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公開番号2025084574
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2023198570
出願日2023-11-22
発明の名称CO2固定化装置及びCO2固定化方法
出願人日揮ホールディングス株式会社,国立大学法人東北大学,UBE株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B01D 53/62 20060101AFI20250527BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】CO2固定化に係る設備及びエネルギーに係るコストを低減しつつ、アルカリ土類金属炭酸塩の析出効率を高めることができる、CO2固定化装置及びCO2固定化方法を提供する。
【解決手段】アルカリ土類金属を抽出する抽出槽の下流に、直列に接続された1つ以上の減圧槽及び晶析槽を配置し、減圧槽内及び晶析槽内で段階的に減圧しながらアルカリ土類金属炭酸塩を析出させ、減圧槽内で析出したアルカリ土類金属炭酸塩を晶析槽に種晶として供給し、減圧槽内及び晶析槽内で発生したCO2ガスをそれぞれ昇圧して抽出槽に供給する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
CO

ガス供給口及びスラリー排出口を備えた抽出槽と、
前記抽出槽の前記スラリー排出口に接続された、液相排出口を備えた第1固液分離装置と、
1つ以上の減圧槽であって、前記1つ以上の減圧槽が2つ以上である場合は前記1つ以上の減圧槽が互いに直列に接続されており、前記1つ以上の減圧槽のうち最上流の減圧槽が前記第1固液分離装置の前記液相排出口と接続されている、1つ以上の減圧槽と、
前記1つ以上の減圧槽のうち最下流の減圧槽に接続された晶析槽と、
前記1つ以上の減圧槽のうち最下流の減圧槽と前記晶析槽の間に配置された、第2固液分離装置及び前記第2固液分離装置の下流側の減圧弁と、
前記1つ以上の減圧槽が2つ以上である場合は前記1つ以上の減圧槽の間にそれぞれ配置された、1つ以上の第2固液分離装置及び前記1つ以上の第2固液分離装置の下流側の1つ以上の減圧弁と、
前記1つ以上の減圧槽、及び前記晶析槽のそれぞれに接続された複数のCO

ガス回収配管と、
1次側及び2次側を有し直列に接続された複数の圧縮機であって、前記1次側に供給されたCO

ガスが昇圧されて前記2次側から吐出されるように構成されており、前記複数の圧縮機のうち最下流の圧縮機の前記2次側が前記CO

ガス供給口と接続されている、複数の圧縮機と、
を含むCO

固定化装置であって、
前記複数の圧縮機の前記1次側はそれぞれ、上流側から下流側に向かって前記複数の圧縮機の前記1次側に供給されるCO

ガスの圧力が高くなるように、前記複数のCO

ガス回収配管のうち1つと接続されており、
前記第2固液分離装置の固相富化側が前記晶析槽と接続されている、CO

固定化装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記第2固液分離装置が、クロスフローフィルタ、プリーツフィルタ、オートストレーナ、サイクロンストレーナ、フィルタプレス、ロータリーフィルタ、リーフフィルタ、フンダバックフィルタ、及びハイドロサイクロンからなる群より選ばれる、請求項1に記載のCO

固定化装置。
【請求項3】
前記晶析槽の容積が、前記1つ以上の減圧槽の容積の1倍~15倍である、請求項1又は2に記載のCO

固定化装置。
【請求項4】
前記晶析槽の下流に接続された第3固液分離装置、及び前記第3固液分離装置で得られる固相を前記晶析槽に供給する固相供給装置を更に含む、請求項1又は2に記載のCO

固定化装置。
【請求項5】
抽出槽内で、アルカリ土類金属含有粒子及び水性媒体を含むスラリーと、CO

ガスとを混合することにより、前記アルカリ土類金属含有粒子中のアルカリ土類金属のイオンを液相中に抽出すること、
前記アルカリ土類金属のイオンが前記液相中に抽出された混合物を固液分離して、前記アルカリ土類金属のイオンを含む液相と、抽出残渣を含む固相とを得ること、
直列に接続された1つ以上の減圧槽内、及び晶析槽内で段階的に減圧しながら前記液相からアルカリ土類金属炭酸塩を析出させて、前記アルカリ土類金属炭酸塩としてCO

を固定化すること、
前記1つ以上の減圧槽内で析出したアルカリ土類金属炭酸塩を前記晶析槽に種晶として供給すること、
前記1つ以上の減圧槽内、及び前記晶析槽内で発生したCO

ガスを圧縮機で昇圧すること、及び
昇圧された前記CO

ガスを前記抽出槽に供給すること、
を含むCO

固定化方法。
【請求項6】
前記晶析槽の滞留時間が、前記1つ以上の減圧槽のそれぞれの滞留時間の1倍~15倍である、請求項5に記載のCO

固定化方法。
【請求項7】
前記晶析槽内の液量の0.1質量%~10質量%の前記種晶を前記晶析槽に供給することを含む、請求項5又は6に記載のCO

固定化方法。
【請求項8】
前記抽出槽内での混合を0.5MPaG~10MPaGの圧力雰囲気下で行う、請求項5又は6に記載のCO

固定化方法。
【請求項9】
前記アルカリ土類金属がカルシウムである、請求項5又は6に記載のCO

固定化方法。
【請求項10】
前記アルカリ土類金属含有粒子がコンクリート、コンクリートスラッジ、及びセメントからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項5又は6に記載のCO

固定化方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、CO

固定化装置及びCO

固定化方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
大気中へのCO

ガス排出量を低減することを目的としたCO

固定化技術の一つとして、鉱石、鉄鋼スラグ、廃コンクリート、建築廃材、石炭灰、セメントスラグ、産業廃棄物などに含まれる、Mg、Caなどのアルカリ土類金属と、例えば工場、発電所などから排出されたCO

ガスとを反応させてCO

ガスを固定化することを含む、鉱物炭酸化(Mineral Carbonation)が知られている。CO

ガスの固定化により生成する、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩は、プラスチック、紙、ゴム、塗料などのフィラー、建材用添加物、土壌改良剤、セメント原料などの工業原料として利用することができる。
【0003】
特許文献1(特表2011-501726号公報)には、「二酸化炭素(CO

)を炭酸塩として固定するCO

の固定又は結合方法であって、以下の工程:水と石炭灰又は石炭残渣との水溶液を調製する工程;CO

を含有するガスを前記水溶液と接触させる工程;及び前記CO

と前記水溶液を反応させて炭酸塩を生じさせ、それによって前記CO

が固定又は結合される工程を含む方法」が記載されている。
【0004】
特許文献2(特表2021-524806号公報)には、「a)水性液と活性化ケイ酸マグネシウム鉱物を含む粒子状固体とを含む水性スラリーを提供するステップ;b)溶解段階において、CO

含有ガス流を、前記鉱物からマグネシウムを溶解させてマグネシウムイオン濃縮炭酸水性液とマグネシウム枯渇固体残渣とを含むスラリーを提供するために、前記水性スラリーと第1の圧力で接触させるステップ;およびc)沈殿段階において、ステップb)で溶解したマグネシウムイオンから炭酸マグネシウムを、各段階を先行する段階と比べて低い圧力とする複数連続的段階的減圧により、沈殿させるステップ;を含む、二酸化炭素の回収、隔離および利用のための統合プロセスであって、ここで、CO

が各連続的段階的減圧により放出され、相応して段階的に圧縮されて溶解段階にリサイクルされる、統合プロセス」が記載されている。
【0005】
特許文献3(国際公開第2013/131193号)には、二酸化炭素含有ガスから二酸化炭素を隔離する方法であって、前記二酸化炭素含有ガスを、アルカリ土類金属の少なくとも一部を炭酸化するための炭酸化ユニット内のアルカリ土類金属含有材料を含む水性スラリーと接触させて、二酸化炭素枯渇ガスと、沈殿可能な炭酸塩を含みかつ沈殿したアルカリ土類金属炭酸塩を実質的に含まない炭酸塩含有スラリーとを生成すること;前記炭酸塩含有スラリーを前記炭酸化ユニットから取り出して、前記炭酸塩含有スラリーを前記沈殿可能な炭酸塩を含む水相と固相とに分離すること;及び前記水相を沈殿装置に供給し、前記沈殿装置内でアルカリ土類金属炭酸塩を沈殿させて、沈殿スラリーを生成することを含む方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2011-501726号公報
特表2021-524806号公報
国際公開第2013/131193号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アルカリ土類金属のイオン及びCO

が溶解した溶液からアルカリ土類金属炭酸塩を効率的に析出させるために、析出したアルカリ土類金属炭酸塩を回収し、その一部を種晶として溶液に戻して投入することが一般的に知られている。析出工程の進行に伴って種晶は成長し、その粒径は増大する。その結果、種晶の質量あたりの表面積が低下し、種晶の投入による析出効率が低下する。成長した種晶を粉砕して微粒子化した後溶液に投入することも考えられるが、粉砕のための設備及びエネルギーに係るコストが発生する。
【0008】
アルカリ土類金属のイオン及びCO

が溶解した溶液が存在する雰囲気の圧力を低下させて、CO

を溶液から気相に放出することにより、溶液のpHが上昇してアルカリ土類金属炭酸塩が析出する。圧力の低下を1段で大気圧まで行うと、溶液から気相に放出されるCO

ガスの圧力も大気圧となる。そのため、圧力が大気圧まで低下したCO

ガスをアルカリ土類金属の抽出工程に再利用する場合、抽出工程のCO

圧力まで昇圧する必要があり、昇圧に伴うエネルギーコストが発生する。このCO

の昇圧に伴うエネルギーコストは、CO

固定化において考慮すべき割合を占めるため、削減することが強く望まれる。
【0009】
本開示は、CO

固定化に係る設備及びエネルギーに係るコストを低減しつつ、アルカリ土類金属炭酸塩の析出効率を高めることができる、CO

固定化装置及びCO

固定化方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、アルカリ土類金属を抽出する抽出槽の下流に、直列に接続された1つ以上の減圧槽、及び晶析槽を配置し、減圧槽内及び晶析槽内で段階的に減圧しながらアルカリ土類金属炭酸塩を析出させ、減圧槽内で析出したアルカリ土類金属炭酸塩を晶析槽に種晶として供給し、減圧槽内及び晶析槽内で発生したCO

ガスをそれぞれ昇圧して抽出槽に供給することにより、設備及びエネルギーに係るコストを低減しつつ、アルカリ土類金属炭酸塩の析出効率を高めることができることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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