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公開番号2024118905
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-02
出願番号2023025479
出願日2023-02-21
発明の名称AVP受容体及びその利用
出願人ヤマサ醤油株式会社,国立大学法人東北大学
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07K 14/72 20060101AFI20240826BHJP(有機化学)
要約【課題】1-デアミノ-8-D-アルギニンバソプレシン(DDAVP)の影響を排除してアルギニンバソプレシンを測定する方法を提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列からなり、かつアルギニンバソプレシン(AVP)受容体活性を有するタンパク質、該タンパク質をコードするポリヌクレオチド、該タンパク質を発現する培養細胞、該培養細胞を含有する、AVP測定用キット、および該培養細胞を用いる試料中のAVPレベルの分析方法を提供する。
【選択図】図2-1
特許請求の範囲【請求項1】
下記のいずれか一のタンパク質:
(1)配列番号2又は3のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(2)配列番号2又は3のアミノ酸配列において、1~37個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列であって、ただし96番目相当がグルタミン酸(E)、メチオニン(M)、グリシン(G)、イソロイシン(I)、アスパラギン(N)、又はトレオニン(T)であるアミノ酸配列からなり、かつアルギニンバソプレシン(AVP)受容体活性を有する、タンパク質;
(3)配列番号2又は3のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列であって、ただし96番目相当がE、M、G、I、N、又はTであるアミノ酸配列からなり、かつAVP受容体活性を有する、タンパク質;
(4)配列番号4のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(5)配列番号4のアミノ酸配列において、1~37個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列であって、ただし119番目相当がメチオニン(M)、アラニン(A)、システイン(C)、アスパラギン(N)、又はトレオニン(T)であるアミノ酸配列からなり、かつAVP受容体活性を有する、タンパク質;
(6)配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列であって、ただし119番目相当がM、A、C、N、又はTであるアミノ酸配列からなり、かつAVP受容体活性を有する、タンパク質。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
下記のいずれか一のタンパク質である、請求項1に記載のタンパク質:
(1)配列番号2又は3のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(2)配列番号2のアミノ酸配列において、1~37個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列であって、ただし96番目相当がEであるアミノ酸配列からなり、かつAVP受容体活性を有する、タンパク質、又は配列番号3のアミノ酸配列において、1~37個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列であって、ただし96番目相当がMであるアミノ酸配列からなり、かつAVP受容体活性を有する、タンパク質;;
(3)配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列であって、ただし96番目相当がEであるアミノ酸配列からなり、かつAVP受容体活性を有する、タンパク質、又は配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列であって、ただし96番目相当がMであるアミノ酸配列からなり、かつAVP受容体活性を有する、タンパク質;
(4)配列番号4のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(5)配列番号4のアミノ酸配列において、1~37個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、及び/又は付加したアミノ酸配列であって、ただし119番目相当がMであるアミノ酸配列からなり、かつAVP受容体活性を有する、タンパク質;
(6)配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列であって、ただし119番目相当がMであるアミノ酸配列からなり、かつAVP受容体活性を有する、タンパク質。
【請求項3】
配列番号2、3、又は4のアミノ酸配列からなるタンパク質である、請求項1に記載のタンパク質。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のタンパク質を発現する、培養細胞。
【請求項6】
さらにcAMPバイオセンサーを発現する、請求項5に記載の培養細胞。
【請求項7】
請求項5に記載の培養細胞を含有する、AVP測定用キット。
【請求項8】
体外診断用医薬品である、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
下記の工程を含む、試料中のAVPレベルの分析方法:
(a) 試料を、AVP受容体を発現する培養細胞に添加してインキュベートし、
このときAVP受容体は、1-デアミノ-8-D-アルギニンバソプレシン(DDAVP)による活性化が抑制され、AVP選択的に活性化されるものであり;
(b)インキュベート後のAVP受容体の活性化レベルを分析し;
(c)得られた分析結果に基づき、DDAVPの影響の低減されたAVPレベルを分析する。
【請求項10】
AVP受容体が、請求項1~3のいずれか1項に記載されたタンパク質である、請求項9に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アルギニンバソプレシン(AVP;Arginine Vasopressin)受容体に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
バソプレシンV2受容体(V2R)は、主に尿細管上皮細胞に存在するAVPの受容体であり、Gタンパク質共役受容体の一種である。脳下垂体から分泌されたAVPがV2Rに結合すると、その刺激により細胞中のアデニレートシクラーゼが活性化されて環状アデノシン一リン酸(cAMP)が産生され、cAMPシグナルを受けて尿の再吸収が行われる。
【0003】
中枢性尿崩症はAVPの部分的又は完全な欠損を原因とする疾患であり、中枢性尿崩症患者においてはAVPの分泌が正常に行われないため、腎臓における尿の再吸収に異常を示すことにより多尿・口渇といった症状を引き起こす。バソプレシンの分泌異常を原因とする疾患としては中枢性尿崩症の他に抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)等が知られている。また、V2受容体遺伝子への変異を主な原因とする疾患として腎性尿崩症が知られており、中枢性尿崩症と同じく尿の再吸収に異常を示すため、類似の症状を示す。
【0004】
尿崩症患者に適切な治療を提供するためには、患者の疾患を鑑別することが重要である。たとえば中枢性尿崩症においては、患者血液試料中のAVP濃度を測定することで、中枢性尿崩症の診断ができることが知られている。このように、AVP濃度の測定法は産業上有用であり、開発が進められている。
【0005】
AVP濃度の測定法は、抗原抗体反応を利用した手法が知られている。具体的な方法としては、患者血漿にアイソトープ標識したAVPを加えたのちに、抗AVP抗体と血漿を反応させることで、血漿中に含まれるアイソトープ標識AVPと血漿由来AVPの競合阻害反応により血漿中AVP濃度を測定する方法である(非特許文献1)。
【0006】
また、近年では細胞内cAMP量の測定をAVP濃度の測定に応用した例も知られている。例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を被験試料存在下でインキュベートし、試料中に含まれるAVPがV2Rを刺激することにより産生されるcAMPの量を、カルシウムイオンを介した発光によって検出するバイオアッセイ系を利用したAVPの測定法が知られている(特許文献1)。
【0007】
V2Rに関しては、変異によって引き起こされる病態等について、多くの先行研究が存在している(例えば、非特許文献2)。しかし、いずれも疾病の機序等を解明するための研究であり、AVP濃度の測定法に応用するための研究ないし検討は一切行われてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
再表2012/086756
特開2016-75707号公報
特開2017-192396号公報
特願2019-20595号
【非特許文献】
【0009】
AVPキット「ヤマサ」添付文書, 2021年6月改訂(第4版), https://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ivd/PDF/800075_22700AMX00611000_A_04_03.pdf
NDT Plus, 2, 20-22(2008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らは、AVP濃度の測定法の検討を行う中で、野生型V2RはAVP、DDAVP(中枢性尿崩症治療薬、AVP誘導体、1-deamino-8-D-arginine vasopressin)のいずれにおいても同程度活性化され、血中に存在するDDAVPによってV2Rが活性化されることで、試料中AVP濃度の正確な測定を妨げていることを発見した。患者血液試料中のAVPの測定に際しては、DDAVPの影響を排除できることが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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