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公開番号2024141073
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052523
出願日2023-03-29
発明の名称組成物の製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類C08F 220/10 20060101AFI20241003BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】高温での貯蔵保管の際にビニル重合体の経時変化での着色を低減できる重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】ビニル重合体(A)及び環状エーテル構造を有する有機化合物を含む組成物の製造方法であって、前記ビニル重合体(A)は、触媒(C)の存在下、少なくとも1つのハロゲン原子を有する有機ハロゲン化物である開始剤にビニル化合物(a)をリビングラジカル重合反応させて得、前記環状エーテル構造を有する有機化合物の添加量が前記ビニル重合体(A)の100質量部に対して0.5~5質量部である、組成物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニル重合体(A)及び環状エーテル構造を有する有機化合物を含む組成物の製造方法であって、
前記ビニル重合体(A)は、触媒(C)の存在下、少なくとも1つのハロゲン原子を有する有機ハロゲン化物である開始剤にビニル化合物(a)をリビングラジカル重合反応させて得られる、組成物の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記環状エーテル構造を有する有機化合物の添加量が前記ビニル重合体(A)の100質量部に対して0.5~5質量部である、請求項1に記載の組成物の製造方法。
【請求項3】
前記触媒(C)が、下式2で表される化合物である、請求項1又は2に記載の組成物の製造方法。





(X



・・・式2
(前記式2中、R

は、炭素数1~10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数1~10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、炭素数6~10のアリール基、又は炭素数5~10のヘテロアリール基を表す。前記アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基はそれぞれ置換基を有していてもよく、置換基を有する場合、前記炭素数は置換基の炭素数を含む。4つのR

は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、X

は、ハロゲン原子を表す。)
【請求項4】
前記開始剤が有機ヨウ素化合物である、請求項1又は2に記載の組成物の製造方法。
【請求項5】
前記組成物を、50~300℃で2時間以上保持することを含む、請求項1又は2に記載の組成物の製造方法。
【請求項6】
前記ビニル化合物(a)が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するビニル化合物(a1)を含む、請求項1又は2に記載の組成物の製造方法。
【請求項7】
前記ビニル化合物(a1)が、下式1で表される反応性ケイ素基を有さないビニル化合物(a11)及び下式1で表される反応性ケイ素基を有するビニル化合物(a12)のいずれか一方又は両方を含む、請求項6に記載の組成物の製造方法。
-SiR

3-a


・・・式1
(前記式1中、R

は加水分解性基を含まない、炭素数1~20の1価の有機基を表し、Xは水酸基、ハロゲン原子又は加水分解性基を表し、aは1~3の整数である。aが1の場合、2つのR

は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。)
【請求項8】
前記触媒(C)の存在下、前記開始剤に前記ビニル化合物(a11)、及び前記ビニル化合物(a12)をリビングラジカル重合反応させ、次いで、前記ビニル化合物(a12)をさらに添加してリビングラジカル重合反応させて、前記ビニル重合体(A)を得る、請求項7に記載の組成物の製造方法。
【請求項9】
前記ビニル重合体(A)が、前記式1で表される反応性ケイ素基を1分子あたり平均0.5~20.0個有する、請求項7に記載の組成物の製造方法。
【請求項10】
前記ビニル重合体(A)の数平均分子量が1,000~300,000である、請求項1又は2に記載の組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体は、柔軟性や引張特性、塗装作業性等に優れた硬化物が得られることから、シーラントや接着剤、塗料等の用途の硬化性組成物に広く用いられている。反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物は、反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体の添加により、硬化物の耐候性を向上できることが知られている。
【0003】
反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体は、従来、反応性ケイ素基を有するラジカル重合開始剤や連鎖移動剤等を用いる方法で製造されていた。このような製造方法においては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体の炭素-炭素結合鎖の主鎖骨格の側鎖に反応性ケイ素基が不規則に導入されやすく、得られた重合体は、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体に比べて、引張特性の点で劣るものであった。
【0004】
近年、このような物性の改善のため、リビングラジカル重合法を用いて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体への反応性ケイ素基の導入を制御することが検討されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、臭化銅-ペンタメチルジエチレントリアミン錯体等の遷移金属錯体を触媒とした、原子移動ラジカル重合(ATRP:Atom Transfer Radical Polymerization)方式のリビングラジカル重合が記載されている。このATRP方式のリビングラジカル重合では、末端ハロゲンを有する重合体が得られ、前記末端ハロゲンの変換反応により、架橋性ケイ素基(反応性ケイ素基)を分子末端に有するビニル系重合体((メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体)が得られる旨が記載されている。
【0006】
また、特許文献2には、ハロゲンを含む化合物を開始剤とした、可逆的配位媒介重合(RCMP:Reversible Coordination Mediated Polymerization)方式のリビングラジカル重合法が記載されている。このRCMP方式のリビングラジカル重合法によれば、加水分解ケイ素基(反応性ケイ素基)を有するビニル単量体を重合することで、加水分解ケイ素基(反応性ケイ素基)を分子末端付近に有するビニル系重合体((メタ)アクリル酸アルキルエステル重合体)が得られる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2005/095492号
特開2022-75627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1や特許文献2に記載されているようなリビングラジカル重合では、開始剤にハロゲン化合物を使用しているため、重合体を含む組成物を高温で保管している際に経時的な着色が起こりやすいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、ハロゲン原子を有する有機ハロゲン化物である開始剤を使用して、リビングラジカル重合により得られるビニル重合体に、環状エーテル構造を有する有機化合物を添加した組成物によって、高温保管時の組成物の経時的な着色を抑制することを見出したことに基づくものである。
【0010】
本発明は、以下の手段を提供するものである。
[1]ビニル重合体(A)及び環状エーテル構造を有する有機化合物を含む組成物の製造方法であって、前記ビニル重合体(A)は、触媒(C)の存在下、少なくとも1つのハロゲン原子を有する有機ハロゲン化物である開始剤にビニル化合物(a)をリビングラジカル重合反応させて得られる、組成物の製造方法。
[2]前記環状エーテル構造を有する有機化合物の添加量が前記ビニル重合体(A)の100質量部に対して0.5~5質量部である、[1]の組成物の製造方法。
[3]前記触媒(C)が、下式2で表される化合物である、[1]又は[2]の組成物の製造方法。





(X



・・・式2
(前記式2中、R

は、炭素数1~10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、炭素数1~10の直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、炭素数6~10のアリール基、又は炭素数5~10のヘテロアリール基を表す。前記アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基はそれぞれ置換基を有していてもよく、置換基を有する場合、前記炭素数は置換基の炭素数を含む。4つのR

は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、X

は、ハロゲン原子を表す。)
[4]前記開始剤が有機ヨウ素化合物である、[1]~[3]のいずれかの組成物の製造方法。
[5]前記組成物を、50~300℃で2時間以上保持することを含む、[1]~[4]のいずれかの組成物の製造方法。
[6]前記ビニル化合物(a)が、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するビニル化合物(a1)を含む、[1]~[5]のいずれかの組成物の製造方法。
[7]前記ビニル化合物(a1)が、下式1で表される反応性ケイ素基を有さないビニル化合物(a11)及び下式1で表される反応性ケイ素基を有するビニル化合物(a12)のいずれか一方又は両方を含む、[6]の組成物の製造方法。
-SiR

3-a


・・・式1
(前記式1中、R

は加水分解性基を含まない、炭素数1~20の1価の有機基を表し、Xは水酸基、ハロゲン原子又は加水分解性基を表し、aは1~3の整数である。aが1の場合、2つのR

は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2又は3の場合、複数のXは互いに同一でも異なっていてもよい。)
[8]前記触媒(C)の存在下、前記開始剤に前記ビニル化合物(a11)、及び前記ビニル化合物(a12)をリビングラジカル重合反応させ、次いで、前記ビニル化合物(a12)をさらに添加してリビングラジカル重合反応させて、前記ビニル重合体(A)を得る、[7]の組成物の製造方法。
[9]前記ビニル重合体(A)が、前記式1で表される反応性ケイ素基を1分子あたり平均0.5~20.0個有する、[7]又は[8]の組成物の製造方法。
[10]前記ビニル重合体(A)の数平均分子量が1,000~300,000である、[1]~[9]のいずれかの組成物の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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