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公開番号2024133636
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-02
出願番号2024108863,2022523053
出願日2024-07-05,2019-10-16
発明の名称皮膚エリテマトーデス及び扁平苔癬(LP)の治療のためのJAK1阻害剤の使用
出願人インサイト・コーポレイション,INCYTE CORPORATION
代理人個人,個人
主分類A61K 31/519 20060101AFI20240925BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】扁平苔癬の治療のための医薬を提供する。
【解決手段】扁平苔癬を治療するための医薬であって、{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、および4-[3-(シアノメチル)-3-(3’,5’-ジメチル-1H,1’H-4,4’-ビピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル]-2,5-ジフルオロ-N-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル]ベンズアミドから選択されるJAK1選択的阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を含む、前記医薬である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
皮膚エリテマトーデス(CLE)及び扁平苔癬(LP)から選択される疾患を治療することを必要とする患者においてそれを行う方法であって、
{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、
4-{3-(シアノメチル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-1-イル}-N-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン-1-カルボキサミド、
[3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]-1-(1-{[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]カルボニル}ピペリジン-4-イル)アゼチジン-3-イル]アセトニトリル、
4-[3-(シアノメチル)-3-(3’,5’-ジメチル-1H,1’H-4,4’-ビピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル]-2,5-ジフルオロ-N-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル]ベンズアミド、
((2R,5S)-5-{2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-1H-イミダゾ[4,5-d]チエノ[3,2-b]ピリジン-1-イル}テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)アセトニトリル、
3-[1-(6-クロロピリジン-2-イル)ピロリジン-3-イル]-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]プロパンニトリル、
3-(1-[1,3]オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イルピロリジン-3-イル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]プロパンニトリル、
4-[(4-{3-シアノ-2-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]プロピル}ピペラジン-1-イル)カルボニル]-3-フルオロベンゾニトリル、
4-[(4-{3-シアノ-2-[3-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピロール-1-イル]プロピル}ピペラジン-1-イル)カルボニル]-3-フルオロベンゾニトリル、
[trans-1-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]-3-(4-{[2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]カルボニル}ピペラジン-1-イル)シクロブチル]アセトニトリル、
{trans-3-(4-{[4-[(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)メチル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル)-1-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]シクロブチル}アセトニトリル、
{trans-3-(4-{[4-{[(2S)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル]メチル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル)-1-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]シクロブチル}アセトニトリル、
{trans-3-(4-{[4-{[(2R)-2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル]メチル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル)-1-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]シクロブチル}アセトニトリル、
4-(4-{3-[(ジメチルアミノ)メチル]-5-フルオロフェノキシ}ピペリジン-1-イル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]ブタンニトリル、
5-{3-(シアノメチル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-1-イル}-N-イソプロピルピラジン-2-カルボキサミド、
4-{3-(シアノメチル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-1-イル}-2,5-ジフルオロ-N-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル]ベンズアミド、
5-{3-(シアノメチル)-3-[4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-1-イル}-N-イソプロピルピラジン-2-カルボキサミド、
{1-(cis-4-{[6-(2-ヒドロキシエチル)-2-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]オキシ}シクロヘキシル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、
{1-(cis-4-{[4-[(エチルアミノ)メチル]-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}シクロヘキシル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、
{1-(cis-4-{[4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}シクロヘキシル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、
{1-(cis-4-{[4-{[(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]メチル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}シクロヘキシル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、
{1-(cis-4-{[4-{[(3S)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル]メチル}-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}シクロヘキシル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、
{trans-3-(4-{[4-({[(1S)-2-ヒドロキシ-1-メチルエチル]アミノ}メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル)-1-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]シクロブチル}アセトニトリル、
{trans-3-(4-{[4-({[(2R)-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル)-1-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]シクロブチル}アセトニトリル{trans-3-(4-{[4-({[(2S)-2-ヒドロキシプロピル]アミノ}メチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル)-1-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]シクロブチル}アセトニトリル、及び
{trans-3-(4-{[4-(2-ヒドロキシエチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]オキシ}ピペリジン-1-イル)-1-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]シクロブチル}アセトニトリル、
から選択されるJAK1選択的阻害剤、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩を、治療的有効量にて前記患者に投与することを含む、前記方法。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記JAK1選択的阻害剤、またはその薬学的に許容される塩が、JAK2、JAK3、及びTYK2よりも、JAK1に対して選択的である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記JAK1選択的阻害剤が、{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記薬学的に許容される塩が、{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリルアジピン酸塩である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記JAK1選択的阻害剤が、4-[3-(シアノメチル)-3-(3’,5’-ジメチル-1H,1’H-4,4’-ビピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル]-2,5-ジフルオロ-N-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル]ベンズアミド、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記薬学的に許容される塩が、4-[3-(シアノメチル)-3-(3’,5’-ジメチル-1H,1’H-4,4’-ビピラゾール-1-イル)アゼチジン-1-イル]-2,5-ジフルオロ-N-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル]ベンズアミドリン酸塩である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記JAK1選択的阻害剤が、((2R,5S)-5-{2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-1H-イミダゾ[4,5-d]チエノ[3,2-b]ピリジン-1-イル}テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)アセトニトリル、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記JAK1選択的阻害剤が、((2R,5S)-5-{2-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]-1H-イミダゾ[4,5-d]チエノ[3,2-b]ピリジン-1-イル}テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)アセトニトリル一水和物である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記患者に追加の治療薬を投与することをさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記追加の治療薬が、JAK1/JAK2阻害剤、JAK1/JAK3阻害剤、TYK2阻害剤、または前述のいずれかの薬学的に許容される塩から選択される、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本出願は、ヤヌスキナーゼ(JAK)1の活性を調節する化合物を使用する、皮膚エリテマトーデス及び/または扁平苔癬(LP)の治療のための方法を提供する。
続きを表示(約 6,300 文字)【背景技術】
【0002】
皮膚エリテマトーデス(CLE)は、罹患患者において限局性の円板状局面から重度の広範な紅色鱗状(erythrosquamous)病変まで様々である異型遺伝子性の亜型のある炎症性自己免疫皮膚疾患である(例えば、Kuhn & Landmann,J.Autoimmun.2014,48-49:14-19を参照のこと)。この疾患は、IFN調節炎症性サイトカインによって組織化される、コロイド体及び表皮真皮接合部での抗上皮細胞傷害性リンパ球浸潤からなる「界面皮膚炎」(ID)と呼ばれる典型的な組織学的パターンを特徴とする(例えば、Wenzel & Tuting,J.Invest.Dermatol.2008,128:2392-2402、及びWenzel et al,Br.J.Dermatol.2007,157:752-757を参照のこと)。
【0003】
CLEは起源が多因子性であり、遺伝的危険因子及び環境危険因子の両方が含まれる(例えば、Kunz et al,Exp.Dermatol.2015,24:510-515、Sinha & Dey-Rao,J.Investig.Dermatol.Symp.Proc.,2017,18:S75-S80、及びSzczech et al,Lupus,2017,26:791-807を参照のこと)。特に紫外線は、細胞の損傷、アポトーシス及びDNA含有小疱の放出を促進する。細胞残屑の排除が障害され、二次性の壊死を伴うと考えられている(例えば、Kuhn et al,Arthritis Rheum.2006,54:939-950、Caricchio et al,The Journal of Immunology 2003,171:5778-5786、及びMahajan et al,Front Immunol.2016,7を参照のこと)。家族性凍瘡状ループス等の一部の症例では、TREX1遺伝子変異が基礎原因となって、TREX1エキソヌクレアーゼ機能不全及び細胞質内DNAの高蓄積をもたらし得る(例えば、Gunther et al,J.Am.Acad.Dermatol.2013,69:e179-81、Grieves et al,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.2015,112:5117-5122、Gunther et al,Dermatology(Basel),2009,219:162-166、及びPeschke et al,J.Invest.Dermatol.2014,134:1456-1459を参照のこと)。
【0004】
細胞損傷のために内因性核酸モチーフ等の核成分が核外に放出されると、それらが、損傷関連分子パターン(DAMP)として認識され得る(例えば、Scholtissek et al,J.Invest.Dermatol.2017,137:1484-1492を参照のこと)。CLEでは、角化細胞、特に形質細胞様樹状細胞(pDC)がDAMPに対して不適切に反応し、TLR依存性またはTLR非依存性の経路を介した膨大なI型IFN産生を伴うという証拠がある(例えば、Mustelin et al,Front.Immunol.2019,10:238、Wollenberg et al,J.Invest.Dermatol.2002,119:1096-1102、Wenzel et al,Arch.Dermatol.Res.2009,301:83-86、Yu et al,J.Autoimmun.2013,41:34-45、及びKatayama et al,J.Invest.Dermatol.DOI:10.1016/j.jid.2019.02.035を参照のこと)。自己分泌ループが起こると、IFNは、角化細胞上のIFN-α/β受容体に結合し、これにより、JAK/STAT経路及びCXCL10等の炎症性メディエーターの発現が活性化される。CXCL10は、CXCR3+エフェクター細胞及びpDCを皮膚病変に動員することが知られている(例えば、Wenzel et al,Arch.Dermatol.Res.2009,301:83-86、及びWenzel et al,J.Pathol.2005,205:435-442を参照のこと)。それらのエフェクター細胞は、角化細胞性ネクロトーシス(例えば、Lauffer et al,J.Invest.Dermatol.2018,138:1785-1794を参照のこと)、サイトカイン放出及び慢性炎症の特徴としての持続的な「自己動員」(例えば、Meller et al,Arthritis Rheum.2005,52:1504-1516を参照のこと)を誘導する。
【0005】
この環は、生活の質に強い負荷をもたらし得る(例えば、Samotij et al,Postepy Dermatol.Alergol.2018,35:192-198、及びOgunsanya et al,Int.J.Womens Dermatol.2018,4:152-158を参照のこと)。現行のガイドラインに従って、コルチコステロイド及び抗マラリア薬が、CLEの一次治療として確立されている。しかしながら、コルチコステロイドは副作用によって制限されており、特に抗マラリア薬抵抗性の患者では、長期治療が困難となり得る。さらに、CLEを対象に特別に承認されている薬物は存在せず、特に臨床的不均一性及びそれによる試験デザインの難しさのため、少数の臨床試験しか実施されていない(例えば、Chen et al,F1000Res.2019,8を参照のこと)。
【0006】
American College of Rheumatology(ACR)は、全身性エリテマトーデス(SLE)を他の自己免疫疾患と区別することを目的として、11の臨床基準及び臨床検査基準のスキームを確立した。ACRガイドラインでは、SLEの診断のためには11の基準のうち4つを満たす必要があるが、実際に皮膚に関するのはその基準のうち4つのみ(頬部発疹、円板状病変、粘膜潰瘍、及び光過敏性症)であり、そのため、皮膚病理の併発は、SLEの診断に不可欠というわけではない。逆に、皮膚エリテマトーデス(CLE)亜型は全身性疾患(SLE)がなくても起こり得、CLEは、SLEよりも頻度が2~3倍高い(例えば、Tebbe & Orfanos,Lupus,1997,6(2):96-104を参照のこと)。
【0007】
これらの制約を考慮すると、新たな治療選択肢が医学的に必要とされている。本出願は、この必要性及び他の必要性を対象とする。
【発明の概要】
【0008】
本出願は、皮膚エリテマトーデス(CLE)及び扁平苔癬(LP)から選択される疾患を治療することを必要とする患者においてそれを行う方法を提供し、患者に、本明細書で提供されるJAK1選択的阻害剤を治療的有効量にて投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
CLEの皮膚病変におけるJAK1発現の機能的役割を示す。異なる炎症性皮膚障害の患者(亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE、n=5)、慢性円板状エリテマトーデス(CDLE、n=5)、扁平苔癬(LP、n=6)及び健常対照者(HC、n=5))の皮膚試料からの代表的な免疫組織化学的切片(抗ホスホJAK1染色)を示す(元の拡大率:200倍)。
CLEの皮膚病変におけるJAK1発現の機能的役割を示す。
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16
156
無発現から
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156
強発現までのスコアリングによって半定量的に記録したpJAK1の発現を示す(例えば、Wenzel et al.J.Pathol.2005,205:435-442を参照のこと)。全ての棒は、平均±SEM、
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156
(クラスカル・ワリス検定)を示す。
CLEの皮膚病変におけるJAK1発現の機能的役割を示す。健常対照者(HC)と比較した、CLE病変皮膚におけるIFN関連遺伝子の発現上方制御を示す(2倍、p<0,01;ウェルチのt検定)。
CLEの皮膚病変におけるJAK1発現の機能的役割を示す。CLEで上方制御されているKEGGパスウェイを示す。KEGGパスウェイの分類は、Database for Annotation,Visualization and Integrated Discovery(DAVID ver.6.8)を使用して行った。EASE ScoreでP値を生成した。カウント:KEGGパスウェイそれぞれの内部でCLEにおいて2倍を超えて上方制御されている遺伝子の数。
培養角化細胞における、炎症性サイトカイン発現及びIFN関連遺伝子調節に対する薬理学的JAK1阻害の効果を示す。刺激されたHaCaT(eNA)、刺激され、かつ阻害剤処理されたHaCaT(eNA+JAK1阻害剤{1-{1-[3-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)イソニコチノイル]ピペリジン-4-イル}-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリル(すなわち、INCB039110);eNA+JAK1/2、阻害剤:ルキソリチニブ)、及び未刺激HaCaT(C-培地)における、抗pJAK1抗体染色の面積強度平均をピクセル値で示す。Fijiソフトウェアを使用して測定を実施した。細胞群(entity)ごとの測定値(n=5)。散布図はいずれも、
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16
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を示す(マン-ホイットニーのU検定)。
培養角化細胞における、炎症性サイトカイン発現及びIFN関連遺伝子調節に対する薬理学的JAK1阻害の効果を示す。eNAで刺激され、未処理か(eNA)または阻害剤処理(eNA+JAK1、阻害剤:INCB039110;eNA+JAK1/2、阻害剤:ルキソリチニブ)されたHaCaT細胞、及び未刺激HaCaT細胞(培地対照)の代表的な免疫蛍光顕微鏡写真を示す。抗pJAK1抗体染色は赤、核のDAPI染色は青、元の拡大率:400倍。
培養角化細胞における、炎症性サイトカイン発現及びIFN関連遺伝子調節に対する薬理学的JAK1阻害の効果を示す。eNAで刺激されたNHEK(+、4試料)内でのCLEに典型的な遺伝子の発現、及びJAK1選択的INCB039110による刺激NHEKの処理(JAK1;4試料)後に2倍を超えて下方制御された発現(p<0,05;ウェルチのt検定)を示す。
培養角化細胞における、炎症性サイトカイン発現及びIFN関連遺伝子調節に対する薬理学的JAK1阻害の効果を示す。24時間のインキュベーション後の、刺激されたHaCaTでのCXCL10発現に対する異なるJAK阻害剤の効果を示す。細胞を、JAK1選択的INCB039110(JAK1)、JAK1/2選択的ルキソリチニブ(JAK1/2)及びJAK3選択的FM-381(JAK3)で処理した。ELISAにより測定した。全ての棒は、
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2024133636000005.jpg
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156
(マン-ホイットニーのU検定)を示す。
培養角化細胞における、炎症性サイトカイン発現及びIFN関連遺伝子調節に対する薬理学的JAK1阻害の効果を示す。刺激された細胞(eNA、n=3)及び刺激後にJAK1阻害剤(INCB039110)で処理された細胞(eNA+JAK1、n=3)におけるCXCL10の発現を表す顕微鏡写真(元の拡大率:400倍)、及び対応するCXCL10発現スコアを示す。全ての棒は、平均±SEM、
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16
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(マン-ホイットニーのU検定)を示す。
ループス易発性のTREX1
-/-
マウスモデルにおけるインビボでの薬理学的JAK1阻害を示す。UV刺激(-3日目に開始;3x450mJ/cm

で115秒間)を受けたTREX1
-/-
マウス(n=8)の、ベースライン時(0日目、処置の開始)ならびにJAK1選択的INCB039110またはプラセボによる処置から4日後及び7日後の臨床所見を示す。
ループス易発性のTREX1
-/-
マウスモデルにおけるインビボでの薬理学的JAK1阻害を示す。マウスに適応させて修正したCLE疾患の面積・重症度指数(マウスRCLASI)の平均スコア±SEM(群あたりn=4のマウス)を示す。
ループス易発性のTREX1
-/-
マウスモデルにおけるインビボでの薬理学的JAK1阻害を示す。病変皮膚の組織学的(H&E)及び免疫組織学的(CD45)顕微鏡写真(元の拡大率:400倍)を示す。プラセボ処置マウス及びJAK1阻害剤処置マウスの病変皮膚における対応するCD45発現の炎症スコア。全ての棒は、平均±SEM、
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16
156
(マン-ホイットニーのU検定)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願は、特に、皮膚エリテマトーデス(CLE)及び扁平苔癬(LP)から選択される疾患を治療することを必要とする患者においてそれを行う方法を提供し、JAK1選択的阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を、治療的有効量にて投与することを含む。いくつかの実施形態では、疾患は、皮膚エリテマトーデス(CLE)である。いくつかの実施形態では、皮膚エリテマトーデス(CLE)は、急性皮膚エリテマトーデス、亜急性皮膚エリテマトーデス、及び慢性皮膚エリテマトーデスから選択される。いくつかの実施形態では、皮膚エリテマトーデス(CLE)は、急性皮膚エリテマトーデスである。いくつかの実施形態では、皮膚エリテマトーデスは、亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)及び慢性円板状エリテマトーデス(CDLE)から選択される。いくつかの実施形態では、皮膚エリテマトーデスは、亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)である。いくつかの実施形態では、皮膚エリテマトーデスは、慢性円板状エリテマトーデス(CDLE)である。いくつかの実施形態では、疾患は、扁平苔癬(LP)である。
(【0011】以降は省略されています)

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