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公開番号2024133979
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023044028
出願日2023-03-20
発明の名称微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置
出願人三菱ケミカル株式会社,学校法人 中央大学
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 1/12 20060101AFI20240926BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】簡便に微細藻類中の抗酸化物質濃度を上昇できる微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置の提供。
【解決手段】本発明の微細藻類の培養方法は、PPFDが400μmol/m2/秒未満、かつ、微細藻類と溶存酸素とを含む培養液S中の溶存酸素濃度が10mg/L未満の条件で微細藻類を培養する工程(1)と、PPFDが400~5000μmol/m2/秒となるように培養液Sに光を照射する工程、及び、培養液S中の溶存酸素濃度を10mg/L以上に維持する工程の少なくとも一方を含む工程(2)とを順に含み、工程(2)での培養液SのpHの変動範囲が、工程(1)から1未満である。微細藻類の培養装置1は、培養液Sを収容する培養槽10と、培養液S中の溶存酸素濃度を制御する溶存酸素制御手段30とを備え、培養液S中の溶存酸素濃度が10mg/L未満の条件で微細藻類を培養した後に、溶存酸素濃度を10mg/L以上にする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光合成光量子束密度が400μmol/m

/秒未満、かつ、微細藻類と溶存酸素とを含む培養液中の溶存酸素濃度が10mg/L未満の条件で前記微細藻類を培養する工程(1)と、
光合成光量子束密度が400~5000μmol/m

/秒となるように前記培養液に光を照射する工程(2-1)、及び、前記培養液中の溶存酸素濃度を10mg/L以上に維持する工程(2-2)の少なくとも一方を含む工程(2)と、を順に含み、
前記工程(2)における前記培養液のpHの変動範囲が、前記工程(1)における前記培養液のpHから1未満である、微細藻類の培養方法。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記工程(1)における光合成光量子束密度が50μmol/m

/秒以上400μmol/m

/秒未満である、請求項1に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項3】
前記工程(2)を1時間以上行う、請求項1又は2に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項4】
前記微細藻類はエイコサペンタエン酸を含む、請求項1又は2に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項5】
前記微細藻類は、ナンノクロロプシス属又はマイクロクロロプシス属に属する微細藻類を1種以上含む、請求項1又は2に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項6】
微細藻類と溶存酸素とを含む培養液を収容する培養槽と、
前記培養液中の溶存酸素濃度が10mg/L以上となるように溶存酸素濃度を制御する溶存酸素制御手段と、を備え、
前記培養液中の溶存酸素濃度が10mg/L未満の条件で前記微細藻類を培養した後に、前記培養液中の溶存酸素濃度を10mg/L以上にする、微細藻類の培養装置。
【請求項7】
前記培養液へ照射される光の光合成光量子束密度を制御する光照射制御手段をさらに備える、請求項6に記載の微細藻類の培養装置。
【請求項8】
前記光照射制御手段により、光合成光量子束密度が400μmol/m

/秒未満の条件で前記微細藻類を培養した後に、光合成光量子束密度が400~5000μmol/m

/秒となるように、光合成光量子束密度を制御する、請求項7に記載の微細藻類の培養装置。
【請求項9】
前記微細藻類はエイコサペンタエン酸を含む、請求項6又は7に記載の微細藻類の培養装置。
【請求項10】
前記微細藻類は、ナンノクロロプシス属又はマイクロクロロプシス属に属する微細藻類を1種以上含む、請求項6又は7に記載の微細藻類の培養装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
エイコサペンタエン酸(EPA)は多価不飽和脂肪酸(PUFA)の一種であり、抗酸化物質として生体内では特に心臓の健康維持において非常に重要な役割を果たしていると言われている。
近年、EPAを含有する微細藻類を用いて健康食品を製造する方法や、EPAを含有する微細藻類の培養方法が提案されている。
【0003】
EPAを含有する微細藻類の培養方法として、例えば特許文献1には、pH7~pH9のpHからpH5~pH6へのpH低下、その後のpH7~pH9へのpH上昇、及び、光照射量の増加を含む刺激に微細藻類の培養物を曝露するステップを含む微細藻類の培養方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-60478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方法によれば、pHを中性から酸性に低下させた後、再度、pHを上昇させつつ、光照射量を増加させることで微細藻類に刺激を与えているが、pHの変動を制御することは困難である。特に、大規模で培養した場合、培養槽中の培養液のpHを均一に変動させることが極めて困難であり、pHの制御が煩雑となる。
本発明は、簡便に微細藻類中の抗酸化物質濃度を上昇できる微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討した結果、光量又は培養液中の溶存酸素濃度を上昇させるストレスを微細藻類に付与することで、微細藻類中の抗酸化物質濃度が上昇することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は下記の態様を有する。
[1] 光合成光量子束密度が400μmol/m

/秒未満、かつ、微細藻類と溶存酸素とを含む培養液中の溶存酸素濃度が10mg/L未満の条件で前記微細藻類を培養する工程(1)と、
光合成光量子束密度が400~5000μmol/m

/秒となるように前記培養液に光を照射する工程(2-1)、及び、前記培養液中の溶存酸素濃度を10mg/L以上に維持する工程(2-2)の少なくとも一方を含む工程(2)と、を順に含み、
前記工程(2)における前記培養液のpHの変動範囲が、前記工程(1)における前記培養液のpHから1未満である、微細藻類の培養方法。
[2] 前記工程(1)における光合成光量子束密度が50μmol/m

/秒以上400μmol/m

/秒未満である、前記[1]の微細藻類の培養方法。
[3] 前記工程(2)を1時間以上行う、前記[1]又は[2]の微細藻類の培養方法。
[4] 前記微細藻類はエイコサペンタエン酸を含む、前記[1]~[3]のいずれかの微細藻類の培養方法。
[5] 前記微細藻類は、ナンノクロロプシス属又はマイクロクロロプシス属に属する微細藻類を1種以上含む、前記[1]~[4]のいずれかの微細藻類の培養方法。
【0008】
[6] 微細藻類と溶存酸素とを含む培養液を収容する培養槽と、
前記培養液中の溶存酸素濃度が10mg/L以上となるように溶存酸素濃度を制御する溶存酸素制御手段と、を備え、
前記培養液中の溶存酸素濃度が10mg/L未満の条件で前記微細藻類を培養した後に、前記培養液中の溶存酸素濃度を10mg/L以上にする、微細藻類の培養装置。
[7] 前記培養液へ照射される光の光合成光量子束密度を制御する光照射制御手段をさらに備える、前記[6]の微細藻類の培養装置。
[8] 前記光照射制御手段により、光合成光量子束密度が400μmol/m

/秒未満の条件で前記微細藻類を培養した後に、光合成光量子束密度が400~5000μmol/m

/秒となるように、光合成光量子束密度を制御する、前記[7]の微細藻類の培養装置。
[9] 前記微細藻類はエイコサペンタエン酸を含む、前記[6]~[8]のいずれかの微細藻類の培養装置。
[10] 前記微細藻類は、ナンノクロロプシス属又はマイクロクロロプシス属に属する微細藻類を1種以上含む、前記[6]~[9]のいずれかの微細藻類の培養装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡便に微細藻類中の抗酸化物質濃度を上昇できる微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の微細藻類の培養装置の一例を模式的に示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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