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公開番号2024136202
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047235
出願日2023-03-23
発明の名称水系潤滑剤組成物
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 23/26 20060101AFI20240927BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】含有成分である潤滑油成分が水中に良好に分散し、さらに金属への熱劣化物の固着が抑制され得る水系潤滑剤組成物を提供すること。
【解決手段】所定の要件を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部、および所定の要件を満たす満たす不飽和モノマー(B)に由来するグラフト部を有するグラフト変性エチレン・α-オレフィン共重合体(X)と、アミン化合物(Y)と、アルキル変性シリコーンオイルおよびアルキルアラルキル変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なとも一種のシリコーンオイル(Z)と、水とを含有する水系潤滑剤組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記要件(a-1)~(a-3)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部、および下記要件(b-1)を満たす不飽和モノマー(B)に由来するグラフト部を有するグラフト変性エチレン・α-オレフィン共重合体(X)と、
アミン化合物(Y)と、
アルキル変性シリコーンオイルおよびアルキルアラルキル変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なとも一種のシリコーンオイル(Z)と、
水と
を含有する水系潤滑剤組成物:
(a-1)エチレン単位の含有率が30~70モル%である;
(a-2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,500~30,000である;
(a-3)示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点(Tm)が観測されない;
(b-1)不飽和モノマー(B)が、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーからなる群より選ばれる少なとも一種の不飽和モノマーである。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)が下記要件(a-4)および(a-5)を満たす、請求項1に記載の水系潤滑剤組成物:
(a-4)100℃における動粘度が10~5,000mm
2
/sである;
(a-5)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
【請求項3】
前記不飽和モノマー(B)が不飽和アルコールである、請求項1に記載の水系潤滑剤組成物。
【請求項4】
前記グラフト変性エチレン・α-オレフィン共重合体(X)が下記要件(x-1)~(x-5)を満たす、請求項1に記載の水系潤滑剤組成物:
(x-1)グラフト部の割合が0.1質量%以上70質量%未満である(ただし、主鎖部とグラフト部との合計量を100質量%とする。);
(x-2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,500~30,000である;
(x-3)示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点(Tm)が観測されない;
(x-4)100℃における動粘度が10~5,000mm
2
/sである;
(x-5)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
【請求項5】
前記グラフト変性エチレン・α-オレフィン共重合体(X)の含有量が、前記水系潤滑剤組成物100質量%に対して0.1~10質量%である、請求項1に記載の水系潤滑剤組成物。
【請求項6】
前記アミン化合物(Y)が下記要件(y-1)および(y-2)を満たす、請求項1に記載の水系潤滑剤組成物:
(y-1)分子量が1,000以下である;
(y-2)分子内に水酸基を一つ以上有する。
【請求項7】
前記アミン化合物(Y)の含有量が、前記グラフト変性エチレン・α-オレフィン共重合体(X)100質量部に対して10~60質量部である、請求項1に記載の水系潤滑剤組成物。
【請求項8】
前記シリコーンオイル(Z)の含有量が、前記水系潤滑剤組成物100質量%に対して10~50質量%である、請求項1に記載の水系潤滑剤組成物。
【請求項9】
さらに界面活性剤を含有する、請求項1に記載の水系潤滑剤組成物。
【請求項10】
前記界面活性剤がノニオン系界面活性剤である、請求項9に記載の水系潤滑剤組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水系潤滑剤組成物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
アルミニウム、マグネシウム、亜鉛等の非鉄金属の鋳造においては、金型に浴湯(溶融した非鉄金属)を高速・高圧で注入して成形するダイカスト法が用いられている。ダイカスト法では、複雑な形状の製品を、精度よく、かつ効率よく生産できるという利点があるが、金型への焼き付きにより鋳肌が損なわれるという問題がある。そのため、焼き付きを防ぐために潤滑剤(離型剤)が用いられている。
【0003】
従来、ダイカスト用離形剤としては、鉱物油、植物油、その他の油脂、ワックス等を主成分とし、これらの主成分を水中に分散して得られた乳化混合物が多く用いられてきた。
例えば、特許文献1では、金型への離形剤の付着効率を改善するために、平均分子量がある値以上のポリエチレンを主体としたワックスを用いた乳化混合物が開示されている。
また、特許文献2では、熱によって生じた酸化劣化物の金型表面への付着を抑えるために、分解反応を起こし易い三級炭素を多く含むポリプロピレンを主体としたワックスを用いた乳化混合物が開示されている。
さらに、特許文献3では、優れた潤滑性及び加工性を有する、アルキルアラルキル変性シリコーンオイルを主体として用いた非鉄金属塑性加工用水系潤滑油組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61-103642号公報
特開平6-240286号公報
特開2003-253290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、熱によって生じた酸化劣化物が金属金型表面に堆積し、これが原因となって製品の外観が悪化したり、寸法精度が低下したりする問題があった。また、ポリエチレンワックスは固体状であるために、水中への分散性が劣るという欠点があった。
また、特許文献2では、離型剤の酸化劣化物の金属金型表面への付着を抑えることは可能であったが、やはりポリプロピレンの水中への分散性には改善の余地があった。
さらに、特許文献3では、黒鉛粉末等を使用しないことで、粉末による機械や金型への汚れを防ぐことは可能であるが、離型剤の熱劣化物の金属金型表面への付着の抑制については、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、含有成分である潤滑油成分が水中に良好に分散し、さらに金属への熱劣化物の固着が抑制され得る水系潤滑剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば、以下の[1]~[10]に関する。
[1]
下記要件(a-1)~(a-3)を満たすエチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部、および下記要件(b-1)を満たす不飽和モノマー(B)に由来するグラフト部を有するグラフト変性エチレン・α-オレフィン共重合体(X)と、
アミン化合物(Y)と、
アルキル変性シリコーンオイルおよびアルキルアラルキル変性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なとも一種のシリコーンオイル(Z)と、
水と
を含有する水系潤滑剤組成物:
(a-1)エチレン単位の含有率が30~70モル%である;
(a-2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,500~30,000である;
(a-3)示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点(Tm)が観測されない;
(b-1)不飽和モノマー(B)が、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーからなる群より選ばれる少なとも一種の不飽和モノマーである。
【0008】
[2]
前記エチレン・α-オレフィン共重合体(A)が下記要件(a-4)および(a-5)を満たす、[1]に記載の水系潤滑剤組成物:
(a-4)100℃における動粘度が10~5,000mm
2
/sである;
(a-5)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
【0009】
[3]
前記不飽和モノマー(B)が不飽和アルコールである、[1]または[2]に記載の水系潤滑剤組成物。
【0010】
[4]
前記グラフト変性エチレン・α-オレフィン共重合体(X)が下記要件(x-1)~(x-5)を満たす、[1]~[3]のいずれかに記載の水系潤滑剤組成物:
(x-1)グラフト部の割合が0.1質量%以上70質量%未満である(ただし、主鎖部とグラフト部との合計量を100質量%とする。);
(x-2)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,500~30,000である;
(x-3)示差走査熱量分析(DSC)で測定される融点(Tm)が観測されない;
(x-4)100℃における動粘度が10~5,000mm
2
/sである;
(x-5)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が2.5以下である。
(【0011】以降は省略されています)

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