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公開番号
2024134806
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-04
出願番号
2023045186
出願日
2023-03-22
発明の名称
唾液を用いた閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断補助方法
出願人
国立大学法人 長崎大学
,
個人
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
33/68 20060101AFI20240927BHJP(測定;試験)
要約
【課題】閉塞性睡眠時無呼吸症候群及び/又はその重症度の簡易な診断に利用できる技術を提供する。
【解決手段】対象における閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクの判定を補助する方法であって、
前記対象から得られた唾液中の、SMPDB (The Small Molecule Pathway Database) において登録されている代謝パスウェイに所属する少なくとも1種のイオン性代謝物の量を測定することを含み、
前記代謝パスウェイは、エンリッチメント解析において閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者と該患者でない者との間で差が認められるものである、方法。
【選択図】図6
特許請求の範囲
【請求項1】
対象における閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクの判定を補助する方法であって、
前記対象から得られた唾液中の、SMPDB (The Small Molecule Pathway Database) において登録されている代謝パスウェイに所属する少なくとも1種のイオン性代謝物の量を測定することを含み、
前記代謝パスウェイは、エンリッチメント解析において閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者と該患者でない者との間で差が認められるものである、方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記代謝パスウェイが、ヒスチジン代謝、グルタミンとグルタミン酸の代謝、窒素代謝、アルギニン生合成、ペントースリン酸経路、ビオチン代謝、リジン分解、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸の代謝、プリン代謝、ピリミジン代謝、システインとメチオニンの代謝、グリオキシル酸とジカルボン酸の代謝、スフィンゴ脂質代謝、ベータアラニン代謝、ポルフィリンとクロロフィルの代謝、グリシン、セリン、スレオニンの代謝、ニコチン酸とニコチンアミドの代謝、一次胆汁酸生合成、グルタチオン代謝、及びアミノアシル-tRNA生合成から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記代謝パスウェイがヒスチジン代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、ウロカニン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、及び/又はヒスチジンを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記代謝パスウェイがグルタミンとグルタミン酸の代謝又は窒素代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物がグルタミン及び/又はグルタミン酸を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記代謝パスウェイがアルギニン生合成であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、グルタミン酸、アスパラギン酸、オルニチン、グルタミン、及び/又はN-アセチルグルタミン酸を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記代謝パスウェイがペントースリン酸経路であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物がリボース5-リン酸を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記代謝パスウェイがビオチン代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物がリジンを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記代謝パスウェイがリジン分解であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、リジン、γ-ブティロベタイン、及び/又はα-アミノアジピン酸を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記代謝パスウェイがアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸の代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、N-アセチル-L-アスパラギン酸、アスパラギン酸、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、クエン酸、及び/又はコハク酸を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記代謝パスウェイがプリン代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、リボース5-リン酸、グルタミン、アデノシン、及び/又はアデニンを含む、請求項1又は2に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクの判定を補助する方法、並びにその診断及び/又は判定をするための唾液バイオマーカー及びキットに関する。
また、本発明は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクもしくは重症度の判定を補助する方法、並びにその診断及び/又は判定をするための唾液バイオマーカー及びキットに関する。
続きを表示(約 8,000 文字)
【背景技術】
【0002】
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea: OSA)は、睡眠中に繰り返し起こる上気道の閉塞が特徴で、低酸素血症と睡眠障害が基本的な病態生理である。
OSAの重症度診断は、入院下での睡眠ポリグラフ検査(PSG)によって睡眠障害の同定と重症度評価を行うことにより可能である。しかしながら、その検査費用は高額であり、また、装置や設備コスト、人件費がかかり、実施可能な施設も限られている。そのため、いびきなどの極めて初期の症状に対して、家庭で測定できる簡易PSG機器あるいは腕時計型の機器の応用など、より簡便なビッグデータを活用したスクリーニング方法が開発されてきている。
【0003】
しかしながら、簡易PSG機器は、入院下でのPSG検査と同様に、終夜(22:00~5:00まで約7時間)の長時間を検査測定に要し、軽症患者の場合はセンサーの感度が悪く評価が臨床症状を反映しないという欠点がある。また、重症度の診断の根拠となる無呼吸・低呼吸指数(AHI)の測定精度が低いという欠点もある。さらに軽症患者の場合は特に、センサー装着に関する違和感の問題があり通常と異なる眠りになる可能性がある。
また、腕時計型の機器では、睡眠周期の評価はできるものの、無呼吸と低呼吸の評価が難しい。
このように、現状の簡易機器では、入院下でのPSG検査に比べて診断精度に欠け、より客観的に重症度を評価できる簡易診断方法が必要とされている。
【0004】
睡眠時無呼吸症候群の診断に利用可能な方法として、抗PTX3モノクローナル抗体を用いて血中および病変部のPTX3濃度を測定する方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、この方法では抗PTX3モノクローナル抗体の使用を前提としており、血液サンプルを取得する必要もあることから、安価で簡易な診断方法とは言えない。
睡眠不足または睡眠障害の検出に利用可能な方法として、トランスサイレチン遺伝子のヌクレオチド配列又はその相補配列にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドを用いて、被験試料におけるトランスサイレチン遺伝子の発現量を測定する方法が開示されている(特許文献2)。しかしながら、この方法では、被験試料から調製されたmRNA又はそのmRNAから転写された相補的DNA(cDNA)を鋳型として用いる必要があり、核酸試料の調製が煩雑である。
【0005】
OSAと唾液中のバイオマーカーとの関連を評価した研究としては、唾液中のミエロペルオキシダーゼがOSA患者における口腔咽頭の炎症性マーカーとして有用であり得ると報告する文献(非特許文献1)や、唾液中のコルチゾールとOSAとの関連性を示唆する文献(非特許文献2)が挙げられる。しかしながら、ミエロペルオキシダーゼのようなタンパク質の特異的な検出には、通常、抗体が使用され、低分子化合物の検出と比較して安価で簡便に特異的な検出を行うことは難しく、コルチゾールのようなホルモンは唾液中の濃度が低く検出は容易でないため、いずれもOSAの簡易な診断方法としての利用は困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-14521号公報
特開2007-75071号公報
【非特許文献】
【0007】
Journal of Otolaryngology - Head & Neck Surgery, 2012, 41(3):215-221
Pediatric Pulmonology, 2014, 49(11):1145-1152
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記背景に鑑み、閉塞性睡眠時無呼吸症候群及び/又はその重症度の簡易な診断に利用できる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは鋭意検討した結果、唾液中の特定のイオン性代謝物の量と、閉塞性睡眠時無呼吸症候群及びその重症度との間に一定の関連性があることを見出した。
従って、本発明は、例えば、下記〔1〕~〔31〕に関するものである。
〔1〕対象における閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクの判定を補助する方法であって、
前記対象から得られた唾液中の、SMPDB (The Small Molecule Pathway Database) において登録されている代謝パスウェイに所属する少なくとも1種のイオン性代謝物の量を測定することを含み、
前記代謝パスウェイは、エンリッチメント解析において閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者と該患者でない者との間で差が認められるものである、方法。
〔2〕前記代謝パスウェイが、ヒスチジン代謝、グルタミンとグルタミン酸の代謝、窒素代謝、アルギニン生合成、ペントースリン酸経路、ビオチン代謝、リジン分解、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸の代謝、プリン代謝、ピリミジン代謝、システインとメチオニンの代謝、グリオキシル酸とジカルボン酸の代謝、スフィンゴ脂質代謝、ベータアラニン代謝、ポルフィリンとクロロフィルの代謝、グリシン、セリン、スレオニンの代謝、ニコチン酸とニコチンアミドの代謝、一次胆汁酸生合成、グルタチオン代謝、及びアミノアシル-tRNA生合成から選択される、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記代謝パスウェイがヒスチジン代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、ウロカニン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、及び/又はヒスチジンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記代謝パスウェイがグルタミンとグルタミン酸の代謝又は窒素代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物がグルタミン及び/又はグルタミン酸を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔5〕前記代謝パスウェイがアルギニン生合成であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、グルタミン酸、アスパラギン酸、オルニチン、グルタミン、及び/又はN-アセチルグルタミン酸を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔6〕前記代謝パスウェイがペントースリン酸経路であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物がリボース5-リン酸を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔7〕前記代謝パスウェイがビオチン代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物がリジンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔8〕前記代謝パスウェイがリジン分解であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、リジン、γ-ブティロベタイン、及び/又はα-アミノアジピン酸を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔9〕前記代謝パスウェイがアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸の代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、N-アセチル-L-アスパラギン酸、アスパラギン酸、アラニン、グルタミン酸、グルタミン、クエン酸、及び/又はコハク酸を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔10〕前記代謝パスウェイがプリン代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、リボース5-リン酸、グルタミン、アデノシン、及び/又はアデニンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔11〕前記代謝パスウェイがピリミジン代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、グルタミン、シチジン、及び/又はβ-アラニンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔12〕前記代謝パスウェイがシステインとメチオニンの代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、セリン、メチオニン、O-ホスホセリン、及び/又は2-アミノ酪酸を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔13〕前記代謝パスウェイがグリオキシル酸とジカルボン酸の代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、クエン酸、セリン、グリシン、グルタミン酸、及び/又はグルタミンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔14〕前記代謝パスウェイがスフィンゴ脂質代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物がセリンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔15〕前記代謝パスウェイがベータアラニン代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、β-アラニン、アスパラギン酸、スペルミジン、ヒスチジン、及び/又は1,3-ジアミノプロパンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔16〕前記代謝パスウェイがポルフィリンとクロロフィルの代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物がグリシン及び/又はグルタミン酸を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔17〕前記代謝パスウェイがグリシン、セリン、スレオニンの代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、セリン、ベタイン、グリシン、サルコシン、及び/又はスレオニンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔18〕前記代謝パスウェイがニコチン酸とニコチンアミドの代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物がアスパラギン酸を含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔19〕前記代謝パスウェイが一次胆汁酸生合成であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物がグリシンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔20〕前記代謝パスウェイがグルタチオン代謝であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、グリシン、グルタミン酸、5-オキソプロリン、オルニチン、プトレシン、スペルミジン、及び/又はカダベリンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔21〕前記代謝パスウェイがアミノアシル-tRNA生合成であり、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、ヒスチジン、フェニルアラニン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、セリン、メチオニン、バリン、アラニン、リジン、イソロイシン、ロイシン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、及び/又はプロリンを含む、前記〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔22〕対象における閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクもしくは重症度の判定を補助する方法であって、
前記対象から得られた唾液中の、SMPDBにおいて登録されている代謝パスウェイに所属する少なくとも1種のイオン性代謝物の量を測定することを含み、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、スペルミジン、プトレシン、カダベリン、プロリン、オルニチン、リジン、ヒスチジン、プロピオン酸、N-アセチルプトレシン、2-ヒドロキシグルタル酸、ウロカニン酸、2-アミノ酪酸、アデニン、トリプトファン、シチジン、N-アセチルグルタミン酸、リボース5-リン酸、及びアグマチン、並びにそれらのいずれかの組合せから選択される、方法。
〔23〕対象における閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクもしくは重症度の判定を補助する方法であって、
前記対象から得られた唾液中の少なくとも1種のイオン性代謝物の量を測定することを含み、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、スペルミジン、プトレシン、カダベリン、プロリン、オルニチン、リジン、ヒスチジン、プロピオン酸、N-アセチルプトレシン、2-ヒドロキシグルタル酸、ウロカニン酸、2-アミノ酪酸、アデニン、トリプトファン、シチジン、N-アセチルグルタミン酸、リボース5-リン酸、アグマチン、N1,N8-ジアセチルスペルミジン、N1-アセチルスペルミン、N8-アセチルスペルミジン、5-アミノバレリック酸、N-アセチルノイラミン酸、ヘキサン酸、2-ヒドロキシ-4-メチルペンタノエート、アラニル-アラニン、及びピペコリン酸、並びにそれらのいずれかの組合せから選択される、方法。
〔24〕SMPDBにおいて登録されている代謝パスウェイに所属する少なくとも1種のイオン性代謝物を含む、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクの判定をするための唾液バイオマーカーであって、前記代謝パスウェイが、ヒスチジン代謝、グルタミンとグルタミン酸の代謝、窒素代謝、アルギニン生合成、ペントースリン酸経路、ビオチン代謝、リジン分解、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸の代謝、プリン代謝、ピリミジン代謝、システインとメチオニンの代謝、グリオキシル酸とジカルボン酸の代謝、スフィンゴ脂質代謝、ベータアラニン代謝、ポルフィリンとクロロフィルの代謝、グリシン、セリン、スレオニンの代謝、ニコチン酸とニコチンアミドの代謝、一次胆汁酸生合成、グルタチオン代謝、及びアミノアシル-tRNA生合成から選択される、唾液バイオマーカー。
〔25〕前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、ウロカニン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒスチジン、グルタミン、オルニチン、N-アセチルグルタミン酸、リボース5-リン酸、リジン、γ-ブティロベタイン、α-アミノアジピン酸、N-アセチル-L-アスパラギン酸、アラニン、クエン酸、コハク酸、アデノシン、アデニン、シチジン、β-アラニン、セリン、メチオニン、O-ホスホセリン、2-アミノ酪酸、グリシン、スペルミジン、1,3-ジアミノプロパン、ベタイン、サルコシン、スレオニン、5-オキソプロリン、プトレシン、カダベリン、フェニルアラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、トリプトファン、チロシン、及びプロリン、並びにそれらのいずれかの組合せから選択される、前記〔24〕に記載の唾液バイオマーカー。
〔26〕SMPDBにおいて登録されている代謝パスウェイに所属する少なくとも1種のイオン性代謝物を含む、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクもしくは重症度の判定をするための唾液バイオマーカーであって、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、スペルミジン、プトレシン、カダベリン、プロリン、オルニチン、リジン、ヒスチジン、プロピオン酸、N-アセチルプトレシン、2-ヒドロキシグルタル酸、ウロカニン酸、2-アミノ酪酸、アデニン、トリプトファン、シチジン、N-アセチルグルタミン酸、リボース5-リン酸、及びアグマチン、並びにそれらのいずれかの組合せから選択される、唾液バイオマーカー。
〔27〕スペルミジン、プトレシン、カダベリン、プロリン、オルニチン、リジン、ヒスチジン、プロピオン酸、N-アセチルプトレシン、2-ヒドロキシグルタル酸、ウロカニン酸、2-アミノ酪酸、アデニン、トリプトファン、シチジン、N-アセチルグルタミン酸、リボース5-リン酸、アグマチン、N1,N8-ジアセチルスペルミジン、N1-アセチルスペルミン、N8-アセチルスペルミジン、5-アミノバレリック酸、N-アセチルノイラミン酸、ヘキサン酸、2-ヒドロキシ-4-メチルペンタノエート、アラニル-アラニン、及びピペコリン、並びにそれらのいずれかの組合せから選択される少なくとも1種のイオン性代謝物を含む、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクもしくは重症度の判定をするための唾液バイオマーカー。
〔28〕SMPDBにおいて登録されている代謝パスウェイに所属する少なくとも1種のイオン性代謝物を測定するための試薬を含む、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクの判定をするためのキットであって、前記代謝パスウェイが、ヒスチジン代謝、グルタミンとグルタミン酸の代謝、窒素代謝、アルギニン生合成、ペントースリン酸経路、ビオチン代謝、リジン分解、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸の代謝、プリン代謝、ピリミジン代謝、システインとメチオニンの代謝、グリオキシル酸とジカルボン酸の代謝、スフィンゴ脂質代謝、ベータアラニン代謝、ポルフィリンとクロロフィルの代謝、グリシン、セリン、スレオニンの代謝、ニコチン酸とニコチンアミドの代謝、一次胆汁酸生合成、グルタチオン代謝、及びアミノアシル-tRNA生合成から選択される、キット。
〔29〕前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、ウロカニン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒスチジン、グルタミン、オルニチン、N-アセチルグルタミン酸、リボース5-リン酸、リジン、γ-ブティロベタイン、α-アミノアジピン酸、N-アセチル-L-アスパラギン酸、アラニン、クエン酸、コハク酸、アデノシン、アデニン、シチジン、β-アラニン、セリン、メチオニン、O-ホスホセリン、2-アミノ酪酸、グリシン、スペルミジン、1,3-ジアミノプロパン、ベタイン、サルコシン、スレオニン、5-オキソプロリン、プトレシン、カダベリン、フェニルアラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、トリプトファン、チロシン、及びプロリン、並びにそれらのいずれかの組合せから選択される、前記〔28〕に記載のキット。
〔30〕SMPDBにおいて登録されている代謝パスウェイに所属する少なくとも1種のイオン性代謝物を測定するための試薬を含む、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクもしくは重症度の判定をするためのキットであって、前記少なくとも1種のイオン性代謝物が、スペルミジン、プトレシン、カダベリン、プロリン、オルニチン、リジン、ヒスチジン、プロピオン酸、N-アセチルプトレシン、2-ヒドロキシグルタル酸、ウロカニン酸、2-アミノ酪酸、アデニン、トリプトファン、シチジン、N-アセチルグルタミン酸、リボース5-リン酸、及びアグマチン、並びにそれらのいずれかの組合せから選択される、キット。
〔31〕スペルミジン、プトレシン、カダベリン、プロリン、オルニチン、リジン、ヒスチジン、プロピオン酸、N-アセチルプトレシン、2-ヒドロキシグルタル酸、ウロカニン酸、2-アミノ酪酸、アデニン、トリプトファン、シチジン、N-アセチルグルタミン酸、リボース5-リン酸、アグマチン、N1,N8-ジアセチルスペルミジン、N1-アセチルスペルミン、N8-アセチルスペルミジン、5-アミノバレリック酸、N-アセチルノイラミン酸、ヘキサン酸、2-ヒドロキシ-4-メチルペンタノエート、アラニル-アラニン、及びピペコリン、並びにそれらのいずれかの組合せから選択される少なくとも1種のイオン性代謝物を測定するための試薬を含む、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断及び/又はその発症可能性についてのリスクもしくは重症度の判定をするためのキット。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、唾液サンプルを用いることから、対象からの被験試料の採取が極めて容易である。また、被測定物質の測定も容易であり、閉塞性睡眠時無呼吸症候群及び/又はその重症度の簡易な診断のために本発明を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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