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公開番号2024140399
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023051527
出願日2023-03-28
発明の名称打錠剤用粉末油脂組成物
出願人不二製油株式会社
代理人
主分類A23L 33/12 20160101AFI20241003BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】
本発明は、高度不飽和脂肪酸を含有する打錠剤用粉末油脂組成物を提供すること、また、それを用いた打錠剤及びその製造法を提供すること、更に、高度不飽和脂肪酸を含有する打錠剤において、酸化に伴う経時的な異風味の発生を抑制する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
所定の植物性蛋白質素材の使用により、酸化に伴う経時的な異風味の発生が抑えられた、高度不飽和脂肪酸を含有する粉末油脂が得られること、かかる粉末油脂が、高度不飽和脂肪酸を含有する打錠剤への使用に適することを見いだし、本発明を完成させた。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の構成からなる、打錠剤用粉末油脂組成物。
1 高度不飽和脂肪酸を5~30質量%含有する。
2 高度不飽和脂肪酸を含有する油相Bを連続相とし、水溶性抗酸化剤が15~50質量%溶解した水相Aが分散している。
3 植物性蛋白質素材Fを5~60質量%含有する。
但し、該植物性蛋白質素材Fは以下a)~c)の要件を満たす。
a)固形分中の蛋白質含量が70質量%以上。
b)NSIが80以上。
c)分子量分布の測定結果で、2,000Da以上20,000Da未満の面積比率が45~90%。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の打錠剤用粉末油脂組成物と糖アルコールを、15:85~1:99の割合で含む、打錠剤。
【請求項3】
該糖アルコールが粉末状である、請求項2に記載の打錠剤。
【請求項4】
打錠剤が、錠菓である、請求項2又は請求項3に記載の打錠剤。
【請求項5】
以下の構成からなる打錠剤用粉末油脂組成物と糖アルコールを、15:85~1:99の割合で配合し、圧縮成形を行う、打錠剤の製造方法。
1 高度不飽和脂肪酸を5~30質量%含有する。
2 高度不飽和脂肪酸を含有する油相Bを連続相とし、水溶性抗酸化剤が15~50質量%溶解した水相Aが分散している。
3 植物性蛋白質素材Fを5~60質量%含有する。
但し、該植物性蛋白質素材Fは以下a)~c)の要件を満たす。
a)固形分中の蛋白質含量が70質量%以上。
b)NSIが80以上。
c)分子量分布の測定結果で、2,000Da以上20,000Da未満の面積比率が45~90%。
【請求項6】
該糖アルコールが粉末状である、請求項5に記載の打錠剤の製造方法。
【請求項7】
打錠剤が、錠菓である、請求項5又は請求項6に記載の打錠剤の製造方法。
【請求項8】
以下の構成からなる打錠剤用粉末油脂組成物と、糖アルコールを、15:85~1:99の割合で配合する、打錠剤の異風味抑制方法。
1 高度不飽和脂肪酸を5~30質量%含有する。
2 高度不飽和脂肪酸を含有する油相Bを連続相とし、水溶性抗酸化剤が15~50質量%溶解した水相Aが分散している。
3 植物性蛋白質素材Fを5~60質量%含有する。
但し、該植物性蛋白質素材Fは以下a)~c)の要件を満たす。
a)固形分中の蛋白質含量が70質量%以上。
b)NSIが80以上。
c)分子量分布の測定結果で、2,000Da以上20,000Da未満の面積比率が45~90%。
【請求項9】
該糖アルコールが粉末状である、請求項8に記載の打錠剤の異風味抑制方法。
【請求項10】
打錠剤が、錠菓である、請求項8又は請求項9に記載の打錠剤の異風味抑制方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高度不飽和脂肪酸を含有する打錠剤用粉末油脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)に代表される、高度不飽和脂肪酸は、その生理作用等から摂取が推奨されており、より簡便に摂取する方法が望まれている。
【0003】
特許文献1は、「粉末油脂」と称する出願であり、大豆蛋白を例として含む高蛋白微粉末を使用する旨記載されている。
特許文献2は、「粉末油脂」と称する出願であり、粉末化基材の例示として、大豆蛋白、小麦蛋白が記載されている。また、使用する油脂として魚油の記載もある。
特許文献3は「乳化食品製造用蛋白質含有油脂乳化組成物」と称する出願であり、分子量分布により特定された蛋白質について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002-294275号公報
特開2007-289116号公報
国際公開WO2019/189810号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高度不飽和脂肪酸を簡便に摂取する方法として、高度不飽和脂肪酸を含有する粉末油脂を使用した、打錠剤による摂取が考えられる。
本発明者らは、高度不飽和脂肪酸を含有する粉末油脂を使用した打錠剤について検討を重ねた。しかしながら、高度不飽和脂肪酸を含有する粉末油脂において、酸化に伴う経時的な異風味が発生するため、打錠剤を得るうえで大きな課題となった。
【0006】
前記のように、引用文献1~引用文献3いずれの出願にも、高度不飽和脂肪酸を含有する粉末油脂については開示されていないし、酸化に伴う経時的な異風味の発生が抑制された打錠剤を提供するものでもなかった。
そこで本発明の目的は、酸化に伴う経時的な異風味の発生が抑制された、高度不飽和脂肪酸を含有する打錠剤用粉末油脂組成物を提供すること、また、それを用いた打錠剤及びその製造法を提供すること、更に、高度不飽和脂肪酸を含有する打錠剤において、酸化に伴う経時的な異風味の発生を抑制する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねたところ、所定の植物性蛋白質素材の使用により、酸化に伴う経時的な異風味の発生が抑えられた、高度不飽和脂肪酸を含有する粉末油脂が得られるという知見を得た。そして、この所定の植物性蛋白質素材を含む、高度不飽和脂肪酸を含有する粉末油脂が、高度不飽和脂肪酸を含有する打錠剤への使用に適することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
(1) 以下の構成からなる、打錠剤用粉末油脂組成物。
1 高度不飽和脂肪酸を5~30質量%含有する。
2 高度不飽和脂肪酸を含有する油相Bを連続相とし、水溶性抗酸化剤が15~50質量%溶解した水相Aが分散している。
3 植物性蛋白質素材Fを5~60質量%含有する。
但し、該植物性蛋白質素材Fは以下a)~c)の要件を満たす。
a)固形分中の蛋白質含量が70質量%以上。
b)NSIが80以上。
c)分子量分布の測定結果で、2,000Da以上20,000Da未満の面積比率が45~90%。
(2) (1)の打錠剤用粉末油脂組成物と糖アルコールを、15:85~1:99の割合で含む、打錠剤。
(3) 該糖アルコールが粉末状である、(2)の打錠剤。
(4) 打錠剤が、錠菓である、(2)又は(3)の打錠剤。
(5) 以下の構成からなる打錠剤用粉末油脂組成物と糖アルコールを、15:85~1:99の割合で配合し、圧縮成形を行う、打錠剤の製造方法。
1 高度不飽和脂肪酸を5~30質量%含有する。
2 高度不飽和脂肪酸を含有する油相Bを連続相とし、水溶性抗酸化剤が15~50質量%溶解した水相Aが分散している。
3 植物性蛋白質素材Fを5~60質量%含有する。
但し、該植物性蛋白質素材Fは以下a)~c)の要件を満たす。
a)固形分中の蛋白質含量が70質量%以上。
b)NSIが80以上。
c)分子量分布の測定結果で、2,000Da以上20,000Da未満の面積比率が45~90%。
(6) 該糖アルコールが粉末状である、(5)の打錠剤の製造方法。
(7) 打錠剤が、錠菓である、(5)又は(6)の打錠剤の製造方法。
(8) 以下の構成からなる打錠剤用粉末油脂組成物と、糖アルコールを、15:85~1:99の割合で配合する、打錠剤の異風味抑制方法。
1 高度不飽和脂肪酸を5~30質量%含有する。
2 高度不飽和脂肪酸を含有する油相Bを連続相とし、水溶性抗酸化剤が15~50質量%溶解した水相Aが分散している。
3 植物性蛋白質素材Fを5~60質量%含有する。
但し、該植物性蛋白質素材Fは以下a)~c)の要件を満たす。
a)固形分中の蛋白質含量が70質量%以上。
b)NSIが80以上。
c)分子量分布の測定結果で、2,000Da以上20,000Da未満の面積比率が45~90%。
(9) 該糖アルコールが粉末状である、(8)の打錠剤の異風味抑制方法。
(10) 打錠剤が、錠菓である、(8)又は(9)の打錠剤の異風味抑制方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、酸化に伴う経時的な異風味の発生が抑えられた、高度不飽和脂肪酸を含有する打錠剤への使用に適した、打錠剤用粉末油脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において高度不飽和脂肪酸とは、不飽和結合を2以上有する不飽和脂肪酸のことを言う。代表的には、DHAやEPAを挙げる事ができる。
なお、本発明における高度不飽和脂肪酸は、グリセリンに1~3のいずれかの個数結合したトリグリセライド(いわゆる油脂)の状態で存在するものである。このような油脂を、本発明ではPUFA含有油脂と称することがある。
(【0011】以降は省略されています)

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