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公開番号2025066264
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-23
出願番号2023175724
出願日2023-10-11
発明の名称硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤、および構造部材
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人
主分類C10M 145/14 20060101AFI20250416BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】摩擦低減効果に優れる硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤及び構造部材を提供する。
【解決手段】主鎖ポリマー構造と側鎖ポリマー構造とを有し、アルキル基の炭素数11~
30のアルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を前記側鎖ポリマー構造に含
む(メタ)アクリル系グラフト共重合体(A)を含む摩擦低減剤を表面に硬質炭素薄膜を
有する部品に用いる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
主鎖ポリマー構造と側鎖ポリマー構造とを有し、アルキル基の炭素数11~30のアル
キル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を前記側鎖ポリマー構造に含む(メタ)
アクリル系グラフト共重合体(A)を含む、硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記主鎖ポリマー構造が、アルキル基の炭素数1~10のアルキル(メタ)アクリレー
ト(b)由来の構成単位を含む、請求項1に記載の硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤。
【請求項3】
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体(A)が、さらに下記一般式(1)で示され
る(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位を含む、請求項1に記載の硬質炭素薄膜表
面用摩擦低減剤。
TIFF
2025066264000009.tif
24
96
(式中、R

は、水素原子またはメチル基であり、R

は、水素原子または極性基を含有
する有機基を表す。)
【請求項4】
前記(メタ)アクリレート(c)の極性基がヒドロキシル基またはカルボキシ基である
請求項3に記載の硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤。
【請求項5】
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体(A)が、ビニル系ラジカル重合性単量体(
m1)由来の構成単位と、マクロモノマー(M)由来の構成単位を含む、請求項1に記載
の硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤。
【請求項6】
前記マクロモノマー(M)が、下記式(2)の構造を有する、請求項5に記載の硬質炭
素薄膜表面用摩擦低減剤。
TIFF
2025066264000010.tif
50
145
(式中、X

~X
n-1
は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCH

OHを示
し、Y

~Y

は、それぞれ独立して、前記マクロモノマー(M)のモノマー構成単位で
あるビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基に結合するX

~X
n-1
以外の
置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤を含む、潤滑油組
成物。
【請求項8】
主鎖ポリマー構造と側鎖ポリマー構造とを有し、アルキル基の炭素数11~30のアル
キル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を前記側鎖ポリマー構造に含む(メタ)
アクリル系グラフト共重合体(A)を含む摩擦低減剤、及び複数の部品を含み、前記複数
の部品の少なくとも一つは表面に硬質炭素薄膜を有する、構造部材。
【請求項9】
前記硬質炭素薄膜はDLC薄膜である、請求項8に記載の構造部材。
【請求項10】
前記主鎖ポリマー構造が、アルキル基の炭素数1~10のアルキル(メタ)アクリレー
ト(b)由来の構成単位を含む、請求項8に記載の構造部材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンオイル等に使用される硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤、および構造
部材に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
自動車のエンジン油や駆動系油等に代表される潤滑油には、摩擦によるエネルギー損失
の削減や、焼き付き防止による機器の長寿命化を目的として、各種摩擦低減剤が配合され
ている。近年の省燃費化を目的とした潤滑油の低粘度化を背景に、金属同士の接触面の負
荷は過酷さを増しており、摩擦低減剤の役割は一層重要なものとなってきている。摩擦低
減剤としては、長鎖脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミド等の油性向上剤や、リン酸エステ
ルおよびジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤、有機硫黄化合物および有機ハロゲン化合物等
の極圧剤、有機モリブデン化合物等の摩擦調整剤等が挙げられるが、使用条件や使用環境
によっては、これらの添加剤だけでは摩擦の低減効果が不十分となる課題があった。この
課題を克服するために、摩擦低減剤としてポリマー材料を用いる検討が進んでいる。また
、摩擦低減剤の他に構造部材の表面構造も、同様に重要な役割を担っている。構造部材の
表面への硬質薄膜材料の被覆が試みられており、特にDLC(ダイヤモンドライクカーボ
ン)は優れた耐摩耗性、低摩擦性、化学安定性を示すことから低摩擦摺動材料として期待
されている。そこで、ポリマー材料を用いた摩擦低減剤とDLCを被覆した構造部材とを
組み合わせ、摩擦低減や焼き付き防止を図る検討が進められている。例えば、特許文献1
には、摺動面に硬質炭素薄膜が形成された構造部材に、エチレン性不飽和モノマーのアミ
ン誘導体を構成単位に含むポリマー材料を摩擦低減剤として使用することで摩擦特性を改
善できることが開示されている。また、特許文献2には、同じく摺動面に硬質炭素薄膜が
形成された構造部材に、アルキル基に窒素系の極性基及び/又は酸素系の極性基を含有す
るポリアルキルメタクリレートを摩擦低減剤として使用することで摩擦特性を改善できる
ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特表2014-516097号公報
特開2006-306938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、摩擦の低減効果が不十分である。
【0005】
本発明の目的は、摩擦低減効果に優れる硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤及び構造部材を
提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の態様を有する。
[1]主鎖ポリマー構造と側鎖ポリマー構造とを有し、アルキル基の炭素数11~30の
アルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を前記側鎖ポリマー構造に含む(メ
タ)アクリル系グラフト共重合体(A)を含む、硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤。
[2]前記主鎖ポリマー構造が、アルキル基の炭素数1~10のアルキル(メタ)アクリ
レート(b)由来の構成単位を含む、[1]の硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤。
[3]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体(A)が、さらに下記一般式(1)で示
される(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位を含む、[1]の硬質炭素薄膜表面用
摩擦低減剤。
TIFF
2025066264000001.tif
28
111
(式中、R

は、水素原子またはメチル基であり、R

は、水素原子または極性基を含有
する有機基を表す。)
[4]前記(メタ)アクリレート(c)の極性基がヒドロキシル基またはカルボキシ基で
ある[3]の硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤。
[5]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体(A)が、ビニル系ラジカル重合性単量
体(m1)由来の構成単位と、マクロモノマー(M)由来の構成単位を含む、[1]の硬
質炭素薄膜表面用摩擦低減剤。
[6]前記マクロモノマー(M)が、下記式(2)の構造を有する、[5]の硬質炭素薄
膜表面用摩擦低減剤。
TIFF
2025066264000002.tif
50
148
(式中、X

~X
n-1
は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はCH

OHを示
し、Y

~Y

は、それぞれ独立して、前記マクロモノマー(M)のモノマー構成単位で
あるビニル系ラジカル重合性単量体(m2)のビニル基に結合するX

~X
n-1
以外の
置換基を示す。Zは末端基を表し、nは2~10000の整数を表す。)
[7][1]~[6]のいずれかの硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤を含む、潤滑油組成物

[8]主鎖ポリマー構造と側鎖ポリマー構造とを有し、アルキル基の炭素数11~30の
アルキル(メタ)アクリレート(a)由来の構成単位を前記側鎖ポリマー構造に含む(メ
タ)アクリル系グラフト共重合体(A)を含む摩擦低減剤、及び複数の部品を含み、前記
複数の部品の少なくとも一つは表面に硬質炭素薄膜を有する、構造部材。
[9]前記硬質炭素薄膜はDLC薄膜である、[8]の構造部材。
[10]前記主鎖ポリマー構造が、アルキル基の炭素数1~10のアルキル(メタ)アク
リレート(b)由来の構成単位を含む、[8]の構造部材。
[11]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体(A)が、さらに下記一般式(1)で
示される(メタ)アクリレート(c)由来の構成単位を含む、[8]の構造部材。
TIFF
2025066264000003.tif
23
96
(式中、R

は、水素原子またはメチル基であり、R

は、水素原子または極性基を含有
する有機基を表す。)
[12]前記(メタ)アクリレート(c)の極性基がヒドロキシル基またはカルボキシ基
である[11]の構造部材。
[13]前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体(A)が、ビニル系ラジカル重合性単
【発明の効果】
【0007】
本発明の硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤によれば、高い摩擦低減効果を有する摩擦低減
剤及び構造部材を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための単なる
例示であって、本発明をこの実施の形態にのみ限定することは意図されない。本発明は、
その趣旨を逸脱しない限り、様々な態様で実施することが可能である。
【0009】
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」の総
称である。「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称
である。「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の
総称であり、CH

=C(R)-C(=O)-(Rは水素原子又はメチル基)で表される
基である。「マクロモノマー」とは、ラジカル重合性基又は付加反応性の官能基を有する
重合物を意味する。「ビニル系ラジカル重合性単量体」とは、マクロモノマーではないエ
チレン性不飽和結合を有する単量体を意味する。
【0010】
本発明の硬質炭素薄膜表面用摩擦低減剤は、(メタ)アクリル系グラフト共重合体(A
)を含む。
前記(メタ)アクリル系グラフト共重合体(A)は、構成単位の少なくとも一部が(メ
タ)アクリル系単量体由来の構成単位である共重合体を意味する。(メタ)アクリル系共
重合体は、(メタ)アクリル系単量体以外の単量体(たとえばスチレン等)由来の構成単
位をさらに含んでいてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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