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公開番号2024144153
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2024023742
出願日2024-02-20
発明の名称溶銑温度の推定方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C21C 5/28 20060101AFI20241003BHJP(鉄冶金)
要約【課題】 溶銑搬送容器に鉄スクラップを入れ置いて放散熱の回収を図る場合に、搬送された溶銑を払い出すときの溶銑の温度を、少数のパラメータにより高い精度で推定できる、溶銑温度の推定方法を提供する。
【解決手段】 鉄スクラップを入れ置いた溶銑搬送容器に溶銑を受け入れ、前記鉄スクラップが溶解した後の前記溶銑の温度を推定する溶銑温度の推定方法であって、前記溶銑搬送容器に入れ置いた前記鉄スクラップの量、前記溶銑搬送容器に受け入れた前記溶銑の量、前記溶銑搬送容器に前記溶銑を受け入れたときの前記溶銑の温度、前記溶銑搬送容器に前記溶銑を受け入れたときから前記溶銑を払い出すときまでの経過時間を入力値とする関数を用いて、前記溶銑を前記転炉装入鍋に払い出すときの溶銑の温度の推定値を取得する、溶銑温度の推定方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄スクラップを入れ置いた溶銑搬送容器に溶銑を受け入れ、前記鉄スクラップが溶解した後の前記溶銑の温度を推定する溶銑温度の推定方法であって、
前記溶銑搬送容器に入れ置いた前記鉄スクラップの量、前記溶銑搬送容器に受け入れた前記溶銑の量、前記溶銑搬送容器に前記溶銑を受け入れたときの前記溶銑の温度、前記溶銑搬送容器に前記溶銑を受け入れたときから前記溶銑を払い出すときまでの経過時間を入力値とする関数を用いて、前記溶銑を払い出すときの溶銑の温度の推定値を取得する、溶銑温度の推定方法。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
前記入力値として、さらに、前記溶銑搬送容器から溶銑を前回払い出したときから、前記溶銑搬送容器に前記溶銑を今回受け入れるまでの経過時間、前記溶銑搬送容器による前記溶銑の搬送中に溶銑予備処理を施した時間、および前記溶銑予備処理に用いた副原料の量を用いる、請求項1に記載の溶銑温度の推定方法。
【請求項3】
前記入力値を説明変数とし、前記溶銑を払い出すときの溶銑の温度の実測値を目的変数とする重回帰モデルについて、過去の操業実績を用いて重回帰分析を行うことにより、前記関数を設定する、請求項1または2に記載の溶銑温度の推定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉から出銑された溶銑を溶銑搬送容器で受け入れ、鉄スクラップが溶解した後の溶銑の温度を推定する溶銑温度の推定方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
高炉から出銑された溶銑は、混銑車や高炉鍋などの溶銑搬送容器で受銑され、直接転炉に搬送されるか、必要に応じて、脱珪処理、脱硫処理、脱燐処理などの溶銑予備処理を施して転炉に搬送される。搬送された溶銑は、溶銑搬送容器から転炉装入鍋に払い出し、この転炉装入鍋から転炉に装入される。転炉で溶銑の脱炭吹錬を行うにあたり、吹錬前の溶銑の温度は、吹錬計算を行う際の重要な因子であり、溶銑を転炉に装入する前に、転炉装入鍋内の溶銑に消耗型の測温プローブを浸漬させて、溶銑の温度を測定している。
【0003】
また、転炉には、溶銑を装入する前に鉄スクラップが装入され、鉄源として再利用されている。しかし、過剰に鉄スクラップを装入すると、溶銑の温度が低下し、生石灰などの媒溶剤の滓化が進まなかったり、吹錬後の溶鋼温度を目標値に合わせるために過剰に酸素ガスが必要になったりして、結果的に成分外れや吹錬延長といった弊害が発生する。このため、転炉に装入される溶銑の温度に基づいて、鉄スクラップの装入量を適切に調整する必要がある。
【0004】
しかし、鉄スクラップの装入量を決定する時点では、溶銑搬送容器が転炉にまだ到着していない場合が多いため、上述のように転炉装入鍋内で測定される溶銑の温度は、鉄スクラップの装入量の決定には用いることができない。このため、溶銑を溶銑搬送容器から転炉装入鍋に払い出す時点での溶銑の温度を推定し、この推定値に基づいて、鉄スクラップの装入量を決定するのが一般的である。
【0005】
溶銑を溶銑搬送容器から転炉装入鍋に払い出す時点での溶銑の温度を推定する方法として、特許文献1には、出銑温度および出銑時刻から吹錬予定時刻までの時間を用いて溶銑の温度の推定値を算出する、溶銑温度推定式が開示されている。
【0006】
また、特許文献2では、出銑時の溶銑温度、溶銑搬送容器への溶銑注入量、出銑時の溶銑成分、溶銑搬送容器から転炉装入鍋に溶銑を払い出すまでの受銑後からの経過時間の4つの物理量を要素とする溶銑到着条件ベクトルを定義する。次いで、使用予定の溶銑の溶銑到着条件ベクトルを求め、これに類似した過去の溶銑の溶銑到着条件ベクトルを選択し、選択した過去の複数の溶銑の溶銑到着条件ベクトルに基づいて溶銑温度を推定するための溶銑温度算出モデルを作成する。そして、作成した溶銑温度算出モデルを用いて、使用予定の溶銑を溶銑搬送容器から転炉装入鍋に払い出す際の溶銑温度を推定している。
【0007】
また、昨今の製鉄業では、カーボンニュートラルに向けた低銑配操業が求められている。特許文献3には、溶銑を排出した後の溶銑搬送容器内にスクラップを入れ置き、さらに溶銑搬送容器に溶銑を受け入れることによってスクラップを溶解させる、スクラップの消化方法が開示されている。これによれば、前回の溶銑の払い出し後の溶銑搬送容器からの放散熱をスクラップに吸収させて回収し、熱量を有効利用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平5-171244号公報
特開2012-214850号公報
特開昭54-142116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、特許文献3に記載の技術を用いる場合には、溶銑搬送容器に鉄スクラップを入れ置いて、溶銑中に溶解させることにより、溶銑を溶銑搬送容器から転炉装入鍋に払い出す時点での溶銑の温度に少なからず影響する。しかし、特許文献3では、この溶銑の温度への影響が考慮されていない。特許文献1および特許文献2に開示される溶銑温度の推定方法でも、溶銑搬送容器に鉄スクラップを入れ置くことによる、溶銑の温度への影響が考慮されていない。
【0010】
溶銑搬送容器に鉄スクラップを入れ置いて放散熱の回収を図る場合に、溶銑を溶銑搬送容器から転炉装入鍋に払い出す時点での溶銑の温度の推定精度を確保すべく、溶銑温度推定式の入力値として用いるパラメータの数を増やすことも考えられる。しかし、溶銑温度推定式の入力値として用いるパラメータの数を増やすと、いずれかのパラメータが得られない場合に温度推定ができない状況が発生しやすくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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