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公開番号2024133407
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-01
出願番号2024118656,2017085741
出願日2024-07-24,2017-04-24
発明の名称アルカリ性化剤による血液浄化
出願人国立大学法人東北大学,日本ケミファ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 31/194 20060101AFI20240920BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】腎臓病患者における尿細管細胞障害抑制、又は腎臓病患者における尿細管細胞機能維持のための医薬組成物を提供する。
【解決手段】アルカリ性化剤、特にクエン酸ナトリウム又はその水和物と、クエン酸カリウム又はその水和物との混合物を有効成分とする医薬組成物を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アルカリ性化剤を含む、血中の尿毒症物質濃度低下用、及び腎臓病患者における尿細管細胞障害抑制用医薬組成物であって、アルカリ性化剤が、クエン酸ナトリウム又はその水和物と、クエン酸カリウム又はその水和物との混合物である、医薬組成物。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
アルカリ性化剤を含む、尿中の尿毒症物質濃度増加用、及び腎臓病患者における尿細管細胞障害抑制用医薬組成物であって、アルカリ性化剤が、クエン酸ナトリウム又はその水和物と、クエン酸カリウム又はその水和物との混合物である、医薬組成物。
【請求項3】
アルカリ性化剤を含む、血中の尿毒症物質濃度低下用、及び腎臓病患者における尿細管細胞機能維持用医薬組成物であって、アルカリ性化剤が、クエン酸ナトリウム又はその水和物と、クエン酸カリウム又はその水和物との混合物である、医薬組成物。
【請求項4】
アルカリ性化剤を含む、尿中の尿毒症物質濃度増加用、及び腎臓病患者における尿細管細胞機能維持用医薬組成物であって、アルカリ性化剤が、クエン酸ナトリウム又はその水和物と、クエン酸カリウム又はその水和物との混合物である、医薬組成物。
【請求項5】
慢性腎臓病又は急性腎臓病の患者に投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
尿毒症物質が、インドキシル硫酸、p-クレジル硫酸、フェニルアセチルLグルタミン、馬尿酸及びアルギニノコハク酸からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
尿毒症物質がインドキシル硫酸及びフェニルアセチルLグルタミンである、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
尿毒症物質がインドキシル硫酸である、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
早期の慢性腎臓病患者に投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
ステージG3b以下の慢性腎不全患者に投与される、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルカリ性化剤による血液浄化に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
透析や移植を必要とする末期腎不全(end-stage Kidney disease:ESKD)患者は世界的に増加している。日本においても増加傾向にあり、2014年末の透析患者数は32万人となっている。
このESKDの予備軍として認識されているのが慢性腎臓病(CKD)である。CKDは、原疾患を問わず、慢性に経過する腎臓病を包括する概念であり、糸球体濾過量(GFR)で表される腎機能の低下があるか、又は腎臓の障害を示唆する所見が慢性的(3ヶ月以上)に持続する病態全てを包含する概念である。CKDはESKDへの進行リスクであるばかりではなく、心血管疾患(CVD)等の強力な発症リスクであることから、CKDを早期に発見し適切な治療を行うことは非常に重要である。これまでに多くのCKD治療法が確立されているが、まだ不十分で、さらに腎保護剤の開発が求められている。
【0003】
CKDでは、腎クリアランスの低下に伴い、様々な尿毒症物質が生体内に蓄積する。なかでも、トリプトファンの終末代謝産物であるインドキシル硫酸は、CKDの進行に伴い血中濃度が増加し、高濃度(100μM~1mM)のインドキシル硫酸が血中に蓄積する。インドキシル硫酸は、腎臓の線維化による腎障害の進展や、血管石灰化によるCVD等のCKDの合併症にも深くかかわることが知られており、血清中のインドキシル硫酸濃度は透析患者の死亡率や心血管イベント発症率と相関するという報告がある(非特許文献1)。そして、CKD患者の血中インドキシル硫酸の濃度を低下させることで、ESKDへの進行が抑制でき、腎不全に関与したCVDの発症を抑制できると考えられている。実際、腸管内でインドキシル硫酸の前駆体であるインドールを吸着し、血中インドキシル硫酸濃度を低下させる球形吸着炭製剤(クレメジン(登録商標))は、CKD患者の透析導入を遅延させ、動脈硬化を改善する(非特許文献2)。
【0004】
一方、進行したCKD患者では血中の重炭酸イオン(HCO
3
-
)濃度が低くなり、代謝性アシドーシスを発症することから、炭酸水素ナトリウムやクエン酸製剤等のアルカリ性化剤が投与される。そして、アルカリ性化剤である炭酸水素ナトリウムの投与によりCKDの進行が抑制されることが報告されている(非特許文献3)。また、ネフローゼ動物モデルにおいて、炭酸水素ナトリウムの経口投与が、酸性尿による尿細管細胞傷害を抑制することが報告されている(非特許文献4)。
しかしながら、早期のCKD患者にアルカリ性化剤を投与することによって、腎障害の進行を抑制することについては報告されておらず、尿毒症物質の血中濃度低下についても報告されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Barreto, F.C., et al.: Serum indoxyl sulfate is associated with vascular disease and mortality in chronic kidney disease patients. Clin. J. Am. Soc. Nephrol., 4: 1551-1558, 2009.
Nakamura T., et al.: Oral ADSORBENT AST-120 decreases carotid intima-media thickness and arterial stiffness in patients with chronic renal failure. Kidney Blood Press Res, 27: 121-6, 2004.
Brito-Ashurst, I.D., et al.: Bicarbonate supplementation slows progression of CKD and improves nutritional status. J. Am. Soc. Nephrol., 20: 2075-2084, 2009.
Souma T., et al.: Luminal alkalinization attenuates proteinuria-induced oxidative damage in proximal tubular cells. J. Am. Soc. Nephrol., 22: 635-648, 2011.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題の一つは、腎臓病患者における血液浄化に有用な医薬を提供することである。本発明の他の一つの課題は、慢性腎臓病の進行(慢性腎臓病の重症化)の抑制、尿毒症症状の治療及び予防、及び透析導入の遅延に有用な医薬を提供することである。本発明の他の一つの課題は、急性腎臓病から慢性腎臓病への進展抑制に有用な医薬を提供することである。本発明の他の一つの課題は、尿毒症物質の体外排出促進用の食品を提供することである。本発明の他の一つの課題は、慢性腎臓病の進行抑制を判定する方法、血中の尿毒症物質の濃度低下及び/又は尿中への尿毒症物質の排出促進を判定する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を行ったところ、体液をアルカリ性化する薬剤が、腎臓病患者体内からの尿毒症物質排泄促進(例えば、尿毒症物質の尿中への排泄促進)に有用であることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は、一つの側面において、アルカリ性化剤を含む、尿毒症物質の体外への排泄促進用医薬組成物を提供する。
【0009】
本発明は、一つの側面において、アルカリ性化剤を含む、尿毒症物質の血中濃度低下用医薬組成物を提供する。
【0010】
本発明は、一つの側面において、アルカリ性化剤を含む、尿毒症物質の尿中排泄促進用医薬組成物を提供する。
(【0011】以降は省略されています)

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