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公開番号2024133612
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-02
出願番号2024108173,2023532235
出願日2024-07-04,2021-11-23
発明の名称ヒドロシリル化硬化阻害剤及びその使用
出願人ダウ シリコーンズ コーポレーション,ダウ・東レ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C08L 83/07 20060101AFI20240925BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】ヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物の硬化を阻害するのに好適な阻害剤化合物を含む、ヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物、前記組成物の硬化生成物である硬化シリコーン材料、前記阻害剤化合物の使用、および前記硬化シリコーン材料を調製する方法を提供する。
【解決手段】少なくとも2つ又は少なくとも3つの末端ケイ素結合水素基を含有するポリオルガノシロキサン架橋剤と、分子当たり少なくとも3つのアクリレート基を有するマルチアクリレートから選択される1種以上のヒドロシリル化硬化阻害剤化合物とを有するヒドロシリル化硬化性シリコーンゴム組成物、およびこの硬化から得られるエラストマー硬化生成物が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物であって、
(A)分子当たり少なくとも2つの不飽和基を含み、不飽和基がアルケニル基及びアル
キニル基から選択され、25℃で1000mPa.s~200,000mPa.sの範囲
の粘度を有する、1つ以上のポリオルガノシロキサン、
(B)少なくとも2つ、あるいは少なくとも3つの末端ケイ素結合水素基を含有するポ
リオルガノシロキサン、
(C)少なくとも1つのヒドロシリル化触媒、
(D)分子当たり少なくとも3つのアクリレート基を有するマルチアクリレート化合物
からなるか、又はそれを含むヒドロシリル化硬化阻害剤、を含む、ヒドロシリル化硬化性
シリコーン組成物。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記マルチアクリレートが、分子当たり3~10のアクリレート基を含有する、請求項
1に記載のヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物。
【請求項3】
前記マルチアクリレートが、トリアクリレート、テトラアクリレート、ペンタアクリレ
ート、ヘキサアクリレート又はこれらの混合物から選択される、請求項1~2のいずれか
一項に記載のヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物。
【請求項4】
前記マルチアクリレートが、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ-/ヘキサ-アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、又はこれらの混合物から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のヒド
ロシリル化硬化性シリコーン組成物。
【請求項5】
成分(D)が、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、2-メチル-3-ブチン-2
-オール、3-ブチン-1-オール、3-ブチン-2-オール、プロパルギルアルコール
、1-フェニル-2-プロピン-1-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オ
ール、1-エチニルシクロペンタノール、3-メチル-1-ペンテン-4-イン-3-オ
ール、及びこれらの混合物から選択される1種以上のアセチレンアルコールを更に含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物。
【請求項6】
1種以上の補強充填剤及び/又は非補強充填剤を更に含む、請求項1~5のいずれか一
項に記載のヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物。
【請求項7】
接着促進剤、離型剤、接着触媒、酸化防止剤、顔料、導電性充填剤、熱伝導性充填剤、
ポットライフ延長剤、難燃剤、潤滑剤、離型剤、UV光安定剤、殺菌剤、湿潤剤、熱安定
剤、圧縮永久歪み添加剤及び可塑剤又はこれらの混合物から選択される1種以上の添加剤
を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のヒドロシリル化硬化性シリコーン組成
物。
【請求項8】
触媒(C)及び架橋剤(B)が別々に貯蔵されるように、前記ヒドロシリル化硬化性シ
リコーン組成物が、使用前に2つの部分、すなわち、触媒(C)、ポリオルガノシロキサ
ン(A)、及び存在する場合には充填剤を含有する部分(A)、並びに成分(B)、前記
架橋剤、及びポリオルガノシロキサン(A)、及び存在する場合には任意に充填剤を含有
する部分(B)で貯蔵される、請求項1~7のいずれか一項に記載のヒドロシリル化硬化
性シリコーン組成物。
【請求項9】
成分Dの分子当たり少なくとも3つのアクリレート基を有する前記マルチアクリレート
化合物が、部分A、部分B、又は部分A及び部分Bに貯蔵され得る、請求項8に記載のヒ
ドロシリル化硬化性シリコーン組成物。
【請求項10】
成分(D)が、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、2-メチル-3-ブチン-2
-オール、3-ブチン-1-オール、3-ブチン-2-オール、プロパルギルアルコール
、1-フェニル-2-プロピン-1-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オ
ール、1-エチニルシクロペンタノール、3-メチル-1-ペンテン-4-イン-3-オ
ール、及びこれらの混合物から選択される1種以上のアセチレンアルコールを更に含み、
1種以上のアセチレンアルコールが部分Bの組成物中に貯蔵される、請求項8又は9に記
載のヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物の硬化を阻害するのに好適な阻害剤
化合物を含む、ヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物に関する。阻害剤化合物は、分子
当たり少なくとも3つのアクリレート基を含有するマルチアクリレートである。例えば、
エラストマー材料を含むこのような組成物を硬化させた生成物である硬化材料もまた、本
明細書に開示される。
続きを表示(約 2,800 文字)【0002】
シリコーンゴム組成物を硬化させる最も重要な方法の1つは、ヒドロシリル化(別様で
は付加硬化とも称される)反応経路によるものであり、この反応経路では、ポリオルガノ
シロキサンポリマー、例えば、不飽和有機基、典型的にはアルケニル基及び/又はアルキ
ニル基を有するポリジオルガノシロキサンポリマーが、複数のシリコーン結合水素(-S
i-H)結合を含有する1つ以上の架橋分子と、好適な硬化剤の存在下で反応する。硬化
剤は、通常、白金金属族(白金、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イリジウム、及び
パラジウム)、又はこのような金属のうちの1種以上の化合物から選択される。白金及び
ロジウム化合物が、ヒドロシリル化反応におけるこれらの触媒の活性レベルの高さから、
好ましい。
【0003】
これらの硬化剤の多く、特に白金及びロジウム化合物の存在下では、室温であっても、
上記成分が一緒に混合されるとすぐに硬化が始まる。この反応が迅速であるため、反応プ
ロセスをある程度制御するための予防手段が必要となる。これらは、組成物を複数の部分
に分けて長期間貯蔵することを含む傾向がある(二元系組成物が最も一般的であり、その
一方は不飽和ポリシロキサン及びヒドロシリル化触媒を含有し、他方はオルガノ水素ポリ
シロキサン架橋剤を含有する)。
【0004】
追加的又は代替的に、必要な場合、硬化プロセスに対する更なる制御を提供するために
、硬化阻害剤が組成物に組み込まれる。硬化阻害剤は、関係する部分中のその他の成分に
よって悪影響を受けないが、通常は架橋剤を含有する部分中に存在するという条件で、こ
のような二元系組成物のいずれか又は両方中に貯蔵されてもよい。ヒドロシリル化阻害剤
は、触媒がヒドロシリル化反応を触媒するのを効果的に阻害又は遅延させ得る。しかしな
がら、ヒドロシリル化阻害剤がその抑制機能を失うと、ヒドロシリル化反応が急速に起こ
る。したがって、組成物は、特に室温又はその付近で2つの部分に分割された場合、長期
間貯蔵され得る。
【0005】
多種多様な硬化阻害剤が提案されている。これらには、ジアルキルホルムアミド、チオ
アミド、アルキルチオ尿素と、有機リン化合物と、ベンゾトリアゾールと、ニトリルと、
アセチレンアルコールと、トリス-トリオルガノシリルアミンと、テトラメチルグアニジ
ンカルボキシレートと、アミノアルキルアルコキシシランと、イソシアヌレートと、ジア
ジリジンと、高級アルキルアミンと、ジアルキルマレイン酸エステルと、ジアルキルアセ
チレンジカルボキシレートと、が挙げられる。これらのうちエチニルシクロヘキサノール
(ETCH)などのアセチレンアルコール化合物が最も一般的に使用されている。これら
の系を用いて、室温での長いポットライフ(数時間から数日まで)と組み合わせて、高温
での速い硬化速度(数秒から数分)を達成し得る。
【0006】
例えばジアクリル酸のアルキレングリコールエステル又はジメタクリル酸のアルキレン
グリコールエステルといった、アルキレングリコールエステルなどのアクリル化合物又は
メタクリル化合物及び誘導体は、ヒドロシリル化硬化性シリコーンゴム組成物において、
その接着性を増加させるために使用されることが知られている(接着促進剤)。更に、ア
クリレートは、ヒドロシリル化硬化性シリコーンゴム組成物中に存在する場合、架橋剤中
の(例えば、ケイ素結合水素基(-Si-H)との)ヒドロシリル化反応に化学的に関与
することができ、したがって、硬化中に架橋してシリコーンエラストマーになることも知
られている。架橋シリコーンマトリックスへのこの共有結合は、強力な接着を達成するの
に有益であるが、現在の理論は、アクリレートがヒドロシリル化硬化を強力に妨害し得る
ことを示唆しており、従来のアプローチによるこれらの系の阻害を困難にしている。
【0007】
予期せぬことに、1つ又は2つのアクリレート基を有する化合物は接着促進剤として使
用するのに好適であるが、1分子当たり3つ以上の、すなわち少なくとも3つのアクリレ
ート基を有する化合物は、特にヒドロシリル化硬化性シリコーンゴム組成物のためのヒド
ロシリル化硬化阻害剤として機能し、組成物中で使用される架橋剤は、分子当たり3つ以
上のケイ素結合水素(-Si-H)基を有するポリオルガノシロキサンであり、各-Si
-H基は、M(H)基と記載されることもある末端-Si-H基であることが現在確認さ
れた。
【0008】
ヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物が提供されるが、これは、
(A)分子当たり少なくとも2つの不飽和基を含み、不飽和基がアルケニル基及びアル
キニル基から選択され、25℃で1000mPa.s~200,000mPa.sの範囲
の粘度を有する、1つ以上のポリオルガノシロキサン、
(B)少なくとも2つ、あるいは少なくとも3つの末端ケイ素結合水素基(-Si-H
)を含有するポリオルガノシロキサン、
(C)少なくとも1種のヒドロシリル化触媒、
(D)分子当たり少なくとも3つのアクリレート基を有するマルチアクリレート化合物
からなるか、又はそれを含むヒドロシリル化硬化阻害剤、を含む。
【0009】
上記のヒドロシリル化硬化性シリコーン組成物の硬化生成物であるシリコーンエラスト
マーもまた、提供される。
【0010】
本明細書では、分子当たり少なくとも3つのアクリレート基を有するマルチアクリレー
ト化合物の、組成物中のヒドロシリル化硬化阻害剤(D)としての使用もまた提供され、
その他の点では、
(A)分子当たり少なくとも2つの不飽和基を含み、不飽和基がアルケニル基及びアル
キニル基から選択され、25℃で1000mPa.s~200,000mPa.sの範囲
の粘度を有する、1つ以上のポリオルガノシロキサン、
(B)少なくとも2つ、あるいは少なくとも3つの末端ケイ素結合水素基(-Si-H
)を含有するポリオルガノシロキサン、
(C)少なくとも1種のヒドロシリル化触媒、を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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