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公開番号2024131747
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023042188
出願日2023-03-16
発明の名称マッド材
出願人黒崎播磨株式会社
代理人弁理士法人英和特許事務所
主分類C21B 7/12 20060101AFI20240920BHJP(鉄冶金)
要約【課題】出銑時の孔拡大を抑制できると共に孔深度を確保できるマッド材を提供する。
【解決手段】耐火原料配合物100質量%中にアルミナジルコニア原料及びジルコニアムライト原料のうちの少なくとも一種を合計で2質量%以上30質量%以下含有し、当該耐火原料配合物にバインダーを添加してなるマッド材。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
耐火原料配合物100質量%中にアルミナジルコニア原料及びジルコニアムライト原料のうちの少なくとも一種を合計で2質量%以上30質量%以下含有し、当該耐火原料配合物にバインダーを添加してなるマッド材。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記アルミナジルコニア原料及び前記ジルコニアムライト原料のうちの少なくとも一種の合計の含有率が5質量%以上15質量%以下である、請求項1に記載のマッド材。
【請求項3】
前記アルミナジルコニア原料及び前記ジルコニアムライト原料は、使用後の廃耐火物に由来するものである、請求項1又は2に記載のマッド材。
【請求項4】
前記アルミナジルコニア原料及び前記ジルコニアムライ原料は、耐火物組織間にカーボン結合を有するものである、請求項3に記載のマッド材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉の出銑孔を閉塞するために用いるマッド材に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
高炉の操業において、出銑終了後の出銑孔にマッド材を圧入充填してこれを閉塞する。そして所定時間(通常は2~5時間)経過後の次の出銑の際に、それまでの時間に炉熱で焼成されたマッド材をドリルで開孔して湯道を形成することが行われる。このようにマッド材をドリルで開孔して湯道を形成するときに、湯道が一定以上の長さ確保される必要がある。このような湯道の長さは孔深度と呼ばれている。
また近年、出銑を行う際の出銑時間の適正化が求められているため、出銑中に溶銑やスラグによって湯道が削られて拡大しないようにする必要がある。出銑中に溶銑やスラグによって湯道が削られて拡大することは、孔拡大と呼ばれている。
【0003】
ところで、特許文献1に開示されているように、ジルコニア原料を添加して耐用性向上を図ったマッド材が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-231276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らが上記特許文献1の技術の検証を兼ねてジルコニア原料を含むマッド材について各種試験を行ったところ、ジルコニア原料を含むことにより出銑時の孔拡大は抑制できるものの、出銑後の焼成過程でマッド材に亀裂が形成されるため孔深度は確保しにくいことがわかった。
【0006】
このような状況を鑑み本発明が解決しようとする課題は、出銑時の孔拡大を抑制できると共に孔深度を確保できるマッド材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上述の試験結果について以下のように考えた。すなわちジルコニア原料は、その主成分であるZrO

成分が溶銑やスラグに対して高い耐食性を示すことから、ジルコニア原料を含むことにより出銑時の孔拡大は抑制できる。一方でジルコニア原料は、熱膨張率が高くしかも相転移により急激な体積変化を伴うことから、出銑後の焼成過程でマッド材に亀裂が形成されるため孔深度は確保しにくい。
そこで、本発明者らは上記課題を解決するために、ZrO

成分の有する高耐食性を活かしつつ焼成過程での熱膨張や体積変化を抑えるとの技術的思想の下、マッド材に使用する耐火原料について試験及び検討を重ねた。その結果、マッド材中にアルミナジルコニア原料又はジルコニアムライト原料が含まれている場合に孔拡大を抑制できると共に孔深度を確保できるという知見を得た。すなわち、ZrO

成分をジルコニア原料としてではなく、アルミナジルコニア原料又はジルコニアムライト原料としてマッド材に導入することが有効であるということである。
【0008】
本発明は、以上の技術的思想と知見に基づき想到されたもので、その要旨は次の通りである。
耐火原料配合物100質量%中にアルミナジルコニア原料及びジルコニアムライト原料のうちの少なくとも一種を合計で2質量%以上30質量%以下含有し、当該耐火原料配合物にバインダーを添加してなるマッド材。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマッド材によれば、出銑時の孔拡大を抑制できると共に孔深度を確保できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態であるマッド材は、耐火原料配合物100質量%中にアルミナジルコニア原料及びジルコニアムライト原料のうちの少なくとも一種を合計で2質量%以上30質量%以下含有し、当該耐火原料配合物にバインダーを添加してなる。
アルミナジルコニア原料及びジルコニアムライト原料のうちの少なくとも一種(以下、総称して「ジルコニア含有複合酸化物原料」という。)の含有率が2質量%未満では、ジルコニア含有複合酸化物原料による孔拡大抑制と孔深度確保の効果が十分に得られない。一方、ジルコニア含有複合酸化物原料の含有率が高くなる毎に強度が高くなることからジルコニア含有複合酸化物原料の含有率が30質量%を超えると、マッド材の強度が過剰に高くなり開孔性が悪くなるためいわゆる孔切れ現象が発生しやくなり、孔深度の確保が困難になる。ジルコニア含有複合酸化物原料の含有率は5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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