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公開番号2024137107
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023048495
出願日2023-03-24
発明の名称漏洩高さ位置検出方法及びその装置
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C21B 7/10 20060101AFI20240927BHJP(鉄冶金)
要約【課題】オペレータに負担をかけずに、管路からの流体の漏洩高さ位置を可及的に正確に検出することが可能な漏洩高さ位置検出方法及びその装置を提供する。
【解決手段】管路から流体が漏洩していない定常時の供給流量値及び排出流量値と流体が漏洩している漏洩時の供給流体値及び排出流体値の供給流量差及び排出流量差を求める。この供給流量差と排出流量差の流量差比を求め、予め記憶された供給流体及び排出流体の流量差比と流体の漏洩高さ位置の相関関係に基づいて、求めた流量差比から流体の漏洩高さ位置を検出する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
上下方向に配管された管路内を下方から上方に向かって流通する流体が管路から漏洩している高さ方向の位置を検出する方法であって、
前記管路に供給される流体の流量を検出する供給流量検出ステップと、
前記管路から排出される流体の流量を検出する排出流量検出ステップと、
前記管路からの前記流体の漏洩のない状態における定常時の供給流体の流量値を検出する定常時供給流量値検出ステップと、
前記管路からの前記流体の漏洩のない状態における定常時の排出流体の流量値を検出する定常時排出流量値検出ステップと、
前記流体が前記管路から漏洩している状態における漏洩時の供給流体の流量値を検出する漏洩時供給流量値検出ステップと、
前記流体が前記管路から漏洩している状態における漏洩時の排出流体の流量値を検出する漏洩時排出流量値検出ステップと、
前記定常時の供給流体の流量値と前記漏洩時の供給流体の流量値との供給流体の流量差を検出する供給流量差検出ステップと、
前記定常時の排出流体の流量値と前記漏洩時の排出流体の流量値との排出流体の流量差を検出する排出流量差検出ステップと、
前記供給流体の流量差と前記排出流体の流量差との前記流体の流量差比を検出する流量差比検出ステップと、
検出された前記流量差比から予め記憶された供給流体及び排出流体の流量差比と流体の漏洩高さ位置との相関関係に基づいて流体が漏洩している高さ方向の位置を検出する漏洩高さ位置検出ステップと、を備えた漏洩高さ位置検出方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記相関関係は、前記供給流体の流量差と前記排出流体の流量差とから得られる流体の漏洩量ごとに記憶され、
前記供給流体の流量差と前記排出流体の流量差とから前記管路からの流体の漏洩量を検出するステップを備え、
前記漏洩高さ位置検出ステップは、検出された前記漏洩量から前記相関関係に基づいて流体が漏洩している高さ方向の位置を検出する、請求項1に記載の漏洩高さ位置検出方法。
【請求項3】
前記管路は、高炉のクーリングステーブを冷却する冷却配管である、請求項1又は2に記載の漏洩高さ位置検出方法。
【請求項4】
上下方向に配管された管路内を下方から上方に向かって流通する流体が管路から漏洩している高さ方向の位置を検出する装置であって、
前記管路に供給される流体の流量を検出する供給流量検出部と、
前記管路から排出される流体の流量を検出する排出流量検出部と、
前記管路からの前記流体の漏洩のない状態における定常時の供給流体の流量値を検出する定常時供給流量値検出部と、
前記管路からの前記流体の漏洩のない状態における定常時の排出流体の流量値を検出する定常時排出流量値検出部と、
前記流体が前記管路から漏洩している状態における漏洩時の供給流体の流量値を検出する漏洩時供給流量値検出部と、
前記流体が前記管路から漏洩している状態における漏洩時の排出流体の流量値を検出する漏洩時排出流量値検出部と、
前記定常時の供給流体の流量値と前記漏洩時の供給流体の流量値との供給流体の流量差を検出する供給流量差検出部と、
前記定常時の排出流体の流量値と前記漏洩時の排出流体の流量値との排出流体の流量差を検出する排出流量差検出部と、
前記供給流体の流量差と前記排出流体の流量差との前記流体の流量差比を検出する流量差比検出部と、
供給流体及び排出流体の流量差比と流体の漏洩高さ位置との相関関係を記憶する漏洩高さ位置-流量差比相関関係記憶部と、
検出された前記流量差比から前記相関関係に基づいて流体が漏洩している高さ方向の位置を検出する漏洩高さ位置検出部と、を備えた漏洩高さ位置検出装置。
【請求項5】
前記供給流体の流量差と前記排出流体の流量差とから前記管路からの流体の漏洩量を検出する漏洩量検出部を備え、
前記相関関係記憶部は、前記漏洩量検出部で検出される漏洩量ごとに、供給流体及び排出流体の流量差比と流体の漏洩高さ位置との相関関係を記憶し、
前記漏洩高さ位置検出部は、検出された前記漏洩量から前記漏洩量ごとの相関関係に基づいて流体が漏洩している高さ方向の位置を検出する、請求項4に記載の漏洩高さ位置検出装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、漏洩高さ位置検出方法及びその装置、特に上下方向に配管された管路内を下方から上方に向かって流通する流体が管路から漏洩している高さ方向の位置を検出する方法及び装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、鉄鉱石から溶銑を製造する高炉では、クーリングステーブ(以下、ステーブ)と呼ばれる冷却設備によって炉体を冷却することが多い。ステーブは、高炉内の高温ガスや溶融物から高炉の外壁である鉄皮を保護するための設備であり、冷却のための水冷管路が内蔵されている。このようなステーブは、高さ方向に積み重ねるようにして炉体の周方向に多数配設されており、したがって冷却水の管路も炉体の周方向に多数設けられている。これらの管路は、高炉の下部に設けられた下側ヘッダと上部に設けられた上側ヘッダを繋ぐようにして配管されており、一般に、冷却水は管路内を下方から上方に向けて流通する。
【0003】
ステーブは、高炉に吹き込まれる高温の送風や、炉内の反応熱による熱負荷を受けており、更に下降する原料との摩擦負荷にも晒されている。そのため、長期間の使用によって亀裂、摩耗、漏水などの劣化が生じる。漏水が高炉の炉内で発生すると、炉内温度の低下を招き、高炉炉冷トラブルとして知られる異常につながるため、漏水の早期検知が求められる。しかし、一般に、漏水箇所の特定は、オペレータによって配管系統を1つずつ点検する手法が用いられており、漏水箇所の特定までに時間がかかる。特に、高炉のような高い設備では、管路から流体が漏洩している高さ方向の位置を特定することが重要である。
【0004】
このような管路からの流体の漏洩の高さ位置を検出する方法としては、例えば、下記特許文献1や特許文献2に記載されるものがある。このうち、特許文献1に記載される漏洩高さ位置検出方法は、所定の高さ毎に管路にガス検知器を接続し、損傷部位から管路内に侵入した高炉内のガスを検出することで、流体の漏洩高さ位置を検出する。また、特許文献2に記載される漏洩高さ位置検出方法は、管路の炉底部位に圧力計を取り付け、この圧力計で検出される管路内の流体圧力から流体の漏洩高さ位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平5-320728号公報
特開平9-196803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載される漏洩高さ位置検出方法では、管路内、すなわち冷却水中に侵入したガスの検出が煩雑であり、オペレータに係る負担が大きい。また、特許文献2に記載される漏洩高さ位置検出方法は、オペレータに係る負担は小さいものの、漏洩量の多寡に応じて、どの程度の圧力変化が生じるかといった、漏洩量と圧力の関係が明らかになっていないので、検討の余地がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、オペレータに負担をかけずに、管路からの流体の漏洩高さ位置を可及的に正確に検出することが可能な漏洩高さ位置検出方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る漏洩高さ位置検出方法は、上下方向に配管された管路内を下方から上方に向かって流通する流体が管路から漏洩している高さ方向の位置を検出する方法であって、前記管路に供給される流体の流量を検出する供給流量検出ステップと、前記管路から排出される流体の流量を検出する排出流量検出ステップと、前記管路からの前記流体の漏洩のない状態における定常時の供給流体の流量値を検出する定常時供給流量値検出ステップと、前記管路からの前記流体の漏洩のない状態における定常時の排出流体の流量値を検出する定常時排出流量値検出ステップと、前記流体が前記管路から漏洩している状態における漏洩時の供給流体の流量値を検出する漏洩時供給流量値検出ステップと、前記流体が前記管路から漏洩している状態における漏洩時の排出流体の流量値を検出する漏洩時排出流量値検出ステップと、前記定常時の供給流体の流量値と前記漏洩時の供給流体の流量値との供給流体の流量差を検出する供給流量差検出ステップと、前記定常時の排出流体の流量値と前記漏洩時の排出流体の流量値との排出流体の流量差を検出する排出流量差検出ステップと、前記供給流体の流量差と前記排出流体の流量差との前記流体の流量差比を検出する流量差比検出ステップと、検出された前記流量差比から予め記憶された供給流体及び排出流体の流量差比と流体の漏洩高さ位置との相関関係に基づいて流体が漏洩している高さ方向の位置を検出する漏洩高さ位置検出ステップと、を備えたことを要旨とする。
【0009】
また、本発明の更なる態様は、前記相関関係は、前記供給流体の流量差と前記排出流体の流量差とから得られる流体の漏洩量ごとに記憶され、前記供給流体の流量差と前記排出流体の流量差とから前記管路からの流体の漏洩量を検出するステップを備え、前記漏洩高さ位置検出ステップは、検出された前記漏洩量から前記相関関係に基づいて流体が漏洩している高さ方向の位置を検出することを特徴とする。
【0010】
本発明の更なる態様は、前記管路は、高炉のクーリングステーブを冷却する冷却配管であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る漏洩高さ位置検出装置は、上下方向に配管された管路内を下方から上方に向かって流通する流体が管路から漏洩している高さ方向の位置を検出する装置であって、前記管路に供給される流体の流量を検出する供給流量検出部と、前記管路から排出される流体の流量を検出する排出流量検出部と、前記管路からの前記流体の漏洩のない状態における定常時の供給流体の流量値を検出する定常時供給流量値検出部と、前記管路からの前記流体の漏洩のない状態における定常時の排出流体の流量値を検出する定常時排出流量値検出部と、前記流体が前記管路から漏洩している状態における漏洩時の供給流体の流量値を検出する漏洩時供給流量値検出部と、前記流体が前記管路から漏洩している状態における漏洩時の排出流体の流量値を検出する漏洩時排出流量値検出部と、前記定常時の供給流体の流量値と前記漏洩時の供給流体の流量値との供給流体の流量差を検出する供給流量差検出部と、前記定常時の排出流体の流量値と前記漏洩時の排出流体の流量値との排出流体の流量差を検出する排出流量差検出部と、前記供給流体の流量差と前記排出流体の流量差との前記流体の流量差比を検出する流量差比検出部と、供給流体及び排出流体の流量差比と流体の漏洩高さ位置との相関関係を記憶する漏洩高さ位置-流量差比相関関係記憶部と、検出された前記流量差比から前記相関関係に基づいて流体が漏洩している高さ方向の位置を検出する漏洩高さ位置検出部と、を備えたことを要旨とする。
(【0011】以降は省略されています)

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