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公開番号
2024133978
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-03
出願番号
2023044027
出願日
2023-03-20
発明の名称
微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置
出願人
三菱ケミカル株式会社
,
学校法人 中央大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
1/12 20060101AFI20240926BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】微細藻類を肥大化できる微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置の提供。
【解決手段】本発明の微細藻類の培養方法は、微細藻類と溶存酸素とを含む培養液Sに、二酸化炭素を含むガス(G1)を供給するガス供給工程と、前記培養液S中の溶存酸素濃度が15mg/L以上を維持するように溶存酸素濃度を制御する制御工程とを有する。本発明の微細藻類の培養装置1は、微細藻類と溶存酸素とを含む培養液Sを収容する培養槽10と、前記培養液Sに、二酸化炭素を含むガス(G1)を供給するガス供給手段20と、前記培養液S中の溶存酸素濃度が15mg/L以上を維持するように溶存酸素濃度を制御する制御手段30とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
微細藻類と溶存酸素とを含む培養液に、二酸化炭素を含むガス(G1)を供給するガス供給工程と、
前記培養液中の溶存酸素濃度が15mg/L以上を維持するように溶存酸素濃度を制御する制御工程と、を有する、微細藻類の培養方法。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
前記ガス供給工程では、前記培養液に浸漬された、二酸化炭素を透過する非多孔質膜にガス供給配管から前記ガス(G1)を供給し、前記非多孔質膜を透過した前記二酸化炭素を前記培養液に溶解させて供給する、請求項1に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項3】
前記非多孔質膜は、ガス選択透過性を有する三層複合膜である、請求項2に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項4】
前記制御工程では、前記培養液中の溶存酸素濃度を測定し、前記溶存酸素濃度の測定結果に基づき、前記ガス供給工程における前記培養液への前記ガス(G1)の供給量を調節する、請求項2又は3に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項5】
前記ガス(G1)の供給量は、前記ガス供給配管に設けられた開閉機構で調節する、請求項4に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項6】
前記微細藻類は、ユーグレナ属、コッコミクサ属、ナンノクロロプシス属又はマイクロクロロプシス属に属する微細藻類を1種以上含む、請求項1又は2に記載の微細藻類の培養方法。
【請求項7】
微細藻類と溶存酸素とを含む培養液を収容する培養槽と、
前記培養液に、二酸化炭素を含むガス(G1)を供給するガス供給手段と、
前記培養液中の溶存酸素濃度が15mg/L以上を維持するように溶存酸素濃度を制御する制御手段と、を備える、微細藻類の培養装置。
【請求項8】
前記ガス供給手段は、前記培養液に浸漬された、二酸化炭素を透過する非多孔質膜と、前記非多孔質膜に前記ガス(G1)を供給するガス供給配管とを有し、前記非多孔質膜を透過した前記二酸化炭素を前記培養液に溶解させて供給する、請求項7に記載の微細藻類の培養装置。
【請求項9】
前記非多孔質膜を透過しないガス(G2)を前記非多孔質膜から排出する排出手段をさらに有する、請求項8に記載の微細藻類の培養装置。
【請求項10】
前記非多孔質膜は、ガス選択透過性を有する三層複合膜である、請求項8又は9に記載の微細藻類の培養装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
微細藻類は他の植物に比べて増殖速度が速く、生物体全体を利用できることから、近年、CO
2
の固定や有用物質の生産等の分野で注目されている。具体的に、光エネルギーにより二酸化炭素を固定化し、バイオ燃料に変換する能力を有する微細藻類の利用に対する期待が高まっており、微細藻類の培養について様々な研究が行われている。
例えば特許文献1には、液面浮遊培養法により実用的な規模で微細藻類の培養を行った後、培養した微細藻類を回収する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2016/175302号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に微細藻類は単細胞生物であり、体長が1mmにも満たない微小な生物である。特許文献1に記載された培養方法では、微細藻類を十分に肥大化できない。体長が小さいものほど沈降しにくく、また、圧密化によりろ過しにくくなるため、微細藻類の回収が困難となり、回収率が低くなる。
本発明は、微細藻類を肥大化できる微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意検討した結果、二酸化炭素を培養液に供給して微細藻類を培養するに際して、ストレス環境下、具体的には溶存酸素を高濃度で含む培養液中で微細藻類を培養することで、微細藻類が肥大化することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は下記の態様を有する。
[1] 微細藻類と溶存酸素とを含む培養液に、二酸化炭素を含むガス(G1)を供給するガス供給工程と、
前記培養液中の溶存酸素濃度が15mg/L以上を維持するように溶存酸素濃度を制御する制御工程と、を有する、微細藻類の培養方法。
[2] 前記ガス供給工程では、前記培養液に浸漬された、二酸化炭素を透過する非多孔質膜にガス供給配管から前記ガス(G1)を供給し、前記非多孔質膜を透過した前記二酸化炭素を前記培養液に溶解させて供給する、前記[1]の微細藻類の培養方法。
[3] 前記非多孔質膜は、ガス選択透過性を有する三層複合膜である、前記[2]の微細藻類の培養方法。
[4] 前記制御工程では、前記培養液中の溶存酸素濃度を測定し、前記溶存酸素濃度の測定結果に基づき、前記ガス供給工程における前記培養液への前記ガス(G1)の供給量を調節する、前記[2]又は[3]の微細藻類の培養方法。
[5] 前記ガス(G1)の供給量は、前記ガス供給配管に設けられた開閉機構で調節する、前記[4]の微細藻類の培養方法。
[6] 前記微細藻類は、ユーグレナ属、コッコミクサ属、ナンノクロロプシス属又はマイクロクロロプシス属に属する微細藻類を1種以上含む、前記[1]~[5]のいずれかの微細藻類の培養方法。
【0007】
[7] 微細藻類と溶存酸素とを含む培養液を収容する培養槽と、
前記培養液に、二酸化炭素を含むガス(G1)を供給するガス供給手段と、
前記培養液中の溶存酸素濃度が15mg/L以上を維持するように溶存酸素濃度を制御する制御手段と、を備える、微細藻類の培養装置。
[8] 前記ガス供給手段は、前記培養液に浸漬された、二酸化炭素を透過する非多孔質膜と、前記非多孔質膜に前記ガス(G1)を供給するガス供給配管とを有し、前記非多孔質膜を透過した前記二酸化炭素を前記培養液に溶解させて供給する、前記[7]の微細藻類の培養装置。
[9] 前記非多孔質膜を透過しないガス(G2)を前記非多孔質膜から排出する排出手段をさらに有する、前記[8]の微細藻類の培養装置。
[10] 前記非多孔質膜は、ガス選択透過性を有する三層複合膜である、前記[8]又は[9]の微細藻類の培養装置。
[11] 前記制御手段は、前記培養液中の溶存酸素濃度を測定する測定手段と、前記溶存酸素濃度の測定結果に基づき、前記ガス供給手段における前記培養液への前記ガス(G1)の供給量を調節する調節手段とを有する、前記[8]~[10]のいずれかの微細藻類の培養装置。
[12] 前記調節手段が、前記ガス供給配管に設けられた開閉機構である、前記[11]の微細藻類の培養装置。
[13] 前記微細藻類は、ユーグレナ属、コッコミクサ属、ナンノクロロプシス属又はマイクロクロロプシス属に属する微細藻類を1種以上含む、前記[7]~[12]のいずれかの微細藻類の培養装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、微細藻類を肥大化できる微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の微細藻類の培養装置の一例を模式的に示す概略構成図である。
実施例1における粒度分布の結果を示すグラフである。
比較例1における粒度分布の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る微細藻類の培養方法及び微細藻類の培養装置の一実施形態を挙げ、図1を適宜参照しながら詳述する。
なお、以下の説明で用いる各図面は、その特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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