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公開番号2024157225
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-07
出願番号2023071455
出願日2023-04-25
発明の名称磁性体の損失測定方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人フィールズ国際特許事務所
主分類G01R 33/12 20060101AFI20241030BHJP(測定;試験)
要約【課題】探索コイルの巻数の低減や、比透磁率の小さな磁性体に生じる、磁束の漏れによる損失測定の誤差を補正する損失測定方法を提供する。
【解決手段】磁性体の損失測定方法は、磁性体に励磁コイルと探索コイルを巻き付け、励磁コイルに励磁電流を印加することで探索コイルに誘起される誘起電圧と、励磁コイルの励磁電流を用いて磁性体の損失を測定する測定工程と、測定工程の際に測定される磁性体の比透磁率と、透磁率測定装置を用いてあらかじめ測定される磁性体の比透磁率との関係に基づいて、測定工程により測定された磁性体の損失の値を補正する補正工程とを備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
磁性体に励磁コイルと探索コイルを巻き付け、前記励磁コイルに励磁電流を印加することで前記探索コイルに誘起される誘起電圧と、前記励磁コイルの励磁電流を用いて磁性体の損失を測定する測定工程と、
前記測定工程の際に測定される前記磁性体の比透磁率と、透磁率測定装置を用いてあらかじめ測定される前記磁性体の比透磁率との関係に基づいて、前記測定工程により測定された前記磁性体の損失の値を補正する補正工程とを備えることを特徴とする磁性体の損失測定方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記補正工程において、
前記測定工程における損失測定の際に測定される磁性体の比透磁率の値と、前記透磁率測定装置を用いてあらかじめ測定される比透磁率との関係に基づいて、前記磁性体に印加される磁束密度の設定値に対応する前記磁性体の損失の値を求めることを特徴とする請求項1に記載の磁性体の損失測定方法。
【請求項3】
前記損失測定の際に測定される前記磁性体の比透磁率の値をμ
LOSS
とし、
前記透磁率測定装置を用いてあらかじめ測定される比透磁率の値をμ
VNA
としたとき、
前記測定工程により測定される前記磁性体の損失に対応する磁束密度の実際値をμ
VNA/
μ
LOSS
倍して、前記磁性体に印加される磁束密度の設定値を求め、前記磁束密度の設定値に対応する前記磁性体の損失の値を求めることを特徴とする請求項2に記載の磁性体の損失測定方法。
【請求項4】
前記測定工程の際に測定される前記磁性体の比透磁率と、透磁率測定装置を用いてあらかじめ測定される前記磁性体の比透磁率との関係に基づいて、前記測定工程により測定される前記磁性体の損失に対応する磁束密度の実際値と、前記測定工程において印加される磁束密度の設定値との相違に起因する前記磁性体の損失の誤差を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性体の損失測定方法。
【請求項5】
前記測定工程の際に測定される前記磁性体の比透磁率と、透磁率測定装置を用いてあらかじめ測定される前記磁性体の比透磁率との関係に基づいて、前記探索コイルを測定器に接続するリード線の長さの相違に起因する前記磁性体の損失の誤差を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性体の損失測定方法。
【請求項6】
前記透磁率測定装置は、ネットワークアナライザ又はインピーダンスアナライザであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性体の損失測定方法。
【請求項7】
前記測定工程は、2コイル法又は共振法により前記磁性体の損失を測定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性体の損失測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性体の損失測定方法に関するものである。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
IT機器や車載部品には磁性体(磁性材料)を使用した電子部品が多用されている。また、モータや発電機といった電気機器においても、磁性体が用いられている。そのような電子部品・電気機器の高効率化、小型化のためには磁性体の損失を精度良く測定することが重要である。特に近年、電子部品・電気機器の小型化のため駆動周波数を上げることが検討されており、高い周波数での損失測定技術は非常に重要になっている。さらには、精度良く測定した磁性体の損失等の測定値を取り入れたシミュレーション手法は電子部品・電気機器の設計には欠かすことのできない技術となっている。
【0003】
磁性体を用いた電子部品・電気機器における電気的な損失は、コイルで発生する銅損(コイルで発生するジュール損失)と磁性体で発生する損失として磁性体の磁気ヒステリシス損失および渦電流損失等がある。銅損はコイルを流れる電流から解析的(数学的)に算出することができるが、磁性体の損失は実際の測定(計測)によって求める必要がある。近年の電子部品・電気機器の小型化に対応して、比透磁率の小さな磁性材料を高い周波数で使用することが多くなってきており、磁性体内の損失を正確に測定することはますます難しくなってきている。
【0004】
磁性体の損失を測定する手法としては、当該磁性体からなるリング状試料を用いる方法(2コイル法等)が広く用いられている(例えば、非特許文献1参照)。図1は磁性体の損失測定装置100の説明図であり、図1(a)は、損失測定装置100の回路構成図、図1(b)は磁性体部分の要部構成図である。同図に示す磁性体の損失測定方法は、測定しようとする磁性体からなるリング状試料101に励磁コイル(1次コイル)103および探索コイル(2次コイル)105を巻く2コイル法という手法であり、高周波信号を発生する信号発生器107と、高周波用のパワーアンプ109を介して励磁コイル103に高周波の交流電流を印加し、そのときに探索コイル105に誘起される電圧V

と、励磁コイル103側に配置した電流検出用抵抗R

で測定される電流値i

を測定器であるオシロスコープ111で測定して磁性体の損失を求める方法である。
【0005】
上記2コイル法は現在でも広く用いられている優れた手法であるが、比透磁率の小さな磁性材料を測定する際には、磁性体からの磁束の漏れが大きくなり損失の測定精度が低下するという問題がある。
【0006】
図2は、図1(b)はリング状試料(磁性体)部分を拡大したもので、リング状試料101からの磁束の漏れを示した図である。図2はリング状試料101の水平断面を模式的に示しており、励磁コイル103および探索コイル105もリング状試料101の水平断面での、それぞれの断面を示している。磁性材料の比透磁率が大きい場合、励磁コイル103に励磁電流を流すことで生じる磁束aの大部分はリング状試料101の中を通る。すなわち図中の磁束aが支配的である。このような場合、励磁コイルによって生じる励磁磁界H
a
は(1)式で求められる。
【0007】
TIFF
2024157225000002.tif
13
170
【0008】
ここで、Nは励磁コイルの巻数、Iは励磁電流、L
e
はリング状試料の磁路長でリング状試料の外径、内径および厚みから求められる値である。このときのリング状試料内の磁束密度Bは(2)式で与えられる。
【0009】
TIFF
2024157225000003.tif
13
170
【0010】
ここで、μ
0
は真空の透磁率、μはリング状試料の比透磁率、Haは励磁磁界、Nは励磁コイルの巻数、Iは励磁電流である。リング状試料内の損失を測定するときは、(2)式の磁束密度Bが所望の磁束密度Bmとなるように、励磁電流Iを調節して測定する。
(【0011】以降は省略されています)

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