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公開番号
2024162143
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-21
出願番号
2023077402
出願日
2023-05-09
発明の名称
磁気センサおよび磁気センサ測定回路装置
出願人
国立大学法人東北大学
代理人
個人
主分類
G01R
33/02 20060101AFI20241114BHJP(測定;試験)
要約
【課題】直流磁場および低周波磁場においても感度が高く、広いダイナミックレンジを有する磁気センサおよび磁気センサ測定回路装置を提供する。
【解決手段】振動体1が、磁性体3を備えている。ピエゾ抵抗梁2、2’が、振動体1に連結されている。1つもしくは複数のコイル状の電流線5が、磁性体3の磁化を変調するために、交流電流を流すことで振動体1の振動方向に交流磁場を印加できるように配置されている。支持部6が、振動体1を支持している。励振手段7が、振動体1を機械的に励振するよう構成されている。磁性体3の磁化によって生じる磁気トルクを利用して、振動体1の振動方向と直交する方向の外部磁場を検出するよう構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
磁性体を備えた振動体と、
前記振動体に連結された梁と、
前記磁性体の磁化を変調するために、交流電流を流すことで前記振動体の振動方向に交流磁場を印加できるように配置された1つもしくは複数のコイル状の電流線と、
前記振動体を支持する支持部と、
前記振動体を機械的に励振する手段とを備え、
前記磁性体の磁化によって生じる磁気トルクを利用して、前記振動体の振動方向と直交する方向の外部磁場を検出するよう構成されていることを
特徴とする磁気センサ。
続きを表示(約 760 文字)
【請求項2】
前記振動体を励振する手段として、静電駆動のための電極、あるいは圧電アクチュエータを備えていることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
【請求項3】
前記磁性体に対して、前記振動体と前記梁とがカンチレバーを構成し、
前記カンチレバーの長手方向に直流磁場を印加する手段を備えていることを
特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
【請求項4】
前記梁は、2本のピエゾ抵抗梁で構成されており、各ピエゾ抵抗梁が前記支持部と前記振動体とを連結した構造を有していることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
【請求項5】
前記磁性体は、4000以上の比透磁率をもつ軟磁性体であることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
【請求項6】
前記磁性体は、前記振動体に前記外部磁場を集中させる4000以上の比透磁率をもつ集中用軟磁性体から成り、前記支持部上の2か所以上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
【請求項7】
各ピエゾ抵抗梁は、半導体Si基板上に不純物を拡散して形成されており、
前記振動体および前記支持部は、Siから構成されており、
前記電流線は、前記支持部上に形成されていることを
特徴とする請求項4記載の磁気センサ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁気センサを測定するための磁気センサ測定回路装置であって、
前記振動体の振動を検出する回路と、
その振動の信号を検波する検波回路と、
前記磁性体を磁気変調するために前記電流線に電流を流す回路とを
備えていることを特徴とする磁気センサ測定回路装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気センサおよび磁気センサ測定回路装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の小型高感度な磁気センサとして、磁性材の振動体から構成される磁気センサが研究されている(例えば、非特許文献1参照)。この磁気センサは、磁性体からなるカンチレバー型の振動体を持ち、この振動体に磁場が印加されると磁気力が働き、結果として振動体の共振周波数が変化することを利用して磁場を検出している。また、振動体の近傍に対向電極を形成しており、駆動および振動検出のために対向電極間に加える交流電圧の周波数を変化させ、かつ電極と振動体との間の静電容量変化を検出し、振動体の共振周波数を求めている。しかし、この磁気センサの分解能は20 Oeしかなく、感度が悪いという問題があった。
【0003】
そこで、この問題を解決して、より高感度化するために、圧電体からなる振動体上に磁歪膜を形成した磁気センサが研究されている(例えば、非特許文献2参照)。この磁気センサでは、磁場を印加したとき磁歪効果により磁性膜が歪み、圧電体からなる振動体の共振周波数が変化する。その振動体は圧電膜と磁歪膜とが積層構造をした構造を持ち、外部から交流磁場が印加されると、磁歪膜が磁場を受けて伸縮を繰り返し、この振動の周波数が振動体の共振周波数と合った時に、機械的な共振で振動体が大きく屈曲振動する。これに伴い圧電膜も歪み、圧電効果により電圧が発生するため、圧電膜の両面に形成した電極間の電圧として磁場を検出することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Thierry C Leichele et al., “A MICROMACHINED RESONANT MAGNETIC FIELD SENSOR”, Technical Digest of 14th IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems, 2001, p.274-277
Yinan Wang et al., “A Low-Frequency MEMS Magnetoelectric Antenna Based on Mechanical Resonance”, Micromachines, 2022, 13, 864
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献2に記載の磁気センサは、共振周波数近傍の周波数をもつ交流磁場において高い感度を有するが、低い周波数領域では感度が悪く、例えば直流磁場を検出するのが困難であるという課題があった。また、一般的に、振動型の磁気センサでも、その機械共振周波数と同じ周波数の交流磁場に高い感度を示すが、低周波数域で高感度化することが困難であり、また高感度かつ広いダイナミックレンジを有することは困難であるという課題もあった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、直流磁場および低周波磁場においても感度が高く、広いダイナミックレンジを有する磁気センサおよび磁気センサ測定回路装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る磁気センサは、磁性体を備えた振動体と、前記振動体に連結された梁と、前記磁性体の磁化を変調するために、交流電流を流すことで前記振動体の振動方向に交流磁場を印加できるように配置された1つもしくは複数のコイル状の電流線と、前記振動体を支持する支持部と、前記振動体を機械的に励振する手段とを備え、前記磁性体の磁化によって生じる磁気トルクを利用して、前記振動体の振動方向と直交する方向の外部磁場を検出するよう構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る磁気センサでは、コイル状の電流線に交流電流を流し交流磁場を発生させて、磁性体を磁化変調したとき、外部磁場が磁性体に印加されるとその磁化と外部磁場とにより磁気トルクが発生する。このとき、例えばカンチレバー状の振動体の振動方向が、磁気トルクによる機械的な励振を可能にする方向であれば、振動体が機械的に励振される。より具体的には、電流線に振動体と同じ周波数の交流電流を流した時に発生する交流磁場の、振動体の振動方向の磁場成分と、振動体が構成するカンチレバーの長手方向の磁場成分(振動体の振動方向と直交する方向)とが、振動体を振動させる磁気トルクを発生させる。本発明に係る磁気センサは、外部から磁場を加えたとき、磁性体の磁化との間の磁気力(磁気トルク)が振動を抑え込む方向であれば、振動体の見かけのばね定数は大きくなり、逆に磁気力が振動を増幅させる方向であれば、振動体の見かけのばね定数は小さくなる。このように、磁場印加によりばね定数を変化させることが可能であり、この時、機械的な共振周波数も変化する。本発明に係る磁気センサは、その共振周波数の変化、振動体の振動振幅、振動体の振動位相の変化のうちの1つ以上の物理量を用いて、高感度に外部磁場を検出することができる。
【0009】
また、本発明に係る磁気センサは、感度や帯域幅を、コイル状の電流線に流す電流の大きさによって可変であり、感度と帯域幅とをチューニングすることができる。これにより、高感度で広い帯域幅をもつ磁気計測が可能である。このように、本発明に係る磁気センサは、直流磁場および低周波磁場においても感度が高く、広いダイナミックレンジを有している。また、振動体を機械的に励振する手段を備えることで、より感度を高めることができる。
【0010】
本発明に係る磁気センサは、前記振動体を励振する手段として、静電駆動のための電極、あるいは圧電アクチュエータを備えていてもよい。これにより、逆圧電効果を利用して機械的な振動を発生させ、その振動を伝達させて振動体を励振させることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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