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公開番号2024159128
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074918
出願日2023-04-28
発明の名称自熔炉の操業方法
出願人住友金属鉱山株式会社,国立大学法人東北大学
代理人個人,個人
主分類C22B 15/00 20060101AFI20241031BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】自熔炉内でスラグ生成反応を効率よく実現できる自熔炉の操業方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る自熔炉の操業方法は、反応塔の頂部から供給された、銅精鉱及びフラックスを含む製錬原料がセトラーに向かって落下しながら反応塔内に供給される反応用気体と反応してマット及びスラグを生成する自熔炉の操業方法であって、製錬原料の組成から生成すると想定されるスラグの組成を用いて熱力学平衡計算を行い、反応塔内の、酸素分圧とスラグの液相線温度との関係を把握する工程と、酸素分圧とスラグの液相線温度の関係と、測定又は計算により得た反応塔内の1つ以上の位置における酸素分圧とから、その位置での液相線温度を算出する工程と、液相線温度よりも炉内温度が高温となっている領域内に製錬原料が流れるように製錬原料の流れを調整し、その領域において銅精鉱とフラックスとの衝突を促進する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
反応塔の頂部から供給された、銅精鉱及びフラックスを含む製錬原料が前記反応塔の下方に位置するセトラーに向かって落下しながら前記反応塔内に供給される反応用気体と反応してマット及びスラグを生成する自熔炉の操業方法であって、
前記製錬原料の組成から生成すると想定される前記スラグの組成を用いて熱力学平衡計算を行い、前記反応塔内の、酸素分圧と前記スラグの液相線温度との関係を把握する工程と、
前記酸素分圧と前記スラグの前記液相線温度の関係と、測定又は計算により得た前記反応塔内の1つ以上の位置における酸素分圧とから、前記位置での前記液相線温度を算出する工程と、
前記液相線温度よりも炉内温度が高温となっている領域内に前記製錬原料が流れるように前記製錬原料の流れを調整し、前記領域において前記銅精鉱と前記フラックスとの衝突を促進する自熔炉の操業方法。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記反応塔の側壁に通気口又は点検口を設け、
前記通気口又は前記点検口からガスを吹き込み、前記製錬原料の流れの向きを変える請求項1に記載の自熔炉の操業方法。
【請求項3】
前記反応塔の塔頂部に設けられた精鉱バーナーの先端に分散コーンを設け、
前記精鉱バーナーから噴出する前記製錬原料の流速と前記分散コーンの角度を調整して、前記製錬原料の前記反応塔内への分散具合を調整し、前記製錬原料の流れの向きを変える請求項1に記載の自熔炉の操業方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自熔炉の操業方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
硫化銅精鉱(銅精鉱)は、粉状の固体硫化物等であり、製錬炉の一つである自熔製錬炉(以下、自熔炉)に製錬原料として供給されることで、主にマット及びスラグの2種類の溶体を生成して分離される。
【0003】
自熔炉では、銅精鉱と、二酸化ケイ素を含む珪砂と、重油等の補助燃料が、反応塔(反応シャフト)の頂部に設けられた精鉱バーナーより別途配送される酸素富化空気等の反応用気体と共に反応シャフト内に吹き込まれる。反応シャフト内では、銅精鉱が反応用気体と反応して2種類の溶体(マット及びスラグ)を生成し、マット及びスラグは液滴の状態で反応シャフト内を落下してセトラーで回収される。セトラー内では、マット及びスラグがこれらの比重差によって層状に分離してマット層及びスラグ層がセトラーの底部側からこの順に形成される。
【0004】
セトラーでマットとスラグを良好に分離するためには、スラグの流動性を高くし、マットの沈降を促進することが必要であるが、銅精鉱のみで最適なスラグ組成を得ることは困難である。
【0005】
そこで、例えば、自熔炉において、銅精鉱からマットを加工する際に、銅精鉱と共に、珪石、石灰石、鉄鉱石等のフラックスを溶材として添加し、共晶組成を利用することで、酸化物融点よりも低い温度でスラグを得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、特許文献1では、反応シャフトの側壁に反応用気体を吹き込むための送風ノズルを設置し、反応シャフト内で、銅精鉱、フラックス及び反応用気体を均一に混合し、製錬原料を反応させるようにしている。
【0007】
反応シャフト内で銅精鉱及びフラックスの混合を促進する他の方法として、例えば、精鉱バーナーの補助燃料バーナーに分散コーンを設ける方法がある。また、精鉱分散調整器を上下動可能に嵌装し、精鉱分散調整器に接続された吊りボルトを上下動して精鉱分散調整器の高さ位置を変えることで、反応用ガスの風速を調整し、製錬原料を燃焼させる方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第5500115号公報
特開2002-60859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1及び2には、反応シャフト内でスラグを早期に得るための具体的な方法は開示されていない。特許文献1及び2の方法では、反応シャフト内でスラグを十分に生成できず、銅精鉱及びフラックスが未反応のままセトラーに到達する可能性がある。自熔炉において、銅精鉱からマットを生成する工程では、反応シャフト内で銅精鉱とフラックスの反応を効率よく実現し、スラグをできるだけ早期に得ることが望ましい。
【0010】
本発明の一態様は、自熔炉内でスラグ生成反応を効率よく実現できる自熔炉の操業方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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