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公開番号2024138526
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-08
出願番号2024114598,2023573189
出願日2024-07-18,2023-02-15
発明の名称プレート状油性食品
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23G 1/36 20060101AFI20241001BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】
プレート状の油性食品を介して焼き菓子同士を接着させ、製造過程及び流通過程でのべたつきやはがれ、ズレが抑制できる焼き菓子接着に用いることができるプレート状油性食品及びこれを用いた複合菓子を提供することを課題とする。
【解決手段】
特定範囲のヨウ素価、飽和脂肪酸及びS3型トリグリセリド含量を含む油脂Aを含むテンパリングタイプの油性食品であって、油脂成分中のSUS型トリグリセリドが50~80重量%、SU2型とU3型トリグリセリドの合計量が8.5~24重量%、であるプレート状油性食品を用いることで、本願課題を解決することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
1)~3)の全要件を満たす油脂Aを油脂成分中に3~35重量%含み、
油脂成分が(a)及び(b)の要件を満たす、テンパリングタイプのプレート状油性食品。
油脂A
1)ヨウ素価が60~200である、
2)飽和脂肪酸を5~50重量%含む、
3)S3型トリグリセリドが5重量%以下、
油性食品の油脂成分
(a)油脂がSUS型トリグリセリドを50~85重量%、
(b)SU2型とU3型トリグリセリドの合計量が8.5~24重量%、
但し、S:炭素数16~24の飽和脂肪酸、U:炭素数16~24の不飽和脂肪酸
S3:トリグリセリドにSが3つ結合したトリグリセリド、
SUS:トリグリセリドの1位及び3位にSが結合、2位にUが結合したトリグリセリド、
SU2:トリグリセリドにSが1つ、Uが2つ結合したトリグリセリド、
U3:トリグリセリドにUが3つ結合したトリグリセリド、を意味する。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
油脂成分が油性食品全体の25~65重量%である、請求項1に記載のプレート状油性食品。
【請求項3】
焼き菓子接着用である請求項1又は2に記載のプレート状油性食品。
【請求項4】
1)~3)の全要件を満たす油脂Aを油脂成分中に3~35重量%配合し、
油脂成分が(a)及び(b)の要件を満たす油性食品を、テンパリング操作を行い、2mm~20mmの厚さのプレート状に成形するプレート状油性食品の製造方法。
油脂A
1)ヨウ素価が60~200である、
2)飽和脂肪酸を5~50重量%含む、
3)S3型トリグリセリドが5重量%以下、
油性食品の油脂成分
(a)油脂がSUS型トリグリセリドを50~85重量%、
(b)SU2型とU3型トリグリセリドの合計量が8.5~24重量%
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のプレート状油性食品を用いた複合菓子。
【請求項6】
請求項3に記載のプレート状油性食品を用いた複合菓子。
【請求項7】
請求項4に記載のプレート状油性食品を用いて、焼き菓子を接着させる複合菓子の製造方法。
【請求項8】
請求項1又は請求項2に記載のプレート状油性食品を使用して、焼き菓子を接着することで、接着性を向上させてズレやはがれを抑制する方法。
【請求項9】
請求項3に記載のプレート状油性食品を使用して、焼き菓子を接着することで、接着性を向上させてズレやはがれを抑制する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、焼き菓子と焼き菓子の間に用いるプレート状油性食品の提供及びこれを使用する複合菓子に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
焼き菓子と焼き菓子の間に油性食品を挟んだ食品は多く提供されている。
それらの多くは、油性食品としてサンドクリーム、スプレッド、ショートニングなどと呼ばれる軟らかい物性の食品が用いられており、それらの用途に適した油脂の検討がされてきた(特許文献1)。
サンドクリームなどの油性食品は、流動性又は可塑性を有しており、焼き菓子との接着性が高い素材である。そのため、サンドクリームを間に挟んだ焼き菓子は、流通過程でそれらの接着面がはがれることが少なく、従前から市場で流通している。(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-150625号公報
特開2018-166428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、焼き菓子と焼き菓子の間に用いる油性食品として、板チョコレートのようなプレート状の素材を採用したいという要望は多い。
板チョコレートとは、一般的には融解したチョコレートをテンパリングしてからモールド(型)に入れて成型した、一定の厚みがあるチョコレートであり、硬いぱきっとした食感と濃厚なチョコレートらしい風味と口どけを特徴とする。
【0005】
板チョコレートなどの油性食品は、従来のサンドクリームやスプレッドと比較してぱきっとした食感や濃厚な風味に特徴を有する。これらを焼き菓子と焼き菓子の間に挟む場合、表面がしっかり固まっているために接着に必要な、いわゆる「ぬれ」が存在せず、焼き菓子と油性食品が接着しない。従って、油性食品を介して焼き菓子が接着せず、流通過程ですぐにはがれ落ちてしまうという問題があった。
【0006】
はがれ落ちの問題を解決するために、板チョコレートに融解したチョコレートなどの油性食品を塗布することで「ぬれ」を生じさせ、焼き菓子と接着する方法を用いることがある。
しかし、融解したチョコレートを板チョコレートとは別に準備する必要があり、連続生産の工程としては煩雑であった。
【0007】
発明者らは、種々の検討を重ね、焼き菓子を焼成した後に残った余熱で、プレート状油性食品を一部融解させて焼き菓子と接着させる方法を採用した。しかしながら、余熱でプレート状油性食品を融解させることで、接着性を向上させることができるが、多く融解してしまうとプレート状態を保持できない。一方で、融解しなければ接着させることができないという問題が生じた。
【0008】
従って本発明の目的は、焼き菓子焼成後の余熱を利用して、プレート状油性食品を介して焼き菓子同士を接着させ、製造過程及び流通過程でのべたつきやはがれ、ズレが抑制された複合菓子を提供することである。さらに接着後もプレート状を維持することができ、食感及び風味が良好である、焼き菓子接着に用いることができるプレート状油性食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは上記課題を解決すべく更に鋭意検討を重ねた結果、プレート状油性食品が、ヨウ素価、飽和脂肪酸含有量及びS3型トリグリセリドの含有量について一定要件を満たす油脂Aを含み、油性食品中の油脂成分が特定要件を満たすことで、風味、口どけが良好であり、焼き菓子接着に用いることができることを見出した。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1)1)~3)の全要件を満たす油脂Aを油脂成分中に3~35重量%含み、油脂成分が(a)及び(b)の要件を満たす、テンパリングタイプのプレート状油性食品、
油脂A
1)ヨウ素価が60~200である、
2)飽和脂肪酸を5~50重量%含む、
3)S3型トリグリセリドが5重量%以下、
油性食品の油脂成分
(a)油脂がSUS型トリグリセリドを50~85重量%、
(b)SU2型とU3型トリグリセリドの合計量が8.5~24重量%、
但し、S:炭素数16~24の飽和脂肪酸、U:炭素数16~24の不飽和脂肪酸、
S3:トリグリセリドにSが3つ結合したトリグリセリド、
SUS:トリグリセリドの1位及び3位にSが結合、2位にUが結合したトリグリセリド、
SU2:トリグリセリドにSが1つ、Uが2つ結合したトリグリセリド、
U3:トリグリセリドにUが3つ結合したトリグリセリド、を意味する、
(2)油脂成分が油性食品全体の25~65重量%である、(1)に記載のプレート状油性食品、
(3)焼き菓子接着用である(1)又は(2)に記載のプレート状油性食品、
(4)1)~3)の全要件を満たす油脂Aを油脂成分中に3~35重量%配合し、油脂成分が(a)及び(b)の要件を満たす油性食品を、2mm~20mmの厚さのプレート状に成形するプレート状油性食品の製造方法、
油脂A
1)ヨウ素価が60~200である、
2)飽和脂肪酸を5~50重量%含む、
3)S3型トリグリセリドが5重量%以下、
油性食品の油脂成分
(a)油脂がSUS型トリグリセリドを50~85重量%、
(b)SU2型とU3型トリグリセリドの合計量が8.5~24重量%、
(5)(1)又は(2)に記載のプレート状油性食品を用いた複合菓子、
(6)(3)に記載のプレート状油性食品を用いた複合菓子、
(7)(4)に記載のプレート状油性食品を用いて、焼き菓子を接着させる複合菓子の製造方法、
(8)(1)又は(2)に記載のプレート状油性食品を使用して、焼き菓子を接着することで、接着性を向上させてズレやはがれを抑制する方法、
(9)(3)に記載のプレート状油性食品を使用して、焼き菓子を接着することで、接着性を向上させてズレやはがれを抑制する方法、
である。
換言すれば、本発明は、
(1)1)~3)の全要件を満たす油脂Aを油脂成分中に3~35重量%含み、油脂成分が(a)及び(b)の要件を満たす、テンパリングタイプのプレート状油性食品、
油脂Aは、1)ヨウ素価が60~200である、2)飽和脂肪酸を5~50重量%含む、3)S3型トリグリセリドが5重量%以下、
油性食品の油脂成分は、(a)油脂がSUS型トリグリセリドを50~85重量%、(b)SU2型とU3型トリグリセリドの合計量が8.5~24重量%、
但し、S:炭素数16~24の飽和脂肪酸、U:炭素数16~24の不飽和脂肪酸
S3:トリグリセリドにSが3つ結合したトリグリセリド、
SUS:トリグリセリドの1位及び3位にSが結合、2位にUが結合したトリグリセリド、
SU2:トリグリセリドにSが1つ、Uが2つ結合したトリグリセリド、
U3:トリグリセリドにUが3つ結合したトリグリセリド、を意味する、
(2)油脂成分が油性食品全体の25~65重量%である、(1)に記載のプレート状油性食品、
(3)焼き菓子接着用である(1)又は(2)に記載のプレート状油性食品、
(4)1)~3)の全要件を満たす油脂Aを油脂成分中に3~35重量%配合し、油脂成分が(a)及び(b)の要件を満たす油性食品を、2mm~20mmの厚さのプレート状に成形するプレート状油性食品の製造方法、
油脂Aは、1)ヨウ素価が60~200である、2)飽和脂肪酸を5~50重量%含む、3)S3型トリグリセリドが5重量%以下、
油性食品の油脂成分は、(a)油脂がSUS型トリグリセリドを50~85重量%、
(b)SU2型とU3型トリグリセリドの合計量が8.5~24重量%、
(5)(1)~(3)いずれか一つに記載のプレート状油性食品を用いた複合菓子、
(6)(1)~(3)いずれか一つに記載のプレート状油性食品を用いて、焼き菓子を接着させる複合菓子の製造方法、
(7)(1)~(3)いずれか一つに記載のプレート状油性食品を使用して、焼き菓子を接着することで、接着性を向上させてズレやはがれを抑制する方法、
である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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