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公開番号
2024123975
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-12
出願番号
2023031833
出願日
2023-03-02
発明の名称
煤煙が固定化された材料及びその製造方法並びに道路の下地材
出願人
個人
代理人
主分類
B09B
3/20 20220101AFI20240905BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約
【課題】本発明は、地球温暖化対策に貢献するものであり、火力発電所から排出する煤煙を取り除き、煤煙が固定化された材料の製造方法に用いるための、液体キレート薬剤を提供することを目的とする。
【解決手段】(1)煤煙と、水を含む煤煙吸収剤とを混合し、煤煙混合物を得る工程、
(2)前記煤煙混合物と、コーヒー滓、茶殻等の食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
(3)前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、煤煙セメント材料混合物を得る工程、及び、
(4)前記煤煙セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、及び塩化カルシウムを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程を備える、
煤煙が固定化された材料の製造方法に用いるための、液体キレート薬剤。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
(1)煤煙、フライッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、水を含む吸収剤とを混合し、燃焼炉生成物混合物を得る工程、
(2)前記燃焼炉生成物混合物と、コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
(3)前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、セメント材料混合物を得る工程、及び、
(4)前記セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程を経て、燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料を製造するために用いるための、キレート薬剤。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記煤煙には、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、窒素酸化物、硫黄酸化物、及びフライアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載のキレート薬剤。
【請求項3】
前記キレート薬剤は、さらに、塩化カルシウムを含む、請求項1に記載のキレート薬剤。
【請求項4】
前記燃焼炉生成物が固定化された固形材料は、埋め立て土、道路の下地、又は、防草材料に用いためのものである、請求項2に記載のキレート薬剤。
【請求項5】
(1)煤煙、フライッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、水を含む吸収剤とを混合し、燃焼炉生成物混合物を得る工程、
(2)前記燃焼炉生成物混合物と、コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
(3)前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、セメント材料混合物を得る工程、及び、
(4)前記セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程を備える、
燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料の製造方法。
【請求項6】
煤煙、フライッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、
水を含む煤煙吸収剤と、
コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物と、
無機性土と、
セメントと、
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤と
を含有する燃焼炉生成物が固定化された固形材料。
【請求項7】
前記煤煙には、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、窒素酸化物、硫黄酸化物、及びフライアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項6に記載の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
【請求項8】
前記キレート薬剤は、さらに、塩化カルシウムを含む、請求項6に記載の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
【請求項9】
前記燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料は、埋め立て土、道路の下地、又は、防草材料に用いためのものである、請求項6に記載の燃焼炉生成物が固定化された固形材料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、煤煙が固定化された材料及びその製造方法並びに道路の下地材に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の防草舗装は、固化対象資材とカルシウム系組成物とに対し、リグニン系組成物及び珪酸ナトリウムを主成分として調整された溶液Aと、リグニン系組成物及び塩化カルシウムを主成分として調整された溶液Bとを添加し、固化対象資材を固化するというものであった(特許文献1参照)。
近年、地球温暖化等の環境問題として、二酸化炭素等のガスの排出が問題となっており、特に、火力発電所から排出される二酸化炭素が膨大な量であることから、その排出量の低減又はその排出方法並びに利用方法が検討されているが、未だに、その有効な方法は見出されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4675937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、地球温暖化対策に貢献するものであり、火力発電所等から排出する煤煙等の燃焼炉生成物を取り除き、かつ、食品廃棄物を含む、燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された材料の製造方法に用いるための、キレート薬剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、煤煙等の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された材料、及びその製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、煤煙と、水とを混合し、煤煙混合物を得て、その煤煙混合物と、食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得て、さらに、前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、次いで、キレート薬剤とを混合することで、煤煙等の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された材料を製造できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
項1.
(1)煤煙、フライアッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、水を含む吸収剤とを混合し、燃焼炉生成物混合物を得る工程、
(2)前記燃焼炉生成物混合物と、コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
(3)前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、セメント材料混合物を得る工程、及び、
(4)前記セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程を経て、燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料を製造するために用いるための、キレート薬剤。
項2.
前記煤煙には、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、窒素酸化物、硫黄酸化物、及びフライアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、項1に記載のキレート薬剤。
項3.
前記キレート薬剤は、さらに、塩化カルシウムを含む、項1に記載のキレート薬剤。
項4.
前記燃焼炉生成物が固定化された固形材料は、埋め立て土、道路の下地、又は、防草材料に用いためのものである、項2に記載のキレート薬剤。
項5.
(1)煤煙、フライッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、水を含む吸収剤とを混合し、燃焼炉生成物混合物を得る工程、
(2)前記燃焼炉生成物混合物と、コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物とを混合し、食品廃棄物混合物を得る工程、
(3)前記食品廃棄物混合物と、無機性土と、セメントとを混合し、セメント材料混合物を得る工程、及び、
(4)前記セメント材料混合物と、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤とを混合し、固形化する固形工程を備える、
燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料の製造方法。
項6.
煤煙、フライッシュ、及びクリンカアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つの燃焼炉生成物と、
水を含む煤煙吸収剤と、
コーヒー滓及び茶殻からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む食品廃棄物と、
無機性土と、
セメントと、
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及びポリオキシエチレントリデシルエーテルを含むキレート薬剤と
を含有する燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
項7.
前記煤煙には、二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア、窒素酸化物、硫黄酸化物、及びフライアッシュからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、項6に記載の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
項8.
前記キレート薬剤は、さらに、塩化カルシウムを含む、項6に記載の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
項9.
前記燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料は、埋め立て土、道路の下地、又は、防草材料に用いためのものである、項6に記載の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された固形材料。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、地球温暖化対策に貢献するものであり、火力発電所等から排出する煤煙等の燃焼炉生成物を取り除き、かつ、食品廃棄物を含む、燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された材料の製造方法に用いるための、キレート薬剤を提供できる。
また、本発明によれば、煤煙等の燃焼炉生成物及び食品廃棄物が固定化された材料、及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、既設の石炭発電所の石炭ボイラーよりの煤煙の流れを示す図である。
図2は、石炭ボイラーより排出する煤煙より二酸化炭素、メタン、水素、アンモニア等(以下、大気汚染物項と言う)を取り除き、フライアッシュとともに処理をする方法を示す図である(実施例1)。
図3は、キレート薬剤原液を製造する方法を示す図である。
図4は、無機性真砂土、セメント、クリンカアッシュ、吸収材料、キレート薬剤の養生後の混合物を製生することを示す図である。
図5は、石炭ボイラーより排出する煤煙を洗浄吸収液で煤煙より大気汚染物項を洗浄吸収し、大気汚染物項を吸収した洗浄吸収液を海へ戻し処理することを示す図である。(実施例2)
図6は、円筒型羽式回転式スクリューコンベア式洗浄機械の仕組みを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.キレート薬剤
本発明のキレート薬剤は、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩、オキシカルボン酸又はその塩、及び、ポリオキシエチレントリデシルエーテルを含んでいる。このキレート薬剤は、セメントの固化促進剤として利用できる。キレート薬剤が含まれた固化材料は、例えば、埋め立て土、道路の下地、防草材料等に用いた場合、道路の表面温度が下がるという効果を有する。例えば、この固化材料を防草材料として用いた道路の表面は、夏場において、5~7℃程度下がることが分かった。
さらに、本発明のキレート薬剤は、道路の下地用の場合は、塩化カルシウムを含んでいてもよい。塩化カルシウムは、草をからす役割を担っている。
キレート薬剤は、液体キレート薬剤、又は固化促進材料と言い換えることができる。
【0010】
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩としては、ナフタレンスルホン酸又はその塩、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物等が挙げられる。
塩としては、ナトリウム(ソーダ)、カリウム、アンモニウム等の塩が挙げられる。
ナフタレンスルホン酸系化合物(以下、「NSF」という場合もある。)又はその塩として具体的には、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物等を用いることができる。ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩は、固体微粒子を水系にて分散させる際に高性能を発揮する界面活性剤であり、耐酸及び耐アルカリ性に優れ、温度変化に対しても安定した物性を保つことができ、セメント分散能力を有する。ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩の市販品としては、例えば、セルフロー(登録商標)120(第一工業製薬製)等が挙げられる。
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩の含有量は、オキシカルボン酸又はその塩100質量部に対して、通常1~30000質量部、好ましくは10~10000質量部、より好ましくは800~8000質量部である。
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩の含有量は、ポリオキシエチレントリデシルエーテル100質量部に対して、通常10~50000質量部、好ましくは1000~20000質量部、より好ましくは5000~15000質量部である。
ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩の含有量は、キレート薬剤100質量%に対して、通常1~50質量%、好ましくは5~50質量%、より好ましくは10~30質量%である。
塩化カルシウムを含む場合、ナフタレンスルホン酸系化合物又はその塩の含有量は、塩化カルシウム100質量部に対して、通常1~10000質量部、好ましくは10~2000質量部、より好ましくは100~1000質量部である。
(【0011】以降は省略されています)
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