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公開番号2024135711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046530
出願日2023-03-23
発明の名称光注入同期型局発光源、及び光伝送方法
出願人国立大学法人東北大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01S 5/12 20210101AFI20240927BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】局発レーザに注入される光基準信号の偏波軸を制御するステップを必要とせずに、連続的で安定的な光注入同期特性が得られることで光位相同期動作が保たれることを特徴とする光注入同期型局発光源と、前記光注入同期型局発光源を用いた光伝送方法を提供する。
【解決手段】
両端にそれぞれ異なる反射率の反射部を有し、かつグレーティングの中央に位相シフト部を用いない分布帰還型半導体レーザを局発レーザとして備え、前記グレーティングの結合係数kと前記局発レーザの共振器長Lの積kLは0.8~1.2の範囲とし、前記共振器長Lを短く設計することを特徴とする光注入同期型局発光源と、前記光注入同期型局発光源を用いた光伝送方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
両端にそれぞれ異なる反射率の反射部を有し、かつグレーティングの中央に位相シフト部を用いない分布帰還型半導体レーザ(DFB-LD: Distributed Feedback Laser Diode)を局発レーザとして備え、
前記グレーティングの結合係数kと前記局発レーザの共振器長Lの積kLは0.8~1.2の範囲とすることで、前記局発レーザが単一モード発振する条件下においては、前記局発レーザの利得が最大化され、前記局発レーザに光注入される光基準信号のTE偏波成分の光電力が少なくとも-40 dBmといった条件においても光注入同期を可能とし、
さらに前記共振器長Lを短く設計することにより前記共振器のQ値を低下させ、ロッキングレンジの広域化を同時に実現することで、
前記局発レーザに注入される前記光基準信号の偏波軸を制御するステップを必要とせずに、連続的で安定的な光注入同期特性が得られることで光位相同期動作が保たれることを特徴とする光注入同期型局発光源。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
前記局発レーザの両端にそれぞれ配置される異なる反射率の反射部は、前記光基準信号が光注入される側は低反射率膜であり、前記低反射率膜側の対向側は高反射率膜であって、
前記高反射率膜の反射率は100%~90%であり、前記低反射率膜の反射率は0%~10%であることを特徴とする請求項1に記載の光注入同期型局発光源。
【請求項3】
前記局発レーザの共振器の温度を制御し、
前記局発レーザの発振周波数と、前記光基準信号の周波数との差がゼロに漸近することを特徴とする請求項1に記載の光注入同期型局発光源。
【請求項4】
前記局発レーザの共振器の放熱機構を増強し、前記局発レーザの出力光電力の上限を高めることで、緩和振動のダンピング効果を増大させることを特徴とする請求項1に記載の光注入同期型局発光源。
【請求項5】
前記局発レーザの共振器長を200 μm~400 μmの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の光注入同期型局発光源。
【請求項6】
基地局ベースバンド部とアンテナ無線部との間で、光ファイバ伝送路を介して無線信号と光基準信号を重畳したベースバンド信号光を伝送させるための光伝送方法において、
前記アンテナ無線部に配置された波長選択カプラにて前記基地局ベースバンド部から伝送された前記ベースバンド信号光を前記無線信号が重畳されたデータ信号光と光基準信号に分離し、
光サーキュレータを介して前記光基準信号を局発光源に注入し、
前記局発光源から出力される光基準信号の位相に注入同期された局発光を前記光サーキュレータを介してコヒーレント受信部に出力し、
前記データ信号光を前記波長選択カプラから前記コヒーレント受信器に出力し
前記局発光と前記データ信号光を干渉させコヒーレント受信器でコヒーレント検波を行う、
前記局発光源は請求項1~請求項5に記載のいずれかの光注入同期型局発光源であることを特徴とする光伝送方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光基準信号の偏波軸の制御を必要としない光注入同期型局発光源の実現と、前記光注入同期型局発光源を用いた光伝送方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
スマートフォンの普及とモバイルブロードバンドサービスの進展に伴い、移動通信トラフィックが急増している。そのような中、第5世代移動通信システム(5G)の運用が始まっているが、さらなる大容量化に向けBeyond 5Gの研究開発が国内外で精力的に進められている。
【0003】
5GあるいはBeyond 5Gシステムでは、伝送制御やベースバンド信号処理を行う基地局ベースバンド部(BBU: Base Band Unit)を1ヵ所に集約し、アンテナ及び高周波信号処理を担うアンテナ無線部(RRH: Remote Radio Head)を分散配置するC-RAN(Centralized-Radio Access Network)が適用されている。C-RANの構成ではBBUとRRH間(モバイルフロントホール)は光ファイバで接続され、無線信号を光波に重畳してBBUとRRHとの間で双方向伝送する。
【0004】
Beyond 5Gシステムでは、100 Gbit/sの無線通信容量が想定されている。その実現に向けRRHから送信される無線信号には28 GHz以上の高周波帯の電波が使用されるようになるが、その一方で、前記電波の届く距離が短くなり、1台のRRHで対応できる範囲が数10 mに狭まる。したがって、Beyond 5Gシステムでは、一定範囲内で必要とされるRRHの数が5Gシステムよりも多くなることから、無線信号を光波に重畳したデータ信号光を効率よく多数のRRHへ伝送可能な簡便でかつ経済性の高いモバイルフロントホールの形成が不可欠となる(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
一方、近年の光通信では、コヒーレント光を用いた大容量光伝送技術が急速に進展している。前記伝送技術を用いたコヒーレント光伝送システムで扱うデータ信号光は、無線通信と同様に多値変調が採用されており、現在では400 Gbit/sに対応したコヒーレント光伝送システムが基幹網へ導入されている。コヒーレント光伝送システムにおいては、データ信号光の多値度を増大することで、波長多重伝送方式を用いることなく簡便な構成で数100 Gbit/sの大容量通信を実現することができ、変調速度が低くとも多値度の高いデータ信号光の高速伝送が実現できるため、比較的安価な機器を用いた伝送システムを構築することが可能となる。
【0006】
このような特徴から、将来予想される無線アクセスネットワークのさらなる大容量化・高度化に対応するために、モバイルフロントホールにおいてもコヒーレント光伝送システムを適用することに高い関心が寄せられている。
【0007】
コヒーレント光伝送システムでは、光の振幅と位相に情報を重畳したデータ信号光を用いる。RRHにおいては、局発光源からの出力光(局発光)とBBUから伝送される前記データ信号光とを干渉させることで検波(コヒーレント検波)を行う。そのため、データ信号光と局発光との間での高精度な光位相同期が重要な役割を果たす。また、コヒーレント検波のためには局発光は偏波変動のない直接偏波であることが重要であり、一般的には、TE(Transverse Electric)偏波のみで発振する半導体レーザ(LD: Laser Diode)からの出力光が局発光として利用されている。つまり、一般的には局発光源の構成の一部である局発レーザはLDからなる。
【0008】
これまで、光位相同期技術としては大きく2つの方式について研究が進められてきている。一つは、データ信号光をコヒーレント検波した後にA/D変換することでデータ信号を生成し、デジタル信号処理(DSP: Digital Signal Processing)回路によってデータ信号の位相雑音を誤差として推定し除去する、キャリヤ位相推定法である。この場合、コヒーレント検波に用いるための局発光の偏波はあらかじめ偏波揺らぎのないTE偏波に設定されている。
【0009】
Beyond 5Gシステムにおいては伝送速度の低遅延を実現することが求められ、膨大な数のモバイルフロントホールを扱うことから低消費電力であることも要求されている。しかしながら、上述のようなデジタル方式の一つであるキャリヤ位相推定法では、データ信号光の変調速度や多値度の増加に伴って伝送速度が遅延し、さらには伝送システム全体での消費電力が増加してしまう。したがって、キャリヤ位相推定法による光位相同期技術はBeyond 5Gシステムにおいては好ましくない。
【0010】
一方、前記デジタル方式のキャリヤ位相推定法に対して、アナログ方式の光位相同期ループ回路(OPLL: Optical-Phase-Locked-Loop)方式および光注入同期回路方式では、データ信号光の変調速度及び多値度の違いによってRRHの機器構成を変更する必要がなく、様々なフォーマットに柔軟に対応可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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