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公開番号2024135488
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046197
出願日2023-03-23
発明の名称発酵処理装置及びこれを用いた堆肥化処理方法
出願人マスダ商事株式会社
代理人個人,個人
主分類B09B 3/60 20220101AFI20240927BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】発酵処理用コンテナを利用し、このコンテナ内で廃棄物を発酵させて堆肥化することができる発酵処理装置を提供すること。
【解決手段】発酵処理すべき廃棄物が収容されるコンテナ本体54を備えた発酵処理用コンテナ52と、コンテナ本体54の底部に配設された空気噴出手段68と、空気噴出手段68に空気を導入するための空気導入部76と、第1圧力の空気を供給するための第1空気供給手段78と、第1圧力よりも低い第2圧力の空気を供給するための第2空気供給手段80と、を具備する発酵処理装置。廃棄物を発酵処理するときには、第1空気供給手段78が空気導入部76に接続されてコンテナ本体54内の廃棄物に対して一次発酵処理が行われ、次いで第2空気供給手段80がこの空気挿入部76に接続されてコンテナ本体54内の廃棄物に対して二次発酵処理が行われる。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
発酵処理すべき廃棄物が収容されるコンテナ本体を備えた発酵処理用コンテナと、前記コンテナ本体の底部に配設された空気噴出手段と、前記空気噴出手段に空気を供給するための空気供給手段と、を具備し、
前記空気噴出手段は、前記コンテナ本体の一端側に配設された空気分配管と、前記空気分配管に間隔をおいて接続された複数の分岐噴出管とを含み、前記複数の分岐噴出管の先端側は前記コンテナ本体の前記一端側から他端側に延び、それらの長手方向に間隔をおいて複数の空気噴出孔が設けられており、
前記コンテナ本体内の前記廃棄物を発酵処理するときには、前記空気供給手段から前記空気噴出手段に第1圧力の空気が供給されて前記コンテナ本体内の前記廃棄物に対して一次発酵処理が行われ、次いで前記空気供給手段から前記空気噴出手段に、前記第1圧力よりも小さい第2圧力の空気が供給されて前記コンテナ本体内の前記廃棄物に対して二次発酵処理が行われることを特徴とする発酵処理装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記コンテナ本体内側の底面及び4側面の実質上全域は、小さな網目状又はすのこ状の樹脂シート又は樹脂プレートで覆われており、前記空気噴出手段から前記コンテナ本体内に噴出した空気は、前記コンテナ本体の前記内側面と前記樹脂シート又は樹脂プレートとの間の間隙乃至前記樹脂シート又は前記樹脂プレート自体の間隙を通して流れることを特徴とする請求項1に記載の発酵処理装置。
【請求項3】
前記空気噴出手段の前記複数の分岐噴出管のそれぞれの両側には、対応する分岐噴出管の長手方向に沿って一対の支持仕切り壁が設けられ、前記一対の支持仕切り壁は、対応する前記分岐噴出管よりも上方に突出しており、前記樹脂シート又は前記樹脂プレートは、前記複数の分岐噴出管及びこれらに対応する支持仕切り壁を覆うように配設されることを特徴とする請求項2に記載の発酵処理装置。
【請求項4】
前記樹脂シート又は前記樹脂プレートは、前記コンテナ本体の前記4側面に固定プレートにより固定され、前記コンテナ本体の前記底面においては固定されない状態に保持されることを特徴とする請求項2に記載の発酵処理装置。
【請求項5】
前記空気供給手段は、供給空気の圧力を切換可能な圧力切換供給手段から構成され、前記一次発酵処理のときには、前記圧力切換供給手段は前記第1圧力の空気を前記空気噴出手段に供給し、前記二次発酵のときには、前記圧力切換供給手段は前記第2圧力の空気を前記空気噴出手段に供給することを特徴とする請求項2に記載の発酵処理装置。
【請求項6】
前記空気供給手段は、前記第1圧力の空気を供給する第1供給手段と前記第2圧力の空気を供給する第2供給手段から構成され、前記一次発酵処理のときには、前記第1供給手段からの前記第1圧力の空気が前記空気噴出手段に供給され、前記二次発酵のときには、前記第2供給手段からの前記第2圧力の空気が前記空気噴出手段に供給されることを特徴とする請求項2に記載の発酵処理装置。
【請求項7】
前記コンテナ本体の底部の一端側には、幅方向に間隔をおいて一対の支持脚部が設けられ、その他端側には、前記幅方向に間隔をおいて一対の支持輪が回転自在に設けられ、前記コンテナ本体は、車両側の積載用アーム機構を利用して車両の積載台部に積載可能であることを特徴とする請求項1に記載の発酵処理装置。
【請求項8】
廃棄物を発酵させて堆肥化する廃棄物の堆肥化処理方法であって、
前記廃棄物を粉砕して小さくつぶす粉砕・つぶし工程と、前記粉砕・つぶし工程にてつぶした前記廃棄物に紅色非硫黄型光合成細菌群を添加して混合した添加混合物を多数の粒状体に形成する粒状体形成工程と、前記粒状体形成工程にて形成した多数の添加混合粒状体を、底面及び4側面の実質上全域を網目状又はすのこ状の樹脂シート又は樹脂プレートで覆った発酵処理用コンテナに収容する添加混合粒状体収容工程と、前記空気供給手段から第1圧力の空気を供給して前記発酵処理用コンテナ内の前記添加混合粒状体に対して一次発酵処理を行う一次発酵工程と、前記一次発酵工程の後に、前記空気供給手段から前記第1圧力よりも小さい第2圧力の空気を供給して前記発酵処理用コンテナの前記添加混合粒状体に対して二次発酵処理を行う二次発酵工程と、を含むことを特徴とする廃棄物の堆肥化処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、選定枝、雑草、食品残渣などを含む廃棄物を発酵処理する発酵処理装置及びこれを用いた堆肥化処理方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
畜糞などの有機性廃棄物を発酵処理する方法として、処理前に予め粒状化した後に発酵槽内に収容し、好気性発酵である一次発酵させ、その後嫌気性発酵である二次発酵させ、この二次発酵の後に乾燥させて肥料として利用する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この発酵処理方法では、一次発酵の際に、発酵槽内に60~70℃の温風を供給してその内部の温度が35℃前後(1次発酵が維持される温度)まで上昇させるようにし、このように発酵槽内の温度を上昇させて一次発酵が継続して行われるようにている。また、一次発酵終了後の二次発酵の開始の際にも、この発酵槽内に70℃前後の温風を供給して発酵槽内の温度を上昇させるようにし、このようにして二次発酵が短時間で終了するようにしている。
【0003】
この二次発酵終了時には処理物(粒状の廃棄物)の含水率が50~65%であるので、この処理物の乾燥が行われ、例えば自然乾燥又は乾燥機を用いた強制乾燥が行われて35%前後となるように乾燥され、かく乾燥された処理物の一部は、処理する廃棄物の水分調整材として利用され、その残部は、例えば肥料として用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-170693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この発酵処理方法では、一次発酵を行うときには発酵槽に収容した処理物(粒状の廃棄物)に60~70℃の温風を例えば2~3時間供給して温度上昇させ、また二次発酵を行うときにもこの処理物に70℃前後の温風を例えば6~8時間供給して温度上昇させており、それ故に、温風を供給するための設備を設ける必要があるために、設備コストが上昇するという問題がある。また、発酵処理するのに温風を送る必要があるために、温風を生成するための燃料コスト、換言すると処理コストが高くなる問題がある。
【0006】
本発明の目的は、発酵処理用コンテナを利用し、このコンテナ内で廃棄物を発酵させて堆肥化することができる発酵処理装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、発酵処理用コンテナを利用し、このコンテナ内に収容した状態にて廃棄物を堆肥化することができる堆肥化処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に記載の発酵処理装置は、発酵処理すべき廃棄物が収容されるコンテナ本体を備えた発酵処理用コンテナと、前記コンテナ本体の底部に配設された空気噴出手段と、前記空気噴出手段に空気を供給するための空気供給手段と、を具備し、
前記空気噴出手段は、前記コンテナ本体の一端側に配設された空気分配管と、前記空気分配管に間隔をおいて接続された複数の分岐噴出管とを含み、前記複数の分岐噴出管の先端側は前記コンテナ本体の前記一端側から他端側に延び、それらの長手方向に間隔をおいて複数の空気噴出孔が設けられており、
前記コンテナ本体内の前記廃棄物を発酵処理するときには、前記空気供給手段から前記空気噴出手段に第1圧力の空気が供給されて前記コンテナ本体内の前記廃棄物に対して一次発酵処理が行われ、次いで前記空気供給手段から前記空気噴出手段に、前記第1圧力よりも小さい第2圧力の空気が供給されて前記コンテナ本体内の前記廃棄物に対して二次発酵処理が行われることを特徴とする。
【0009】
このような発酵処理装置においては、コンテナ本体内側の底面及び4側面の実質上全域を小さな網目状又はすのこ状の樹脂シート又は樹脂プレートで覆うのが好ましく、このようにすることにより、空気噴出手段からコンテナ本体内に噴出した空気の一部は、コンテナ本体の内側面と樹脂シート又は樹脂プレートの間の間隙乃至この樹脂シート又は樹脂プレート自体の間隙を通して流れ、この空気の流れによって、樹脂シート又は樹脂プレートの表面側の廃棄物が適度に乾燥され、収容した廃棄物のコンテナ本体への付着を抑えることができる。
【0010】
また、空気噴出手段の複数の分岐噴出管のそれぞれの両側に各分岐噴出管の長手方向に沿って一対の支持仕切り壁を設け、複数の分岐噴出管及びこれらに対応する支持仕切り壁を覆うように樹脂シート又は樹脂プレートを設けるのが好ましく、このように構成することにより、複数の分岐噴出管からの空気を廃棄物に向けて上方に流すことができるとともに、廃棄物のこれら分岐噴出管への付着を抑えることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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