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公開番号2024137921
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2024047033
出願日2024-03-22
発明の名称廃電線の処理設備および廃電線の処理方法
出願人四国アセチレン工業株式会社
代理人個人,個人
主分類B09B 3/35 20220101AFI20240927BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】廃電線から電線の状態を維持したまま樹脂などの被覆材を除去して銅線を回収する廃電線の処理設備および廃電線の処理方法を提供する。
【解決手段】銅線CWと銅線CWを被覆する被覆材Dからなる廃電線EWから銅線CWを回収する廃電線の処理設備であって、廃電線EWを液体窒素LNに浸漬し被覆材Dを被覆材Dの脆性温度以下まで冷却する冷却部4と、冷却部4で冷却された廃電線EWに力を加えて被覆材Dを破砕する破砕部50と、を備えており、破砕部50は、冷却部4で冷却された廃電EWを挟んで加圧する、互いに平行な回転軸53a,54aを有する一対のローラ53,54を有するローラ対52を備えている。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
銅線と銅線を被覆する被覆材からなる廃電線から銅線を回収する廃電線の処理設備であって、
廃電線を液体窒素に浸漬し被覆材を該被覆材の脆性温度以下まで冷却する冷却部と、
該冷却部で冷却された廃電線に力を加えて被覆材を破砕する破砕部と、を備えており、
該破砕部は、
前記冷却部で冷却された廃電線を挟んで加圧する、互いに平行な回転軸を有する一対のローラを有するローラ対を備えている
ことを特徴とする廃電線の処理設備。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記破砕部のローラ対の一対のローラは、
基準となる直径の円筒状面から突出した複数の突起部と、基準となる直径の円筒状面から凹んだ複数の凹み部とを有しており、
該一対のローラの軸方向および円周方向に沿って突起部と凹み部が交互に繰り返されるように設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の廃電線の処理設備。
【請求項3】
前記一対のローラが、
円板の外周面に複数の突起と複数の凹みとを有する複数枚の破砕板を並べて形成されたものであり、
該複数枚の破砕板は、
突起の先端面で形成される先端円の直径と、凹みの底面で形成される底面円の直径と、が異なる2種類以上の破砕板で構成されている
ことを特徴とする請求項2記載の廃電線の処理設備。
【請求項4】
前記破砕部のローラ対の一対のローラは、
その周面に複数の突起を有しており、
該複数の突起は、
一方のローラの突起の先端から他方のローラにおける突起が形成されている周面までの距離W1が、廃電線の線径DRに対して、以下の式1を満たすように形成されている、
および/または、
前記一対のローラの回転軸方向における一方のローラの突起と他方のローラの突起との距離W2が、廃電線の線径DRに対して、以下の式2を満たすように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の廃電線の処理設備。
式1
1.5<DR/W1<8
式2
1.5<DR/W2<8
【請求項5】
前記破砕部のローラ対の一対のローラが、
円板である複数の第一部材と、円板の外周面に歯状の突起を有する複数の第二部材とを、交互に並べて形成されている
ことを特徴とする請求項4記載の廃電線の処理設備。
【請求項6】
前記破砕部に前記冷却部で冷却された廃電線を供給する供給機構を備えており、
該供給機構は、
前記破砕部に向かって回転する第一供給ローラと、
該第一供給ローラと平行かつ該第一供給ローラとの間に間隔を空けて設けられた第二供給ローラと、を有する投入部を備えており、
該投入部の第一供給ローラの外面には、
回転方向の前方に外面の接面と交差する交差面を有する凹み部が該ローラの円周方向に沿って複数設けられており、
前記投入部の第二供給ローラは、
断面が多角形に形成されたローラであり、
前記破砕部から離間する方向に回転するまたは前記破砕部に向かって前記第一供給ローラと異なる周速度で回転するものである
ことを特徴とする請求項1記載の廃電線の処理設備。
【請求項7】
前記第一供給ローラの凹み部は、
該第一供給ローラの外面と前記交差面とが形成する端縁における接面と略平行な底面を有している
ことを特徴とする請求項6記載の廃電線の処理設備。
【請求項8】
前記冷却部は、
液体窒素が収容された浸漬槽を備えており、
前記供給機構は、
上部に開口を有する廃電線を収容する保持容器と、
該保持容器が前記浸漬槽内の液体窒素に浸漬された状態である冷却位置と、前記投入部の上方に位置する供給位置と、の間で移動させる昇降機構と、を備えており、
該昇降機構は、
前記冷却位置から前記供給位置まで移動する間は前記保持容器の開口が上方に向いた状態に保持し、
前記供給位置において開口から廃電線が前記投入部に供給されるように前記保持容器を転回する転回機構を有している
ことを特徴とする請求項6記載の廃電線の処理設備。
【請求項9】
前記破砕部が、
前記ローラ対を複数備えており、
該複数のローラ対は、
前記冷却部で冷却された廃電線が供給される第一ローラ対から順次廃電線が供給されるように配設されており、
前記第一ローラ対の一対の第一ローラの表面には、前記廃電線と係合し該廃電線を該一対の第一ローラ間に引き込む突起が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の廃電線の処理設備。
【請求項10】
前記破砕部のローラ対は、
該一対のローラをその半径方向に沿って移動可能に保持する移動機構と、
該一対のローラをその半径方向に沿って付勢し、該一対のローラ間に供給された前記廃電線に付勢力を加える付勢機構と、を備えており、
該付勢機構は、
前記一対のローラ間に廃電線が供給された際に、前記付勢機構に加わる反力が所定の力よりも大きくなると、前記一対のローラをその半径方向に沿って離間させる機能を有している
ことを特徴とする請求項1記載の廃電線の処理設備。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃電線の処理設備および廃電線の処理方法に関する。さらに詳しくは廃電線から銅線を回収する廃電線の処理設備および廃電線の処理方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
脱炭素社会への取り組みが加速する中、銅の重要性が増している。とくに、電気自動車ではモータやワイヤーハーネス等の銅の使用量がガソリン車の3~4倍にのぼるとされており、電気自動車の普及を想定した場合、銅の需要は大幅に拡大することが想定される。しかし、電線の原料となる銅の資源は限られており、銅鉱山から生産される銅だけでなく、産業廃棄物として回収された廃電線から銅を回収して再利用することが求められている。
また、従来は、廃電線など産業廃棄扱い品は、海外(主に中国等)に輸出して資源の仕分け、選別回収が行われていたが、相手国にて輸入規制が厳しくなり、国内での仕分け選別回収する必要となり、廃電線の回収も自動化が求めらる背景がある。
【0003】
廃電線では、銅線がポリ塩化ビニール(PVC)やポリエチレン(PE)等の樹脂によって被覆されているため、廃電線から銅を回収する際には、被覆していた樹脂と銅線を分離する必要がある。廃電線がある程度の太さを有する場合には、廃電線中の銅線を樹脂から引き抜くことによって銅線を回収することもできるが、細い廃電線ではこの方法で銅線を回収することは難しい。
【0004】
一方、上述した方法とは異なる方法で、廃電線から銅線を回収する方法として、特許文献1~3に記載の方法がある。特許文献1~3には、廃電線や廃電線を含む廃棄物を細かく裁断し、裁断物を液体窒素に浸漬して樹脂等の脆化温度以下まで冷却した後、裁断物に力を加えて樹脂等を破壊することによって、銅線から樹脂等を除去する方法が開示されている。
【0005】
しかし、特許文献1~3の方法では、廃棄物を細かく裁断しているので、銅線と樹脂等とが分離されたとしても、銅線と樹脂とを分けて回収する際における銅線の回収効率が悪く回収のために余分な工程や装置が必要になる。また、より細い廃電線の場合、粉砕の裁断にも限界がある。
【0006】
一方、特許文献4には、廃電線を電線の状態のままで冷却手段によって-50~-30℃に冷却したのち脆化した被覆などを破砕して線状の銅線を回収する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2000-312836号公報
特開2001-283661号公報
韓国公開特許第10-2015-0066418号公報
特開平10-225675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献4には、単に廃電線を電線の状態を維持したままで冷却して破砕することが開示されているだけである。つまり、特許文献4には、廃電線を電線の状態を維持したままで冷却すれば被覆材が完全に脆化し、脆化した被覆材に破砕力を加えれば被覆材は簡単に電線から剥がれ落ちるだろうという期待が開示されているだけであり、特許文献4の方法では、実際に電線の状態を維持したままで廃電線から被覆材を取り除くことは困難である。とくに、特許文献4に開示されているような-50~-30℃に廃電線を冷却しただけでは被覆材を被覆材などを完全に脆化することはできない可能性が高いし、また、被覆材などをある程度は脆化することができたとしても破砕するまでの間に一旦冷却した被覆材が元の温度に戻ってしまい破砕力を加えても被覆材などを破砕できない可能性が高い。
【0009】
以上のように、特許文献4には、被覆されている廃電線を冷却し電線の状態を維持したままで被覆材を脆化して電線から除去するという期待は開示されているものの、電線の状態を維持したまま被覆材を電線から除去する実現可能な技術は開発されておらず、かかる技術の開発が求められている。
【0010】
本発明は上記事情に鑑み、廃電線から電線の状態を維持したまま樹脂などの被覆材を銅線から除去して銅線を回収する廃電線の処理設備および廃電線の産業用に適し、環境にもやさしい処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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