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公開番号
2024143703
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023056497
出願日
2023-03-30
発明の名称
抗菌性を有する物品
出願人
株式会社トクヤマ
,
国立研究開発法人理化学研究所
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B29C
59/02 20060101AFI20241003BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】摩擦や外力により変形しにくい立体構造を表面に備えることによって、その表面において抗菌性を発現する物品を提供すること。
【解決手段】表面上に、複数の基準面と、複数の凸部と、複数の凹部とを備える領域を有する物品において、物品の表面に対して垂直、又は略垂直方向における、基準面1、凸部の頂面2、及び凹部の底面3の位置を互いに異ならせ、基順面1の外周が他の基準面1の外周と接せず、凸部の頂面2の外周が他の凸部の頂面2の外周と接せず、凹部の底面3の外周が他の凹部の底面3の外周と接しないようにし、基準面1、凸部の頂面2、及び凹部の底面3の径を、それぞれ所定の範囲内の径とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
表面上に、複数の基準面と、複数の凸部と、複数の凹部とを備える領域を有する物品であって、
前記物品において、前記表面に対して垂直、又は略垂直方向であって表面から前記物品の内部に向かう方向が下方であり、前記下方とは反対の方向が上方であり、
前記凸部の頂面は、前記基準面に対して上方に位置し、
前記凹部の底面は、前記基準面に対して下方に位置し、
前記領域を前記表面の面方向に対して垂直方向から観察した場合に、以下の1)~8):
1)前記領域内に、複数の前記基準面と、複数の前記凸部の頂面と、複数の前記凹部の底面とが観察され、
2)前記基準面が、1以上の前記凸部の頂面、及び/又は1以上の前記凹部の底面で囲まれ、
3)前記凸部の頂面が、1以上の前記基準面、及び/又は1以上の前記凹部の底面で囲まれ、
4)前記凹部の底面が、1以上の前記基準面、及び/又は1以上前記凸部の頂面で囲まれ、
5)いずれの前記基準面においても、前記基順面の外周が他の前記基準面の外周と接しておらず、
6)いずれの前記凸部の頂面においても、前記凸部の頂面の外周が他の前記凸部の前記頂面の外周と接しておらず、
7)いずれの前記凹部の底面においても、前記凹部の底面の外周が他の前記凹部の底面の外周と接しておらず、
8)前記基準面の円相当径の数平均径L1と、前記凸部の頂面の円相当径の数平均径L2と、前記凹部の底面の円相当径の数平均径L3とが、いずれも0.2μm以上200μm以下である、
との条件を満たす、物品。
続きを表示(約 870 文字)
【請求項2】
前記領域を前記表面の面方向に対して垂直方向から観察した場合に、前記基準面の円相当径の数平均径L1と、前記凸部の頂面の円相当径の数平均径L2と、前記凹部の底面の円相当径の数平均径L3とのうちの少なくとも1つが、1μm以上100μm以下の範囲内である、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記領域を前記表面の面方向に対して垂直方向から観察した場合に、前記基準面の円相当径の数平均径L1と、前記凸部の頂面の円相当径の数平均径L2と、前記凹部の底面の円相当径の数平均径L3とが、いずれも1μm以上100μm以下の範囲内である、請求項2に記載の物品。
【請求項4】
前記凹部の底面に対する前記基準面の高さと、前記基準面に対する前記凸部の頂面の高さとが、それぞれ0.5μm以上500μm以下の範囲内である、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
前記領域を前記表面の面方向に対して垂直方向から観察した場合に、前記基準面の形状、前記凸部の頂面の形状、及び前記凹部の底面の形状が、いずれも多角形形状、又は略多角形形状である、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記領域を前記表面の面方向に対して垂直方向から観察した場合に、前記基準面の形状、前記凸部の頂面の形状、及び前記凹部の底面の形状が、いずれも六角形、又は略六角形である、請求項5に記載の物品。
【請求項7】
シートであって、前記シートの少なくとも一方の主面上に前記領域を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
シートであって、前記シートの一方の主面上に前記領域を有し、
前記領域を有する主面とは反対の主面上に粘着剤層を有する、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
チューブであって、前記チューブの内面、及び/又は外面に前記領域を備える、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
請求項9に記載の物品としての前記チューブを備えるカテーテル。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、その表面に複数の基準面と、複数の凸部と、複数の凹部とを備える領域を有することで抗菌性を有する物品に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年の新型コロナウイルス感染症の世界的な爆発的な流行をきっかけに、消費者の衛生意識が急激に高まっている。かかる事情から、表面が抗ウイルス処理された製品のみならず、表面が抗菌化処理された製品に対するニーズも増加している。特に、ドアや窓等の建築部材、水栓やシャワーヘッド等の水回り製品、冷蔵庫等の家電製品、キーボードやマウス等のコンピューター備品、及びスマートーフォンやタブレット端末等のような情報通信機器のような日常的に人の手に触れる各種製品や、医療用機器等において、表面の抗菌化のニーズは大きい。
【0003】
種々の物品の表面に抗菌性を付与する方法として、例えば、以下の方法が提案されている。特許文献1には、ナノメートルオーダーのサイズの細く尖った微小突起を物品の表面に密集して設けることによって抗菌性が付与された物品が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-93939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載される抗菌性物品が備える突起は、非常に細く尖っている。このため、突起の強度が低く、物品の表面が摩擦されたり、押圧されたりすることにより、突起が変形して抗菌性が損なわれやすい。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みなされたものであって、摩擦や外力により変形しにくい立体構造を表面に備えることによって、その表面において抗菌性を発現する物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、表面上に、複数の基準面と、複数の凸部と、複数の凹部とを備える領域を有する物品において、底面の物品の表面に対して垂直、又は略垂直方向における、基準面、凸部の頂面、及び凹部の底面の位置が互いに異なっており、基準面の外周が他の基準面の外周と接せず、凸部の頂面の外周が他の凸部の頂面の外周と接せず、凹部の底面の外周が他の凹部の底面の外周と接しておらず、基準面、凸部の頂面、及び凹部の底面の径が、それぞれ所定の範囲内の径であることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0008】
(1) 表面上に、複数の基準面と、複数の凸部と、複数の凹部とを備える領域を有する物品であって、
物品において、表面に対して垂直、又は略垂直方向であって表面から物品の内部に向かう方向が下方であり、下方とは反対の方向が上方であり、
凸部の頂面は、基準面に対して上方に位置し、
凹部の底面は、基準面に対して下方に位置し、
領域を表面の面方向に対して垂直方向から観察した場合に、以下の1)~8):
1)領域内に、複数の基準面と、複数の凸部の頂面と、複数の凹部の底面とが観察され、
2)基準面が、1以上の凸部の頂面、及び/又は1以上の凹部の底面で囲まれ、
3)凸部の頂面が、1以上の基準面、及び/又は1以上の凹部の底面で囲まれ、
4)凹部の底面が、1以上の基準面、及び/又は1以上凸部の頂面で囲まれ、
5)いずれの基準面においても、基順面の外周が他の基準面の外周と接しておらず、
6)いずれの凸部の頂面においても、凸部の頂面の外周が他の凸部の頂面の外周と接しておらず、
7)いずれの凹部の底面においても、凹部の底面の外周が他の凹部の底面の外周と接しておらず、
8)基準面の円相当径の数平均径L1と、凸部の頂面の円相当径の数平均径L2と、凹部の底面の円相当径の数平均径L3とが、いずれも0.2μm以上200μm以下である、
との条件を満たす、物品。
【0009】
(2) 領域を表面の面方向に対して垂直方向から観察した場合に、基準面の円相当径の数平均径L1と、凸部の頂面の円相当径の数平均径L2と、凹部の底面の円相当径の数平均径L3とのうちの少なくとも1つが、1μm以上100μm以下の範囲内である、(1)に記載の物品。
【0010】
(3) 領域を表面の面方向に対して垂直方向から観察した場合に、基準面の円相当径の数平均径L1と、凸部の頂面の円相当径の数平均径L2と、凹部の底面の円相当径の数平均径L3とが、いずれも1μm以上100μm以下の範囲内である、(2)に記載の物品。
(【0011】以降は省略されています)
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