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公開番号
2025058944
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-09
出願番号
2024154432
出願日
2024-09-09
発明の名称
溶銑の予備処理方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C21C
5/28 20060101AFI20250401BHJP(鉄冶金)
要約
【課題】脱燐処理において、石灰系媒溶材の溶融に必要な熱量及び冷鉄源の溶解に必要な熱量を確保して脱燐処理を促進させると共に、脱燐スラグの転炉型容器からの噴出を防止する溶銑の予備処理方法を提供する。
【解決手段】溶銑及びFeOを含有する第1冷鉄源を転炉型容器に装入する溶銑装入工程と、前記溶銑の脱珪処理を行う脱珪処理工程と、FeOを含有する第2冷鉄源を前記転炉型容器に装入すると共に前記溶銑の脱燐処理を行う脱燐処理工程と、前記脱燐処理が行われた前記溶銑を前記転炉型容器から出湯する出湯工程と、を順に繰り返し実施する溶銑の予備処理方法であって、前記転炉型容器に前回の溶銑予備処理時に生成した脱燐処理後スラグを残留させ、前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、前記脱燐処理工程における脱燐処理時スラグのFeO濃度が20質量%以上30質量%以下となるように前記転炉型容器に装入される。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
溶銑及びFeOを含有する第1冷鉄源を転炉型容器に装入する溶銑装入工程と、
前記溶銑の脱珪処理を行う脱珪処理工程と、
FeOを含有する第2冷鉄源を前記転炉型容器に装入すると共に前記溶銑の脱燐処理を行う脱燐処理工程と、
前記脱燐処理が行われた前記溶銑を前記転炉型容器から出湯する出湯工程と、
を順に繰り返し実施する溶銑の予備処理方法であって、
前記転炉型容器に前回の溶銑予備処理時に生成した脱燐処理後スラグを残留させ、
前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、前記脱燐処理工程における脱燐処理時スラグのFeO濃度が20質量%以上30質量%以下となるように前記転炉型容器に装入される、
溶銑の予備処理方法。
続きを表示(約 830 文字)
【請求項2】
前記脱燐処理工程の前に、前記脱珪処理が行われた前記溶銑を前記転炉型容器に残留させると共に前記脱珪処理工程で生成された脱珪処理後スラグの少なくとも一部を前記転炉型容器から排出する中間排滓工程を実施する、請求項1に記載の溶銑の予備処理方法。
【請求項3】
前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源の各装入量は、前記脱燐処理後スラグのFeO濃度と前記第1冷鉄源のFeO含有量と前記第2冷鉄源のFeO含有量とに基づき、前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源の全装入量である全冷鉄源装入量に対して、前記第2冷鉄源の装入量の割合が5質量%以上30質量%以下となるように決定される、請求項1又は2に記載の溶銑の予備処理方法。
【請求項4】
前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、FeO含有量を1質量%以上とする、請求項1又は2に記載の溶銑の予備処理方法。
【請求項5】
前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、FeO含有量を1質量%以上とする、請求項3に記載の溶銑の予備処理方法。
【請求項6】
前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、FeO含有量が1質量%以上であって製鉄プロセスにて生成及び回収される回収物である、請求項1又は2に記載の溶銑の予備処理方法。
【請求項7】
前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、FeO含有量が1質量%以上であって製鉄プロセスにて生成及び回収される回収物である、請求項3に記載の溶銑の予備処理方法。
【請求項8】
前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、FeO含有量が1質量%以上であって製鉄プロセスにて生成及び回収される回収物である、請求項4に記載の溶銑の予備処理方法。
【請求項9】
前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、FeO含有量が1質量%以上であって製鉄プロセスにて生成及び回収される回収物である、請求項5に記載の溶銑の予備処理方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、転炉型容器により溶銑の脱燐処理を行う溶銑の予備処理方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
高炉から出銑された溶銑を転炉にて脱炭精錬して溶鋼を製造するに当たり、従来、溶銑段階で予備脱燐処理を行い、溶銑中の燐を或る程度除去してから、転炉で脱炭精錬を実施する製鋼方法が発展してきた。この予備脱燐処理では、石灰(CaO)を主体とする脱燐用精錬剤と共に酸素ガス、固体酸化鉄などの酸素源(冷鉄源)を添加して処理を行っている。即ち、添加した酸素源により溶銑中の燐を酸化して燐酸化物を生成させ、生成された燐酸化物をCaO系の脱燐用精錬剤で吸収及び固定させることで、脱燐反応を進行させている。添加した酸素源は、溶銑中の燐との反応の他に、炭素及び珪素とも反応が進行し、当該反応により溶銑の温度が上昇するものの、脱燐反応は熱力学的に低温であるほど進行するため、冷却材を添加して、処理後の溶銑温度を1300℃前後に制御している。
【0003】
ここで、転炉型の精錬容器を用いた予備脱燐処理中に酸素源(冷鉄源)を添加して、脱燐処理を実施する方法が幾つか提案されている。特許文献1は、溶銑の予備処理方法として、溶銑及び冷鉄源を転炉型容器に装入し、溶銑の脱珪処理を行う脱珪処理工程と、脱珪処理を行った溶銑を転炉型容器に残留させると共に脱珪処理工程で生成された脱珪スラグの一部を転炉型容器から排出する中間排滓工程と、中間排滓工程で転炉型容器に残留させた溶銑の脱燐処理を行う脱燐処理工程と、脱燐処理が行われた溶銑を転炉型容器から出湯する出湯工程とを開示する。
【0004】
また、特許文献2は、溶銑の予備処理方法における冷鉄源の転炉型容器への装入について、共に装入される溶銑との重量関係に基づく冷鉄源の装入方法を開示する。特許文献3は、溶銑の予備脱燐処理について、脱燐精錬時間の30%が経過した時点から90%が経過する時点までの任意の時期に冷鉄源を装入する方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2013-167015号公報
特開2013-189714号公報
特開2007-270238号公報
特開2014-159629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
溶銑の予備処理において、脱燐処理の際に生成される脱燐スラグのFeO濃度は、溶銑の脱燐処理の進行に影響を与える重要な要素となる。このため、溶銑の予備処理における脱燐処理では、脱燐スラグのFeO濃度を適正に管理する必要がある。
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2に開示された技術では、脱珪処理及び脱燐処理における冷鉄源の装入に関する開示はあるものの、脱燐スラグのFeO濃度の管理に関する提案は一切なされていない。また、特許文献3に開示された技術では、脱燐処理における冷鉄源の装入タイミングに関する開示はあるものの、脱燐スラグのFeO濃度の管理に関する提案は一切なされていない。
【0008】
また、従来の溶銑の予備処理においては、脱珪処理を行う前に、溶銑及び冷鉄源を一度に装入する方法が行われているため、脱燐処理時において、石灰系媒溶材の溶融に必要な熱量及び冷鉄源の溶解に必要な熱量を両立させて確保することが困難であった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、脱燐処理工程において、脱燐処理を促進させると共に脱燐処理時スラグの転炉型容器からの噴出しを防止する溶銑の予備処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[1]溶銑及びFeOを含有する第1冷鉄源を転炉型容器に装入する溶銑装入工程と、前記溶銑の脱珪処理を行う脱珪処理工程と、FeOを含有する第2冷鉄源を前記転炉型容器に装入すると共に前記溶銑の脱燐処理を行う脱燐処理工程と、前記脱燐処理が行われた前記溶銑を前記転炉型容器から出湯する出湯工程と、を順に繰り返し実施する溶銑の予備処理方法であって、前記転炉型容器に前回の溶銑予備処理時に生成した脱燐処理後スラグを残留させ、前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、前記脱燐処理工程における脱燐処理時スラグのFeO濃度が20質量%以上30質量%以下となるように前記転炉型容器に装入される、溶銑の予備処理方法。
[2]前記脱燐処理工程の前に、前記脱珪処理が行われた前記溶銑を前記転炉型容器に残留させると共に前記脱珪処理工程で生成された脱珪処理後スラグの少なくとも一部を前記転炉型容器から排出する中間排滓工程を実施する、[1]に記載の溶銑の予備処理方法。
[3]前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源の各装入量は、前記脱燐処理後スラグのFeO濃度と前記第1冷鉄源のFeO含有量と前記第2冷鉄源のFeO含有量とに基づき、前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源の全装入量である全冷鉄源装入量に対して、前記第2冷鉄源の装入量の割合が5質量%以上30質量%以下となるように決定される、[1]又は[2]に記載の溶銑の予備処理方法。
[4]前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、FeO含有量を1質量%以上とする、[1]~[3]の何れか1つに記載の溶銑の予備処理方法。
[5]前記第1冷鉄源及び前記第2冷鉄源は、FeO含有量が1質量%以上であって製鉄プロセスにて生成及び回収される回収物である、[1]~[4]の何れか1つに記載の溶銑の予備処理方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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