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公開番号2025067886
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2024178802
出願日2024-10-11
発明の名称アルカンジオール組成物、およびそれを用いたポリエステルの製造方法
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人
主分類C07C 29/94 20060101AFI20250417BHJP(有機化学)
要約【課題】空気下で長期間保管したり加熱したりしても色調が悪化せず、また、これを原料として製造したポリエステルを空気下で加熱しても色調が安定なアルカンジオール組成物と、このアルカンジオール組成物を用いたポリエステル樹脂の製造方法を提供する。
【解決手段】アルカンジオール及び酸化防止剤を含むアルカンジオール組成物であって、前記アルカンジオール組成物中の前記アルカンジオールの含有割合が80質量%以上であり、前記アルカンジオール組成物中で前記酸化防止剤が析出している状態である、アルカンジオール組成物。このアルカンジオール組成物を用いる、ポリエステルの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルカンジオール及び酸化防止剤を含むアルカンジオール組成物であって、
前記アルカンジオール組成物中の前記アルカンジオールの含有割合が80質量%以上であり、
前記アルカンジオール組成物中で前記酸化防止剤が析出している状態である、アルカンジオール組成物。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記アルカンジオールがブタンジオールである、請求項1に記載のアルカンジオール組成物。
【請求項3】
前記ブタンジオールが1,4-ブタンジオールである、請求項2に記載のアルカンジオール組成物。
【請求項4】
前記アルカンジオール組成物が、前記酸化防止剤を200質量ppm以上含む、請求項1に記載のアルカンジオール組成物。
【請求項5】
前記アルカンジオール組成物がスラリー状である、請求項1に記載のアルカンジオール組成物
【請求項6】
前記アルカンジオール組成物が、前記酸化防止剤を20質量%未満含む、請求項1に記載のアルカンジオール組成物。
【請求項7】
前記アルカンジオールがバイオマス資源を原料として製造されたアルカンジオールである、請求項1に記載のアルカンジオール組成物。
【請求項8】
前記アルカンジオールが発酵によって製造されたアルカンジオールである、請求項1に記載のアルカンジオール組成物
【請求項9】
前記アルカンジオールが糖の直接発酵によって製造されたアルカンジオールである、請求項8に記載のアルカンジオール組成物。
【請求項10】
前記アルカンジオールがバイオマス資源を用いて製造されたコハク酸又はコハク酸ジアルキルを水素還元することによって製造されたアルカンジオールである、請求項7に記載のアルカンジオール組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ブタンジオール等のアルカンジオールを含むアルカンジオール組成物に関する。詳しくは、酸化防止剤を含有するアルカンジオール組成物であって、ポリエステルやポリカーボネートなどの樹脂原料や、ポリテトラメチレングリコール、テトラヒドロフラン、γ-ブチルラクトン等の原料としても有用なアルカンジオール組成物に関する。本発明はまた、このアルカンジオール組成物を用いたポリエステルの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
アルカンジオールは、様々な工業的な製造方法により製造されている。
従来、ブタンジオール等のアルカンジオールは、石油(化石燃料)を原料として製造されてきた。例えば、化石燃料から製造されたアセチレンからブタンジオールを製造する方法がある。
しかし、循環型(サステイナブル)社会の構築を求める声の高まりにより、石油などの化石燃料由来の原料からの脱却が望まれるようになり、近年は化石燃料を原料としない、植物などを原料とするバイオマス資源由来のブタンジオールの製造方法が種々提案されている。
例えば、糖の直接発酵によりブタンジオールを製造する方法、或いはバイオマス資源からコハク酸又はコハク酸ジアルキルを製造した後に水素還元によりブタンジオールを製造する方法が提案されている。
【0003】
ブタンジオールは、常温(25℃)において無色透明な液体である。一般的に、ブタンジオールは空気中で保管される。
化石燃料を原料として製造されたブタンジオールは、高度な精製を施すことで、空気中での色調の悪化は抑制されるが、バイオマス資源を活用して製造されたブタンジオールは、その精製は容易ではないため、空気中で保管したり加熱したりすると色調が悪化してしまうこと、さらに、加熱により色調が悪化したブタンジオールを用いて製造されたポリエステルは、熱的に不安定であるため、着色してしまうことも判明した。また、色調悪化前のブタンジオールであっても、これを原料として製造されたポリエステルは、製品化の過程での混練のために空気下で加熱すると色調が著しく悪化することも判明した。
【0004】
化石燃料由来のブタンジオールは、上記の通り高度な精製を施すことで色調の悪化を抑制することができるが、色調の悪化を完全に抑止することは難しく、やはり空気中で保管したり加熱したりすると経時により色調が悪化し、その色調悪化前のブタンジオールを用いても、製造されたポリエステルを空気下で加熱すると色調が悪化する問題があった。
【0005】
このようなことから、バイオマス資源由来のブタンジオールだけでなく、化石燃料由来のブタンジオールについても、空気中での保管や加熱による色調悪化を抑止することが求められている。
また、ブタンジオールが無色透明であっても、そのブタンジオールを用いて製造されたポリエステルは、空気下で加熱して混練すると色調が悪化してしまうことから、ブタンジオールを原料とするポリエステルを加熱した際の色調悪化の抑止も求められている。
【0006】
従来、1,4-ブタンジオールに酸化防止剤を添加し、1,4-ブタンジオールの自動酸化反応に対して安定化させることが提案されている(特許文献1)。特許文献1には、酸化防止剤を少なくとも1ppm、好ましくは約10~100ppmの割合で存在させることにより、1,4-ブタンジオールを安定化させると記載されている。
しかし、特許文献1に記載される量で酸化防止剤を添加した1,4-ブタンジオールでは、空気中で保管した場合の経時的な色調の悪化や加熱による着色を防止することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開昭54-122213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、空気下で長期間保管したり加熱したりしても色調が悪化せず、また、これを原料として製造したポリエステルを空気下で加熱しても色調が安定なアルカンジオール組成物を提供することを目的とする。また、このアルカンジオール組成物を用いたポリエステル樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、アルカンジオールに溶解した酸化防止剤とアルカンジオールに溶解していない、即ち、組成物中で析出している酸化防止剤とを含有するアルカンジオール組成物が、空気下で長期間保管したり加熱したりしても色調の悪化が抑制されるアルカンジオール組成物であることを見出した。また、このようなアルカンジオール組成物を用いて製造したポリエステルが空気下で加熱しても色調の悪化が抑制されることを見出した。
すなわち、本発明は以下の発明に係るものである。
【0010】
[1] アルカンジオール及び酸化防止剤を含むアルカンジオール組成物であって、
前記アルカンジオール組成物中の前記アルカンジオールの含有割合が80質量%以上であり、
前記アルカンジオール組成物中で前記酸化防止剤が析出している状態である、アルカンジオール組成物。
(【0011】以降は省略されています)

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