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公開番号2024138750
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-09
出願番号2023049415
出願日2023-03-27
発明の名称染色されたナイロン繊維構造物
出願人ウラセ株式会社,紀和化学工業株式会社,サステナテック株式会社,国立大学法人福井大学,東海染工株式会社,株式会社フジックス
代理人弁理士法人大手門国際特許事務所
主分類D06P 1/94 20060101AFI20241002BHJP(繊維または類似のものの処理;洗濯;他に分類されない可とう性材料)
要約【課題】本発明は、超臨界二酸化炭素流体を用いた染色処理により染色された良好な着色及び堅牢度を備えたナイロン繊維構造物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る染色されたナイロン繊維構造物は、超臨界二酸化炭素流体を染色媒体として用いて反応分散染料により染色されており、色濃度を示すΣK/S値が10~75で、洗濯堅牢度試験(JIS L 0844)、昇華堅牢度試験(JIS L 0854)、ドライクリーニング堅牢度試験(JIS L 0860)、水堅牢度試験(JIS L 0846)、汗堅牢度試験(JIS L 0848)及び摩擦堅牢度試験(JIS L 0849)においていずれも堅牢度が4-5級以上である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
超臨界二酸化炭素流体を染色媒体として用いて反応分散染料により染色されたナイロン繊維構造物。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
洗濯堅牢度試験(JIS L 0844)、昇華堅牢度試験(JIS L 0854)、ドライクリーニング堅牢度試験(JIS L 0860)、水堅牢度試験(JIS L 0846)、汗堅牢度試験(JIS L 0848)及び摩擦堅牢度試験(JIS L 0849)においていずれも堅牢度が4-5級以上である請求項1に記載の染色されたナイロン繊維構造物。
【請求項3】
被染物の反射率Rに基づいて下記数式(1)により算出されるK/S値を所定の波長毎に求めて加算したΣK/S値が10~75である請求項1又は2に記載の染色されたナイロン繊維構造物。
K/S値=(1-R)
2
/2R・・・(1)
【請求項4】
前記反応分散染料は、反応基としてモノクロロトリアジン基を有する染料である請求項1に記載の染色されたナイロン繊維構造物。
【請求項5】
超臨界二酸化炭素流体からなる染色媒体に反応分散染料を溶解させた染液によりナイロン繊維構造物を染色する染色方法。
【請求項6】
前記染液には、共溶媒が添加されている請求項5に記載の染色方法。
【請求項7】
前記共溶媒の添加量は、前記染色媒体に対して0.1モル%~5モル%である請求項6に記載の染色方法。
【請求項8】
前記反応分散染料は、反応基としてモノクロロトリアジン基を有する染料である請求項5に記載の染色方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、超臨界二酸化炭素流体を染色媒体として用いて染色されたナイロン繊維構造物に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
超臨界流体を染色媒体として用いる染色技術は、水を全く使用しない染色技術であり、超臨界流体を状態変化させることで循環・再利用することができ、きわめて環境負荷の少ない技術として注目されている。
【0003】
例えば、二酸化炭素(CO
2
)の場合には、超臨界又は亜超臨界の状態に設定された超臨界流体で染料を溶解し、染色槽内に配置した布帛に対して超臨界流体を通過させて染色を行い、染色完了後に超臨界流体を開放することで乾いた状態で布帛を取り出し、気体に戻ったCO
2
は加圧・圧縮することで液体として回収して再利用することができる。
【0004】
そのため、超臨界二酸化炭素流体を染色媒体として用いて様々な種類の繊維材料について染色処理を行うことが検討されている。例えば、特許文献1では、超臨界二酸化炭素流体を用いてポリプロピレン繊維構造物を染色処理を行うことが提案されており、優れた染色堅牢度を有する赤色で染色されたポリプロピレン繊維構造物が開示されている。
【0005】
また、非特許文献1には、ポリエステル、ナイロン、シルク及びウールといった各種繊維材料について超臨界二酸化炭素流体を用いて染色処理を行い、染色状態を色濃度及び固着率に基づいて分析した点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6671729号公報
【非特許文献】
【0007】
M. van der Kraan et al., "Dyeing of natural and synthetic textiles in supercritical carbondioxide with disperse reactive dyes", THE JOURNAL OF Supercritical Fluids, 40(2007), 470-476
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ナイロン6、ナイロン66に代表されるポリアミド系繊維は、柔軟な風合いで摩耗に強いといった優れた特性を有しており、衣料等に単独で使用されたり、ポリエステル系繊維といった他の繊維と併用され、一般に広く普及している繊維材料である。
【0009】
ポリアミド系繊維は、染色処理を行う場合、繊維の表面反射光量が多いために十分な染色濃度を得ることが難しく、十分な染色濃度が得られた場合でも染色堅牢度に難点があり、実用化の点で課題があった。そのため、染色処理を行った後にタンニンや金属塩により後処理を行うことが提案されているが、実用化の観点からは不十分であった。
【0010】
染色技術では、所望の色が所望の濃度で均一に染まる着色が行われるとともに着色された色が変退色しない堅牢度を備えていることが求められているが、上述したように、ポリアミド系繊維の1つであるナイロン繊維では、着色及び堅牢度において実用上十分なレベルの染色物は実現されていないのが現状である。
(【0011】以降は省略されています)

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