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公開番号2024143455
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023056147
出願日2023-03-30
発明の名称複合材料、粉体材料および複合材料の製造方法
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人,個人
主分類C01B 21/064 20060101AFI20241003BHJP(無機化学)
要約【課題】窒化物セラミックス表面への酸化物セラミックスの付着による改質効果、典型的には官能基の付与に代表される表面改質効果を得た複合材料、粉体材料および複合材料の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】ここで開示される複合材料は、窒化物セラミックスと、上記窒化物セラミックスの表面に付着した金属または半金属の酸化物セラミックスと、を含む複合材料であって、上記酸化物セラミックスは、複数の粒子の集合体であり、上記酸化物セラミックスの上記粒子間に細孔径2nm以下の細孔を有し、非局在化密度汎関数(NLDFT)法により求めた上記複合材料の細孔径10nm以下の細孔表面積のうち細孔径2nm以下の上記複合材料の細孔表面積の割合が30%以上である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
窒化物セラミックスと、前記窒化物セラミックスの表面に付着した金属または半金属の酸化物セラミックスと、を含む複合材料であって、
前記酸化物セラミックスは複数の粒子の集合体であり、
前記酸化物セラミックスの前記粒子間に細孔径2nm以下の細孔を有し、
非局在化密度汎関数(NLDFT)法により求めた前記複合材料の細孔径10nm以下の細孔表面積のうち細孔径2nm以下の前記複合材料の細孔表面積の割合が30%以上である、複合材料。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記複合材料の細孔径2nm以下の細孔表面積のうち、細孔径1nm以下の前記複合材料の細孔表面積の割合が20%以上である、
請求項1または2に記載の複合材料。
【請求項3】
前記複合材料の細孔径2nm以下における前記酸化物セラミックスの単位質量当たりの細孔表面積が10m

/g以上である、
請求項1または2に記載の複合材料。
【請求項4】
前記酸化物セラミックスが、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、イットリア、酸化鉄、酸化亜鉛およびゼオライトからなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む、
請求項1または2に記載の複合材料。
【請求項5】
前記酸化物セラミックスが、アモルファスアルミナ、γ-アルミナ、アモルファスシリカおよびアモルファスジルコニアからなる群から選ばれる混合物または複合酸化物を含む、
請求項1または2に記載の複合材料。
【請求項6】
前記窒化物セラミックスが、窒化アルミニウムおよび窒化ホウ素からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物または混合物を含む、
請求項1または2に記載の複合材料。
【請求項7】
請求項1または2に記載の複合材料が粉末状に含まれる、
粉体材料。
【請求項8】
水と非極性溶媒の分離相と前記複合材料とを攪拌したとき、前記複合材料の70wt%以上が水相に存在する、請求項1または2に記載の複合材料。
【請求項9】
樹脂材料のフィラーである、
請求項1または2に記載の複合材料。
【請求項10】
窒化物セラミックスと、前記窒化物セラミックスの表面に付着した金属または半金属の酸化物セラミックスとを含む複合材料の製造方法であって、
前記酸化物セラミックスの原料となる金属または半金属を含むレジネートを、前記窒化物セラミックスに付着させる工程と、
前記レジネートを分解する工程と、を含み、
前記複合材料中において、前記酸化物セラミックスは複数の粒子の集合体であり、
前記酸化物セラミックスの前記粒子間に細孔径2nm以下の細孔を有し、
非局在化密度汎関数(NLDFT)法により求めた前記複合材料の細孔径10nm以下の細孔表面積のうち細孔径2nm以下の前記複合材料の細孔表面積の割合が30%以上である、
複合材料の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、複合材料、粉体材料および複合材料の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
電気エネルギーを効率的に利用するために、電力用半導体素子(いわゆるパワーデバイス)が不可欠な存在となっている。また、省電力、高寿命の高輝度・パワーLEDランプ等に用いられる照明用半導体素子(いわゆるハイパワーLEDデバイス)の需要も高まっている。一般に、パワーデバイスの高密度化に伴い、パワーデバイスの発熱量が増大する。かかる発熱を放熱するための無機材料として、熱伝導性に優れた窒化物セラミックスが知られる。
【0003】
窒化物セラミックスは、表面官能基が少なく樹脂等との親和性(濡れ性)が低いため、たとえば、樹脂への分散性が良好でない。かかる問題の対応策として、窒化物セラミックスの表面に水酸基の多い酸化物セラミックスを被覆することが考えられる。上記技術に関連して、特許文献1には、金属窒化物粒子(窒化物セラミックス粒子)の表面にシリカ粒子(酸化物セラミックス粒子)を焼結させたものを直接結合し、概ね隙間なく被覆した、シリカ被覆金属窒化物粒子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-101510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1では、窒化物セラミックスに対し、シリカ粒子を直接結合させ、被覆している。このため、特許文献1に開示された技術で用いることができる酸化物セラミックスは、窒化物セラミックスと直接結合する材料に限られる。また、本発明者の検討によれば、窒化物セラミックスと酸化物セラミックスの親和性が低い組み合わせに上記技術を採用した場合、窒化物セラミックスと酸化物セラミックスとの濡れが悪いため、酸化物セラミックスが窒化物セラミックス上に付着した状態を保てず、表面改質効果がうまく得られないことが分かった。
【0006】
ここに開示される技術は、かかる点に鑑みて創出されたものであり、窒化物セラミックス表面への酸化物セラミックスの付着による改質効果、典型的には官能基の付与に代表される表面改質効果を得た複合材料の提供を目的とする。また、他の側面として、該複合材料の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここに開示される複合材料は、窒化物セラミックスと、上記窒化物セラミックスの表面に付着した金属または半金属の酸化物セラミックスと、を含む複合材料であって、上記酸化物セラミックスは、複数の粒子の集合体であり、上記酸化物セラミックスの上記粒子間に細孔径2nm以下の細孔を有し、非局在化密度汎関数(NLDFT)法により求めた上記複合材料の細孔径10nm以下の細孔表面積のうち細孔径2nm以下の上記複合材料の細孔表面積の割合が30%以上であることを特徴とする。
【0008】
上記複合材料では、窒化物セラミックスの表面に付着した酸化物セラミックスは、複数の粒子からなる集合体として存在し、該粒子間に細孔径2nm以下の細孔を有する。そして、上記の通り、細孔径10nm以下の細孔表面積に対する細孔径2nm以下の複合材料の細孔表面積の割合が30%以上である。酸化物セラミックスが上記した構成で窒化物セラミックスの表面に付着することにより、少量の酸化物セラミックスによってより好適に窒化物セラミックスの表面を表面改質(典型的には官能基の増加)することができる。
【0009】
ここに開示される複合材料の好ましい一態様では、上記複合材料の細孔径2nm以下の細孔表面積のうち細孔径1nm以下の上記複合材料の細孔表面積の割合が20%以上である。かかる構成によればより好適に、少量の酸化物セラミックスにより窒化物セラミックスの表面を表面改質(典型的には官能基の増加)することができる。
【0010】
ここに開示される複合材料の好ましい一態様では、上記複合材料の細孔径2nm以下における上記酸化物セラミックスの単位質量当たりの細孔表面積が10m

/g以上である。かかる構成によれば、好適に複合材料中において、酸化物セラミックスが複数の粒子の集合体として存在している。
(【0011】以降は省略されています)

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