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公開番号
2025081757
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-27
出願番号
2025034305,2023509243
出願日
2025-03-05,2022-03-23
発明の名称
触媒、触媒の製造方法、並びにα,β-不飽和アルデヒド、α,β-不飽和カルボン酸、及びα,β-不飽和カルボン酸エステルの製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
弁理士法人秀和特許事務所
主分類
B01J
23/888 20060101AFI20250520BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】本発明は、α,β-不飽和アルデヒド及びα,β-不飽和カルボン酸等の選択率の高い触媒を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくともモリブデン及びビスマスを含有し、ICP(誘導結合高周波プラズマ)発光分光法から算出したモリブデン原子の量に対するビスマスの原子の量の比をAとし、X線光電子分光分析法によって測定されるモリブデン原子のピーク面積に対するビスマス原子のピーク面積の比をBとしたとき、B/Aが1.3~5である触媒、により課題を解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくともモリブデン、ビスマス、及び鉄を含有する、アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる触媒であって、
ICP(誘導結合高周波プラズマ)発光分光法から算出したモリブデン原子の量に対するビスマスの原子の量の比をAとし、X線光電子分光分析法によって測定されるモリブデン原子のピーク面積に対するビスマス原子のピーク面積の比をBとしたとき、B/Aが1.5~4であり、
前記Aの値が0.02~0.1である、触媒。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
少なくともモリブデン、ビスマス、及び鉄を含有する、アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる触媒であって、
ICP(誘導結合高周波プラズマ)発光分光法から算出したモリブデン原子の量に対するビスマスの原子の量の比をAとし、X線光電子分光分析法によって測定されるモリブデン原子のピーク面積に対するビスマス原子のピーク面積の比をBとしたとき、B/Aが1.5~4であり、
前記Bの値が0.04~0.2である、触媒。
【請求項3】
前記B/Aの値が1.7~3である、請求項1又は2に記載の触媒。
【請求項4】
前記Bの値が0.07~0.16である、請求項1又は2に記載の触媒。
【請求項5】
触媒組成が下記式(1)で表される、請求項1又は2に記載の触媒。
Mo
a
Bi
b
Fe
c
M
d
X
e
Y
f
Si
g
O
h
(1)
(前記式(1)中、Mo、Bi、Fe、Si及びOは、それぞれ、モリブデン、ビスマス、鉄、ケイ素及び酸素を示す。Mはコバルト及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Xは亜鉛、クロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル、タングステン、アンチモン、リン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Yはセシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f、g及びhは、各元素の原子比率を示し、a=12のとき、b=0.01~3、c=0.01~8、d=0.01~12、e=0.1~8、f=0.001~2、g=0~20であり、hは前
記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。)
【請求項6】
密度が0.2g/cm
3
以上、50g/cm
3
以下である、請求項1又は2に記載の触媒。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の触媒を含む成形物。
【請求項8】
外表面積が0.01cm
2
以上、4cm
2
以下である、請求項7に記載の成形物。
【請求項9】
充填嵩密度が0.2g/cm
3
以上、1g/cm
3
以下である、請求項7に記載の成形物。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか一項に記載の触媒を用いて、アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒、触媒の製造方法、並びにα,β-不飽和アルデヒド、α,β-不飽和カルボン酸、及びα,β-不飽和カルボン酸エステルの製造方法に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)
【背景技術】
【0002】
プロピレン、イソブチレン、t-ブチルアルコール、メチル-t-ブチルエーテル等の有機化合物を用いて、金属酸化物触媒の存在下において気相酸化反応を行うことにより、α,β-不飽和アルデヒドやα,β-不飽和カルボン酸等を製造する方法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、オレフィンから対応する不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸を製造する際に使用される触媒の製造方法として、モリブデン、ビスマス、コバルト及び/又はニッケル、及び鉄を少なくとも含む複合酸化物触媒の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、少なくともモリブデン、鉄及びコバルトを含む複合酸化物の粒子からなり、該粒子のバルク組成及び表面組成における原子比が特定の条件を満足することで、触媒活性及び選択性に優れた不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒を提供できる例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2005-169311号公報
特開2011-115681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者等の検討によると、特許文献1及び2に記載されている触媒は、性能が必ずしも十分ではなく、多くの副生成物が生じる場合があることが判明した。これらの問題は、α,β-不飽和アルデヒド及びα,β-不飽和カルボン酸等の選択率に影響するため、更なる触媒の性能の向上が望まれているのが実状である。そこでさらなる触媒性能の向上の観点から、触媒物性を制御することが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、α,β-不飽和アルデヒド及びα,β-不飽和カルボン酸等の目的生成物の選択率が高い触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を進めた。その結果、少なくともモリブデン及びビスマスを含有する触媒において、触媒全体に対する触媒表面のビスマス組成を調整することにより、高い選択率で目的生成物を製造することができることを見出した。
すなわち、本発明は以下のものを含む。
【0007】
[1]:少なくともモリブデン及びビスマスを含有する触媒であって、
ICP(誘導結合高周波プラズマ)発光分光法から算出したモリブデン原子の量に対するビスマスの原子の量の比をAとし、X線光電子分光分析法によって測定されるモリブデン原子のピーク面積に対するビスマス原子のピーク面積の比をBとしたとき、B/Aが1
.3~5である触媒。
[2]:前記B/Aの値が1.5~4である、[1]に記載の触媒。
[3]:前記B/Aの値が1.7~3である、[1]又は[2]に記載の触媒。
[4]:前記Aの値が0.02~0.1である、[1]~[3]のいずれかに記載の触媒。[5]:前記Bの値が0.04~0.2である、[1]~[4]のいずれかに記載の触媒。
[6]:前記Bの値が0.07~0.16である、[1]~[5]のいずれかに記載の触媒。
[7]:アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、[1]~[6]のいずれかに記載の触媒。
[8]:触媒組成が下記式(1)で表される、[1]~[7]のいずれかに記載の触媒。
Mo
a
Bi
b
Fe
c
M
d
X
e
Y
f
Si
g
O
h
(1)
(前記式(1)中、Mo、Bi、Fe、Si及びOは、それぞれ、モリブデン、ビスマス、鉄、ケイ素及び酸素を示す。Mはコバルト及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Xは亜鉛、クロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル、タングステン、アンチモン、リン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。Yはセシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びタリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f、g及びhは、各元素の原子比率を示し、a=12のとき、b=0.01~3、c=0~8、d=0~12、e=0~8、f=0.001~2、g=0~20であり、hは前記各成分の原子価
を満足するのに必要な酸素原子比率である。)
[9]:少なくともモリブデン及びビスマスを含有する触媒の製造方法であって、下記の工程(i)~(v)を含む、触媒の製造方法。
(i)少なくともモリブデン原料及びビスマス原料を溶媒と混合し、スラリー(A液)を得る工程と、
(ii)前記A液を、前記溶媒の沸点より1~30℃低い温度で20~90分攪拌して、スラリー(B液)を得る工程と、
(iii)前記B液を、前記工程(ii)の温度より2℃以上高い温度で10分~10時間攪拌して、スラリー(C液)を得る工程と、
(iv)前記C液を乾燥して乾燥物を得る工程と、
(v)前記乾燥物を焼成して触媒を得る工程。
[10]:前記工程(i)において、前記溶媒全体の50質量%以上が水である、[9]に記載の触媒の製造方法。
[11]:前記工程(iii)における温度が、前記溶媒の沸点より1~20℃高い温度である、[9]又は[10]に記載の触媒の製造方法。
[12]:前記工程(iii)において、前記B液を90分~10時間撹拌して前記C液を得る、[9]~[11]のいずれかに記載の触媒の製造方法。
[13]:アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる触媒を製造する、[9]~[12]のいずれかに記載の触媒の製造方法。
[14]:下記式(1)で表される組成を有する触媒を製造する、[9]~[13]のいずれかに記載の触媒の製造方法。
Mo
a
Bi
b
Fe
c
M
d
X
e
Y
f
Si
g
O
h
(1)
(前記式(1)中、Mo、Bi、Fe、Si及びOは、それぞれ、モリブデン、ビスマス、鉄、ケイ素及び酸素を示し、Mはコバルト及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Xは亜鉛、クロム、鉛、マンガン、カルシウム、マグネシウム、ニオブ、銀、バリウム、スズ、タンタル、タングステン、アンチモン、リン、ホウ素、硫黄、セレン、テルル、セリウム及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示し、Yはセシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びタリウムから
なる群より選ばれる少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e、f、g及びhは、各元素の原子比率を示し、a=12のとき、b=0.01~3、c=0~8、d=0~12、e=0~8、f=0.001~2、g=0~20であり、hは前記各成分の原子価
を満足するのに必要な酸素原子比率である。)
[15]:[1]~[8]のいずれかに記載の触媒を用いて、アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸の製造方法。
[16]:[9]~[14]のいずれかに記載の触媒の製造方法により製造された触媒を用いて、アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸の製造方法。
[17]:[15]又は[16]に記載の製造方法で製造したα,β-不飽和アルデヒドからα,β-不飽和カルボン酸を製造する、α,β-不飽和カルボン酸の製造方法。
[18]:[15]~[17]のいずれかに記載の製造方法で製造したα,β-不飽和カルボン酸から、α,β-不飽和カルボン酸エステルを製造する、α,β-不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、目的生成物の選択率が高い触媒を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について以下に説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。また、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
【0010】
[触媒]
本発明に係る触媒は、少なくともモリブデン及びビスマスを含有する触媒であって、ICP(誘導結合高周波プラズマ)発光分光法から算出したモリブデン原子の量に対するビスマスの原子の量の比をAとし、X線光電子分光分析法によって測定されるモリブデン原子のピーク面積に対するビスマス原子のピーク面積の比をBとしたとき、B/Aが1.3~5である。このような触媒を用いることにより、原料から高い選択率で目的生成物を製造することができる。
本発明に係る触媒は、目的生成物の選択率の観点から、酸化触媒であることが好ましく、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる触媒であることがより好ましい。具体的には、アルケン、アルコール又はエーテルから、α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造するための触媒であることが好ましい。なお「α,β-不飽和アルデヒド及び/又はα,β-不飽和カルボン酸を製造」とは、α,β-不飽和アルデヒドとα,β-不飽和カルボン酸のうち、一方を製造してもよく、両方を製造してもよいことを表す。
(【0011】以降は省略されています)
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