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公開番号2024158787
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074308
出願日2023-04-28
発明の名称磁化率測定装置及び磁化率測定方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人フィールズ国際特許事務所
主分類G01R 33/16 20060101AFI20241031BHJP(測定;試験)
要約【課題】試料の直流磁化率と交流磁化率の両方を同時に測定することができる磁化率測定装置を提供する。
【解決手段】磁化率測定装置は、試料を振動周波数ωvで振動させる振動手段と、試料に直流磁界を印加する直流磁界発生手段と、試料に交流周波数ω0の交流磁界を印加する交流磁界発生手段と、試料に近接して配置され、磁界の変化を検出して検出信号を出力する検出手段と、検出手段の検出信号から、交流周波数ω0と振動周波数ωvとの和の周波数成分(ω0v)及び交流周波数ω0と振動周波数ωvとの差の周波数成分(ω0v)の周波数信号を取得し、当該周波数信号に基づいて試料の交流磁化率χを測定する測定手段とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
試料を振動周波数ω
v
で振動させる振動手段と、
前記試料に直流磁界を印加する直流磁界発生手段と、
前記試料に交流周波数ω
0
の交流磁界を印加する交流磁界発生手段と、
前記試料に近接して配置され、磁界の変化を検出して検出信号を出力する検出手段と、
前記検出手段からの前記検出信号における前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
との和の周波数成分(ω
0
+ω
v
)及び前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
との差の周波数成分(ω
0
-ω
v
)の周波数信号に基づいて前記試料の交流磁化率χを測定する測定手段とを備えることを特徴とする磁化率測定装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
とを同期させる同期手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の磁化率測定装置。
【請求項3】
前記測定手段は、前記交流磁化率χ及びその位相φ
χ
を、以下の式
|χ|=(A
+
-A
-
)/(Gω
v
h
0
) if, ω
0
≧ω
v

|χ|=(A
+
+A
-
)/(Gω
v
h
0
) if, ω
0
<ω
v

φ
χ
=0.5(φ
+

-
+π) if, ω
0
≧ω
v

φ
χ
=0.5(φ
+

-
) if, ω
0
<ω
v

ここで、
A
+
は前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
との和の周波数成分(ω
0
+ω
v
)の振幅、
A
-
は前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
との差の周波数成分(ω
0
-ω
v
)の振幅、
Gは前記検出手段の形状と前記検出手段の振動振幅に依存する前記検出手段特有の比例定数、
h
0
は前記交流磁界の振幅、
φ
+
は前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
の和の周波数(ω
0
+ω
v
)における前記検出信号の位相、
【請求項4】
前記測定手段は、前記試料の交流磁化率χの実数部χ'と虚数部χ"を、以下の式
χ'=|χ|cosφ
χ
、χ"=|χ|sinφ
χ
により求めることを特徴とする請求項3に記載の磁化率測定装置。
【請求項5】
前記測定手段は、前記検出手段からの前記検出信号における前記振動周波数ω
v
の周波数信号に基づいて前記試料の直流磁化を測定するとともに、前記交流磁化率χを測定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁化率測定装置。
【請求項6】
試料を振動周波数ω
v
で振動させる振動工程と、
前記試料に直流磁界を印加する直流磁界印加工程と、
前記試料に周波数ω
0
の交流磁界を印加する交流磁界印加工程と、
前記試料に近接して配置され、磁界の変化を検出する検出手段より出力される検出信号を取得する取得工程と、
前記検出信号における前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
との和の周波数成分(ω
0
+ω
v
)及び前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
との差の周波数成分(ω
0
-ω
v
)の周波数信号に基づいて前記試料の交流磁化率χを測定する測定工程とを備えることを特徴とする磁化率測定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気材料評価において、直流磁界と交流磁界の磁化率を同時に測定可能とする磁化率測定装置及び磁化率測定方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
測定対象の試料(サンプル)の磁気特性、特に直流磁化率(又は直流磁化)を測定する手法の一つとして、振動試料磁気測定法(VSM:Vibrating Sample Magnetometry)(以下、VSM法と称する)が知られている(特許文献1)。VSM法の原理は、概略以下の通りである。すなわち、試料の近くに検出コイルを置き、直流磁界が印加された状態で、試料を例えばおよそ80Hz、振幅0.5mm程度で上下に振動させる。すると、磁化された試料がつくる磁界が、試料の振動と共に動き、検出コイルを通過する磁束が変化する。その磁束の変化により検出コイルには磁化の大きさに比例した誘導起電力が発生する。その誘導起電力は微弱なため、試料を振動させる振動発生器から参照信号を取り込んだロックイン増幅器を用いて読み取り、磁化の絶対値については、既知の標準試料の飽和磁化値を用いて換算し、試料の直流磁化率を求める。
【0003】
一方、交流磁化率の測定も、磁性粒子や膜、合金などの試料(サンプル)の緩和ダイナミクスを評価する上で重要な技術である。交流磁化率を測定する手法の一つは、例えば、2つの検出コイルをバランスさせて配置し、その検出コイルを均一な外部交流磁界と直流磁界の中に置く装置構成において、試料を一方の検出コイルに配置し、試料から生じる磁束の変化を不均衡電圧として測定し、それに基づいて交流磁化率の実数部(χ')と虚数部(χ")を求めることができる。なお、この装置構成では、コイルの平衡が不完全なために生じる誘導電圧のために、周波数に依存した校正が必要である。
【0004】
さらに、試料の磁化率を測定する技術として、例えば、下記特許文献2及び3が開示されている。特許文献2は、不可逆磁化率を求める技術について開示し、その手法は概略以下の通りである。すなわち、その図1に示されるように、パルス印加コイルによって生成するパルス磁界中で磁性体試料を超音波振動子により振動させる。すると、磁化された磁性体試料の振動により検出コイル内の磁束を変化させ、この検出コイルに、磁性体試料の磁化変化の時間微分に比例した起電力を誘起させる。この起電力をロックイン増幅器で検出する。パルス磁界はパルス印加コイルに流す電流より求める。そこで、パルス印加コイルへの印加電流波形と磁性体試料の磁化変化の時間微分に基づいて微分磁化率を求める。一方、パルス磁界と高周波微小磁界を磁性体試料に印加し、高速でのこの磁性体試料101の可逆磁化率を求める。そして、微分磁化率と可逆磁化率の差より不可逆磁化率を求める。
【0005】
また、特許文献3は、試料を振動させながら、試料に直流磁界を印加して直流磁化測定を行う第1のモードと、試料を固定した状態で、直流磁界を印加するとともに交流磁界を重畳して印加して交流磁化測定を行う第2のモードとを有する磁気特性評価装置について開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
米国特許第3496459号公報
特開2004-138495号公報
特開2014-219371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述で例示したように、試料の磁化率測定では、直流磁化(直流磁化率)と交流磁化率は、それぞれ異なる測定手法により別々に測定しなければならなかった。今般、本願発明者らは、試料の直流磁化率と交流磁化率とを一つの測定にて一緒に測定する、すなわち同時に測定する手法を開発するに至った。
【0008】
そこで、本発明の目的は、試料の直流磁化率及び交流磁化率を同時に測定することができる磁化率測定装置及び磁化率測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明の磁化率測定装置は、試料を振動周波数ω
v
で振動させる振動手段と、前記試料に直流磁界を印加する直流磁界発生手段と、前記試料に交流周波数ω
0
の交流磁界を印加する交流磁界発生手段と、前記試料に近接して配置され、磁界の変化を検出して検出信号を出力する検出手段と、前記検出手段からの前記検出信号における前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
との和の周波数成分(ω
0
+ω
v
)及び前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
との差の周波数成分(ω
0
-ω
v
)の周波数信号に基づいて前記試料の交流磁化率χを測定する測定手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の磁化率測定方法は、試料を振動周波数ω
v
で振動させる振動工程と、前記試料に直流磁界を印加する直流磁界印加工程と、前記試料に交流周波数ω
0
の交流磁界を印加する交流磁界印加工程と、前記試料に近接して配置され、磁界の変化を検出する検出手段より出力される検出信号を取得する取得工程と、前記検出信号における前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
との和の周波数成分(ω
0
+ω
v
)及び前記交流周波数ω
0
と前記振動周波数ω
v
との差の周波数成分(ω
0
-ω
v
)の周波数信号に基づいて前記試料の交流磁化率χを測定する測定工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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