TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025063377
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-16
出願番号
2023172491
出願日
2023-10-04
発明の名称
卵代替物
出願人
不二製油グループ本社株式会社
代理人
主分類
A23L
15/00 20160101AFI20250409BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】
本発明は製造工程での作業性に優れる卵代替物を得、該卵代替物を加熱焼成したとき食感が良好な卵焼成品様食品を得ることを目的とする。
【解決手段】
水、蛋白質素材、油脂、特定のゲル化剤を配合して卵代替物として用いた場合に、製造工程の作業性に優れた卵代替物を製造でき、食感の優れた卵焼成食品が得られることを見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
水、蛋白質素材、油脂、及び以下の(A)及び(B)のゲル化剤を含む卵代替物であって、該卵代替物中の蛋白質素材、油脂、ゲル化剤及び水の総量を100質量%としたとき、蛋白質素材が0.01~10質量%、油脂が30~70質量%、(A)及び(B)のゲル化剤の総量が1~10質量%である卵代替物。
(A)カードラン。
(B)ジェランガム及びグルコマンナンから選択される1種以上。
続きを表示(約 530 文字)
【請求項2】
さらに食物繊維を含み、卵代替物中の水、蛋白質素材、油脂、ゲル化剤及び食物繊維の総量を100質量%としたとき、蛋白質素材が0.01~10質量%、油脂が30~70質量%、(A)及び(B)のゲル化剤の総量が1~10質量%、食物繊維が0.1~10質量%である、請求項1記載の卵代替物。
【請求項3】
蛋白質素材が、植物性蛋白質素材である、請求項1または2記載の卵代替物。
【請求項4】
水中油型乳化物である、請求項1または2記載の卵代替物。
【請求項5】
水中油型乳化物である、請求項3記載の卵代替物。
【請求項6】
請求項1~3何れか1項記載の卵代替物が焼成された卵焼成品様食品。
【請求項7】
請求項4記載の卵代替物が焼成された卵焼成品様食品。
【請求項8】
請求項5記載の卵代替物が焼成された卵焼成品様食品。
【請求項9】
請求項6~8何れか1項記載の卵焼成品様食品の乾燥物。
【請求項10】
請求項1~3何れか1項記載の卵代替物を焼成する、卵焼成品様食品の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵代替物に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
卵はその機能、栄養価等に優れた特徴を有することから、調味料、惣菜、菓子など様々な食品に幅広く利用されている。しかし、近年、消費者の健康への意識が高まっていることから、コレステロール含量の高い卵の摂取が敬遠される傾向にある。また、近年、鳥インフルエンザ流行の影響によって卵不足状態が深刻になり、鶏卵の価格が激しく変動している。このような背景から、これまで卵代替食品に関する検討が種々為されてきた。
【0003】
卵代替を製造する技術として、例えば、緑豆タンパク質およびトランスグルタミナーゼを用いる技術が開示されている(特許文献1)。また、白色系のインゲンマメ種又はケツルアズキ種の豆の抽出タンパク質を用いる技術が開示されている(特許文献2)。また、アーモンドの抽出タンパク質及びカードランを用いる技術が開示されている(特許文献3)。また、エンドウや米等の植物性タンパク質及びメチルセルロースや高アシルジェランガム等の物性調整・ゲル化剤等を原料に用いる技術が開示されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
US20200352195A1
特許第7045507号公報
特許第6963707号公報
WO2022/020149
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の卵代替物は加熱焼成前の生地が柔らかすぎるため十分ではなく、例えば、フライする場合の金型への生地の付着性が高く、金型による成形がしにくい等製造工程での作業性に問題があった。その結果、卵代替物を加熱焼成して得られる卵焼成様食品の食感が不十分な場合があり、改善の余地がある。
本発明は製造工程での作業性に優れる卵代替物を得、該卵代替物を加熱焼成したとき食感が良好な卵焼成品様食品を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の課題の解決に対し鋭意検討を重ねた結果、水、蛋白質素材、油脂含量が30~70質量%という、高油脂含量の油脂、特定のゲル化剤を配合して卵代替物として用いた場合に、製造工程の作業性に優れ、食感の優れた卵焼成食品様食品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、
(1)水、蛋白質素材、油脂、及び以下の(A)及び(B)のゲル化剤を含む卵代替物であって、該卵代替物中の蛋白質素材、油脂、ゲル化剤及び水の総量を100質量%としたとき、蛋白質素材が0.01~10質量%、油脂が30~70質量%、(A)及び(B)のゲル化剤の総量が1~10質量%である卵代替物、
(A)カードラン、
(B)ジェランガム及びグルコマンナンから選択される1種以上、
(2)さらに食物繊維を含み、卵代替物中の水、蛋白質素材、油脂、ゲル化剤及び食物繊維の総量を100質量%としたとき、蛋白質素材が0.01~10質量%、油脂が30~70質量%、(A)及び(B)のゲル化剤の総量が1~10質量%、食物繊維が0.1~10質量%である、(1)記載の卵代替物、
(3)蛋白質素材が、植物性蛋白質素材である、(1)または(2)記載の卵代替物、
(4)水中油型乳化物である、(1)または(2)記載の卵代替物、
(5)水中油型乳化物である、(3)記載の卵代替物、
(6)(1)~(3)何れか1つに記載の卵代替物が焼成された卵焼成品様食品、
(7)(4)記載の卵代替物が焼成された卵焼成品様食品、
(8)(5)記載の卵代替物が焼成された卵焼成品様食品、
(9)(6)~(8)何れか1つに記載の卵焼成品様食品の乾燥物、
(10)(1)~(3)何れか1つに記載の卵代替物を焼成する、卵焼成品様食品の製造方法、
(11)(4)記載の卵代替物を焼成する、卵焼成品様食品の製造方法、
(12)(5)記載の卵代替物を焼成する、卵焼成品様食品の製造方法、
である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の卵代替物は金型等への付着が少なく、作業性が良好であり、また、該卵代替物から風味、食感の優れた卵焼成品様食品を製造することができる。また、別の態様として、卵と該卵代替物の混合物から風味、食感の優れた卵焼成品様食品を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(卵代替物)
本発明の卵代替物は、水、蛋白質素材、油脂、及び以下の(A)及び(B)のゲル化剤を含む卵代替物であって、該卵代替物中の蛋白質素材、油脂、ゲル化剤(A)及び(B)及び水の総量を100質量%としたとき、蛋白質素材が0.01~10質量%、油脂が30~70質量%、(A)及び(B)のゲル化剤の総量が1~10質量%であることを特徴とする。
(A)カードラン。
(B)ジェランガム及びグルコマンナンから選択される1種以上。
本発明の卵代替物は、さらに加熱処理を加えたものであっても良い。
本発明の卵代替物は金型等への付着が少なく、作業性が良好であり、また、該卵代替物から風味、食感の優れた卵焼成品様食品を製造することができる。
【0010】
(油脂)
本発明に用いる油脂として、例えば、大豆油、菜種油、ひまわり油、ハイオレイックひまわり油、米油、綿実油、コーン油、サフラワー油、落花生油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、オリーブ油、カポック油、モリンガ油、ゴマ油等の植物性油脂、MCT、もしくはこれらの分別油、エステル交換油、硬化油等を用いることができる。これらの油脂は1種または2種以上を併用して使用することができる。
また、これら植物性油脂に風味付けした風味油脂も使用できる。ここで風味油脂とはエキス類、香味料、スパイス、野菜、調味料、乳原料、その他米糠等の植物由来原料等を添加したり、これらを添加後加熱等の処理をして風味付けした油脂を含む。また、アミノ酸および糖類、脂質を含む調味液から植物性油脂を用いて風味を抽出したものなどを含む。好ましくは少なくとも酵母エキスを含む調味液から植物性油脂を用いて風味を抽出したもの、つまり、風味油脂が少なくとも酵母エキスを含むものである。すなわち、植物性油脂をベースとして別途風味が付与された「風味付与油脂」を含む。
風味油脂は単独で使用しても良いし、上記植物性油脂と併用して使用することもできる。
卵代替物中の油脂含量は、蛋白質素材、油脂、ゲル化剤(A)及び(B)及び水の総量を100質量%としたとき、油脂が30~70質量%である。油脂の下限の量は好ましくは、32質量%以上、35質量%以上、38質量%以上または40質量%とすることができる。また、油脂の上限の量は好ましくは、68質量%以下、65質量%以下、60質量%以下、55質量%以下または50質量%以下とすることができる。下限の量と上限の量は任意に組み合わせることができる。具体的には、例えば、30~68質量%、32~65質量%、35~60質量%、35~55質量%、35~50質量%、40~65質量%、40~60質量%とすることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る