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公開番号
2024144241
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2024043902
出願日
2024-03-19
発明の名称
水溶性ポリマー組成物
出願人
住友精化株式会社
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
C08L
101/14 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】鉄イオン及び酸化性の薬剤が存在する水を用いても、粘度低下が起こりにくく、しかも経時的な粘度低下の発生も抑制できる水溶性ポリマー水溶液を調製することができる水溶性ポリマー組成物、抄紙用粘剤、水溶液およびその製造方法、工業用薬品、キット、紙の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の水溶性ポリマー組成物は、水溶性ポリマーと、フェノール系酸化防止剤と、硫黄含有アミン化合物と、遷移金属塩を除く無機塩とを含む。本発明の水溶性ポリマー組成物によれば、鉄イオン及び酸化性の薬剤が存在する水を用いても、粘度低下が起こりにくく、しかも経時的な粘度低下の発生が抑制される水溶性ポリマー水溶液を調製することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
水溶性ポリマーと、フェノール系酸化防止剤と、硫黄含有アミン化合物と、遷移金属塩を除く無機塩とを含む、水溶性ポリマー組成物。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
前記無機塩の含有量が、前記水溶性ポリマー100質量部に対して0.001~10質量部であり、
前記硫黄含有アミン化合物の含有量が、前記水溶性ポリマー100質量部に対して0.001~10質量部である、請求項1に記載の水溶性ポリマー組成物。
【請求項3】
前記水溶性ポリマーは、(メタ)アクリルアミドの単重合体、(メタ)アクリルアミド-(メタ)アクリル酸共重合体の中和物、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びエチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体である、請求項1に記載の水溶性ポリマー組成物。
【請求項4】
前記無機塩は、その水溶液状態において、中性またはアルカリ性を示す、請求項1に記載の水溶性ポリマー組成物。
【請求項5】
前記フェノール系酸化防止剤の含有量が、前記水溶性ポリマー100質量部に対して0.001~5質量部である、請求項1に記載の水溶性ポリマー組成物。
【請求項6】
前記無機塩は、前記フェノール系酸化防止剤100質量部に対して20~10000質量部含まれる、請求項1記載の水溶性ポリマー組成物。
【請求項7】
前記硫黄含有アミン化合物は、前記フェノール系酸化防止剤100質量部に対して20~10000質量部含まれる、請求項1に記載の水溶性ポリマー組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の水溶性ポリマー組成物と、水とを含む、水溶液。
【請求項9】
鉄イオンと、酸化性の薬剤を含む、請求項8に記載の水溶液。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか1項に記載の水溶性ポリマー組成物を含有する、工業用薬品。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性ポリマー組成物、抄紙用粘剤、水溶液およびその製造方法、工業用薬品、キット、紙の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリアルキレンオキシドなどの水溶性ポリマーは、製紙用途、マイニング用途、セメント用途、染色用途などの各種工業用途における工業用薬品(例えば、抄紙用粘剤、凝集剤、分散剤、沈降促進剤等)として幅広く使用されている(特許文献1参照)。これらの分野において、水溶性ポリマーは、例えば、1ppm~15%程度の水溶液として使用されることが多い。
【0003】
一般に、上記の水溶性ポリマー水溶液の調製に使用される水には、鉄イオンが含まれることがある。斯かる鉄イオンは、例えば、配管の鉄さび等が原因で水に混入し得る。水溶性ポリマー水溶液に鉄イオンが含まれると、粘度が経時的に低下するという問題がある。このような水溶性ポリマー水溶液の粘度の低下は、水溶性ポリマーの機能の発現に弊害をもたらし得る場合がある。例えば、抄紙用途においては、紙料の抄紙用粘剤として水溶性ポリマー水溶液が用いられるところ、当該水溶液の粘度の低下は、紙料の均一分散の阻害、及び、沈降の発生をもたらすことになり、均一な製紙の妨げになり得る。
【0004】
この観点から、例えば、特許文献2には、フェノール系酸化防止剤および無機塩を所定の割合で併用することで、水溶性ポリマー水溶液の経時的な粘度低下を抑制させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2017/104496号
国際公開第2021/241662号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水溶性ポリマー水溶液の調製に使用される工業用水には、上記のような鉄イオンのみならず、水質改善を目的に殺菌剤およびスライムコントロール剤等の酸化性の薬剤を含むことも多い。この点、本発明者らが検討したところ、鉄イオンが含まれる水を用いた水溶性ポリマー水溶液の粘度低下を抑制できたとしても、鉄イオンに加えて、酸化性の薬剤が存在する水を用いた水溶性ポリマー水溶液の粘度低下は、必ずしも抑制できないことがわかった。工業用水には鉄イオンに加えて酸化性の薬剤が存在しやすいため、鉄イオンと酸化性の薬剤の両方が存在する水を用いて得られた水溶性ポリマー水溶液の粘度低下の発生を抑制することは、各種工業薬品用途において重要であり、とりわけ、上述の抄紙用途にあっては均一な製紙を行う上で極めて重要である。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、鉄イオン及び酸化性の薬剤が存在する水を用いたとしても、粘度低下が起こりにくく、しかも経時的な粘度低下の発生も抑制できる水溶性ポリマー水溶液を調製することができる水溶性ポリマー組成物、抄紙用粘剤、水溶液、工業用薬品、およびキット、並びに、そのような水溶液の製造方法、および紙の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、例えば、以下の項に記載の主題を包含する。
【0009】
項1
水溶性ポリマーと、フェノール系酸化防止剤と、硫黄含有アミン化合物と、遷移金属塩を除く無機塩とを含む、水溶性ポリマー組成物。
項2
前記無機塩の含有量が、前記水溶性ポリマー100質量部に対して0.001~10質量部であり、
前記硫黄含有アミン化合物の含有量が、前記水溶性ポリマー100質量部に対して0.001~10質量部である、項1に記載の水溶性ポリマー組成物。
項3
前記水溶性ポリマーは、(メタ)アクリルアミドの単重合体、(メタ)アクリルアミド-(メタ)アクリル酸共重合体の中和物、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びエチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体である、項1又は2に記載の水溶性ポリマー組成物。
項4
前記無機塩は、その水溶液状態において、中性またはアルカリ性を示す、項1~3のいずれか1項に記載の水溶性ポリマー組成物。
項5
前記フェノール系酸化防止剤の含有量が、前記水溶性ポリマー100質量部に対して0.001~5質量部である、項1~4のいずれか1項に記載の水溶性ポリマー組成物。
項6
前記無機塩は、前記フェノール系酸化防止剤100質量部に対して20~10000質量部含まれる、項1~5のいずれか1項の水溶性ポリマー組成物。
項7
前記硫黄含有アミン化合物は、前記フェノール系酸化防止剤100質量部に対して20~10000質量部含まれる、項1~6のいずれか1項の水溶性ポリマー組成物。
項8
項1~7のいずれか1項に記載の水溶性ポリマー組成物と、水とを含む、水溶液。
項9
鉄イオンと、酸化性の薬剤を含む、項8に記載の水溶液。
項10
項1~7のいずれか1項に記載の水溶性ポリマー組成物を含有する、工業用薬品。
項10´
項8に記載の水溶液を含有する、工業用薬品。
項11
項1~7のいずれか1項に記載の水溶性ポリマー組成物を含有する、抄紙用粘剤。
項11´
項8に記載の水溶液を含有する、抄紙用粘剤。
項12
項8又は9に記載の水溶液の製造方法であって、
前記水溶性ポリマー組成物と、鉄イオン及び酸化性の薬剤を含む水とを混合する工程を備える、製造方法。
項13
水溶性ポリマーと、フェノール系酸化防止剤とを含む第1剤と、
遷移金属塩を除く無機塩を含む第2剤と、
硫黄含有アミン化合物を含む第3剤を備え、
前記第2剤の前記無機塩の含有量が、前記第1剤の前記水溶性ポリマー100質量部に対して0.001~10質量部であり、前記第3剤の硫黄含有アミン化合物の含有量が、前記第1剤の前記水溶性ポリマー100質量部に対して、0.001~10質量部である、キット。
項14
項13に記載のキットを用いた水溶液の製造方法であって、
前記第2剤と、前記第3剤と、鉄イオン及び酸化性の薬剤を含む水とを混合して混合液を得る工程と、
前記混合液と前記第1剤とを混合する工程と、
を備える、水溶液の製造方法。
項15
項13に記載のキットを用いた水溶液の製造方法であって、
鉄イオン及び酸化性の薬剤を含む水と、前記第1剤とを混合して混合液を得る工程と、前記混合液と、前記第2剤と、前記第3剤とを混合する工程と、
を備える、水溶液の製造方法。
項16
項8又は9に記載の水溶液と、紙料とを混合することで前記紙料の水分散体を調製する工程と、
前記紙料の水分散体を抄紙する工程と
を備える、紙の製造方法。
項17
項1~7のいずれか1項に記載の水溶性ポリマー組成物を含有する、粘度低下抑制剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明の水溶性ポリマー組成物によれば、鉄イオン及び酸化性の薬剤が存在する水を用いたとしても、粘度低下が起こりにくく、しかも経時的な粘度低下の発生も抑制できる水溶性ポリマー水溶液を調製することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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