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公開番号
2024135067
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023045576
出願日
2023-03-22
発明の名称
溶融金属の精錬方法
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C21C
5/32 20060101AFI20240927BHJP(鉄冶金)
要約
【課題】溶融金属の精錬において、フリップフロップノズルを備える上吹きランスから溶融金属に向けてジェットを上吹きする場合に、ジェットの流速を大きく変えることが可能な新たな技術を開示する。
【解決手段】本開示の溶融金属の精錬方法は、フリップフロップノズルを有する上吹きランスから、前記溶融金属の湯面に向けて、第1流量にて、ジェットを上吹きすること、及び、前記フリップフロップノズルを有する前記上吹きランスから、前記溶融金属の湯面に向けて、第2流量にて、ジェットを上吹きすること、を含む。前記第1流量は、前記ジェットが自励振動を起こす流量であり、前記第2流量は、前記ジェットが自励振動を起こさない流量である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
溶融金属の精錬方法であって、
フリップフロップノズルを有する上吹きランスから、前記溶融金属の湯面に向けて、第1流量にて、ジェットを上吹きすること、及び
前記フリップフロップノズルを有する前記上吹きランスから、前記溶融金属の湯面に向けて、第2流量にて、ジェットを上吹きすること、を含み、
前記第1流量は、前記ジェットが自励振動を起こす流量であり、
前記第2流量は、前記ジェットが自励振動を起こさない流量である、
溶融金属の精錬方法。
続きを表示(約 570 文字)
【請求項2】
上吹きガスのランス前圧によって前記ジェットの流量を制御すること、を含む、
請求項1に記載の溶融金属の精錬方法。
【請求項3】
前記ランス前圧を0.3MPa以下に制御することで、前記ジェットの流量を、前記ジェットが自励振動を起こす流量に制御すること、及び
前記ランス前圧を0.4MPa以上に制御することで、前記ジェットの流量を、前記ジェットが自励振動を起こさない流量に制御すること、を含む、
請求項2に記載の溶融金属の精錬方法。
【請求項4】
前記ジェットの自励振動数が、200Hz以上である、
請求項1に記載の溶融金属の精錬方法。
【請求項5】
前記第1流量にて前記ジェットを上吹きしている際のランス高さと、前記第2流量にて前記ジェットを上吹きしている際のランス高さとが、同じである、
請求項1に記載の溶融金属の精錬方法。
【請求項6】
ランス高さが、200mm以上5000mm以下である、
請求項1に記載の溶融金属の精錬方法。
【請求項7】
前記溶融金属が、溶鉄であり、
前記ジェットが、酸素ジェットである、
請求項1~6のいずれか1項に記載の溶融金属の精錬方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本願は溶融金属の精錬方法を開示する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
溶融金属の精錬においては、溶融金属にジェットを吹きつけた際のスピッティング(火点から溶融金属粒が飛散すること)が問題となる。スピッティングが多いと、炉口に地金が付着して操業に支障をきたす虞があり、また、炉口から溶銑粒が飛散して歩留まりが悪化する虞がある。一方で、スピッティングを抑制するためにジェット流量を低位にした場合、生産性が悪化する虞がある。上記のスピッティングを低減するためには、上吹きランスからのジェットが溶融金属に衝突する火点の位置を動かしながら吹錬を行うことが有効である。例えば、機械的な駆動装置を用いて上吹きランスを回転・旋回させることや、2股ノズルの流量比を変えてジェットの方向を変えることがあり得る。しかしながら、これらを実現するためには設備の大幅な改造が必要である。駆動装置を使用することなくジェットを動かす方法として、ジェットを自励振動させる方法がある。ジェットを自励振動させる手段としては、特許文献1~3に開示されたようなフリップフロップノズルを採用することがあり得る。
【0003】
また、溶融金属の精錬においては、溶融金属の精錬挙動が適切なものとなるように、精錬段階ごとに、ジェットの流速を大きく変化させる場合がある。一例として、溶鉄に対して酸素ジェットを吹き付ける場合について考える。この場合、吹き付けられた酸素の一部が溶鉄中の炭素と反応してCOガスを発生させるとともに、吹き付けられた酸素の一部がCOガスと反応して二次燃焼反応を起こす。COガスの二次燃焼によって、例えば、溶鉄の温度を上昇させることができる。COガスの二次燃焼率を高めることで、鉄源としてスクラップ等を多量に採用することができ、高炉溶銑の使用比率を下げて、CO
2
排出原単位を低減することが可能と考えられる。ここで、二次燃焼率を高めるためには、酸素ジェットの流速を低下させることが有効である。しかしながら、酸素ジェットの流速を低下させると、酸素ジェットと溶鉄との精錬反応効率が低下する虞がある。この点、溶鉄に酸素ジェットを吹き付けて精錬を行う場合、精錬初期においては酸素ジェットの流速を低下させて二次燃焼率を高め、その後、酸素ジェットの流速を大きく増加させて精錬効率を高める、といった操業がなされる場合がある。
【0004】
ジェットの流速は、一般的に、ジェットの流量やランス高さによって制御される。具体的には、ジェット流量を下げ、ランス高さを上げることで、溶融金属に吹き付けられるジェット流速を低下させることができる。しかしながら、ジェット流速を十分に低下させるためには、ジェット流量を過度に低下させる必要があり、ランス前圧が小さくなって、逆火が生じる懸念がある。また、ランス高さについても、下げ過ぎるとランスへの地金付きリスクが増大し、上げ過ぎると炉口付近の炉壁の熱負荷が大きくなって耐火物の溶損速度が増加する懸念がある。以上の通り、従来において、ランスから上吹きされるジェットの流速は、ジェットの流量やランス高さの調整によって制御されてきたが、その制御範囲は限られる。ジェット流速の制御範囲を拡大できれば、精錬制御性を改善することが可能と考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-143086号公報
特開2005-113200号公報
特開2019-190695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、溶融金属の精錬において、溶融金属に向けてジェットを上吹きする場合に、ジェットの流速の制御範囲を拡大可能な新たな技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は上記課題を解決するための手段として、以下の複数の態様を開示する。
<態様1>
溶融金属の精錬方法であって、
フリップフロップノズルを有する上吹きランスから、前記溶融金属の湯面に向けて、第1流量にて、ジェットを上吹きすること、及び
前記フリップフロップノズルを有する前記上吹きランスから、前記溶融金属の湯面に向けて、第2流量にて、ジェットを上吹きすること、を含み、
前記第1流量は、前記ジェットが自励振動を起こす流量であり、
前記第2流量は、前記ジェットが自励振動を起こさない流量である、
溶融金属の精錬方法。
<態様2>
上吹きガスのランス前圧によって前記ジェットの流量を制御すること、を含む、
態様1の溶融金属の精錬方法。
<態様3>
前記ランス前圧を0.3MPa以下に制御することで、前記ジェットの流量を、前記ジェットが自励振動を起こす流量に制御すること、及び
前記ランス前圧を0.4MPa以上に制御することで、前記ジェットの流量を、前記ジェットが自励振動を起こさない流量に制御すること、を含む、
態様2の溶融金属の精錬方法。
<態様4>
前記ジェットの自励振動数が、200Hz以上である、
態様1~3のいずれかの溶融金属の精錬方法。
<態様5>
前記第1流量にて前記ジェットを上吹きしている際のランス高さと、前記第2流量にて前記ジェットを上吹きしている際のランス高さとが、同じである、
態様1~4のいずれかの溶融金属の精錬方法。
<態様6>
ランス高さが、200mm以上5000mm以下である、
態様1~5のいずれかの溶融金属の精錬方法。
<態様7>
前記溶融金属が、溶鉄であり、
前記ジェットが、酸素ジェットである、
態様1~6のいずれかの溶融金属の精錬方法。
【発明の効果】
【0008】
本開示の技術によれば、溶融金属の精錬において、溶融金属に向けてジェットを上吹きする場合に、ジェットの流速の制御範囲を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
溶融金属の精錬における上吹きランスと溶融金属とジェットとの位置関係の一例を概略的に示している。また、自励振動の有無とジェット流速との関係を説明している。
上吹きランスに備えられるフリップフロップノズルの構成の一例を概略的に示している。
フリップフロップノズルを備える上吹きランスにおける上吹きガスのランス前圧と、ジェットの最大流速平均値との関係を示すグラフである。
フリップフロップノズルを備える上吹きランスにおける上吹きガスのランス前圧と、二次燃焼率との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.溶融金属の精錬方法
図1に、溶融金属の精錬における上吹きランスと溶融金属とジェットとの位置関係の一例を概略的に示す。また、図2に、上吹きランスに備えられるフリップフロップノズルの構成の一例を概略的に示す。図1及び2に示されるように、一実施形態に係る溶融金属の製造方法は、フリップフロップノズル10を有する上吹きランス100から、前記溶融金属20の湯面20xに向けて、第1流量にて、ジェット30を上吹きすること、及び、前記フリップフロップノズル10を有する前記上吹きランス100から、前記溶融金属20の湯面20xに向けて、第2流量にて、ジェット30を上吹きすること、を含む。ここで、前記第1流量は、前記ジェット30が自励振動を起こす流量であり、前記第2流量は、前記ジェット30が自励振動を起こさない流量である。
(【0011】以降は省略されています)
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