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公開番号2024157396
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-07
出願番号2023071742
出願日2023-04-25
発明の名称延伸時のゴム材料の結晶構造、結晶形態又は結晶分布を解析する方法
出願人国立大学法人東北大学,住友ゴム工業株式会社
代理人弁理士法人WisePlus
主分類G01N 23/20 20180101AFI20241030BHJP(測定;試験)
要約【課題】ゴム材料の局所部分などであっても、延伸時のゴム材料の結晶構造、結晶形態、結晶分布を解析することが可能な解析方法を提供する。
【解決手段】透過型電子顕微鏡を用いてゴム材料の延伸変形挙動及び/又は延伸時の状態を観察すると共に、100nm径以下に収束した電子線をゴム材料の表面で走査しながら取得する電子回折パターンを解析するナノ回折イメージング法を用いて、延伸時のゴム材料の結晶構造、結晶形態又は結晶分布を解析する方法に関する。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
透過型電子顕微鏡を用いてゴム材料の延伸変形挙動及び/又は延伸時の状態を観察すると共に、100nm径以下に収束した電子線をゴム材料の表面で走査しながら取得する電子回折パターンを解析するナノ回折イメージング法を用いて、延伸時のゴム材料の結晶構造、結晶形態又は結晶分布を解析する方法。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
ナノ回折イメージング法が以下の測定条件で行われる請求項1に記載の方法。
(測定条件)
probe size:φ1~φ150nm
total dose:1.0×10
-6
~1.0×10



/Å

【請求項3】
更に電子回折を行って得られる回折パターンを解析する際に、回折パターンの積算領域が1×1~1000×1000nm

の領域である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
透過型電子顕微鏡像の観察視野内における局所的な歪みが1~40である請求項1に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、延伸時のゴム材料の結晶構造、結晶形態又は結晶分布を解析する方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、広角X線回折(WAXD:Wide Angle X-ray Diffraction)などのX線回折などの手法を用いて、ゴム材料全体の延伸結晶の様子を観察する手法が用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
試料全体の延伸結晶の様子を把握するには、X線回折などの手法が強力なツールとなり得るが、局所でどのように延伸結晶が発生し、亀裂に対してどのような作用をするかは、実空間で観察する必要がある。
【0004】
本発明は、前記課題を解決し、ゴム材料の局所部分などであっても、延伸時のゴム材料の結晶構造、結晶形態、結晶分布を解析することが可能な解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、透過型電子顕微鏡を用いてゴム材料の延伸変形挙動及び/又は延伸時の状態を観察すると共に、100nm径以下に収束した電子線をゴム材料の表面で走査しながら取得する電子回折パターンを解析するナノ回折イメージング法を用いて、延伸時のゴム材料の結晶構造、結晶形態又は結晶分布を解析する方法に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、透過型電子顕微鏡を用いてゴム材料の延伸変形挙動及び/又は延伸時の状態を観察すると共に、100nm径以下に収束した電子線をゴム材料の表面で走査しながら取得する電子回折パターンを解析するナノ回折イメージング法を用いて、延伸時のゴム材料の結晶構造、結晶形態又は結晶分布を解析する方法であるので、ゴム材料の局所部分などであっても、延伸時のゴム材料の結晶構造、結晶形態、結晶分布を解析することが可能な解析方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
試料の引張呼びひずみ(チャック間)と応力との関係、試料の公称ひずみ(照射部位)と応力との関係が示されている図である。
透過型電子顕微鏡を用いて試料の延伸時の状態を観察して観察像を取得する際における延伸変形機構を模式的に示した模式図(図2(a))、走査透過型電子顕微鏡法の環状暗視野法及びナノ回折イメージング法を備えた装置、及び観察手法の模式図(図2(b))である。
試料の延伸過程における様々な歪み時のTEM像である。
図3の歪み=0、2.4、3.9、6.1のTEM像のボイド(空隙)部分の拡大図、及びボイド成長の様子が示されている模式図である。
図3の歪み=6.1の延伸TEM観察像の12分割部分の領域(1)及び(2)について、走査透過型電子顕微鏡法の環状暗視野法を用い、ナノ回折イメージング法により結晶の状態を観察した様子が示されている図である。
図5の局所でのミクロンサイズの電子線を試料に照射することで得られる電子回折図形(μ-ED図形)について、9個の各図形を積算した回折パターンである。
ボイド(空隙)から離れた位置で広角X線回折により得られる回折パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の解析方法は、透過型電子顕微鏡を用いてゴム材料(試料)の延伸変形挙動及び/又は延伸時の状態を観察すると共に、100nm径以下に収束した電子線をゴム材料の表面(試料表面)で走査しながら取得する電子回折パターンを解析するナノ回折イメージング法を用いて、延伸時のゴム材料(試料)の結晶構造、結晶形態又は結晶分布を解析する方法である。
【0009】
WAXDなどのX線回折などの手法では、延伸時のゴム材料の結晶の状態、特に延伸時のゴム材料の局所部分における結晶の状態を把握することは難しい。
一方、本発明は、例えば、透過型電子顕微鏡を用いてゴム材料の延伸時の状態を観察し、それにより得られた電子顕微鏡像の局所部分について、原子分解能を有する走査透過型電子顕微鏡法を使用し、nm径まで収束した電子線をゴム材料表面で走査しながら取得される電子回折パターンを解析するナノ回折イメージング法を用いることにより、延伸時のゴム材料の局所部分であっても、結晶の状態を精度よく観察できる。
延伸結晶は、電子線ダメージに非常に弱く、規定量の電子線量を照射すると、延伸結晶の回折ピークが消滅してしまうため、できるだけ電子線を照射せずに観察することが重要であり、延伸TEM→視野探し→回折の順で実施すると、像観察(視野探し)と思われる意図しない電子線ダメージにより回折ピークが得られない一方で、本発明では、視野探しを行わず、電子線で網羅的に走査しながら回折図形を取得した後、像を選択する手順で実施することで、観察視野を探す手順を簡素化して測定視野を大きくとり、回折パターンの解析時に詳細な解析視野を選定でき、それにより、延伸時のゴム材料の局所部分でも結晶の状態、具体的にはゴム材料の結晶構造、結晶形態、結晶分布を精度よく観察することが可能となる。
【0010】
上記解析方法に適用可能なゴム材料(試料)として、ゴム成分単独の試料、ゴム成分と他の成分とを含むゴム組成物の試料が挙げられる。
(【0011】以降は省略されています)

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