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公開番号2024164685
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023080348
出願日2023-05-15
発明の名称弁ユニット
出願人CKD株式会社
代理人個人,個人
主分類F16K 31/04 20060101AFI20241120BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】弁体が回転方向に共振することを抑制する。
【解決手段】弁室(22)が形成された本体及び弁体(30)を有する回転バルブ(20A)と、回転軸(51)を回転させるとともに回転軸の回転位置を保持可能であるモータ(50)と、回転軸と弁体との間で回転力を伝達するマグネットカップリング(60A)と、を備える弁ユニット(10)であって、回転バルブは、本体の内面と弁体との間に所定のクリアランスを設けており、マグネットカップリングは8個の外周磁石(62)と8個の外周磁石にそれぞれ対向させて配置された8個の内周磁石(66)とを備え、中心軸線(22c)から8個の外周磁石の外周面までの距離は、中心軸線から最も近い本体の中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の90[%]以上且つ100[%]以下である。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
円柱状の空間である弁室が形成された本体、及び前記弁室の内部に前記弁室の中心軸線を中心として回転可能な状態で収納され、前記弁室に流入する流体の流通状態を回転位置に応じて制御する弁体を有する回転バルブと、
回転軸を有し、前記回転軸を回転させるとともに前記回転軸の回転位置を保持可能であるモータと、
前記回転軸と前記弁体との間で回転力を伝達するマグネットカップリングと、を備える弁ユニットであって、
前記回転バルブは、前記本体の内面と前記弁体との間に所定のクリアランスを設けており、
前記マグネットカップリングは、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の外周磁石と、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ前記8個の外周磁石にそれぞれ対向させて周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の内周磁石とを備え、
前記中心軸線から前記8個の外周磁石の外周面までの距離は、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の90[%]以上且つ100[%]以下である、弁ユニット。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記本体の前記外表面に最も近い前記外周磁石の外周面は、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記外表面から内側へ5[mm]以内の位置まで近付いている、請求項1に記載の弁ユニット。
【請求項3】
前記本体は、前記中心軸線の方向に延びる正四角柱状に形成されており、
前記中心軸線から最も近い前記本体の前記外表面までの距離は30[mm]である、請求項2に記載の弁ユニット。
【請求項4】
前記中心軸線から前記8個の外周磁石の前記外周面までの距離は、それぞれ27.5[mm]である、請求項3に記載の弁ユニット。
【請求項5】
前記8個の外周磁石及び前記8個の内周磁石の径方向における厚みは3[mm]である、請求項4に記載の弁ユニット。
【請求項6】
前記流体は液体である、請求項1~5のいずれか1項に記載の弁ユニット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動部からの回転力をマグネットカップリングを介して回転バルブの弁体に伝達する弁ユニットに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、この種の弁ユニットのマグネットカップリングにおいて、複数の円弧状の外周磁石を周方向において磁極の向きが交互になるように配置し、外周磁石と同数の円弧状の内周磁石を複数の外周磁石に対向させて周方向において磁極の向きが交互になるように配置したものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-129911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の弁ユニットにおいて、弁体は、弁本体に形成された円柱状の空間である弁室の内部に、弁室の中心軸線を中心として回転可能な状態で収納されている。弁室を形成する弁本体の内面と弁体との間に所定のクリアランスを設けることにより、弁本体の内面と弁体との摺動抵抗を大幅に低減することができ、弁体の回転応答性や回転位置精度を向上させることができると考えられる。しかし、マグネットカップリングは回転方向の力に対して、ばね性の反力を発生する。このため、弁体を保持する回転位置によっては弁室に流入する流体の脈動等による影響が大きくなり、上記クリアランスを設けた場合に弁体が回転方向に共振することに、本願発明者らは着目した。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、駆動部からの回転力をマグネットカップリングを介して回転バルブの弁体に伝達する弁ユニットにおいて、弁本体の内面と弁体との間に所定のクリアランスを設ける場合であっても、弁体が回転方向に共振することを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の手段は、
円柱状の空間である弁室が形成された本体、及び前記弁室の内部に前記弁室の中心軸線を中心として回転可能な状態で収納され、前記弁室に流入する流体の流通状態を回転位置に応じて制御する弁体を有する回転バルブと、
回転軸を有し、前記回転軸を回転させるとともに前記回転軸の回転位置を保持可能であるモータと、
前記回転軸と前記弁体との間で回転力を伝達するマグネットカップリングと、を備える弁ユニットであって、
前記回転バルブは、前記本体の内面と前記弁体との間に所定のクリアランスを設けており、
前記マグネットカップリングは、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の外周磁石と、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ前記8個の外周磁石にそれぞれ対向させて周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の内周磁石とを備え、
前記中心軸線から前記8個の外周磁石の外周面までの距離は、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の90[%]以上且つ100[%]以下である、弁ユニット。
【0007】
上記構成によれば、回転バルブの本体には、円柱状の空間である弁室が形成されている。弁体は、前記弁室の内部に前記弁室の中心軸線を中心として回転可能な状態で収納され、前記弁室に流入する流体の流通状態を回転位置に応じて制御する。このため、弁体を回転させて回転位置を変更することにより、前記弁室に流入する流体の流通状態を変更することができる。モータは、回転軸を有し、前記回転軸を回転させるとともに前記回転軸の回転位置を保持可能である。マグネットカップリングは、前記回転軸と前記弁体との間で回転力(トルク)を伝達する。このため、モータにより回転軸を回転させ、回転軸の回転位置(すなわち弁体の回転位置)を所望の回転位置で保持することにより、弁室に流入する流体の流通状態を所望の流通状態に保持することができる。
【0008】
ここで、前記回転バルブは、前記本体の内面と前記弁体との間に所定のクリアランスを設けている。このため、本体の内面と弁体との摺動抵抗を大幅に低減することができ、弁体の回転応答性や回転位置精度を向上させることができる。しかし、マグネットカップリングは回転方向の力に対して、ばね性の反力を発生する。このため、弁体を保持する回転位置によっては、弁室に流入する流体の脈動等による影響が大きくなり、弁体が回転方向に共振することに、本願発明者らは着目した。
【0009】
この点、前記マグネットカップリングは、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の外周磁石と、前記中心軸線を中心とする円弧状に形成されて外周側と内周側とにN極とS極とを有し且つ前記8個の外周磁石にそれぞれ対向させて周方向において磁極の向きが交互になるように配置された8個の内周磁石とを備えている。このようにマグネットカップリングが8個の外周磁石と8個の内周磁石とを備える場合は、マグネットカップリングが4個の外周磁石と4個の内周磁石とを備える場合よりも、内周磁石と外周磁石との回転方向のずれ量に対する反力の立ち上がり増加量を大きくすることができ、且つ反力の最大値を大きくすることができることが、シミュレーションにより確認されている。一方、マグネットカップリングが12個の外周磁石と12個の内周磁石とを備える場合は、マグネットカップリングが4個の外周磁石と4個の内周磁石とを備える場合よりも、内周磁石と外周磁石との回転方向のずれ量に対する反力の立ち上がり増加量を大きくすることができるものの、反力の最大値が小さくなることが、シミュレーションにより確認されている。
【0010】
さらに、前記中心軸線から前記8個の外周磁石の外周面までの距離は、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の90[%]以上である。前記中心軸線から前記外周磁石の外周面までの距離が長いほど、内周磁石と外周磁石との回転方向のずれ量に対する反力の立ち上がり増加量、及び反力の最大値を大きくすることができることが、シミュレーションにより確認されている。したがって、前記中心軸線から前記8個の外周磁石の外周面までの距離が、前記中心軸線から最も近い前記本体の前記中心軸線に垂直な方向における外表面までの距離の90[%]未満の場合よりも、外周磁石から内周磁石へ作用する磁力を大きくすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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