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公開番号
2024142412
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-11
出願番号
2023054547
出願日
2023-03-30
発明の名称
熱硬化性樹脂組成物及びカラーフィルター
出願人
日油株式会社
代理人
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
C08G
59/42 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】NMP耐性及び残留金属イオン性に優れた硬化膜を形成可能であり、且つ保存安定性が良好な熱硬化性樹脂組成物と、その硬化物からなる保護膜を用いたカラーフィルターを提供すること。
【解決手段】(A)成分:一分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂と、(B)成分:式(1)又は式(2)で表される多価カルボン酸ヘミアセタールエステルと、(C)成分:熱酸発生剤を含み、前記(A)成分、及び前記(B)成分の合計100質量部に対して、前記(C)成分は0.05~10質量部であり、前記(A)成分のエポキシ基に対する前記(B)成分のカルボキシル基の官能基当量比が0.25~0.95の範囲である熱硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)成分:一分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂と、
(B)成分:下記式(1)又は下記式(2)で表される多価カルボン酸ヘミアセタールエステルと、
(C)成分:熱酸発生剤を含み、
前記(A)成分、及び前記(B)成分の合計100質量部に対して、前記(C)成分は0.05~10質量部であり、
前記(A)成分のエポキシ基に対する前記(B)成分のカルボキシル基の官能基当量比が0.25~0.95の範囲であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
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は、独立して、炭素数1~6のアルキル基を示す。)
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(式中、R
2
は、独立して、炭素数1~6のアルキル基を示す。)
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【請求項2】
請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる保護膜を有することを特徴とするカラーフィルター。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱硬化性樹脂組成物、及びこれを硬化させてなる保護膜を有するカラーフィルターに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
最近では液晶ディスプレイの表示性能に対する要求が厳しくなってきており、カラーフィルターに対しては輝度、色純度およびコントラストといった表示性能に加え、表示素子の画像が固定化する焼き付きと呼ばれる現象や表示ムラなどの信頼性に対する要求が益々高まってきている。特許文献1によれば、前記の焼き付きの発生にはフォトスペーサー形成工程において水酸化カリウムや炭酸ナトリウムなどの現像液中に含まれるNaイオンやKイオンが保護膜表面に残留してしまうことが影響しているとされている。このため、前記の保護膜には水酸化カリウムや炭酸ナトリウムなどの現像液に接触した場合でもNaイオンやKイオンの残留を抑制できる性能(以下、残留金属イオン性)が必要とされている。特許文献1においては、残留金属イオン性に優れるカラーフィルター保護膜用樹脂組成物として、エポキシ基又はオキセタニル基含有重合体、多価カルボン酸ヘミアセタールエステル、特定のエポキシ化合物、2官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂を組み合わせた組成が提案されている。
【0003】
さらに、前記の保護膜を形成するための塗工液に粘度変化(特に粘度上昇)が生じると、当該塗工膜を均一な膜厚で塗工することが困難となるため、保護膜用塗工液には、充分な保存安定性が求められる。通常、保護膜用塗工液は冷蔵保管(5℃程度)であり、自社での在庫保管や顧客での生産調整などを考慮すると、冷蔵保管(5℃程度)において180日以上は保存安定性に優れることが好ましい。特許文献2においては、保存安定性に優れるカラーフィルター保護膜用樹脂組成物として、エポキシ含有ポリマー、及び多価カルボン酸ヘミアセタールエステルを組み合わせた組成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-112451号公報
特開2001-350010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、液晶表示装置で表示可能な色域の拡大を目的として、着色層に含まれる顔料の微細化や顔料濃度の増加が進んでいる。しかしながら、この影響により顔料が保護膜を通り抜けて液晶層に溶出し、表示不良を引き起こすことが問題となっている。この顔料成分の溶出は、保護膜の後工程である配向膜形成工程において、保護膜に浸透した配向膜の溶剤(N-メチル-2-ピロリドン、以下、NMP)を介して生じると考えられている。この工程では、保護膜とNMPが接触した状態で180℃程度の高温に曝されることがあるため、保護膜には高温下でもNMPの浸透を抑制できる性能(以下、NMP耐性)が求められている。尚、従来のカラーフィルター保護膜は25~40℃程度において溶剤の浸透を抑制できれば充分とされていたが、上述の顔料成分の溶出を抑制するためには従来よりも著しく高い温度での溶剤の浸透抑制が必要となる。本発明者らの検討によると、特許文献1~2に記載の組成物はNMP耐性と残留金属イオン性の両立が十分ではなかった。
【0006】
本発明は前記の従来技術に鑑みてなされたものであり、NMP耐性及び残留金属イオン性に優れた硬化膜を形成可能であり、且つ保存安定性が良好な熱硬化性樹脂組成物と、その硬化物からなる保護膜を用いたカラーフィルターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく種々の検討を行った結果、特定の多官能エポキシ樹脂、特定の多価カルボン酸ヘミアセタールエステル、及び熱酸発生剤を特定の比率範囲で組み合わせることにより、前記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は次の〔1〕及び〔2〕である。
【0008】
〔1〕
(A)成分:一分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂と、
(B)成分:下記式(1)又は下記式(2)で表される多価カルボン酸ヘミアセタールエステルと、
(C)成分:熱酸発生剤を含み、
前記(A)成分、及び前記(B)成分の合計100質量部に対して、前記(C)成分は0.05~10質量部であり、
前記(A)成分のエポキシ基に対する前記(B)成分のカルボキシル基の官能基当量比が0.25~0.95の範囲であることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
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は、独立して、炭素数1~6のアルキル基を示す。)
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(式中、R
2
は、独立して、炭素数1~6のアルキル基を示す。)
【0009】
〔2〕
前記の〔1〕に記載の熱硬化性樹脂組成物を硬化させてなる保護膜を有するカラーフィルター。
【発明の効果】
【0010】
本発明の熱硬化性樹脂組成物によれば、NMP耐性及び残留金属イオン性に優れたカラーフィルター保護膜を形成できる。また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、保存安定性に優れる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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