および前記第2密封部が対向した領域に、分割された第1導電性パターンを有し、
前記第2密封部における、前記第1密封部および前記第2密封部が対向した領域に、分割された第2導電性パターンを有し、
前記第1導電性パターンまたは前記第2導電性パターンの一方から電気信号を取り出す、請求項1に記載の軸受。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は軸受に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ラジアル球軸受は、一般的に、外輪、内輪、転動体、および保持器で構成されている。また、外部からの異物の混入を防ぐためや、軸受内空間に封入したグリースの漏れを防止するため、開口端部にシール部材が設けられている。シール付きラジアル球軸受において、グリースが軌道輪である外輪または内輪の軸方向両端部に設けられたシール溝に付着するとグリース漏れに繋がる場合がある。これに対し、グリース漏れは、シール部材のシールリップと軌道輪との接触力を大きくすることにより抑制できる。しかし、その一方で、摩擦抵抗が大きくなり、トルクの上昇や発熱の原因となることが知られている。従来、シール性を確保しつつ、摩擦抵抗を低減する技術として種々の提案がなされている。
【0003】
特許文献1には、撥油コーティングを付した球軸受が開示されており、撥油コーティングによって、シールまたはシールドからのグリースの漏出を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-147978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の構成は、1つのシールまたはシールドの場合の構成である。2つのシールまたはシールドが狭小隙間を形成しつつ相対運動した場合では、1つのシールまたはシールドの場合に対して、隙間におけるグリースに作用する圧力およびその圧力による作用は異なると考えられる。そのため、2つのシールまたはシールドの間のグリースの漏出を防ぐことはできない。
【0006】
本発明の一態様は、2つのシールまたはシールドを備えた軸受において、グリースの漏出を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る軸受は、第1輪と、前記第1輪と中心軸を共有する第2輪と、前記第1輪に固定された第1密封部と、前記第2輪に固定され、前記第1密封部に対向する領域を有し、前記第1密封部よりも内側に位置する第2密封部と、前記第1密封部および前記第2密封部の間の空間に封入されたグリースと、前記第1密封部における端部に形成された第1漏出防止層と、前記第2輪における、少なくとも前記第1漏出防止層に対向した領域に形成された第2漏出防止層と、を備える。
【0008】
上記の構成によれば、第1漏出防止層および第2漏出防止層によって、第1密封部および第2密封部の間に封入されたグリースの漏出を防止することができる。
【0009】
本発明の態様2に係る軸受は、前記態様1において、前記第2輪の、前記第1漏出防止層に対向した領域を含む面のうち、前記第1漏出防止層に対向した領域より内側の領域には、前記第2漏出防止層が形成されていない領域を含んでもよい。
【0010】
上記の構成によれば、第1漏出防止層に対向する面のうち、第1漏出防止層の端部から内側の領域において、第2漏出防止層が形成された領域と、第2漏出防止層が形成されない領域を作ることができる。そのため、第2漏出防止層が形成されていない領域が、直接グリースと接触することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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