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公開番号2024146512
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2023059463
出願日2023-03-31
発明の名称魚介乾物様風味素材及び魚介乾物様風味素材の製造方法
出願人不二製油株式会社,不二製油グループ本社株式会社
代理人
主分類A23L 27/00 20160101AFI20241004BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】
本発明は、魚節や魚介干物等の魚介乾物様の風味素材を提供することを目的とする。
【解決手段】
グルタチオン含有酵母エキス及び多価不飽和脂肪酸含有素材を含む加熱処理物が、魚介乾物様風味を有することが見出された。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
以下の(A)及び(B)を含む加熱処理物を含有する魚介乾物様風味素材。
(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキス。
(B)多価不飽和脂肪酸含有素材。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記魚介乾物様風味素材の固形分中の含有量が、(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキスの含有量が、0.1~99質量%であり、(B)多価不飽和脂肪酸含有素材の含有量が0.1~99質量%である、請求項1記載の魚介乾物様風味素材。
【請求項3】
さらに、(C)スモーク風味素材を含む加熱処理物を含有する、請求項1記載の魚介乾物様風味素材。
【請求項4】
前記魚介乾物様風味素材の固形分中の含有量が、(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキスの含有量が、0.1~99質量%であり、(B)多価不飽和脂肪酸含有素材の含有量が0.1~99質量%であり、(C)スモーク風味素材の含有量が0.1~99質量%である、請求項3記載の魚介乾物様風味素材。
【請求項5】
以下の(A)及び(B)を混合し、加熱する、魚介乾物様風味素材の製造方法。
(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキス。
(B)多価不飽和脂肪酸含有素材。
【請求項6】
さらに、(C)スモーク風味素材を混合し、加熱する、請求項5記載の魚介乾物様風味素材の製造方法。
【請求項7】
前記魚介乾物様風味素材の固形分中の含有量が、(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキスの含有量が、0.1~99質量%であり、(B)多価不飽和脂肪酸含有素材の含有量が0.1~99質量%である、請求項5記載の魚介乾物様風味素材の製造方法。
【請求項8】
前記魚介乾物様風味素材の固形分中の含有量が、(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキスの含有量が、0.1~99質量%であり、(B)多価不飽和脂肪酸含有素材の含有量が0.1~99質量%であり、(C)スモーク風味素材の含有量が0.1~99質量%である、請求項6記載の魚介乾物様風味素材の製造方法。
【請求項9】
以下の(A)及び(B)を含む混合物を加熱する、魚介乾物様風味素材の製造方法。
(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキス。
(B)多価不飽和脂肪酸含有素材。
【請求項10】
さらに、(C)スモーク風味素材を含む混合物を加熱する、請求項9記載の魚介乾物様風味素材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、魚介乾物様風味素材及び魚介乾物様風味素材の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
将来の人口増加による動物資源の枯渇への対処法として、植物をベースとする食品などサステナブルな食が注目されている。和食においても同様で、資源保護、動物愛護など様々な観点から、カツオ節など動物性食品を使用しないサステナブルな和食が求められている。
しかし、カツオ節の出汁は和食の根幹(基本)であり、カツオ節なしでは、おいしい和食は成り立たない。日本には古くからカツオ節など動物性の食材を使用しない精進料理が存在し、一定の支持を得ているが、やはりカツオ節など動物性素材の出汁を求める声が大きいのが実情である。カツオ出汁の嗜好性に関して、マウスによる実験で、カツオ節出汁に「やみつき」効果がある結果が得られたことから、ヒトも同様に本能的にカツオ節出汁を求めている可能性が高いとする報告がある(非特許文献1)。
また、日本食がユネスコ無形文化遺産に登録されたこともあり、バランスが良くヘルシーな日本食は、世界的に注目され、海外での需要も急拡大している。
しかし、需要に反して、海外(特にEU)にカツオ節を輸出するためには、EU HACCPの非常に厳しい基準をクリアした工場で製造されたカツオ節である必要があるが、日本でこの基準を満たしたカツオ節/カツオ節使用食品はない。スペインなどでは、現地にカツオ節工場も作られているが、焙乾に使用する木材の種類が違ったり、EU HACCPの基準を満たすために、焙乾工程が簡素化されたり、様々な理由で日本と同じ品質のカツオ節が手に入らない課題がある。
また、魚介乾物として、カツオ節等の魚節以外のものとして、魚介類の干物がある。この魚介類干物は、保存時間の経過とともに製造直後に有する魚介類干物の良好な風味を消失してしまうという問題もある。
これまで、上記魚節や魚介類干物の風味に関して様々な検討がされてきている。
例えば、グルタミン酸高含有酵母エキスと糖類の加熱組成物を用いることで、魚介類を用いる食品の風味を増強する技術(特許文献1、2)が開示されている。また、酸化多価不飽和脂肪酸または多価不飽和脂肪酸の加熱組成物を用いることで魚風味を増強する技術(特許文献3)が開示されている。また、スモーク成分をエキス調味料に付与する技術(特許文献4)、後発酵茶茶葉または後発酵茶茶葉抽出物を用いて、枯節風味を付与する技術(特許文献5)が開示されている。また、茶飲料生産工程より産出するスラッジを含有してなる食品における核酸旨味成分保持剤により魚介干物等の食品の旨味を持続させる技術(特許文献6)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-155967号公報
特開2015-154788号公報
特表2012-505647号公報
特開平8-107769号公報
特開2004-049131号公報
特開平10-108655号公報
【非特許文献】
【0004】
日本味と匂学会誌、Vol.16, No2 185-188, 2009年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような問題から、カツオ節等の魚節や魚介類の干物等の魚介類乾物様の風味を付与できる素材が求められている。
しかし、特許文献1~6の技術では、魚節や魚介干物等の魚介類乾物の風味を十分に付与できる素材とはいえず、改良の余地が十分ある。
本発明は、魚節や魚介干物等の魚介乾物様の風味素材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題の解決に対し鋭意検討の結果、グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキス、及び多価不飽和脂肪酸含有素材を含む加熱処理物が、魚介乾物様風味を有することが見出された。かかる知見に基づき、本実施形態に係る魚介乾物様風味素材が完成された。
【0007】
すなわち本開示は、
(1)以下の(A)及び(B)を含む加熱処理物を含有する魚介乾物様風味素材、
(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキス、
(B)多価不飽和脂肪酸含有素材、
(2)前記魚介乾物様風味素材の固形分中の含有量が、(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキスの含有量が、0.1~99質量%であり、(B)多価不飽和脂肪酸含有素材の含有量が0.1~99質量%である、(1)記載の魚介乾物様風味素材、
(3)さらに、(C)スモーク風味素材を含む加熱処理物を含有する、(1)記載の魚介乾物様風味素材、
(4)前記魚介乾物様風味素材の固形分中の含有量が、(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキスの含有量が、0.1~99質量%であり、(B)多価不飽和脂肪酸含有素材の含有量が0.1~99質量%であり、(C)スモーク風味素材の含有量が0.1~99質量%である、(3)記載の魚介乾物様風味素材、
(5)以下の(A)及び(B)を混合し、加熱する、魚介乾物様風味素材の製造方法、
(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキス、
(B)多価不飽和脂肪酸含有素材、
(6)さらに、(C)スモーク風味素材を混合し、加熱する、(5)記載の魚介乾物様風味素材の製造方法、
(7)前記魚介乾物様風味素材の固形分中の含有量が、(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキスの含有量が、0.1~99質量%であり、(B)多価不飽和脂肪酸含有素材の含有量が0.1~99質量%である、(5)記載の魚介乾物様風味素材の製造方法、
(8)前記魚介乾物様風味素材の固形分中の含有量が、(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキスの含有量が、0.1~99質量%であり、(B)多価不飽和脂肪酸含有素材の含有量が0.1~99質量%であり、(C)スモーク風味素材の含有量が0.1~99質量%である、(6)記載の魚介乾物様風味素材の製造方法。
(9)以下の(A)及び(B)を含む混合物を加熱する、魚介乾物様風味素材の製造方法、
(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキス、
(B)多価不飽和脂肪酸含有素材、
(10)さらに、(C)スモーク風味素材を含む混合物を加熱する、(9)記載の魚介乾物様風味素材の製造方法、
(11)(1)~(4)何れか1つに記載の魚介乾物様風味素材が配合された飲食品、
(12)(1)~(4)何れか1つに記載の魚介乾物様風味素材を含有する、飲食品への魚介乾物様風味付与剤、
(13)(1)~(4)何れか1つに記載の魚介乾物様風味素材を飲食品に添加する、飲食品に魚介乾物様風味を付与する方法、
(14)(1)~(4)何れか1つに記載の魚介乾物様風味素材の飲食品への魚介乾物様風味を付与するための使用、
である。
【発明の効果】
【0008】
本実施形態により、魚介乾物様の風味が良好な魚介乾物様風味素材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(魚介乾物様風味素材)
本実施形態に係る魚介乾物様風味素材は以下の(A)及び(B)を含む加熱処理物を含有することを特徴とする。すなわち、
(A)グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキス、
(B)多価不飽和脂肪酸含有素材、である。
好ましくは、さらに(C)スモーク風味素材を含む加熱処理物を含有する。
本実施形態に係る魚介乾物様風味素材における魚介乾物様風味としては、魚節の風味、魚節出汁の風味、貝類の出汁の風味、魚介類の干物の風味が例示できる。
魚節として、例えば、鰹節、宗田節、鮪節、鯖節、鯵節、鰯節、サンマ節、うるめ節、アゴ節等の魚節が挙げられる。また、魚節出汁として、例えば、鰹節、宗田節、鮪節、鯖節、鯵節、鰯節、サンマ節、うるめ節、アゴ節等の魚節の出汁が挙げられる。
また、赤貝、ホタテ貝、ハマグリ、アサリ、シジミ等の貝類の出汁、ウナギ、アナゴ等の魚からとった出汁が挙げられる。
また、魚介類の干物は、魚介類を自然乾燥したり、乾燥機で乾燥して得られるものである。魚介類としては、鰹、鰯、うるめ鰯、サンマ、鯖、鯵、鯛、鱈、鮭、ニシン、トビウオ、いか、するめ、たこ、エビ、赤貝、ホタテ貝、ハマグリ、アサリ、シジミ等の貝類、ナマコ等が挙げられる。
【0010】
魚介乾物様風味素材中の、グルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキス、多価不飽和脂肪酸含有素材、スモーク風味素材は任意の割合で含有させることができる。魚介乾物様風味素材の固形分中のグルタチオン含有酵母エキス及び/またはシステイン含有酵母エキスの含有量は、好ましくは0.1~99質量%であり、多価不飽和脂肪酸含有素材の含有量が好ましくは0.1~99質量%であり、スモーク風味素材の含有量が好ましくは0.1~99質量%である。
(【0011】以降は省略されています)

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