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公開番号2024135030
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023045521
出願日2023-03-22
発明の名称樹脂フィルム、回路基板材料、回路基板、電子機器
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C08L 71/08 20060101AFI20240927BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低温での積層を可能とし、熱膨張が小さく、熱による寸法安定性に優れる熱可塑性樹脂フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリエーテルケトンケトン(A)と、無機充填材(B)を含む樹脂フィルムであって、樹脂フィルム中の前記無機充填材(B)の長軸方向の50%長さ(メディアン径)が0.25μm以上1.0μm以下であり、短軸方向の50%長さ(メディアン径)が0.03μm以上0.25μm以下である、樹脂フィルムである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエーテルケトンケトン(A)と、無機充填材(B)を含む樹脂フィルムであって、
樹脂フィルム中の前記無機充填材(B)の長軸方向の50%長さ(メディアン径)が0.25μm以上1.0μm以下であり、短軸方向の50%長さ(メディアン径)が0.03μm以上0.25μm以下である、樹脂フィルム。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
樹脂フィルム中の無機充填剤(B)のアスペクト比が5以上10以下である、請求項1に記載の樹脂フィルム。
【請求項3】
前記無機充填材(B)の長軸方向の90%長さが1μm以上5μm以下であり、短軸方向の90%長さが0.01μm以上0.5μm以下である、請求項1に記載の樹脂フィルム。
【請求項4】
前記ポリエーテルケトンケトン(A)が、下記構造式(1)で表される繰り返し単位(a-1)及び/又は下記構造式(2)で表される繰り返し単位(a-2)を有する、請求項1に記載の樹脂フィルム。
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【請求項5】
前記繰り返し単位(a-1)と繰り返し単位(a-2)の含有割合が(a-1):(a-2)=55:45~75:25(mol%)である、請求項4に記載の樹脂フィルム。
【請求項6】
ガラス転移温度が150℃以上170℃以下である、請求項1に記載の樹脂フィルム。
【請求項7】
前記無機充填材(B)が合成マイカである、請求項1に記載の樹脂フィルム。
【請求項8】
ポリエーテルケトンケトン(A)100質量部に対して、無機充填材(B)が10質量部以上45質量部未満である、請求項1に記載の樹脂フィルム
【請求項9】
相対結晶化度が90%以下である、請求項1に記載の樹脂フィルム。
【請求項10】
線膨張係数が50ppm/℃以下である、請求項1に記載の樹脂フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂フィルム、回路基板材料、回路基板、電子機器に関するものである
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
回路基板用絶縁材には、その製造工程上、はんだ耐熱性が要求される。例えばポリエーテルケトン樹脂やポリイミド樹脂等の耐熱性熱可塑性樹脂を、プリント配線基板用絶縁材として使用することができれば、高温での電気的特性にも優れ、高温雰囲気下での回路の信頼性を得ることが期待できる。
しかしながら、これら耐熱性熱可塑性樹脂は、成形加工温度が高いため、銅箔に貼り合わせる際や多層基板化する際に、エポキシ樹脂等の接着剤を使用したり、260℃以上の溶融状態で高温熱プレス成形する必要があり、昇温・降温に時間がかかるなどの問題があった。さらには、結晶性樹脂の場合、融点近傍の温度まで加熱しないと接着性が得られず、融点を超えると一転して樹脂が流れ出し、流動変形してしまうという問題もあった。
【0003】
ところで、スーパーエンジニアリングプラスチックとして知られるポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂は、高機能を発揮する熱可塑性樹脂であり、耐熱性、高温特性、耐加水分解性、機械的強度、難燃性、耐薬品性、電気的特性等に優れるという特性に鑑み、電気・電子分野のリジッドまたはフレキシブル基板、半導体パッケージ基板等の電子基板の製造に利用されている。
この種の電子基板は、例えばポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルムに銅箔が接着して積層された二層または三層構造の銅張積層板(FCCL)を用いて製造され、銅箔が回路パターンとして機能する(特許文献1、2参照)。ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルムを用いて多層基板を作製する場合は、融点(例えば、343℃)以上の温度(例えば、360℃)に加熱され、ポリエーテルエーテルケトン樹脂が溶けた状態で基材と接着される。
【0004】
従来における多層基板は、以上のようにポリエーテルエーテルケトン樹脂が溶けた状態で接着されるため、導体のパターンが歪んだり、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルムと銅箔との線膨張係数の差異により基板が反る問題が生じる。
そこで、特許文献3では、無機フィラー含有のポリアリーレンエーテルケトン樹脂層の少なくとも片面に、融点がポリアリーレンエーテルケトン樹脂層の融点よりも5℃以上低いポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の樹脂接着層を積層し、この樹脂接着層に金属層を積層したことを特徴とする積層体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特表2015-536555号公報
特表2009-545878号公報
特開2022-148547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3で提案される積層体は、樹脂接着層を設けることで、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂層に金属層が低融点の樹脂接着層を介して間接的に積層されるので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が溶けた状態で金属層に直接接着されることが少ない。したがって、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂層が溶けない温度で金属層を積層することにより、寸法特性が悪化することを防止し、金属層が剥離するのを防止することができる、とされている。
しかしながら、ポリアリーレンエーテルケトン自体の積層温度は依然として高く、例えば200℃といった低温で積層することは困難である。また、回路基板に使用される絶縁材料の誘電率や誘電正接が高いと、高周波信号が流れた際に伝送損失が高くなり、通信動作に支障が生じる。
そこで、本発明の課題は、低温での積層を可能とし、熱膨張が小さく、低誘電特性に優れる熱可塑性樹脂フィルムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記実状に鑑み、鋭意検討した結果、ポリエーテルケトンケトンと特定の粒子径を有する無機充填材を含有する樹脂フィルムを用いることにより、上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の[1]~[14]を提供するものである。
【0008】
[1]ポリエーテルケトンケトン(A)と、無機充填材(B)を含む樹脂フィルムであって、樹脂フィルム中の前記無機充填材(B)の長軸方向の50%長さ(メディアン径)が0.25μm以上1.0μm以下であり、短軸方向の50%長さ(メディアン径)が0.03μm以上0.25μm以下である、樹脂フィルム。
[2]樹脂フィルム中の無機充填剤(B)のアスペクト比が5以上10以下である、上記[1]に記載の樹脂フィルム。
[3]前記無機充填材(B)の長軸方向の90%長さが1μm以上5μm以下であり、短軸方向の90%長さが0.01μm以上0.5μm以下である、上記[1]又は[2]に記載の樹脂フィルム。
[4]前記ポリエーテルケトンケトン(A)が、下記構造式(1)で表される繰り返し単位(a-1)及び/又は下記構造式(2)で表される繰り返し単位(a-2)を有する、上記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂フィルム。
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[5]前記繰り返し単位(a-1)と繰り返し単位(a-2)の含有割合が(a-1):(a-2)=55:45~75:25(mol%)である、上記[4]に記載の樹脂フィルム。
[6]ガラス転移温度が150℃以上170℃以下である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂フィルム。
[7]前記無機充填材(B)が合成マイカである、上記[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂フィルム。
[8]ポリエーテルケトンケトン(A)100質量部に対して、無機充填材(B)が10質量部以上45質量部未満である、上記[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂フィルム。
[9]相対結晶化度が90%以下である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂フィルム。
[10]
線膨張係数が50ppm/℃以下である、上記[1]~[9]のいずれかに記載の樹脂フィルム。
[11]回路基板に使用する、上記[1]~[10]のいずれかに記載の樹脂フィルム。
[12]上記[1]~[11]のいずれかに記載の樹脂フィルムと導体とが積層してなる構成を有する、回路基板材料。
[13]上記[12]に記載の回路基板材料を備えた、回路基板。
[14]上記[13]に記載の回路基板を備えた、電子機器。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低温での積層を可能とし、熱膨張が小さく、熱による寸法安定性に優れる熱可塑性樹脂フィルムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。ただし、本発明は次に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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