TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024138888
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-09
出願番号2023049603
出願日2023-03-27
発明の名称カルバミン酸アリール-2-テトラゾリルエチルエステルの製造方法
出願人公立大学法人 富山県立大学
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07D 257/04 20060101AFI20241002BHJP(有機化学)
要約【課題】ラセミ体の生成と光学活性体の分離工程なく目的物を製造する方法を提供する。
【解決手段】保護基を有する(R)-アルコール化合物を1Hテトラゾールと反応させて、(R)-テトラゾール化合物を得る工程、次いで脱保護する工程、更にクロルスルホニルイソシアネートと反応させて化合物(1)を得る工程を含む、カルバミン酸アリール-2-テトラゾリルエチルエステル(1)の製造方法。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024138888000029.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">59</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
(式中、R1及びR2は、独立して、水素原子またはハロゲン原子である。)
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
一般式(4)で表される(R)-アルコール化合物を1Hテトラゾールと反応させて、一般式(3)で表される(R)-テトラゾール化合物を得る工程(1-1)、
一般式(3)で表される(R)-テトラゾール化合物を脱保護して一般式(2)で表される(R)-テトラゾール化合物を生成させる工程(1-2)、及び
一般式(2)で表される(R)-テトラゾール化合物をクロルスルホニルイソシアネートと反応させて一般式(1)で表される(R)-カルバミン酸アリール-2-テトラゾリルエチルエステルを得る工程(1-3)を含む、
カルバミン酸アリール-2-テトラゾリルエチルエステルの製造方法。
JPEG
2024138888000025.jpg
122
170
(式(1)~(4)中、R
1
及びR
2
は、独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R
3
は保護基である。)
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】

1
は水素原子であり、R
2
はハロゲン原子である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
ハロゲン原子は塩素原子であり、フェニル基の2位に位置する請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
保護基がベンジル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基またはベンゾイル基である請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
工程(1-1)における1Hテトラゾール化合物との反応が、酸触媒共存下で実施されるか、または光延反応により実施される請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
一般式(9)で表される(R)-ヒドロキシアセトニトリル化合物から、一般式(7)で示される(R)-ヒドロキシアルキルエステル化合物を得る工程(2-2)、
一般式(7)で表されるヒドロキシアルキルエステル化合物のヒドロキシ基を保護して、一般式(6)で表されるアルキルエステル化合物を得る工程(2-3)、及び
一般式(6)で表されるアルキルエステル化合物を還元して、一般式(4)で表される(R)-立体配置のアルコール化合物を得る工程(2-4)を含む、(R)-立体配置のアルコール化合物の製造方法。
JPEG
2024138888000026.jpg
141
170
(式(4)、(6)、(7)、(9)中、R
1
及びR
2
は、独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R
3
は保護基であり、R
4
は炭素数1~6のアルキル基である。)
【請求項7】
工程(2-2)が、一般式(9)で表される(R)-ヒドロキシアセトニトリル化合物にR
4
-OHで表されるアルキルアルコールを反応させて、一般式(7)で示される(R)-ヒドロキシアルキルエステル化合物を得る工程(2-2a)である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
工程(2-2)が、一般式(9)で表される(R)-ヒドロキシアセトニトリル化合物に酸化合物を反応させるか、またはニトリラーゼを作用させて、一般式(8)で示される(R)-ヒドロキシカルボン酸化合物を得、さらに一般式(8)で示される(R)-ヒドロキシカルボン酸化合物にR
4
-OHで表されるアルキルアルコールを反応させて、一般式(7)で示される(R)-ヒドロキシアルキルエステル化合物を得る工程(2-2b)である、請求項6に記載の製造方法。
JPEG
2024138888000027.jpg
42
170
(式(8)中、R
1
及びR
2
は、独立して、水素原子またはハロゲン原子である。)
【請求項9】
一般式(10)で表されるベンズアルデヒド化合物とシアン化合物を(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの存在下で反応させて、一般式(9)で表される(R)-ヒドロキシアセトニトリルを得る工程(2-1)を工程(2-2)の前に含む、請求項6に記載の製造方法。
JPEG
2024138888000028.jpg
44
170
(式(10)中、R
1
及びR
2
は、独立して、水素原子またはハロゲン原子である。)
【請求項10】

1
は水素原子であり、R
2
はハロゲン原子である請求項6に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カルバミン酸アリール-2-テトラゾリルエチルエステルの製造方法及びその合成中間体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-(2H-テトラゾール-2-イル)カルバミン酸エチルは、てんかん治療薬として、2019年11月に米国でFDAの承認を受けている。合成方法は、特許文献1及び非特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2013-507911号公報
WO2017/150560
WO2020/009168
【非特許文献】
【0004】
Andrew C. Flick et al.,J.Med.Chem.2021,64,3604-3657
M.Dadashipour and Y.Asano,ACS Catal.2011,1,1121-1149
浅野 泰久、生化学誌、Vol.94、No.5,第681~689頁、2022年
Т.Yamaguchi他、Sci.Rep.Vol.8,第3051頁~、2018年
A.Nuylert他、ACS Omega、Vol.5、No.43、第27896~27908、2020年
Z.-Y. Zhai他、Journal of Industrial Microbiology and Biotechnology、Vol.46、No.7、第887~898頁、2019年
N. Adebar 他、European Journal of Organic Chemistry、第6062~6067頁、2020年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び非特許文献1に記載の(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-(2H-テトラゾール-2-イル)カルバミン酸エチルの製造方法では、下記反応スキームに記載のように、最初の段階で、2-ブロモ-2’-クロロアセトフェノン(式中のX=Br)に1H-テトラゾールを反応させてケトン化合物を得る。得られたケトン化合物は、1N-ケトンと2N-ケトンであり、2N-ケトンから1N-ケトンを分離除去した後、2N-ケトンをエナンチオ選択的に還元して、アルコール化合物(1N-アルコール)とし、得られた1N-アルコールにクロルスルホニルイソシアネートを反応させて、目的とする(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-(2H-テトラゾール-2-イル)カルバミン酸エチルを得ている。
【0006】
JPEG
2024138888000001.jpg
69
170
【0007】
上記特許文献1及び非特許文献1に記載の(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-(2H-テトラゾール-2-イル)カルバミン酸エチルの製造方法では、1H-テトラゾールを反応させて得られるケトン化合物は、1N-ケトンと2N-ケトンの2種類であり、これを分離生成して2N-ケトンとした後に2N-ケトンをエナンチオ選択的に還元し、かつクロルスルホニルイソシアネートと反応させて、目的化合物を得る。1N-ケトンと2N-ケトンの生成比はほぼ1:1であるために、目的物の生産性に劣り、かつ2N-ケトンをエナンチオ選択的還元するために、酸化還元酵素を必要とする。
【0008】
本発明は、目的物製造の工程で、ラセミ体の生成と一方の光学活性体を分離する工程を経ることなく、目的物を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ハロゲン化ベンズアルデヒドから酵素を用いて光学活性ハロゲン化マンデロニトリルをエナンチオ選択的に製造し、光学活性ハロゲン化マンデロニトリルから目的物であるできる方法を利用し、(R)-1-(2-クロロフェニル)-2-(2H-テトラゾール-2-イル)カルバミン酸エチルを含む化合物を、光学分割を要することなく、合成できることを見いだして、本発明を完成させた。
【0010】
本発明は以下の通りである。
[1]
一般式(4)で表される(R)-アルコール化合物を1Hテトラゾールと反応させて、一般式(3)で表される(R)-テトラゾール化合物を得る工程(1-1)、
一般式(3)で表される(R)-テトラゾール化合物を脱保護して一般式(2)で表される(R)-テトラゾール化合物を生成させる工程(1-2)、及び
一般式(2)で表される(R)-テトラゾール化合物をクロルスルホニルイソシアネートと反応させて一般式(1)で表される(R)-カルバミン酸アリール-2-テトラゾリルエチルエステルを得る工程(1-3)を含む、
カルバミン酸アリール-2-テトラゾリルエチルエステルの製造方法。
JPEG
2024138888000002.jpg
115
170
(式(1)~(4)中、R
1
及びR
2
は、独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R
3
は保護基である。)
[2]

1
は水素原子であり、R
2
はハロゲン原子である[1]に記載の製造方法。
[3]
ハロゲン原子は塩素原子であり、フェニル基の2位に位置する[2]に記載の製造方法。
[4]
保護基がベンジル基、2,4,6-トリメチルベンゾイル基またはベンゾイル基である[1]~[3]のいずれか1項に記載の製造方法。
[5]
工程(1-1)における1Hテトラゾール化合物との反応が、酸触媒共存下で実施されるか、または光延反応により実施される[1]~[4]のいずれか1項に記載の製造方法。
[6]
一般式(9)で表される(R)-ヒドロキシアセトニトリル化合物から、一般式(7)で示される(R)-ヒドロキシアルキルエステル化合物を得る工程(2-2)、
一般式(7)で表されるヒドロキシアルキルエステル化合物のヒドロキシ基を保護して、一般式(6)で表されるアルキルエステル化合物を得る工程(2-3)、及び
一般式(6)で表されるアルキルエステル化合物を還元して、一般式(4)で表される(R)-立体配置のアルコール化合物を得る工程(2-4)を含む、(R)-立体配置のアルコール化合物の製造方法。
JPEG
2024138888000003.jpg
140
170
(式(4)、(6)、(7)、(9)中、R
1
及びR
2
は、独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、R
3
は保護基であり、R
4
は炭素数1~6のアルキル基である。)
[7]
工程(2-2)が、一般式(9)で表される(R)-ヒドロキシアセトニトリル化合物にR
4
-OHで表されるアルキルアルコールを反応させて、一般式(7)で示される(R)-ヒドロキシアルキルエステル化合物を得る工程(2-2a)である、[6]に記載の製造方法。
[8]
工程(2-2)が、一般式(9)で表される(R)-ヒドロキシアセトニトリル化合物に酸化合物を反応させるか、またはニトリラーゼを作用させて、一般式(8)で示される(R)-ヒドロキシカルボン酸化合物を得、さらに一般式(8)で示される(R)-ヒドロキシカルボン酸化合物にR
4
-OHで表されるアルキルアルコールを反応させて、一般式(7)で示される(R)-ヒドロキシアルキルエステル化合物を得る工程(2-2b)である、[6]に記載の製造方法。
JPEG
2024138888000004.jpg
42
170
(式(8)中、R
1
及びR
2
は、独立して、水素原子またはハロゲン原子である。)
[9]
一般式(10)で表されるベンズアルデヒド化合物とシアン化合物を(R)-ヒドロキシニトリルリアーゼの存在下で反応させて、一般式(9)で表される(R)-ヒドロキシアセトニトリルを得る工程(2-1)を工程(2-2)の前に含む、[6]~[8]のいずれか1項に記載の製造方法。
JPEG
2024138888000005.jpg
47
170
(式(10)中、R
1
及びR
2
は、独立して、水素原子またはハロゲン原子である。)
[10]

1
は水素原子であり、R
2
はハロゲン原子である[6]~[9]のいずれか1項に記載の製造方法。
[11]
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

国立大学法人京都大学
光感受性物質含有リポタンパク質、光線力学的療法用製剤、薬物デリバリー方法及び後眼部新生血管閉塞方法
1か月前
高砂香料工業株式会社
香料組成物
2か月前
株式会社トクヤマ
グルコンアミド誘導体
8日前
日本化薬株式会社
新規顕色剤及び記録材料
15日前
日本化薬株式会社
新規顕色剤及び記録材料
15日前
花王株式会社
ポリアミド系ポリマー
28日前
ダイキン工業株式会社
シラン化合物
8日前
日本化薬株式会社
シアノ複素環化合物の製造方法
2か月前
個人
メタンガス生成装置およびメタンガス生成方法
2か月前
個人
メタンガス生成装置およびメタンガス生成方法
2か月前
東ソー株式会社
1,2-ジクロロエタンの製造方法
2か月前
株式会社トクヤマ
グルコンアミド誘導体の製造方法
8日前
花王株式会社
新規ピリジニウム化合物
14日前
株式会社トクヤマ
結晶形Iのリオシグアトの製造方法
1か月前
株式会社クラレ
メタクリル酸メチルの製造方法
2か月前
国立大学法人京都大学
細胞質送達ペプチド
5日前
日産化学株式会社
ピラゾール化合物及び有害生物防除剤
28日前
日本曹達株式会社
エチルメチルスルホンの製造方法
2か月前
ダイキン工業株式会社
分離方法
1か月前
石原産業株式会社
シアノイミダゾール系化合物の製造方法
1か月前
小川香料株式会社
化合物及び香料組成物
5日前
小川香料株式会社
化合物及び香料組成物
5日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物、発光デバイス
1か月前
ダイキン工業株式会社
SF5含有シラン化合物
今日
大正製薬株式会社
MMP9阻害作用を有するインドール化合物
2か月前
石原産業株式会社
シクラニリプロールの製造中間体の製造方法
1か月前
オリザ油化株式会社
新規化合物及びその用途
27日前
株式会社アイティー技研
炭化水素の合成方法及び合成装置
1か月前
株式会社フラスク
含ホウ素化合物および有機EL素子
2か月前
日本化薬株式会社
イソシアヌレート環を有する多官能アミン化合物
2か月前
キッコーマン株式会社
ナノポアタンパク質
1か月前
国立大学法人九州大学
重水素化化合物の製造方法
1か月前
国立大学法人 東京大学
アシルヒドラゾン誘導体
2か月前
ユニマテック株式会社
フェノチアジン誘導体化合物の精製方法
2か月前
株式会社レゾナック
C2化合物の製造方法
1か月前
国立医薬品食品衛生研究所長
新規ペプチド
13日前
続きを見る